西加奈子のレビュー一覧

  • 私の身体を生きる

    Posted by ブクログ

    この本を読むとだいたいの女性はなんらかの性被害に合ってる、幼い頃から大人になるまでの期間で。
    男性も性被害にあうこともあると思うけど、女性の比ではないだろう。
    そういう危険にさらされながら生きるってどういことだろう。
    そういう話しばかりじゃないけど「私の身体を生きる」というテーマで書くとなったらそこは避けられないことなんだろう。
    特に西加奈子、柴崎友香、金原ひとみ、朝吹真理子、藤野可織、藤原麻里菜のは身につまされた。
    千早茜の「私は小さくない」は共感。(そこまで激しく大きく強くなりたいとは思わなかったけど)
    鈴木涼美の「汚してみたくて仕方なかった」はぶっとんでた。すごいアカデミックな環境だから

    0
    2025年06月03日
  • ふくわらい

    Posted by ブクログ

    特殊な経験をして浮世離れした定が、これまたちょっと変わった人(著者たち)と心を通わせるうちに、色々な感情を一気に得て人間らしく変容する話。
    共感できる部分は少なかったけど、文章が読みやすいし定の視点も面白くて、この一風変わった世界に没入できた。

    0
    2025年05月31日
  • i

    Posted by ブクログ

    シリアで生まれ、裕福な両親の元に養子として迎えられたアイは、自分が運よく選ばれた人間、恵まれた人間であることに罪悪感を抱きながら生きていた。
    自分は「社会の被害者」から運よく免れた人間の側に立っており、日々の痛ましいニュースを見るたびに「生き残ってしまった」という思いに囚われる。
    世界では本当に苦しんでいる人がいる中で、自分たちは相対的に恵まれている。でも、感謝や幸せの気持ちは努力ですることではない。
    そうミナに言われてもなお、アイは苦しかった。

    そんな時、アイは流産を経験し、肌で感じる。「これが渦中にいるということなら、こんな経験はしたくなかった」

    渦中にいる人、何かに選ばれて死んでしま

    0
    2025年05月31日
  • サラバ! 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    好きな感じの本。この後の展開が楽しみ。

    自分はフィリピンとのハーフで、フ 幼い頃にフィリピンに行くたびに感じてた想いが歩と同じでものすごく共感。

    0
    2025年05月29日
  • 舞台

    Posted by ブクログ

    葉太、すごい。
    そこまで「いかにも」みたいなこと嫌わなくて良いじゃん!
    私はいかにもってことをしたがるタイプだから、そこは葉太とは違うなーと思った。けど、なんの恥ずかしげもなくやってるわけでもなく、俯瞰で見た時に「うわっ恥ずっ!」てなることはめちゃ嫌い。笑
    そういう気持ちは誰しも持ってるのかもなぁ

    亡霊の意味はなんだろうと思ってたけど、最後意味がわかってスッキリ。
    やけに嫌っていた父のことも、結局は認められたいからこそ、だったりする。
    こんなに頭でしか考えないことを言語化してる本は初めてでした。

    0
    2025年05月29日
  • i

    Posted by ブクログ

    この世界にアイは存在します。絶対に。
    血の繋がりだけが全てじゃないんだよ。自分が幸せなことを後ろめたく思うことをしなくていいし。でも、どこかで、苦しんでる誰かを想う気持ち、考えることが大切なんだ。
    自分とは違う考えでも、気持ちでも、否定から入らずまずは聞き入れることやめたくない。

    0
    2025年05月25日
  • 夜が明ける(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    彼女の『サラバ!』を読んだ時にも感じた圧倒的熱量が再び。一文一文が重い重い。さらっと読み飛ばせないので、読むならまとまった時間がとれるときがオススメ。途中、自分も昔同じような境遇になったことがある場面が出てきて「あれっ、西加奈子さん、自分のそばで見ていました?」なんて思ったり、ともかく濃ゆい魚介系豚骨ラーメンのような一冊だった。

    0
    2025年05月25日
  • i

    Posted by ブクログ

    なんとなーく表紙にずっと惹かれてて、やっとこさ読んだ。
    「i×i=-1」な、懐かしい!言われなきゃ思い出さなかった、「i」という存在。そうか、数学って美しいのかぁ。美しいかどうかで考えた事なかったな。
    この本に書かれてるのは、恋ではなく、愛。養子として育った愛はたくさんのことが不安で、本当の愛って何かわからなくて....でも、本当の愛ってこういう事だよね、という本。
    好きでした。

    0
    2025年05月21日
  • ご本、出しときますね?

    Posted by ブクログ

    2016年~2017年に BS で放送されていた番組を書籍化したもの。オードリー若林氏が各回2人の作家をゲストに迎えて行う鼎談集である。もともと知り合いの方も多いようで、堅苦しい話も小難しい話もなく、気軽に読める。

    小説を読んだだけでは分からない作家さんの側面が見られて楽しいし、読んだことのない作家さんも、話がおもしろい方の本は読んでみたくなる。また、毎回の鼎談の最後に紹介される本も、興味をひかれるものが多かった。

    読書の幅を広げたい方に。

    0
    2025年05月19日
  • さくら

    Posted by ブクログ

    4.0/5.0

    ある家族の物語。
    笑って泣いて怒って喜んで…そういう普遍的な家族の姿が凛々しく、ハートフルに描かれている。
    人それぞれ幸せの形は違うし、それをお互い完璧にわかりあうことは難しいかもしれないけど、なんとなく繋がれていたり、誰かのことを想ったり出来たらその時は少し幸せになれるかも。そんなことを思った。

    0
    2025年05月17日
  • うつくしい人

    Posted by ブクログ

    身内に苦しむ人を描くのが上手だなぁと思う。
    身近な人への嫉妬は愛の裏返しだったりする。
    読んでて苦しかったけど、最後あとがきまで読んで救われるいい物語でした。

    0
    2025年05月16日
  • i

    Posted by ブクログ

    しんどい。しんどい人に読んで欲しいけど、読んだら読んだでしんどい。ラストに幾分救われたけど、しんどい。
    愛の連鎖が血の連鎖と同等の価値で、尊いもんやと思えるよう、愛し愛される人でおりたいね。

    0
    2025年05月14日
  • 円卓

    Posted by ブクログ

    子供の頃っていろんなことに疑問を持ち、思ったことはすぐしゃべり、楽しかったなーと思い出せる素敵な小説。
    読みながらじゃりん子チエ思い出した。

    0
    2025年05月13日
  • 舞台

    Posted by ブクログ

    10年ぶりの再読です。
    今作は『自意識』がテーマとなっていて、主人公の葉太がニューヨークでバッグを盗まれることで極限状態に追い込まれ、自身と向き合うというストーリーです。葉太の歪んだ自意識は過剰に膨らみ、それゆえに生きづらさを感じるようになりますが、この苦しみはなかなか他人からは見えるものでなく、理解に苦しむものだと感じました。
    他者や物事に対して、考え方や見方を変えればいい話しだけれど、当人にとっては簡単に思考のクセを変えることはできない。ニューヨークという言葉の通じない場所でバッグを盗まれ、極限に追い込まれることで、葉太の自意識という鎧がボロボロに剥がれ落ち、解放されていく感じが良かったで

    0
    2025年05月11日
  • 夜が明ける(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    青春時代を思い返すと楽しいもので溢れており、その後の未来はその時には誰も分からない。
    少年がある少年に「アキ・マケライネンに似てる」という一言から、母親から虐待を受けて愛着障害を持って育った少年の人生を変えてしまう物語だと前編までは思っていた。
    後半からは一変。楽しかった高校時代が終わり、社会人へと進んでいくが少年2人は違う道へ進み、それぞれの歩んできた人生を経て造られた性格や社会的環境などにより1人は鬱により仕事を失い、1人はやりたかった役者を辞め、バーでバイトをするも売春が絡んでいるような所であったり、家に置いてた給料は取られ、でも性格的に誰かに助けてと訴えることはできない。貧困の中生きる

    0
    2025年05月10日
  • 舞台

    Posted by ブクログ

    うわっ、と思って途中で閉じた。何年かして、ようやく読めた。
    主人公と自分が重なって、とても痛くて、だけど気持ちよかった。

    私らしさが分からない!好き嫌いも意見も無いようなつまらない人間ですよ、でも器用に当たり障りなく生きてるじゃん。八方美人をしてること、みんなにバレてるの分かってるけど、美人なんだからええやんけ!写真でキメ顔恥ずかしい、でも盛れてないのはもっと嫌。もしかして、不器用なのかな。ほろり。

    生まれ持った心と顔と体で生きていくしか無いのだと、だけど私はひとりでは無いのだと、諦めと希望をくれる西加奈子先生が、大好き。

    0
    2025年05月09日
  • わたしの名店

    Posted by ブクログ

    大好きな作者さんの想い出の名店たち。
    私の世界にいなかった新たな作者さんとの出会いもあり!
    まだ知らない名店が知れたのと作者さんたちの人となりが分かるエピソード満載。Wでお得感満載(笑)。

    0
    2025年05月09日
  • きりこについて

    Posted by ブクログ

    「きりこは、ぶすである。」
    冒頭からいきなりこのぎょっとする一文
    頭をガツンとやられたようで気がついたら物語のなか。
    コメディなのかと思いきや中盤からは大真面目
    猫ときりこの視点で語られるところとか、どこか『吾輩は猫である』を彷彿させるような設定も面白い!
    表紙の猫がブサカワで何とも愛嬌のある顔なのも好きだ。(文庫版)

    前半はきりこがいかにぶすであるかの力説。
    しかもぶすの字が太字のフォントでぶすを強調している。
    だけど独特の文章表現なので全く嫌な感じはしないのが不思議。
    思わず声に出して笑ってしまうほど。
    猫目線や表現、描写がホント何もかも面白い。
    また猫の名前が昔のエジプトの王様というの

    0
    2025年05月05日
  • 白いしるし(新潮文庫)

    Posted by ブクログ


    共感できる言葉が多過ぎてぐさぐさっっ

    好きになると本当にどっぷり溺れて前が見えなくて、それでも必死に普通であることを装って普通の人を演じてきた
    きっと周りから見たら異常扱いされるんだろうけど、それを綺麗に語源化されてて更にグサグサきた。

    0
    2025年05月03日
  • 通天閣

    Posted by ブクログ

    4.2/5.0

    大阪を舞台に巻き起こる実にリアルで温かい物語。
    人生なんてそんなもん。だけど時たまちょっといいことが起こったり、なんとなく感動したりすることもあるよね。
    そんな小説。

    0
    2025年04月30日