西加奈子のレビュー一覧
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ネタバレ女性主人公の8つからなる短編集。
個人的には孫係が刺さった。遠方に住む祖父が1ヶ月だけ引っ越してくることになり孫のすみれは自分の家でありながら息が詰まるような感覚を覚える。でも、迎え入れた父母にも、もちろんお世話になる祖父にも誰1人として悪意はないからこそ、そういう感情に後ろめたさが生まれる…といった話。そこで出てきた「役割的にそうせざるを得ない」という考え方はドライだが、生き抜く上で大切な思考だと感じた。
大切なのはその行為が騙して得をしようとしているわけではなく傷つけないように思いやりからくる行動であること。
なるほど、と思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレツマ視点の生活とムコの日記の二つの視点からなる小説。
読み進めていくうえで惹かれたのはツマという女性の眼と彼女自身。幼少期にはだれもが見ていたであろう創造(想像)の世界。ツマの見ているのは創造とは違うのだけれど、私からすると同じような非現実性、神秘性、儚さをもっていた。それは感受性の豊かさが生むのか子供時代の不思議な体験が作り出すのか。私にはわからない。けれど、彼女の見ていた景色が色鮮やかで、愛とか平和とかそういうのに富んでいて、そこに生きる話す動植物たちが彼女の温和で不思議で優しい魅力のある人物像につながったのは紛れもなく事実であると思う。
ツマ目線でずっと読み進めて来たために、 -
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ネタバレ孫係
おじいちゃまから、役割を演じることを教えられる孫。相手を思い遣って求められる役割を演じる。本当に信じられる人にだけ、悪態をつく。正直なことと優しいことは別。(本人が見るかもしれないネットなんてもってのほか。)
あねご
酒を飲み明るく振る舞っているように見えて、ブスでも相手にしてもらえるよう無理矢理頑張ってきた。酒を飲んで暴れる父は家を出た。キャバクラで芸人で電話すればどこでも酒を飲みに行く見窄らしい父と再会した。お父さんも酒が無いと生きていけない人だった。「あなたがいてくれてよかった。」
オーロラ
恋人が「心の無い場所」へ休暇に行きたいと言い、オーロラの見えるアラスカに来た。オーロラ -
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ネタバレ昔読もうとしたときに、よくわからず途中で読むのを辞めてしまい長らく積読状態だった。
今は逆に淡々と進む物語が心地よく感じて、感じ方は変わるものだなと思った。
2組のカップルの温泉旅行の様子が4人それぞれの視点から語られる物語。
温泉宿に向かうバスからその日の夜までの出来事が視点を変えて4回語られる。
途中に挟まれる別の旅行客のエピソードで、翌朝事件が起こったことが明かされる。
主要人物4人の語りから事件の真相が明かされるかと思ったが、最後まではっきりとした描写はなかった。
なぜ事件が起きたのか、ナツとトウヤマの関係は、トウヤマと牡丹の女性の関係は、、なんとなくわかるようでわからないままのこと -
Posted by ブクログ
ネタバレどんな人にもそれぞれ悩みはある。
生きるって大変だけど、経験した分成長する。
成長すると新たに見えることがある。
色々あった人たちが、最後にきりこの元に集まったのも良かったし、みんなそれぞれ結果的に幸せになれて良かった。
容姿という容れ物、中身、その人の歩んできた歴史、全てを見て、その人がその人である、ただそれだけを受け入れることの尊さを感じた。
私もそんな風に人を見れる人になりたい。
でも、まだまだ経験不足の未熟者だなぁ。
マァマとパァパが言うように、きりこちゃんは世界で一番可愛い存在。
みんなそれぞれ一番可愛い存在なんだな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ8つの短編集。登場人物の性格もおかれた状況も様々で、どれも楽しく読んだ。
個人的に一番好きだったのは『孫係』
長野に住むおじいちゃまが仕事の都合で、すみれの家に1ヶ月住むことになった。両親は喜んでいる(特に母親)が、すみれは何だか息苦しさを感じていた。
それは祖父も同じで、二人はお互いに良き祖父、良き孫を演じ、二人でいる時だけ悪態をつくことにする。という話。
確かにこういう風に振る舞っておくべきだなという場面はあるし、自分はこの役割だなと思って動く時もあるから、すごく納得。それが実際の家族間であるというのには少し寂しさも感じるけど。 -
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