西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前半は自分には合わなく読むのに時間がかかったが後半から「ふる」の世界に引き込まれ一気に読破した。
姿、性別、年齢、
それらを変えながらもなんども花しすの前に現れる人物。新田人生
人にとって、「人生」とはそんなものなのかな。と思った。
遠くから自分を見つめていて、その存在に時には気づき、時には忘れて、でも忘れたくなくて必死にしがみついている。きっと人生ってそういうもんなんだろうな。と、生きるとはそういうことなんだろうな。と。
P240
愛があれば、誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、その人を傷つけることは、怖くなくなるはずなんだ。
P179
自分たちがなんらかの奇跡の最中にいるよう -
Posted by ブクログ
西加奈子さんは、この本の登場人物のように自身がぼやけ、何か確かなものを掴みたいと願いながら書いたのではないだろうか。正直、終わり方はスッキリしたものではない。でも、その薄い靄が少しずつ薄れ、希望が見えかかった様子はリアルな現実だ。強さにはたくさんの種類がある。自分が置かれている状況や、関係している人間との関係値により、その場に適した強さは変わるだろう。でもそうではないときは?ひとりで生きていくと決めた人間は?弱さを認めることも、強くあろうと願い強い自分を演じることも、その人の強さがあるからできるのだろう。強さと弱さの間にいる自分を許さず、どちらかであろうとすることは、とても強い。
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Posted by ブクログ
通天閣の近くのアパートに住み、100円ショップで売られるライトのパッケージ詰めをして生活する40すぎの男。一方で、同棲していた恋人がニューヨークに旅立ってしまい、日銭を稼ぐためにキャバクラのようなスナックの黒服で生活する女。それぞれが毎日を同じ様に過ごしているのだが…。
それぞれの何のこともない日々、具体的な景色が浮かぶような生々しい日常は、何があるわけでもないのだが読ませる。二人の視点を交互に切り替えてストーリーは進んでいき、いつか出会うのか…。
この手のストーリーで、書き手として悩むところである、固有名詞については、早々にシーフードヌードルやUFOなんていう言葉をどんどん押し付けてくる -
Posted by ブクログ
ネタバレ不思議な話でした。作者は「いのち」を描きたかったと後書きで語っていたけれど、私は動物でありながら社会性を高く持ってしまった「人間」という生き物についての話だと感じました。
周囲との軋轢を生むのを避け、オチとして、無害な存在としてあろうとしてしまう主人公。優しいと言われるが、それは責任を負いたくないからだと自己嫌悪に陥りつつ、でも心和む日常の瞬間をレコーダーで録音するのはやめられない。色恋からも遠くあろうとしながらも、仕事で女性器と向き合うことは避けられない。人間の女性も動物であるという事実に日々向き合いながら、社会の中でうまく生きていかなければならない自分。おっとりとした主人公が、その事実に気
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