西加奈子のレビュー一覧

  • 円卓

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    こっことぽっさん、2人の絆が良かった。
    作品全体が発する文章のリズムも秀逸。
    西加奈子は直木賞作家だが、芥川賞的でもある。

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    2023年01月07日
  • 円卓

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    スクールカウンセラーからのおすすめで、手に取る。
    西加奈子ファンは周囲に多いけど、私自身は今回はじめて読んだ。
    とても良かった。
    題材と文体がぴたりと噛み合っている。

    舞台は90年代の関西かと思いきや、意外と2010年代らしくてビックリ。

    西加奈子は、私には、柚木麻子、原田マハなど近年の実力あるエンタメ作家たちと同じにおいがした。
    びしっと言っている。生きにくいけど私は私が好きと。アホだけどあなたたちは素敵だと。
    肯定感に溢れていて、元気になれる本を作ってくれる人なんだろう。
    またこの作家を読んでみたいと思った。

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    2023年01月06日
  • ふくわらい

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    ネタバレ

    文庫版あとがきにも記載があったが、物語としておもしろい作品であると思う。どういうシーンであれ心が意図せずに動かされるのは、快不快どちらであっても読書体験としては良いものと感じた。カフェでの発言であったり、旅先での出来事、血みどろの守口など、ちょっとな…と思いつつ、生きていることを体験できているというか、西さんに体験させられているというか、揺さぶられる物語であった。主人公の定が何事も受容していく姿勢であるのが、読書と同じ目線に見えるのかもしれない。上手いとか下手とかじゃなく圧倒された気がする。守口みたいな人には会ったことないけど、ことばの紡ぎ方に独特の雰囲気が出せることが素晴らしいと思った。

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    2023年01月02日
  • こうふく みどりの

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    不思議な満ち足りた幸福感に溢れている作品だなとかんじた。恋愛の描写に長けていて時折挟んであるサイドストーリーに興味をそそられた。無償の愛とはこのようなものなのだなと感じた。

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    2022年12月17日
  • 通天閣

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    2人の登場人物の視点から、交互に物語が展開していく。最近の小説に多用されているパターン。
    40歳台独身で工場勤務の男性と、20歳代で恋人と遠距離恋愛をする女性。
    自分が大阪で生まれ育ったので、登場する大阪弁が親しみを産み、楽しく読み進めることができた。
    自分のことで精いっぱいで、思い通りにいかず、満たされることのない数々の人生を描いていて、自分に重なるところがあって興味深かった。

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    2022年12月16日
  • 通天閣

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    どうしようもない人達だなと穿った見方をしそうになるが、それぞれの人生であり他人がどうこうつけ入る必要なんてないなと思わされた。特にジジイの存在が良いなと思った。

    通天閣にしか醸し出せないあのチープさというか生々しさがあいまってよかった。

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    2022年12月12日
  • さくら

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    文書からさくらの可愛さが伝わってくるのはすごい。
    自分の家に犬がいたことは無いけど、いたら癒しにもなるし和むと思う。

    比喩表現が多くて読みにくいと感じる人もいるかもしれないけど、1つ1つがとても繊細で丁寧で発送が素晴らしい。

    気持ちを伝えること、今までの日常がなくなること、
    それは自分に置き換えてもいつ来るか分からない。

    とてもいい兄弟、家族だった。

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    2023年11月21日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    ずっと浸っていたい世界観だった。たぶん何度か読み返す作品になると思うし、その時はもっとこの小説への依存度が高くなっている予感がする。プロットもギミックも凄いが、そんな事がどうでもよくなるほど、全体のトーンが無駄なく美しい。

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    2022年11月30日
  • 炎上する君

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    短編あまり好きじゃなかったけど、斜め上からくる展開が面白かった。お尻モデルのお話がお気に入り。お尻と自分のアイデンティティ、難しい。

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    2022年11月29日
  • ふくわらい

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    定さんの仕事や人に対する接し方がすてきです。仕事に取り組むこと、人と話すこと、定さんのやり方で向き合う姿に、定さんが現れていて、それはとても魅力的でした。

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    2022年11月29日
  • サラバ 上・中・下巻 合本版

    ネタバレ 購入済み

    感想

    自分の信じるものを他人に決めさせてはいけない。
    働き始めて、働くことも遊ぶことともただ生活をすることもあるべき姿におさまるために「すべきこと」として苦しくなっている今、この本を読み終わってもまだ苦しいままだった。なんだよ、結局「良い道」を歩いていくのか。とも思うし、なんだかんだ救われないまま終わるんじゃなくて前を向いてくれてよかったとも思う。
    事実の羅列形式の文章に何回か挫けそうになったけど、ただの事実、つまり、けっして「あるべき姿」じゃない日々の積み重ねにも意味を見出すことができれば、もっと楽になるのかもしれない。いや、楽になりたいと思うことも「あるべき姿」を目指している…?

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    2022年11月08日
  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    故・向田邦子さんのエッセイを、角田光代さんと西加奈子さんの二人が現代に甦らせた一冊。

    西加奈子さんの描く絵は生き生きとしていて、いつも見る者に訴えかけるパワーがある。特に西さんの創る力強い色彩に今回も惹きつけられた。

    家族全員が大切に育んだ"ちいさないもうと"への慈しみが愛おしい。
    玄関に並ぶ家族全員のぞうり。言葉はなくても家族みんなの気持ちを、ぞうりの並び方が代弁していてとても印象的だった。さすが西さん、上手い。

    いつもは厳しいお父さんの「げんきな日には、はがきにまるをかいて、まいにちいちまいずつポストにいれなさい」に感心した。お父さん賢い。
    けれど赤い大きな&qu

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    2022年11月03日
  • サラバ! 中

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    中に入ってしまいました。主人公の歩の気持ちに。私の立ち位置としては、親や父親の側で…実話というか、息子たちにそういう思いをさせてしまったのだろうかって。何ともこう複雑な気持ち、取り返しのつかないことをしてしまったと。離婚ってそういうことか、と。

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    2022年10月31日
  • サムのこと 猿に会う

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    果てしなく続く日々を生きていくことの、むずかしさと愛おしさ。なにか起こるようで起こらなかったり、生活ってそんな感じだなあって。それでも読後、なんとなく自分は大丈夫なんだと思えて、優しい気持ちになれました。猿に会うが1番好き。

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    2022年10月30日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    とにかく最初から最後までずっしりと重く陰鬱な空気が続く作品。西加奈子さん特有の美しい幻想的な描写には心惹かれたが、最後まで暗鬱な雰囲気が立ち込め、気持ちがやられてしまった。
    詳細に明かされない事実も多く一見推理小説かと思わされるが、「推理せずともおそろくこうであろう」と分かるように構成されているため、読後のモヤモヤは少ない。

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    2022年11月01日
  • 字のないはがき

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    向田邦子さん原作、角田光代さん文、西加奈子さん絵という豪華メンバーによる絵本。 未来ある子どもたちに、戦争によって怖くて寂しく辛い思いをさせてはいけない。何気ない日常が続くように、私たち大人は真剣に考えないと…こんな状況だからこそ。

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    2022年10月22日
  • サムのこと 猿に会う

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    なんとなく端っこのほうにいるけどそれを気にしていない人たちが出てきて、こんなんでもいいよなあ、と思えた。西さんが書くキャラクターやっぱり好きだなあ。とても近くにいるようでいない、絶妙な感じが心地よい。

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    2022年10月20日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子、朝井リョウ、長嶋有…。小説家は普段何を考え、どうやって作品を生み出しているのか。無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と作家たちが“自分のルール”を語りつくす。BSジャパンの同名番組を書籍化。

    作家が何を考えているかがうかがえて面白い。

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    2022年10月14日
  • ご本、出しときますね?

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    これ、とても良かったです。
    私がまた読書にはまるきっかけになりました。
    いろいろな作家さんの人柄がわかり、作品に興味を持てます。

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    2022年10月13日
  • サラバ! 中

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    ネタバレ

    ライトな読み口でとても読みやすく、しかし、人生や人間の本質をついていてとてもリアルであるところに魅了された。

    人は何かしらの拠り所を求めているのではないか。すがれるものを求めているのではないか。

    何に縋るかよりも、縋る行為自体が重要な役割を果たしているのでないのか。

    このように考えると、信じることの定義を改めて考えさせられた本だった。

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    2022年09月28日