西加奈子のレビュー一覧

  • 夜が明ける(新潮文庫)

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    この本を読んでいる間、自分の周りの世界が色をなくしてしまったように感じた。
    私はこの本の登場人物のように苦しんだことがない。それなのに、いつの間にかいろいろなことを当たり前と思い、苦しんでいる人のことを努力が足りないのではないか、と考えてしまっていた。
    偶然恵まれていただけだったのに、傲慢になっていたことを気付かされたと思う。
    生きることは辛くて苦しい。
    けれどそれでも夜は明けるのだ。

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    2025年07月27日
  • きりこについて

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    ネタバレ

    両親から愛情たっぷりに育てられたきりこは自分がとんでもないブスだと思っていなかった。しかし大好きなこうた君からブスだと振られてしまってから塞ぎ込むようになる。
    そうやって猫のように眠って暮らしていると予知夢を見る。それは他人の目や評価に縋って生きている人たちの「中身」の怒りや悲しみの声だった。

    私が私であること。
    私がしたいことをするのは私しかいない。
    当たり前だけど、ハッとさせられるのは私自身どこか他人の目や評価を気にして生きているからだろう。
    というより、気にしないで生きていけるほど強い人間ではないのだ。
    モテたい、ちやほやされたい、認められたい。
    この欲求も間違いではないけれど、長い時

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    2025年07月25日
  • さくら

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    ネタバレ

    長谷川薫
    長谷川家の次男。

    薫の彼女

    長谷川昭夫
    長谷川家の父親。

    サクラ
    飼っている犬。

    ミキ
    長谷川美貴。長谷川家の長女。薫の妹。

    長谷川一
    長谷川家の長男。四年前に産まれて二十年と四ヵ月後に死んだ。

    ばあちゃん

    フェラーリ
    恐怖の男。

    難関
    一に幼稚園から小学校の六年間恋をしていた。

    湯川

    矢嶋優子
    一の彼女。

    溝口サキコ
    溝口先史。昭夫の高校の同級生。おかまバー「ラガーウーマン」。

    リリー

    妖怪
    サクラを見てもらった病院の医者。

    須々木原環
    薫が童貞を失った相手。アメリカ帰りの帰国子女。


    中二の夏に転校してきた。薫のふたつ年下。ワイルドな女の子。


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    2025年07月23日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    ナツ、トウヤマ、ハルナ、アキオ。
    この中で1番心情理解できたのはハルナかな。
    それぞれの関係性と物語の結末の意味が理解できなくて、どこにフォーカスして読んだらいいか難しかった。亡くなった女の人は誰だったんだろうってページを進めていったけど、結局この人って分かる明確なものが無い。そこが面白い。読み返してまた分かることもあってこれぞ小説の面白さっていう感じがした。

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    2025年07月21日
  • 夜が明ける(新潮文庫)

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    みんな、パラダイムに縛られている。
    そこから抜け出すことが、どれほど困難で、どれほど盲目的であるか。
    この作品も、作者自身も、ひいては私自身も例外ではない。

    パラダイムとは、言い換えれば「思い込み」だと言える。
    人は常に、枠の中で物事を考えてしまう。
    そうしなければ、何一つ判断できなくなってしまうからだ。
    けれどもその枠は、時に足枷となる。

    だからこそ、私たちは無意識のうちに、その枠を打ち壊してくれる存在を求めているのかもしれない。
    人と出会い、互いに刺激を与え合うのも、そのためではないかと考えた。
    まずは、「自分が何かに縛られている」と認識することから始めよう。

    著者は、できる限りリア

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    2025年07月20日
  • おまじない

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    私はかなり歳をとっているけれど、こんな感覚、こんな思いしたことあったな。ってちょっと後ろを振り返りました。電車や街の中で私よりお若い女性の方々をみて、心のなかで、がんばれ大丈夫だよ。そんなこと呟きたくなる小説でした

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    2025年07月18日
  • きいろいゾウ

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    「月がきれいですね」(愛しています)という言葉でから始まる出会い。
    すごくロマンティックな出会いから、ともに過ごす中でお互いの弱い部分に触れることで苦しみ、また葛藤しながら互いに受け入れていく姿が、静かに美しく希望に満ちていて本当にすきな物語でした。
    映画化もされており、何度も観て、何度も読み返した大好きな一冊。

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    2025年10月16日
  • さくら

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    家族に感謝したくなる本。そして素敵な表現が宝石のように散りばめられている。後半は登場人物が泣くたびにつられて泣いてしまった。

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    2025年07月14日
  • 舞台

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    これまで読んだ小説の主人公で一番イライラするかもしれない。人目を気にして、いつも言い訳して、そして痛々しいほどの見栄っ張り。もう腹が立ってしょうがない。でも途中でなんとなく気付く、あれ?これは自分自身じゃないかと。

    全て本音を言ってる人間なんていない。全て自然体で生きてる人間なんているわけがない。見栄と虚勢でもいいじゃない。誰もが演技をしながら生きている。人生という舞台で演じている。短い小説ですがいろいろ教えられる物語でした。

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    2025年07月14日
  • GOAT

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    初めての文芸誌 趣味で小説を読み始めてから気になっていた文芸誌。何を読もうか考えていた時にこの本が刊行されることを知り手に取りました。沢山の方の短編を読み、気になる作家さんの長編を手に取る。良いサイクルが生まれました。既に手元にある次号も楽しみです。

    西加奈子さんのディビアン、旦那さん目線の愛が印象的でした。乗代雄介さんの北見から、志賀直哉の網走までのパラレルワールド?的なお話も面白かったです。

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    2025年12月03日
  • きいろいゾウ

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    ジブリの世界にでてくるような田舎暮らしを頭に浮かべて読みました。ふわふわとした感じの生活からムコさんへの手紙から雲行きが怪しくなっていきます。西加奈子さんの文体がユニークで最後まで飽きずに読ませてもらいました。

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    2025年06月10日
  • ふくわらい

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    特殊な経験をして浮世離れした定が、これまたちょっと変わった人(著者たち)と心を通わせるうちに、色々な感情を一気に得て人間らしく変容する話。
    共感できる部分は少なかったけど、文章が読みやすいし定の視点も面白くて、この一風変わった世界に没入できた。

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    2025年05月31日
  • ご本、出しときますね?

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    2016年~2017年に BS で放送されていた番組を書籍化したもの。オードリー若林氏が各回2人の作家をゲストに迎えて行う鼎談集である。もともと知り合いの方も多いようで、堅苦しい話も小難しい話もなく、気軽に読める。

    小説を読んだだけでは分からない作家さんの側面が見られて楽しいし、読んだことのない作家さんも、話がおもしろい方の本は読んでみたくなる。また、毎回の鼎談の最後に紹介される本も、興味をひかれるものが多かった。

    読書の幅を広げたい方に。

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    2025年05月19日
  • 円卓

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    子供の頃っていろんなことに疑問を持ち、思ったことはすぐしゃべり、楽しかったなーと思い出せる素敵な小説。
    読みながらじゃりん子チエ思い出した。

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    2025年05月13日
  • 舞台

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    10年ぶりの再読です。
    今作は『自意識』がテーマとなっていて、主人公の葉太がニューヨークでバッグを盗まれることで極限状態に追い込まれ、自身と向き合うというストーリーです。葉太の歪んだ自意識は過剰に膨らみ、それゆえに生きづらさを感じるようになりますが、この苦しみはなかなか他人からは見えるものでなく、理解に苦しむものだと感じました。
    他者や物事に対して、考え方や見方を変えればいい話しだけれど、当人にとっては簡単に思考のクセを変えることはできない。ニューヨークという言葉の通じない場所でバッグを盗まれ、極限に追い込まれることで、葉太の自意識という鎧がボロボロに剥がれ落ち、解放されていく感じが良かったで

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    2025年05月11日
  • 舞台

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    うわっ、と思って途中で閉じた。何年かして、ようやく読めた。
    主人公と自分が重なって、とても痛くて、だけど気持ちよかった。

    私らしさが分からない!好き嫌いも意見も無いようなつまらない人間ですよ、でも器用に当たり障りなく生きてるじゃん。八方美人をしてること、みんなにバレてるの分かってるけど、美人なんだからええやんけ!写真でキメ顔恥ずかしい、でも盛れてないのはもっと嫌。もしかして、不器用なのかな。ほろり。

    生まれ持った心と顔と体で生きていくしか無いのだと、だけど私はひとりでは無いのだと、諦めと希望をくれる西加奈子先生が、大好き。

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    2025年05月09日
  • わたしの名店

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    大好きな作者さんの想い出の名店たち。
    私の世界にいなかった新たな作者さんとの出会いもあり!
    まだ知らない名店が知れたのと作者さんたちの人となりが分かるエピソード満載。Wでお得感満載(笑)。

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    2025年05月09日
  • きりこについて

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    「きりこは、ぶすである。」
    冒頭からいきなりこのぎょっとする一文
    頭をガツンとやられたようで気がついたら物語のなか。
    コメディなのかと思いきや中盤からは大真面目
    猫ときりこの視点で語られるところとか、どこか『吾輩は猫である』を彷彿させるような設定も面白い!
    表紙の猫がブサカワで何とも愛嬌のある顔なのも好きだ。(文庫版)

    前半はきりこがいかにぶすであるかの力説。
    しかもぶすの字が太字のフォントでぶすを強調している。
    だけど独特の文章表現なので全く嫌な感じはしないのが不思議。
    思わず声に出して笑ってしまうほど。
    猫目線や表現、描写がホント何もかも面白い。
    また猫の名前が昔のエジプトの王様というの

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    2025年05月05日
  • おまじない

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    ネタバレ

    女性が主人公の短編が8作品。どれも読んでいてつらいテーマだと感じたが、現実的だった。どの主人公にも共感できる部分がある。同じ経験をしたわけでもないのに「わかる」と思わせる力があるのは、人間のよくある心の動きを描いているということなのかもしれない。
    心にグッと爪痕を残したのは『あねご』だった。女性の親族の間で受け継がれる呪いのようなものが、最後の『ドラゴン・スープレックス』で祝福に代わっていた。しがらみも少しだけ愛せるような、不思議な気持ちで本を閉じた。

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    2025年04月19日
  • わたしに会いたい

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    私もわたしに会いにいかなきゃと思った。
    西さんありがとう!
    ママと戦うが1番好き。
    逞しくわたしで生きないとすぐ何かに縛られる。センター試験の日が狙いという日本の闇、最低。日本は安全じゃない。恥ずかしい。

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    2025年04月16日