西加奈子のレビュー一覧

  • きいろいゾウ
    大人とは、愛する事とは、田舎で暮らす事とは、東京で暮らす事とはなど、おっきなテーマが散らばっていて考えながら読んでいた。
    人に対して自信を持って愛する事はかっこいい事で、
    恥じる事も恐れる事も一切無いと思った。
    それに加えて緊張感が伝わる場面が多くあったが、
    時の流れが遅くなり、周りの言葉やものの解...続きを読む
  • わたしの名店
    28名の方が紹介するお店の全てが魅力的に感じました。人によってお店に関わる思い出をメインに伝えたり食事そのものの良さを書いたりと、紹介の仕方も様々なので面白かったです。

    食事では宇垣美里さんの「鍋焼きうどん」がとても美味しそうに書かれていて、ぜひ味わってみたくなりました。
    思い出では藤岡陽子さんの...続きを読む
  • くもをさがす
    西加奈子さんのカナダにおける乳がん闘病記。コロナ禍という特殊な事情はあったみたいだが、両乳房とリンパ節摘出手術が日帰りなのは衝撃的。著者は抗がん剤期間中もジョギングや筋トレを行って体力をつけていた。病気の治療にも体力が必要。
    医療へのアクセスのハードルがほとんどない日本の医療現場が、医療従事者の激務...続きを読む
  • わたしの名店
    “ちょうどいい”本がないかなと入った駅のお土産屋さんに併設されている小さな本屋さんで買い、そのまま新幹線で読み終えた。リズムよく読める感じが逆にありがたく、思わず左手に本を開きながら右手はGoogleマップを検索していた。年始の隙間にぴったりな本、おいしい食べものって、あたたかくてしあわせな描写が多...続きを読む
  • サラバ! 中
    家族、友情、恋愛、自意識、宗教、災害、過去、思春期のキャパでは背負いきれなくてパンク寸前。逃げたって別にいいじゃないか。
  • 夜が明ける
    世間的に弱者とされる人にフォーカスして精神の揺れを書いているの、とても西さんらしい。
    最後の最後の森の言葉だけで泣きそうになった。現代人に刺さる。
  • おまじない
    「燃やす」「孫係」が印象深い

    女性が生きている中で感じる生きづらさを書いているから、分かりきれてない部分もあるだろうが、女性をより理解できるようになった気がした。

    根本にはお互い人間じゃんってのがあって、女らしさとか男らしさとかって、ほんとに社会が与えてる部分もすごく多いのかもしれない。

    孫係...続きを読む
  • わたしの名店
    作家さんたちが各々の好きな飲食店とそれにまつわるエピソードを書いた1冊。朝井リョウや三浦しをん、西加奈子など好きな作家さんのエッセイがたくさん入ってて楽しく読めました。クスッと笑えるものからじーんと切ないものまでありましたが、総じてどれも美味しそうでした。ただ行きたい!って思ったお店が閉店してること...続きを読む
  • こどものころにみた夢
    文章と絵で綴られた「こどものころに見た夢」をテーマにした短編アンソロジー。夢の世界は辻褄が合わないような不思議な光景、場面展開が見られるけれど、現実とぜんぜん関連がないわけではないですよね?その夢と現実との繋げ方というか絡め方が12人の作家ごとに違うのが面白いです。これは夢の中?と読んでいて戸惑うも...続きを読む
  • きいろいゾウ
    素敵な言葉たちと素敵な文章であふれていて、心が穏やかになりました。
    大切な人を愛そう、そして伝えようと決めました。
  • ふくわらい
    変わり者の多い物語ですが
    その人たちとの関わりによって定の世界がだんだんと広がっていくのが素敵でした。

    水森康人が定の心の中の「純粋」を見たいと言っていましたが
    何も知らない少女が、どんどん知識や刺激を吸収して1人の人間になっていくような感覚です。

    なにより、定が「自分」を楽しむようになってよか...続きを読む
  • おまじない
    「おまじない」的な自分を励ます言葉が出てくる8つの短編集。

    「孫係」は、突然1ヶ月一緒に暮らす事になったおじいちゃまと、孫の話。
    孫のすみれは孫の係を、おじいちゃまは爺係をこなすことで、家族やお互いの関係を上手く保とうというアイディアにより、2人の関係が深くなっていく。 
    可愛い話で温かくなった。...続きを読む
  • わたしの名店
    好きな作家さんが含まれていたので購入。自分の好きな作家さんがいる方にはぜひ読んで欲しい。
    自身の名店は何処だろ❓と思わされる。
  • 舞台
    主人公のあまりの極端さに笑ってしまうところもあったけど、共感点が多かった

    葉太の小説に対する気持ち
    自分のことを分かってくれる誰かがいる、というより自分と同じようなことを考えている人がいる!という気持ち
    葉太が葉蔵に感じるように、共通点から親近感で主人公へ心を許していくあまり、自分がとらない言動を...続きを読む
  • 円卓
    思ったこと何でもかんでも口に出しちゃダメなんだ…!って気づく瞬間がある。気づいた途端、急に喋るのが下手くそになり結果コミュ障。
  • うつくしい人
    もっと自分の短所に対して寛大になってもいいんじゃないかな。その方が、回り回って他人にも優しくなれるよ。たぶん。
  • 夜が明ける
    圧倒された。作者の怒り、問題提起、何とかしたいという思いの熱量に圧倒されて、細かいことはどうでも良くなってくる。

    「俺」と高校の同級生だったアキの過酷な人生が交互に描かれる。虐待、親の自死、ブラック企業、貧困。自己責任というにはあまりにも辛くて理不尽、まじめに働いても貧しさから抜け出せない毎日。
    ...続きを読む
  • わたしの名店
    感想
    下を向いてしまう日。どうしても顔を上げられない。代わりに足が動く。あの店に。あのメニューを目指して。続く毎日と一緒に歩くために。
  • 炎上する君
    軽い読み口、突飛なアイデア。なんだかスタイリッシュだけれどおどろおどろしい短編集。

    山崎ナオコーラに対する偏愛がたまらない本。
  • i

    大人になったアイやミナと今の私が同い年くらいなのに随分と大人に見え、とてもカッコいい。人に流されず興味のない感じがすごく落ち着くし何より心強かった。シリアのことや今戦争が起きているこの世の中のことを思うと避けたくもなるが思い続けることが大事なんだなぁ。