西加奈子のレビュー一覧
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ネタバレ西さんらしさと、らしくなさが混在した一冊。
関西弁の登場人物や“自意識"についての描写が多いのは通常運転だったけど、文体が普段よりなんとなく暗く、最初は(アレ、これ西さんの作品だよな?)と表紙を見返すということを2回ほど繰り返した。
他の人のレビューを読むと評価は様々だったけど、私はすごく好きで、星5とかなり迷うくらいだった。
ちょっとイタい男、吉田と両目の大きさが極端に違い、不思議な魅力を持つみさをは、お互いが2人の関係を一過性のものと考えているのが、切なくもなんとなくわかるし、つい応援したくなった。
不恰好でイビツだけど、真っ直ぐな2人の関係は美しかった。
みさをの目に関し -
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スナックのチーフをしている若い女と「ライト兄弟」という100均の商品を作る工場勤めの男の話が交互に描かれる。若い女は同棲していた彼氏がニューヨークへ行き、「私たちは別れたわけではない」と日々呪文のように唱えながら、彼氏に哀れんでもらうために、クソのようなスナックで、泥のように生きている。
男は、若いときに結婚していたものの、その連れ子に愛情表現ができなくて、必要最低限以外の人間関係を避けて 生きている。二人に接点はなく、それぞれ話は進んでいく。どちらの回りにも、個性的な人がいて、スナックのママだったり、行きつけの店の大将だったり。通天閣の下で、生きている。夢がなくてもきらきら輝いてなくてもみん -
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ネタバレ私、若くないけど飴噛むよなー。しかも5秒くらいで。と思いながら読み始めました。
難しいなー。というのが正直な感想。
書く西さんも手探りだったけど読んでる私も手探りでした。着地点がなかなかみつからなくて。
でもあとがきを読んで西さんの思いがやっと、というかちゃんと伝わってきたのはやっぱり私が女だからかなー。
「全部が自分であり、自分は全部の一部に過ぎない」という言葉がすごく印象的。
そういえば荒川先生の「あるいは"全"あるいは"一"」と意味同じっぽいよなー。なんてことを思いつつ、西さんの描いた「いのち」に引き込まれた私なのでした。
人と人との出 -
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あなたは「通天閣」を知っているでしょうか?
1956年に竣工し、年間に100万人以上もの人々が訪れる大阪のシンボルとも言えるその建物。バベルの塔に象徴されるように、人は天に向かって高く伸びていく建物に心動かされるものがあります。私たちは、そんな建物を見上げます。しかし、建物から見れば、足元の街のあちこちに、自分の姿を見上げる人の姿を見続けていることになります。見上げ見下ろす、というそんな対になる関係の中で、人はそんな建物にどこか特別な感情を抱いていくのかもしれません。そして、そんな天に向かう建物の中でも大阪に暮らす人たちにとって「通天閣」とは、特別な意味を持つ建物のようです。
『鉄骨むき -
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ネタバレ
あおいも良かったけど、サムの方が好き。社会からはぐれかけた、属することができない人たちの集まりなので、そのコミュニティでさえ曖昧な形だけど、似た者同士特有の居心地の良さで成り立っている。なんでここにいるんだろう?とみんなから思われていたサムが、実は一番そのコミュニティに自分の居場所を求めていた。仲間内では誰より、社会的に、また精神的に自立しているように見えていたサムも、結局は社会から孤立した存在だったということが最後にわかる。そして、そのことに彼が孤独や劣等感を感じていたということも。だからこそサムは、馴染めない世の中も、そこに加われない自分自身をも肯定も否定もしない友達たちに憧れ、仲間にな -
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