西加奈子のレビュー一覧
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この本を読むとだいたいの女性はなんらかの性被害に合ってる、幼い頃から大人になるまでの期間で。
男性も性被害にあうこともあると思うけど、女性の比ではないだろう。
そういう危険にさらされながら生きるってどういことだろう。
そういう話しばかりじゃないけど「私の身体を生きる」というテーマで書くとなったらそこは避けられないことなんだろう。
特に西加奈子、柴崎友香、金原ひとみ、朝吹真理子、藤野可織、藤原麻里菜のは身につまされた。
千早茜の「私は小さくない」は共感。(そこまで激しく大きく強くなりたいとは思わなかったけど)
鈴木涼美の「汚してみたくて仕方なかった」はぶっとんでた。すごいアカデミックな環境だから -
Posted by ブクログ
シリアで生まれ、裕福な両親の元に養子として迎えられたアイは、自分が運よく選ばれた人間、恵まれた人間であることに罪悪感を抱きながら生きていた。
自分は「社会の被害者」から運よく免れた人間の側に立っており、日々の痛ましいニュースを見るたびに「生き残ってしまった」という思いに囚われる。
世界では本当に苦しんでいる人がいる中で、自分たちは相対的に恵まれている。でも、感謝や幸せの気持ちは努力ですることではない。
そうミナに言われてもなお、アイは苦しかった。
そんな時、アイは流産を経験し、肌で感じる。「これが渦中にいるということなら、こんな経験はしたくなかった」
渦中にいる人、何かに選ばれて死んでしま -
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10年ぶりの再読です。
今作は『自意識』がテーマとなっていて、主人公の葉太がニューヨークでバッグを盗まれることで極限状態に追い込まれ、自身と向き合うというストーリーです。葉太の歪んだ自意識は過剰に膨らみ、それゆえに生きづらさを感じるようになりますが、この苦しみはなかなか他人からは見えるものでなく、理解に苦しむものだと感じました。
他者や物事に対して、考え方や見方を変えればいい話しだけれど、当人にとっては簡単に思考のクセを変えることはできない。ニューヨークという言葉の通じない場所でバッグを盗まれ、極限に追い込まれることで、葉太の自意識という鎧がボロボロに剥がれ落ち、解放されていく感じが良かったで -
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ネタバレ青春時代を思い返すと楽しいもので溢れており、その後の未来はその時には誰も分からない。
少年がある少年に「アキ・マケライネンに似てる」という一言から、母親から虐待を受けて愛着障害を持って育った少年の人生を変えてしまう物語だと前編までは思っていた。
後半からは一変。楽しかった高校時代が終わり、社会人へと進んでいくが少年2人は違う道へ進み、それぞれの歩んできた人生を経て造られた性格や社会的環境などにより1人は鬱により仕事を失い、1人はやりたかった役者を辞め、バーでバイトをするも売春が絡んでいるような所であったり、家に置いてた給料は取られ、でも性格的に誰かに助けてと訴えることはできない。貧困の中生きる -
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「きりこは、ぶすである。」
冒頭からいきなりこのぎょっとする一文
頭をガツンとやられたようで気がついたら物語のなか。
コメディなのかと思いきや中盤からは大真面目
猫ときりこの視点で語られるところとか、どこか『吾輩は猫である』を彷彿させるような設定も面白い!
表紙の猫がブサカワで何とも愛嬌のある顔なのも好きだ。(文庫版)
前半はきりこがいかにぶすであるかの力説。
しかもぶすの字が太字のフォントでぶすを強調している。
だけど独特の文章表現なので全く嫌な感じはしないのが不思議。
思わず声に出して笑ってしまうほど。
猫目線や表現、描写がホント何もかも面白い。
また猫の名前が昔のエジプトの王様というの
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