西加奈子のレビュー一覧
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初西加奈子さん作品。
普段はこの系統の小説家読まず、なんだかゆるふわな感じだし、主人公にはイライラするし冒頭はなんだか好きじゃないかも思っていたのですが、不思議な魅力に引き込まれて最後まで読み切ってしまいました。
他人の目を異常に気にしながらもそれを自覚して、苦しみつつも、自分より「下」の人たちを見つけてはどこか無意識に安心してしまう。誰にでもあることかと思うけど、この主人公はその思いが強迫観念に近いのかな。
旅の中で劇的なことが起こったわけではないけど、ちょっとした自分の価値観とは違う人たち(このホテルで出会う2人のキャラがまた謎に癒されて面白い)と触れ合うことで、前向きになった姿が爽やかに印象に残りました。
また西さんの本を読みたくなった良作です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ歩の行動は自分みたいだと思った。いい子でいようとするところ。不穏は見て見ぬふり。物乞いする人に対して卑屈に笑ってしまうところ。見下してはいけないと思うところ。
向井くんの裏切りはつらかったなぁ。せっかく信頼して雑誌を見せたし、何より自分だけで抱えていたくなかった。寄り添って欲しかったな。
母親、父親も子供にもっと誠実でいて欲しかったけど、親も人間だね。
ヤコブとの出会いは歩に本当に救いになったね。しかも、「彼ら」に対して似た対応をするところ。「サラバ」は魔法の言葉で「愛してる」のように聞こえる。
中巻で歩がどう育っていくか気になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
「女性」である事は一種の罪なのかと思ってしまいました。
本作に出てくる人物のような被害や、突出した嫌なことを経験した事はないです。
でも、終始苦くてヒリヒリした気持ちを味わいながら読み、女性であることはどうしてこんなにも大変なのかと思ってしまいました。
読んでいて辛くて、ところどころで抵抗や気持ち悪さを感じてしまったのは、シンプルに私がわたしに向き合えたことが未だに無かったからなんだろうなと思いました。
どんな形でも、いつかは彼女達のように受け入れられる時がくるといいなぁ…。
そういえば、「女性」題材とした作品は多数ありますが、「男性」も大変だよね…みたいな題材のヒリヒリとしたお話ってあまり聞いたことがないかも…? -
Posted by ブクログ
全部読み切り短編というのが、すごくいい。
今までの文芸誌は、連載ばかりなので、なんだか蚊帳の外感があって、書い続けないと仲間に入れてあげないよーと言われてるみたいで寂しさを感じることしばしば。
しかも豪華ラインナップに、いいの?この値段で?と問いたくなる。赤字だよね。
ともあれ、西加奈子「デヴィアン」市川沙央「音の心中」小川哲「嘔吐」をまずは読む。
全部面白い!
小川哲は、朝井リョウと仲良しになって影響受けてるような笑。
西加奈子も仲良しの村田沙耶香となんか似てるような。
互いに影響しあって、短編だから、肩の力を抜いて自由に書いてる感あり。
葉間中顕「五十歳,ロスジェネ、ギバー落ち」も,どこかで読んだようなテーマだけど、軽く読めた。
既視感あるけど、作家たちが実は書いてみたかったもの、というハードルの低い短編が多いなと思う。(悪口ではない)
一般の文芸誌はそこのところは、厳しそうだけど、それだけに全体に肩の力が入っていて小難しくてハードル高い作品がズラリ。で、なんかしんどい。
その点、初心者向けで、読書の裾野を広げようとしてるこの雑誌なら許されるというか、むしろ積極的にキャッチーな短編を載せていこうということなのかな。
こちらも肩の力を抜いてパラパラ読めるのでいい雑誌だ思う。読めなかったところがあっても,このお値段なら惜しくないし!
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