西加奈子のレビュー一覧
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スナックのチーフをしている若い女と「ライト兄弟」という100均の商品を作る工場勤めの男の話が交互に描かれる。若い女は同棲していた彼氏がニューヨークへ行き、「私たちは別れたわけではない」と日々呪文のように唱えながら、彼氏に哀れんでもらうために、クソのようなスナックで、泥のように生きている。
男は、若いときに結婚していたものの、その連れ子に愛情表現ができなくて、必要最低限以外の人間関係を避けて 生きている。二人に接点はなく、それぞれ話は進んでいく。どちらの回りにも、個性的な人がいて、スナックのママだったり、行きつけの店の大将だったり。通天閣の下で、生きている。夢がなくてもきらきら輝いてなくてもみん -
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ネタバレ私、若くないけど飴噛むよなー。しかも5秒くらいで。と思いながら読み始めました。
難しいなー。というのが正直な感想。
書く西さんも手探りだったけど読んでる私も手探りでした。着地点がなかなかみつからなくて。
でもあとがきを読んで西さんの思いがやっと、というかちゃんと伝わってきたのはやっぱり私が女だからかなー。
「全部が自分であり、自分は全部の一部に過ぎない」という言葉がすごく印象的。
そういえば荒川先生の「あるいは"全"あるいは"一"」と意味同じっぽいよなー。なんてことを思いつつ、西さんの描いた「いのち」に引き込まれた私なのでした。
人と人との出 -
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あなたは「通天閣」を知っているでしょうか?
1956年に竣工し、年間に100万人以上もの人々が訪れる大阪のシンボルとも言えるその建物。バベルの塔に象徴されるように、人は天に向かって高く伸びていく建物に心動かされるものがあります。私たちは、そんな建物を見上げます。しかし、建物から見れば、足元の街のあちこちに、自分の姿を見上げる人の姿を見続けていることになります。見上げ見下ろす、というそんな対になる関係の中で、人はそんな建物にどこか特別な感情を抱いていくのかもしれません。そして、そんな天に向かう建物の中でも大阪に暮らす人たちにとって「通天閣」とは、特別な意味を持つ建物のようです。
『鉄骨むき -
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ネタバレ
あおいも良かったけど、サムの方が好き。社会からはぐれかけた、属することができない人たちの集まりなので、そのコミュニティでさえ曖昧な形だけど、似た者同士特有の居心地の良さで成り立っている。なんでここにいるんだろう?とみんなから思われていたサムが、実は一番そのコミュニティに自分の居場所を求めていた。仲間内では誰より、社会的に、また精神的に自立しているように見えていたサムも、結局は社会から孤立した存在だったということが最後にわかる。そして、そのことに彼が孤独や劣等感を感じていたということも。だからこそサムは、馴染めない世の中も、そこに加われない自分自身をも肯定も否定もしない友達たちに憧れ、仲間にな -
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西加奈子さん。関西弁で進んでいくお話なので、はじめ読み進めているときは読めないような気がしていたんですが、関西弁のひらがなの多さがとても良かったです。
作中にでてくるおばあちゃんが、説明しにくいけどとても不思議な力とか雰囲気とかをもっている人で、そういう人っているよなあと思うんですが、なんだかそうじゃないわたしたちってどうやって生きていったらいいかなあと少し途方にくれてしまったような気がします。
西加奈子さんの小説、すごく好きなのだけれど、終わり方がいつもなんだか気に食わない。終わらないでほしいと思っているからかもしれないけど、終わらせにいってしまっている感じがする。 -
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ネタバレ先日「G SPIRITS SPECIAL EDITION vol.1
アントニオ猪木」を入手。10年前のMOOKで、これに
ついては改めてちゃんと書きたいのだが、その中に今や
直木賞作家となった西加奈子のインタビューが掲載され
ていた。西加奈子がプロレス好き、というのは周知の事
実なのだけど、何故に世代の全く違う猪木のMOOKに彼
女が・・・?
・・・インタビューを読み込み、その後すぐに2冊の本を
注文。そのうちの1冊がこちらの作品となる。
大阪の下町を舞台としたヒューマンドラマ。
裕福では無いが、何故だか近所の人が集まりがちな家に
住む中学生女子が主人公。祖母・母・叔母・イトコに加
え
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