西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
⚫︎感想
人間の美しく繊細な部分と、自責に駆られるような暗い部分とを…だれもが折り合いをつけて生きていくしかないということを、アイの人生を追いかけながら確認していく、アイデンティティ獲得の物語。
個々の辛さ、悲しみ、痛みの深さはだれにもわからない。そしてよりしんどそうな人を見て、自分を恥じることはない、と教えてくれる。
⚫︎本概要より
アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、養子としてやってきたアイ。
内戦、テロ、地震、貧困……世界には悲しいニュースがあふれている。
なのに、自分は恵まれた生活を送っている。
そのことを思うと、アイはなんだか苦しくなるが、どうしたらいいかわからない。
けれど、やがてアイは、親友と出会い、愛する人と家族になり、ひとりの女性として自らの手で扉を開ける――
たとえ理解できなくても、愛することはできる。
世界を変えられないとしても、想うことはできる。
西加奈子の渾身の叫びに、深く心を揺さぶられる長編小説。
累計21万部!巻末に又吉直樹氏との対談を収録
残酷な現実に対抗する力を、この優しくて強靭な物語が、与えてくれました。――又吉直樹
読み終わった後も、ずっと感動に浸っていました。なんてすごいんだろう。この小説は、この世界に絶対に存在しなければならない。――中村文則 -
Posted by ブクログ
一読した印象は『サラバ!』のプロトタイプかと思ったが、此方は此方で独立した一つの作品である。
とある家庭の幸福の象徴としてのさくら。
著者の実家で飼っていた犬がモデルと知って納得。妙に解像度が高い訳だ。自分の実家にも犬が居るが、成る程、連中、慥かにあんな感じでものを言っている(笑)。
それと、この作品に限った話ではないが、西加奈子作品は関西弁(というか大阪弁)のクオリティも高い。「いやぁ」とか「静かぁに静かぁに」なんて云う台詞は抑揚まで完璧に伝わってくる。どうも大阪の人間は言葉の抑揚に感嘆や感情を大袈裟なほど(というか実際、誇張も多い)詰め込む癖がある。結果としてどこか謡うような独特の抑揚を生むのである。それを無音の表記上に表現する絶妙の技倆は個人的にポイントが高いと感ずる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ約1週間で読破。
自分の将来がとても不安になった。
まるでノンフィクションを読んでるようだった。
きっと不幸や貧困は1日2日でなり得るものではなく感覚が少しずつ変わっていく、抜け出せなくなっていくものなんだなと感じた。
ラスト数十ページが西さんの本当に伝えたいことなんだなと感じたが、同時に前半の内容とうまく統合できていないような感覚も持った。
2人とも必死に生きていた。知り得る世界で掴めるものを掴もうとしていた。今の自分がこんなものを読んでいいのかなという気になったし、この2人のように必死にもがいている人は未だ多々存在するのだろうなと思った。
だからこそ、助けての一言で変わるとはどうしても思えなかった。それはまだ自分が若いからかもしれないがどうしても思えなかった。しかし「助けて」その一言には自分の生活から抜け出したい、楽になりたい、競争から逸脱したいという決心と覚悟から出ている一言であれば描写されている以外の行動も相まってるとも受け止められるので、その意味では理解もできる。
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