西加奈子のレビュー一覧

  • 白いしるし(新潮文庫)

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    主人公の相手への思いが狂気じみて、自分の今までの恋で感じた想いなんて可愛いものだったんだなとなるような気持ち。ただ、恋に落ちるまでの気持ち、落ちてからの気持ち、その後の気持ち、それぞれに分かる分かると共感してしまう部分もあるのが、私も主人公のように狂気じみた恋をしてしまうであろう片鱗なのかなと思った。
    作品に関してはそれぞれの名前を強調して書くものだから、数日かけて読んで、あとから名前が突然出てきても分かってしまうくらいには名前がすごく強調されてた。

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    2026年08月04日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    恋に落ちるとは文で表現できるのだとわかった。歪んだ愛こそ真実の愛かもしれない。純愛など存在しないのかもしれない。人を愛することにはいくつかの苦しみと幸福が入り混じっていて、何かを犠牲に生きなければそれらは手に入らない。主人公はまだ30代だというのに。人生はこんなに早く大きな壁を作るのか。人生は狭い。

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    2026年08月03日
  • サラバ! 上

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    夜が明けるを読んだ時は、私西加奈子の本苦手かな?と思っていたが、名作ということでこちらの本を読んでみた。
    文体はそこまで変わらないと思うが、これは家族の行く末が気になってぐんぐん読み進められた。
    特に、イランやエジプトでの生活が鮮明で、駐在員家族への憧れが増した。自分も海外で働きたい。まだ3部構成の上ということで物語の全体像は読めないが、続きもすぐに読む。

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    2026年08月03日
  • くもをさがす

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    初めてのノンフィクション。
    西加奈子さんのエネルギーのある文体がすき。
    また、この本の本流の箇所ではないが女性へ向ける眼差しや価値観が似ているように感じられて今後もこの人の本を追いかけたいなと感じた。

    『夜が明ける』で感じた、困ってる人を当たり前に助ける、手を差し伸べるといった感覚やスタンス・行動への肯定や自然さをこの本でも感じた。
    自己責任論に寄りがちな私だからこそ、西さんの経験、感じ方捉え方を真似したくてもすぐには難しいけど、触れていきたいと思った。

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    2026年08月02日
  • 夜が明ける(新潮文庫)

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    俺とアキの友情物語。高校を卒業後の2人の状況がどんどん苦しくなっていくので、読んでいて辛かった。テレビ業界の過酷さがリアルだった。

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    2026年07月29日
  • i

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    ネタバレ

    読んでいて辛くて苦しくてどうしようもなくなる本。生きていてたまーに感じる孤独、不安。私はそれを見なかった事にして忘れたまま日常を過ごすけど、この主人公はとことん向き合う。自分の心に。
    でも自分が何なのか掴めなくて長い間苦しみ続ける。
    とりあえず読むのが辛かった。
    最後は自分の気持ちを自分で認めてあげて、自分自身も認める。少しの救い。
    アイがこの後の人生でもアイがいないという心の声が聞こえないと良いなと思う。

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    2026年07月28日
  • i

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    世界の中の自分、自分だけの自分、
    それぞれの見方を体感した。
    自分のことを大切にしようと思った。しかし同時に、自分に何が起きても、それは自然のことなのだ
    という、驚くほど客観的な視点も持った。

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    2026年07月27日
  • くもをさがす

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    ネタバレ

    幸い自分自身は(まだ)癌を患ったことはないけど、友人にそれこそ乳癌が見つかったり、全然違う突発的な病気で同級生が今年亡くなったりするたびに、それが自分だったとしても全くおかしくないという怖さを感じつつも、自分にそんなことが起きるということを少しもリアルに想像できていないことを痛感する。その告知を受けることの絶望感、治療の辛さ、消えない不安、それを知らずに済んだらどんなに良いかと思うけど、今自覚なく何か大きな病気に侵されている可能性もある。健康でいること、日常生活を送れること、家族といられることがどんなに幸せか、当たり前のようでそれを失った時に取り戻すのがいかに難しいか…それはやはり想像できないししたくもないなと思う。

    全然違うけど、子宮外妊娠で緊急手術を受けることになった時、ショックを受けているのにどこか他人事というか、自分の身に起きているということをちゃんと理解できないまま麻酔で意識を失ったような気もする。

    西さんは今も元気で活躍されているということで何より。会話を和訳する時に全部関西弁なのが新鮮で、そこに登場人物たちの明るさを感じられてすごく良かった。
    カナダは行ったことなくて、寒くて天気悪そうなので住んでる人も陰気なんだろうというとんでもない偏見を持っていたけど愛に溢れているみたいで、一度行ってみたいと思いました。

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    2026年07月26日
  • サラバ! 上

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    『サラバ!』上巻を読んでまず感じたのは、これは海外を転々としながら育つ少年の成長物語ではなく、「他人の価値観を生きる苦しさ」を描いた物語だということだった。

    物語は、イランで生まれた圷歩が、外交官である父の仕事に伴ってエジプト、日本と住む場所を変えながら成長していく姿を描く。異文化の中での暮らしや、個性の強い家族との日常はユーモラスに綴られているが、その奥では歩が常に「周囲に合わせること」で自分の居場所を守ろうとしている姿が浮かび上がる。一方で、姉の貴子は他人の評価を恐れず、自分が信じたものを貫こうとする。正反対ともいえる姉弟の対比が、物語全体に強い緊張感を生み出している。

    この作品が描いているのは、異国で育つことの苦労ではない。人は周囲に受け入れられたいと願うあまり、いつの間にか「本当の自分」よりも「求められる自分」を演じるようになってしまうという現実である。歩は決して弱い人間ではない。ただ、人の期待に応えようとする誠実さゆえに、自分の意思よりも空気を優先してしまう。その姿は特別な境遇だからこその話ではなく、多くの人が一度は経験したことのある感情として胸に迫ってくる。

    印象的だったのは、姉の貴子という存在だった。彼女は型にはまることを拒み、周囲から奇異の目で見られても、自分の信じるものを手放さない。その生き方は危うさも抱えているが、歩とは対照的だからこそ、「自分らしく生きる」とは何かという問いを読者にも投げかけてくる。読んでいて何度も考えたのは、自分の人生を苦しくするのは環境そのものではなく、「こうあるべき」という他人の物差しを、自分の物差しとして受け入れてしまうことなのではないかということだった。

    上巻は、まだ大きな結論を示す物語ではない。むしろ主人公がさまざまな価値観に触れ、迷い、自分という存在を形づくるための長い助走である。それでも、その助走が丁寧に積み重ねられているからこそ、歩がこれからどのような選択をし、何に別れを告げることになるのかを知りたくなる。壮大な物語の始まりでありながら、一人の人間の心の揺らぎをこれほど繊細に描き切っている点に、この作品の大きな魅力を感じた。

    『サラバ!』上巻は、少年時代を振り返る物語ではない。自分の人生を生きる前に、人はどれほど多くの他人の価値観を背負ってしまうのかを描いた物語である。読み終えたあとに残るのは、歩がこの先どう成長するのかという期待だけではない。今の自分が選んでいる生き方は、本当に自分自身の意思で選んだものなのかという静かな問いだった。

    #2026年27冊目

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    2026年07月26日
  • きいろいゾウ

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    この世界は、たくさん、たくさん、
    知らない色で溢れている。

    幸せでいること、幸せでい続けることって、
    目をかっぴらいてちゃんと受け止めることなのかもしれない。

    どんじゃらみたいな駆け引きじゃなくて、ドッジボールみたいに真っ直ぐに。

    大笑いしたり、
    わんわん泣いたり、
    ビールを飲んだり、
    日記を付けたり、
    暮らしの中に戻ったり。

    それは本当はすぐ近くに、手の中にある。
    それがあると知っているはずなのに。

    わたしたちはいつも回り道ばかり。

    でも、それもまたよき○

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    2026年07月26日
  • GOAT

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    ボリューム満点で良かった!
    自分でチョイスしない作家さんと出会えたり、エッセイや詩にも出会えた。
    同年代の作家さんばかりでとても読みやすかった。

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    2026年07月25日
  • サラバ! 下

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    上中は面白い!だが、下は苦しい
    宗教、生活、仕事、家族、友人、恋人(粒度バラバラだが)などに課題を抱える人の希望になる作品なんだろう(自身は特に課題を感じていないので自分のための本にはならないのだが、2026.07.20現在)







    (メタ的な話として)物語に何を見出すのか、なぜ物語を読むのかということを考えた。
    5割は娯楽(暇つぶし)。3割は本を読む文化人(というのはかっこつけなのだが)でありたい。残りの2割は客観的な自省だろう。

    様々なキャラクター、文化、生活が登場する。
    共感はしえないが、(つまりはポジショントークの物語のキャラと同じ気持ちになって喜怒哀楽を覚えることはないが)彼ら彼女らのバックグラウンド、それを基にしたキャラクターになりきってその心情を察する。(ことを客観視というとして)客観視を通して現実世界の事象や人の行動の理解、それを踏まえた自分自身の立ち振る舞いのあるべき姿を自省する。サラバ!は特にこの要素が強いなと、備忘。

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    2026年07月20日
  • くもをさがす

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    西加奈子氏の乳がんの闘病を描いたエッセイのような小説のようなもの。
    この方の文章は濃度が濃くて一冊読み終わって次の西作品を読むまでにかなり時間をあけてしまう。
    次に何を読むかは分からないが、家に積んである何かになるのかな。

    癌とか、命に関わる健康業の問題に直面するとき、人は哲学的になる。人生とはなにか、自分とはなにか、なぜ自分が癌になるのかなどなど。

    カナダの医療事情がすごい。乳房切除手術で日帰りって。

    病気のときに限らず人は他人に迷惑をかけて生きている。迷惑をかけるということそのことが、生きているということであり、迷惑をかける相手こそが、自分にとって必要な人であるのかもしれないと思う

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    2026年07月19日
  • わたしの名店

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    作者名のラインナップの、朝井リョウ目当てで手に取った。安定の、早稲田学生ライフの片鱗が伝わるクオリティ。
    でもどの文章も、地方民の自分が読んで「あー、観光目的じゃなくこの本に出てくる料理目的でそのお店行ってみたい!」と思える店+料理紹介で、軽い気持ちで手に取って想像以上の満足度が味わえる一冊だった。

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    2026年07月19日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    星4.5って感じ。出てくる人みんなとてもキモくてよかった。まともな人は全然少なかったけど、こんなに狂えるのもある意味とても正直で純粋なのかな。この小説読んで恋っていいなとはならないけど、ちょっとだけ瀬田かわいいと思ったりもした。さらっと読めてなんか好きだったなまた読みたい

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    2026年07月18日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    売れない絵描きの女が売れない絵描きの男に恋に落ちる話

    恋に落ちる瞬間の抑えきれない感情を描いた本。"ふたりでは、会わないようにしていた"最初の一文からいい。傷つくとわかっているのに自分に嘘をつけず飛び込んでゆく主人公が目映い。この感情を知っている

    忘れた頃につい手にとってしまう愛読書。画家×画家の特殊設定だが、読む度に"恋する"ってこんなだったと思い出す本。心がギュッとなる。西さんの関西弁はするする入ってきてとても好き

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    2026年07月18日
  • サラバ! 上

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    エッセイのようなリアルさに引き込まれた。
    姉のどうしようもなさは読んでいて辛かったし、母の気持ちも分かる。
    これからどうなっていくのだろう。

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    2026年07月16日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    再読。
    全く覚えていなかった。というか、当時の自分はまだ少し未経験の感情だったのかも。

    夏目の間島さんに対する情熱的な気持ちは理解できて苦しかった。
    間島昭史は私の好きだった人によく似ていた。夢中になれる恋愛って辛くて辛くて苦しいけど一瞬の甘さがやみつきになるよなあと改めて感じた。

    小説自体の内容はよくわからなかった。結局瀬田くんは何者?笑

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    2026年07月13日
  • きいろいゾウ

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    秘密を抱えた夫婦の日常。
    完璧ではない2人は、迷い、傷つきながらも「共に生きる」

    生きることの寂しさと誰かと繋がる温かさが感じられる作品。

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    2026年07月13日
  • くもをさがす

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    フェアな作家だという印象。著者自身の経験をもとにした作品の多くは、文章に書き起こした時点で書き溢したり体裁を整えていたりで、微量な「嘘」が含まれているものだと思う。その点を西加奈子という作家は最後の章で正直に言及している。誠実な書き手だと思った。
    著者の思想や意見もはっきりと提示しながらも、別の考えや価値を一蹴せずに、一旦その人の立場になって思考する箇所があった。
    平等や公平さは理想だけれど完全にその立場になるのは本源的には無理なことだ。それを自覚した上で、なるだけ公平であろうと努力する人は信頼できる。
    著者の他の作品を読んでみたい。

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    2026年07月13日