西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
きりこは黒猫・ラムセス2世と出会い、強い絆で結ばれ寄り添いながら生きていくことになります。
ある日好きな男の子からの心無い言葉にショックを受け、自分の殻に閉じ込もってしまったきりこ。そんな彼女があることを切っ掛けに、少しずつ「自分」を取り戻し、人と関わりながら成長していきます。
きりこと出会ってからの日々や人間社会を、猫のラムセスの目線を通して描かれています。
どんなに親に愛され可愛いと言われても、社会に出れば他者の視線や劣等感などにとらわれ、自尊心や自信を失ってしまうことがある。
自分の気持ちや意思とは関係なく、周りの人や社会に思考や行動を縛られていることってすごく多いなと改めて感じました。
ラムセスのきりこへの愛情に満ちた温かな眼差しを感じながら、猫目線の人間社会分析にクスッとなることもあれば、鋭い考察もあってなかなかに深い。
誰に何を言われても、「好きなものは好き」。それを貫けることって実はすごいことだと思う。
好きなものを好きでい続けるって、意外と難しい。
作中で、周りに何を言われても毅然と振る舞うちせちゃんが格好良かった!
自分らしくいること、何かを「好き」でいられること、自分を好きでいられる生き方ができる幸せを噛みしめていました。
強いメッセージ性を感じる作品。
読んで良かったです。
以下の言葉、お守りにしたい。
『「自分」の欲求に、従うこと。思うように生きること。誰かに「おかしい」といわれても、「誰か」は「自分」ではないのだから、気にしないこと。』
『自分のしたいことを、叶えてあげるんは、自分しかおらん。』
『自分の胸の痛みは、自分にしか分からない。自分以外に、自分を上手に慰めてあげられる人はおらんのや』
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Posted by ブクログ
「俺」と、高校の頃に出会った、外国の俳優に似ている「アキ」の物語
主人公の「俺」は最後まで名前が出てこなかった よね?
深沢暁(アキ)は、アキ・マケライネンに似ている事を指摘されてから、その俳優の人生と同化するように生きる存在
日本における貧困を描いているのだろうな
アキの方はもちろん、「俺」の方も
そして、貧困やその他の問題で困っていたとしても、「恥」による声の上げ辛さとか
巻末の著者と小泉今日子の対談で、やっとこの小説の描こうとしたものが理解できた気がする
ただ、私の好みではない
読んでいて楽しいものではないし
共感できなくはないけど、主人公たちの思考があまり寄り添いにくい考えの人達だった
西加奈子の作品はいくつか読んでる
「さくら」「白いしるし」「漁港の肉子ちゃん」「ふくわらい」「サラバ!」など
どれもこれも、今作と同様に読んでいて思考に寄り添いにくい登場人物の物語が多い印象
あと、主人公二人の周囲からの接し方が辛い
アキの劇団での扱いは完全にやりがいの搾取だし、最終的には主宰の勝手な思い込みでレッテルを貼られて排除されるわけだし
何とも釈然としないものを感じる
「俺」の方も映像業界のブラックさをひしひしと感じる
「イマジン?」(有川浩)でも映像業界のADという仕事について書かれてあるけど、あっちは有川浩だけあってブラックな側面をとてもマイルドに表現している
テレビ業界って、そんなに魅力だろうか?
今なら、他の方法でも「俺」が大学卒業のときに思ったやりたかった事は出来そうな気がする
その辺の思考停止の様も含めて読んでいて辛かったなぁ
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15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家 庭で育った「俺」と、 母親にネグレクトされていた吃音のアキは、 共有できる ことなんて何一つないのに、 互いにかけがえのない存在になっていった。 大学卒業後、 「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。 しかし、 焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、 俺たちは少しずつ、 心も身体 も、 壊していった......。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描 きながら、 人間の哀しさや弱さ、 そして生きていくことの奇跡を描く。
本書は著者が初めて、 日本の若者の生きていく上でのしんどさに真正面から取り組んだ作品。
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Posted by ブクログ
西加奈子作品は、同じ出来事でも人生や時間軸が違えばまったく別の意味を持つのだと感じさせてくれるものが多い。本作もそれを教えてくれる一冊。
個人的には『みどり』の方が好みだったけれど、『あか』も素晴らしかった。少し生々しい部分もあるけれど、人の愚かさや醜さがある意味正直に描かれていて、そこから目を逸らさないところが印象に残る。プロレス愛もすごく、自分は詳しくないけれど、その熱量はしっかり伝わってきた。笑
色々あるけれど、結局そこに道があって、人は前に進みながら生きていくのだと思わされる。その過程にある多様な感情や物語を表現できるところが本当にすごい。あとがきに書かれていた、西加奈子の本のあり方についての考えも好きだった。
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