• 線は、僕を描く

    サクッと読めて、充足感◎

    恩田陸の『蜜蜂と遠雷』が好きな人は、多分好きだと思う。
    読むだけで、実物を鑑賞していなくても、ここまで芸術の美しさで心が満たされるとは。なんなら、芸術が分かる人の視点だからこそ、より高度な悦びにひたれるまである。

    少年が悩みながらも己の感性に導かれて自分の意思を超えて突っ走っていく姿は、疾走感があってぐいぐい引き込まれる。
    とにかく面白かった!

    #アツい #癒やされる #エモい

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  • OFF AIR(3)~イエスかノーか半分か~

    安定に良き

    最初にこのシリーズを読んだ時は二重人格の計に、やけに包み込む潮のキャラ設定を、現実には存在しないファンタジー的存在として受け入れていた。リアリティのあるBLが好きな人間にとっては、あまりBLの醍醐味がないなとまで思っていた。
    しかし、2巻、3巻、スピンオフと読み進めているうちにそれぞれのキャラクターがどんどん深まっていき、気がついたらこのシリーズを全部読み切っていた…!
    そして、この物語に出てくる人たちは、私の生活のなかでどこかに存在してくれていてくれて、ただ存在してくれているだけでひっそりと私を支えてくれるものになった。
    素敵な作品に出会えて嬉しい。そして、今後も計にはがむしゃらに頑張って欲...続きを読む

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  • サラバ 上・中・下巻 合本版

    感想

    自分の信じるものを他人に決めさせてはいけない。
    働き始めて、働くことも遊ぶことともただ生活をすることもあるべき姿におさまるために「すべきこと」として苦しくなっている今、この本を読み終わってもまだ苦しいままだった。なんだよ、結局「良い道」を歩いていくのか。とも思うし、なんだかんだ救われないまま終わるんじゃなくて前を向いてくれてよかったとも思う。
    事実の羅列形式の文章に何回か挫けそうになったけど、ただの事実、つまり、けっして「あるべき姿」じゃない日々の積み重ねにも意味を見出すことができれば、もっと楽になるのかもしれない。いや、楽になりたいと思うことも「あるべき姿」を目指している…?

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  • 開かれたとびら  小説現代特集アンソロジー

    やっぱり凪良ゆうは良い

    初めて文芸雑誌のようなものを読んだ。
    凪良ゆうが好きすぎるのもあるし、何よりもBL作家による非BL作品の特集というのに惹かれた。

    BL作家に「普通」から少し外れてしまった息苦しさに寄り添っているのがいい。
    半沢直樹のような、分かりやすい苦しさではなくて(そういった作品も面白いんだけど)、幸せに生きているはずなのにどうしてだか感じてしまう息苦しさを丁寧に掬い取って、少しの希望を見せてくれるようなそんな世界観が本当に好き。

    凪良ゆう「汝、星のごとく」は、やっぱり凪良ゆうの書く小説に共通する苦しさと暖かさがあって良かった。
    毎日のように後編まだかなと待ち望んで、先日やっと後編が出たから早く読みた...続きを読む

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  • パリピ孔明(1)

    ぶっ飛んだ設定&知的な面白さ

    「マンガで分かる兵法」みたいなやつを、もっと面白く、ストーリー重視にした感じ。
    転生もので諸葛亮(孔明)が現代日本に転生するありえない設定の話だけど、意外と馴染んでいてすんなりと読める(ちょっとテルマエ・ロマエに似てる)。
    漫画の構成とか、絵のうまさとかも良くて、2巻目以降どう展開していくのか楽しみ(*´-`)

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