あらすじ
北の港町。焼肉屋で働いている肉子ちゃんは、太っていてとても明るい。キクりんは、そんなお母さんが最近恥ずかしい。肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描いた、勇気をくれる傑作。
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Posted by ブクログ
2025.10.3
後半に向かうに連れ物語が盛り上がってくる、西加奈子さんスタイル。この本も同様で最後はのめり込んで読んでしまいました。またあとがき書いてある、この本の舞台は石巻という点。なんか勝手に運命を感じてジーン…ときました。
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漁港の肉子ちゃんのアニメ映画が大大大好きで当時映画館は勿論Blu-rayも買って何度も何度も観てきたけど、小説は初!
期待以上だった…!
アニメを観ているからこそ分かる良さというか(普通は逆な気がするけどw)、キクりんがちょっと恋に落ちたり、二宮の変顔はもっと強烈だったり(人のほっぺ舐めるなよ気持ち悪いw)、小説にしかないストーリーも読めてよかった。
肉子ちゃんは偉大な人だなぁ
友達か身内に欲しい笑
人を絶対に否定せずどんな状況も受け入れる、底抜けに明るい肉子ちゃん。内面でみんな惹かれていくんだろうな。
彼女はどこに行っても楽しく逞しく暮らしていける気がする。
欲が渦巻いているのこの世界で、肉子ちゃんは人生に多くを求めず、側にいるだけでほっと安心できる存在なんだろうな。
一読者の私ですら肉子ちゃんの存在で気持ちが和んだよ。
キクりんはいい子だなぁ
肉子ちゃんといいバランスでこれからも上手くやっていけそう。
そしてサッサンの終盤の明言!
あれはアニメ映画で見ると絶対に泣くシーンなんだけど、小説でも変わらずほんとにいいこと言うなぁと。
恥とか迷惑とか深く考えずに人生を思いっきり過ごしなさいという年長者からのメッセージ、刺さりますな。
読んでよかったと心底思えた一冊✨️
またアニメ映画も観よっと。
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波瀾万丈な人生を送ってきたにも関わらずいつでも元気にしている肉子ちゃん。
恋愛は散々だったけれど肉子ちゃんの周りには自然と人も笑顔も溢れている。
こんな人になりたかった。人の悪意を悪意と思わず素直に受け止められる。人の不幸を自分が被ることになっても、弱音を吐かない。弱音を吐かないことが良いことなのではなく、辛く感じないところが素敵だ。単にシングルマザーの日常ではない。肉子ちゃんは、強く優しく、本当に存在するなら自分も肉子ちゃんの近くで笑っていたいと思った。西加奈子の他の作品も読んでみたいな。
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めっちゃ西加奈子!な小説。
みんな違う境遇の中で、それぞれ何かを抱えながら、必死に生きているんだよなぁ、という想いを見事に代弁してくれる。
あのパッと明るい肉子ちゃんの溌剌とした生き様に勇気をもらう。
子どもと大人と何が違うんだろう。結局違わなくて、みんな自分の中の子どもの部分と、周りとの関係性と戦ってるんだろうと思う。
肉子ちゃんの大阪弁の明るさとサッサンの石巻弁の暖かさがたまらなく心に沁みる。
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あとがきの、私たちはいつかいなくなる。「ここにいたこと」を残すために小説をかく。がとても印象的。肉子ちゃんのピュアな感じはさすがに共感はうまれないほどぶっ飛んでるけど代わりに憧れはあるし、キクりんはこの思考私に似ているかもと女性なら誰にでも部分的に既視感を覚える感覚がありそうなリアルさがあるし、そんな対極な2人が親子として描かれるのも、ちゃんと愛を持ってつながってるのもいい。
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似ていると言っていいかわからないけど、キクりんの思考は自分にはすごく理解できた。
肉子ちゃんがダサいとか、何で空気とか人の顔色読めないのとイライラしたりしながらも、そんな風に生きられる肉子ちゃんが、死ぬほど羨ましいし大好きなんだと思う。
目の前の人や出来事をまっすぐに受け止めて、信じて、愛する人こういう人になれたら。
入院したキクりんにかけるマッサンの辺りから涙が止まらなかった。愛のある人には愛が集まるのだと思う。
あとがきと解説も良かった。西さんのお話をまた読みたいと思いました。
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自分らしく生きたり、他の人と違ったり自分の変な部分を肯定できるような物語だった。
綺麗な容姿とは言えないけど、その明るさと元気さと素直さで愛される肉子ちゃん、こんな登場人物に初めて出会えたし、物語を通してずっと元気をもらえた。
小学生のキクリンの視点を通して、友達の取り合いや、中心人物の入れ替わりとか、子供時代ならではの不安定な人間関係を思い出した。
小学生の人間関係が一番難しくて、その中で悩んで器用に生きれるようになるんだな。
でも、その器用さに頼るよりも、肉子ちゃんのようなありのままの自分で人とぶつかれるような、そういう心を取り戻したいと思った。
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西加奈子の漁港の肉子ちゃんを読みました。
キクりんは小学4年生、何人もの男に騙されて苦労している肉子ちゃんと北国の漁港で暮らしています。
肉子ちゃんは太っていて不細工だけど底抜けに明るい、そんなお母さんをキクりんは大好きだけどちょっとはずかしい。
キクりんと小学校の友達、そして漁港の大人たちとの暖かい交流が描かれます。
ところで肉子ちゃんの本当の名前は菊子ちゃん、キクりんは喜久子ちゃん、親子なのに読みが同じなのは変だなあ、と思っていたらちゃんと種明かしされていました。
読んだ後にほっこりする物語でした。
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肉子ちゃんの人柄は憎めない。自分の近くにいたら思わず振り回されそうなありのままの性格の肉子ちゃんだけど、キラキラしてて素敵。
カンコちゃん視点の話は切なかった。
初めての西加奈子さんの作品、港町や人の情景も思い浮かんで読みやすかった。
設定が本当面白い。西加奈子さんの本はキャラクターや人間関係が、並みを外れていて読み手をぐっと引き付ける気がする。
肉子ちゃん、いつまででも純粋で優しくて愛らしくて素敵な女性。自身にはないものをたくさん持っていて憧れる。
アニメもあるみたいなので、観てみたい。
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読み始めは、なんかちょっとなぁ…と思っていたけど、
進めていくうちに、心が柔らかくほぐれていくような気分に。
肉子ちゃんは、相当変わってるし、ある意味強烈だなと感じたが、そこが彼女の良い所でもある。
個人的にはキクりんの葛藤や様々な問題に対する思いが、心に深く残った。
一人ひとりを丁寧に描いているところも、著者の魅力だなと感じた。
読んでよかった。なごむし、良いです。
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娘目線からのストーリー展開で、お母さんはだらしないし、騙されるし、欠点だらけなんだけど、それらを踏まえて愛情たっぷりの物語に、読み終わった後ジーンとしてしまいました。
自分の母親が肉子ちゃんだったら、絶対に嫌です 笑
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肉子ちゃんについてのコミカルな話なのかと思っていたら、思春期の女の子と漁港で暮らす人々のとても素敵な話だった。
うをがしのサッサンと二宮くんが良いなぁ。
アニメで映画化されてるけれど、実写で連ドラやって欲しいなぁ。
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本を読んでから映画を観ようと思っていましたが、映画を観た上で本を読みました。
小学生のキクりんは「人の気持ちを想像して遠慮する」大人らしい性格の女の子ですが、キクりんの過去があるからこそ今の性格を作っているのだと思うと、胸がきゅっとなりました。
肉子ちゃんは常に自分の気持ちに正直で、思ったこと・感じたことを素直に言葉に出す子供っぽい一面を持っており、2人が対照的に描かれているのが面白かったです。
キクりんが入院した時、サッサンがかけた言葉がすごく心にしみました。久しぶりに小説でうるっときました。
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肉子ちゃん とキクリンの話
肉子ちゃんは鈍感で全部人の言うこと信じて 単純で正直で優しくて
思春期のキクリンの気持ち察することなんてできない
優しくて人の気を遣ってばかりのキクリンは肉子ちゃんにも本音を言えない
でも だんだんと大人になっていく中で自分の思っていることを相手に伝えられたり
強くなっている
いつも悪者にならないように 人に言わせるように仕向けたり 中立を保っていたり
逃げていたと
そんな忖度とか何も考えずにいる神様のような肉子ちゃんは誰からも好かれていて 疎ましく思ってしまうこともあったり
人の優しさや 温かさ ぬくもりを感じる小説
気取らずに ありのままで生きるのは難しいけれども
肉子ちゃんのように 少しでも自分の弱みを外に出せたり正直に生きていられたら楽になりそうだなと思った
Posted by ブクログ
肉子ちゃんのように自分の気持ちにまっすぐにありのままで生きるなんてそうできることじゃない。
ありのままを出したら大抵の人は自分の黒い部分が出てきちゃったりするだろうし、人からどう見られるかを気にして取り繕ってしまう。肉子ちゃんはありのままの心がきれいな人だからなぁ〜
「ちゃんとした大人なんて一人もいない」っていうサッサンの言葉は元気がでるな〜
Posted by ブクログ
男に騙され続け、とある港町に流れ着いた母・肉子ちゃんと娘・キクりん。肉子ちゃんは、あだ名の通り、太っていて不細工だけど、とにかく明るい。
小学5年生のキクりんは、そんな母親が少し恥ずかしい。そんなキクりんの視点から、懸命に生きる肉子ちゃんと、クラスメートをはじめ様々な人々との触れ合いを描いた作品。軽いタッチで書かれているので、読みやすい。
Posted by ブクログ
クズ男達にふりまわされる母・肉子ちゃん。
本当は菊子という名前だけど、太っていて焼肉屋で働いているから肉子と呼ばれている。
その娘・喜久子。
肉子ちゃんのズレたところや足りないところに、最初は読んでいてイライラしたけど、何があっても誰に対しても明るく優しい肉子ちゃんに、次第に尊敬の気持ちすらわくようになった。
肉子ちゃん、喜久子の出生についてもきちんと守っているのだから、決してただのおバカではない。
喜久子のクラスメイト女子間のいざこざ、リアルで、それが一番読んでてヒリヒリしたわ・・・。
生きている限り人に迷惑かけることを怖がるなって、いい説教だよね。
Posted by ブクログ
肉子ちゃん大好き!
なんて温かい人なんだろう!!
キクりんもサッサンも愛情深いのは、
肉子ちゃんの影響もあるかな。
肉子ちゃんのように
思いやりに溢れて、人には優しく、
自分軸は忘れずに、他人の目を気にしないで生きられたらいいな。
この本を読んですごく元気が出た。
Posted by ブクログ
泣きたい時に。
ハートウォーミングな物語です。
漁港で暮らす、明るくパワフルな肉子ちゃん。
太っていて、ダサい服で、貧乏で、騙されやすい。
なかなか大変な人生を実は生きている。
でも、天真爛漫。
冷静だが繊細なキクりんは、そんな母のことがちょっと、うっとうしい。でも‥
女の子の気持ちの動きがいとおしい。
予想を超える怒涛の展開。
元気をもらえます☆
Posted by ブクログ
肉子ちゃん最高。自分のおかあさんだったら少し恥ずかしいかもと最初こそ思ってしまったものの、話が進むにつれ、肉子ちゃんの愛らしさ、暑苦しいほどの究極のやさしさに理想のお母さんはきっとこんなお母さんだなとうらやましくなった。最後に肉子ちゃんが泣きながら、「わたし」を引き取り、どんな思いで育ててくれたのかを語るところは本当に涙が止まらなかった。
明石家さんまさん監督でアニメにて映画化されたことでも有名で
そちらも絵も含めてとてもよかったです。
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肉子ちゃんの絶対的な存在に終始とても安心しました。波乱万丈な過去がありながら、誰に対しても一貫して優しい。いい意味でも悪い意味でも人を惹きつける魅力がありました。
他人の繊細な心の変化に気づかなくても、デリカシーが無いわけではなく、感謝や思いやりがあって、他人の気持ちに本人以上の移入をしたり共感できる人間性がとても良かったです。
Posted by ブクログ
肉子ちゃん 一応、子どもであるキクりんの視点で書かれてはいるけれども、小学校高学年の子でこういう子いるかなぁ?なんていう疑問も、読み進めるうちに納得してしまう不思議な力。
肉子ちゃんという、今なら境界の人なんだろうなぁ、と思わせる、朗らかで純真でお人よしな人と暮らしていると、大人びざるを得ないだろう。
みんなみんな幸せになれー!っという気持ちになれました。
Posted by ブクログ
同じ「キクコ」という名前の親子なんてあるのか…?と違和感を感じながら読んでいましたが、その違和感には「家族」以上の深い結びつきがあることが分かってホロリとしました…。「肉子ちゃん」「キクりん」とお互いを呼び合う2人の関係は親子というより友達同士のようで、底抜けに明るい肉子ちゃんの性格がより際立っていたと思います。血の繋がりはなくても、肉子ちゃんとキクりんは本当の親子以上にお互いをとても大切に思っていることが伝わってきて温かい気持ちになりました。
Posted by ブクログ
ブックホテルで選書してもらった本。
話は肉子ちゃんの娘の、きくりん目線で進むのですが、この小学生の時期のちょっと微妙な関係性とか、日常に溢れる細かな描写がよかった。女子ならではの、グループとかあるあるよね〜。
きくりんは大人で賢くてでも子供で、可愛い。
読み始め、肉子ちゃんがとにかく明るく朗らかで、あまりにもバカすぎてあんまり入り込めないな〜と思ってたけど最後まで読んだらグッと来て泣いてしまった。
ここまで素直に愛情を持って、悪意がなく生きていくことができるのか。無償の愛ってこういうことなのかな。「家族」のありかた、「親子の愛」とか、色々考えて、子供に会いたい‥!と思った本でした。
Posted by ブクログ
とにかく肉子ちゃんのキャラが強烈で印象に残った。何があっても気にせず笑い飛ばす、超ポジティブなキャラに勇気づけられる。どんな作品でも、これ以上のポジティブキャラは見たことがない。
喋り方も豪快で、語尾のほとんどに「!」「!?」がついてて、台詞だけ見ると子供みたいで、とても38歳には見えない笑
そんな肉子ちゃんの言い回しに対して、心の中でツッコミまくるキクりんの台詞にもクスッとさせられる。
不細工で太ってて、見た目的には劣等感を感じてもおかしくないはずなのに、そんなことは微塵も感じさせない。彼女がいたらネガティブオーラが吹っ飛んで場が明るくなるし、漁港のみんなが彼女を愛する理由にも納得できる。
糞男たちに何度も騙され借金を背負わされてきた、肉子ちゃんの過去は悲惨だ。それでもめげずに愚痴もこぼさず、せっせと働いて金貯めて借金を返済までしちゃう。
俺だったら、元恋人の残した借金のために働くなんて無理だなぁ。どんな苦境でも愚痴をこぼさず、行動する精神力は見習いたい。
終盤キクりんが肉子ちゃんの実の娘ではなかった、と明かされるのは衝撃を受けた。たしかに、肉子ちゃんは不細工なのにキクりんは可愛いから、見た目似てないなーとは思ってたけど伏線だったとは。それに父親の話が一切出ないのも違和感あったわ。
さいご肉子ちゃんがキクりんに、「金持ちと結婚したキクりんの本当の親の元に行くか」、「不細工で貧乏な暮らしの肉子ちゃんと暮らすか」、キクりんに選択を迫った際、キクりんが躊躇なく肉子ちゃんを選んだのには感動した。親子になるのに、血の繋がりなんて関係ないと思わされた場面だ。
総評
肉子ちゃんの超楽観的なキャラに終始圧倒され、キクりんとの漫才のような会話劇が面白い。
キクりんの出生が明らかになる終盤では、血の繋がらない肉子ちゃんとの絆が深まるシーンで胸が熱くなった。
Posted by ブクログ
肉子ちゃん、あまりにも良い人すぎる。良い人だけどダサい人を小学生にして認められる主人公も大人だし偉い。絶対小学生だったら恥ずかしくてもっと強く当たってしまう。
実の母親はノイローゼで逃げるとこまでは良いとしてその後帰らずに結婚して子どもまで作ってるの結構最低だなと思うけど、野暮か。
三つ子の老人とかカンコちゃんとかキクリンが見ている世界の登場人物たちが良い味出してた。昔人気だった水族館のペンギンのヤサグレた姿なんて最高だ。
西さんの後書きも良かったな。