西加奈子のレビュー一覧

  • ふる

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    絶対に忘れたくない、心に留めたい、脳裏に焼きつけておきたい瞬間が、今までたくさんあった。

    誰かを意図せず傷付けたこと、わかっていたけど頭で思い描いていたより相手に傷ついた顔をさせたこと、どん底にいるような気分の、どうしようもない私を誰かが救い出そうとしてくれたこと、寄り添ってくれたこと。
    絶対に忘れない、と思うのに、記憶はするすると抜けていく。薄情な自分。

    この本は難しくてわからなかったけど、上述した私の経験と少しだけ交わるところがあったような気がする。

    主人公の花しすにだけ見える、白くてふわふわで全員にくっついている丸っこいものは、ふわふわしたこの小説そのものだし、ふわふわしてガッと核

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    2022年08月26日
  • こうふく みどりの

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    西さんの初期の方の作品。

    今まで読んできた西加奈子作品のなかでもかなりコテコテの大阪弁だったにも関わらず、さくさく読めた。
    主人公が女系家族で複雑だったり、友達との恋愛をめぐるちょっとした確執だったり、叔父さんが殺されていたり、殺人犯の妻として生きる葛藤だったり、色んな要素を散りばめているのに、読者に本作をさくさく読ませるとはなんたるや…!
    なんでかわからないけど、さくさく読めてしまった。


    緑の目に映る活字が、括弧書きで何の脈略もなく登場するのが、緑の視線そのものを想像出来て面白い。発想が天才。
    中学生の恋愛なんて興味ないのに、私までコジマケンの動向が気になって仕方なかった。

    上沼恵美

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    2022年08月26日
  • ふる

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    ネタバレ



    『今まであなたは、いろんな人と関わって、
    いろんな人に影響を受けて、与えて、
    生きてきて、そしてそのことを忘れてしまって、
    でも尚、生きている』

    『誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、
    その人を傷つけることは、怖くなくなるはず
    なんだ』


    花しすの考え方や生き方共感できる部分もあった。

    忘れてほしくない、けど深く関わって傷つくのも怖い。一方で知らぬ間に自分は誰かを忘れてしまっているし、きっと傷つけてもきたのに。

    だからこそ時に相手の望む自分であることや、場の空気を察知して適した言葉や行動をとったり。

    現代青年の対人関係の特徴である「ヤマ

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    2022年08月22日
  • サムのこと 猿に会う

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    西加奈子初期の短篇集。嫌なひとが出て来ないのがいい。ほっと出来る。

    3篇の中では、泣く女、猿に会う、サムのこと、の順に良い。猿に会う、は、朝井リョウだったら全然違う雰囲気の話になるんだろうなあ、と妄想した。

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    2022年07月21日
  • しずく

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    女性2人の関係性を描く短編集。大家と店子、OLと彼氏の連れ子、偶然再会した幼馴染、等々。女性同士にある(?)微妙な距離感ともやもやした感情を、一人称の視点から忖度なく描く。キレイにさせてないことが、真骨頂。
    短編なのだが、設定がおもしろく、それぞれで長編を読みたくなる。また、短編なので物語の途中で話は切れるのだが、ハッピーな余韻がここちよい。

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    2022年06月13日
  • ふる

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    ちと難しい。なぜそんな描写になるのか。。

    人は忘れていくもの、だからこそ生きて行ける。出会いも別れも、その時は長い時間を楽しみ、悲しんでいたはずだが、人生の中ではほんの一瞬かのように感じる。

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    2022年06月07日
  • 通天閣

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    ネタバレ

    前半はイマイチでしたが後半からはまずまず面白かったです☆ただ、あれくらいの感じが西加奈子さんらしいとは思いますが、ラストはもうちょっとだけ違った展開だったらより良かったかなあ。

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    2022年05月29日
  • しずく

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    女2人の物語、6つの短編集。
    解説も面白い。
    「その服、お気に入りなんですか?」になんとリアクションするか?
    素直になればいいのね。

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    2022年05月22日
  • しずく

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    いつもならレビューと評価を見て買う本を決めるけれど、久しぶりにレビューを見ず書店で表紙と裏表紙のあらすじを読んで何となく決めた。シャワーキャップが好き。1日でさらっと読めるのも良かった。

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    2022年03月25日
  • 地下の鳩

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    こういう世界は実際に見たことがないけれど、わかったような気分にさせられるほど、西さんの書き方がうまいのだろう。どんな職業であれ、きっと人間という生き物である限り、現状や人生に虚しくなる時があるんだろう。

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    2022年03月17日
  • 地下の鳩

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    もがきながら生きている夜の人間のお話。
    ミミィが行き交う人を見ながら、自分にはこんな人生もあったのかもって気持ちに共感しつつ
    なんかこう重い物が心に残るような、でも嫌いではない話でした。

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    2022年03月11日
  • あおい

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    最初はメンヘラ女子のダラダラしたストーリーだけの小説かと思っていた、終盤に向かうにつれて主人公を形成する過去を生々しく描けていると思った。関西弁口調のリズムやユニークな表現で飽きずに読み終えることができた。

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    2022年02月20日
  • ふる

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    ネタバレ

    前半は自分には合わなく読むのに時間がかかったが後半から「ふる」の世界に引き込まれ一気に読破した。

    姿、性別、年齢、
    それらを変えながらもなんども花しすの前に現れる人物。新田人生
    人にとって、「人生」とはそんなものなのかな。と思った。
    遠くから自分を見つめていて、その存在に時には気づき、時には忘れて、でも忘れたくなくて必死にしがみついている。きっと人生ってそういうもんなんだろうな。と、生きるとはそういうことなんだろうな。と。


    P240
    愛があれば、誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、その人を傷つけることは、怖くなくなるはずなんだ。

    P179
    自分たちがなんらかの奇跡の最中にいるよう

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    2022年01月27日
  • あおい

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     著者のデビュー作「あおい」に「サムのこと」「空心町深夜2時」を収録した短編集。
     決して明るくはない恋愛に対して真摯に向き合う主人公の姿が印象に残る作品。真面目に向き合えば向き合うほど、突拍子もない発言をしてみたり、行動をしてみたりするのだろうなと思う。

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    2021年12月30日
  • サムのこと 猿に会う

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     「サムのこと」「猿に会う」「泣く女」の初期3編収録の短編集。
     どんな状況であっても人生は流れていく。出会いもあり別れもある。それは流れ落ちる水のように、生きている限り時間は流れ続ける。
     本書に収録されている作品には水が共通して登場する。何かのわだかまりを水が洗い流してくれるということなのか、それは読む人それぞれの感性で受け取り方は様々だが、ここに収録されている作品は読むときの感情によっても違う色を見せるように思う。

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    2021年12月29日
  • ふる

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    西加奈子さんの描写が好きで、
    この作品も相変わらず、普段感じているのに言語化できないモノがたくさん描かれていた。
    「なんか、わかる」ような花しすの感情や思考が次々と登場するけど、でも、自分の中でうまく消化はしきれないという不思議な感覚が読んでも読んでも続いていくと言うか。
    ただ、この作品は私にとっては特に難解で、あとがきを読んでやっと少し飲み込めると言うか、そういう作品だった。
    あと何回か読めば少しずつ見えてくるかもしれないけど、回数だけでなくて経験も必要かもしれない。

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    2021年12月10日
  • 通天閣

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    今まで読んだ西加奈子さんの「さくら」「サラバ!」は人生の回想のような感覚で読んでいたけれど、こちらはむしろ今現在ちょっとずつ生きているイメージ。クライマックスの通天閣での掛け合いは疾走感があった。

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    2021年12月08日
  • 地下の鳩

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    西加奈子さんは、この本の登場人物のように自身がぼやけ、何か確かなものを掴みたいと願いながら書いたのではないだろうか。正直、終わり方はスッキリしたものではない。でも、その薄い靄が少しずつ薄れ、希望が見えかかった様子はリアルな現実だ。強さにはたくさんの種類がある。自分が置かれている状況や、関係している人間との関係値により、その場に適した強さは変わるだろう。でもそうではないときは?ひとりで生きていくと決めた人間は?弱さを認めることも、強くあろうと願い強い自分を演じることも、その人の強さがあるからできるのだろう。強さと弱さの間にいる自分を許さず、どちらかであろうとすることは、とても強い。

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    2021年11月26日
  • 字のないはがき

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    戦争の時の疎開する家族にまつわるお話。読み書きのできない妹が「○」で書いていた手紙を「×」にして、やがては届かなくなる描写にまず涙が出そうになり、
    疎開から帰ってくる際に、妹を喜ばそうと小さなカボチャまでも収穫して並べ、その様子を普段厳しい父親が怒らないことにもホロってきて、
    さらに、痩せ細った妹を見た厳しい父が「おおん」と大声で泣く様が、非常に心揺さぶられた。

    子供に読み聞かせたが、子供たちはやはりピンときていないようで、また大きくなって感受性が育ってから読んで欲しいと思いました。

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    2021年09月26日
  • 地下の鳩

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    夜の街で働く男。生活は汚い。ただ、そこがこの小説で好きなところ。人の生活を垣間見ているような感覚を覚える小説好きだなあ。

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    2021年08月13日