西加奈子のレビュー一覧
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絶対に忘れたくない、心に留めたい、脳裏に焼きつけておきたい瞬間が、今までたくさんあった。
誰かを意図せず傷付けたこと、わかっていたけど頭で思い描いていたより相手に傷ついた顔をさせたこと、どん底にいるような気分の、どうしようもない私を誰かが救い出そうとしてくれたこと、寄り添ってくれたこと。
絶対に忘れない、と思うのに、記憶はするすると抜けていく。薄情な自分。
この本は難しくてわからなかったけど、上述した私の経験と少しだけ交わるところがあったような気がする。
主人公の花しすにだけ見える、白くてふわふわで全員にくっついている丸っこいものは、ふわふわしたこの小説そのものだし、ふわふわしてガッと核 -
Posted by ブクログ
西さんの初期の方の作品。
今まで読んできた西加奈子作品のなかでもかなりコテコテの大阪弁だったにも関わらず、さくさく読めた。
主人公が女系家族で複雑だったり、友達との恋愛をめぐるちょっとした確執だったり、叔父さんが殺されていたり、殺人犯の妻として生きる葛藤だったり、色んな要素を散りばめているのに、読者に本作をさくさく読ませるとはなんたるや…!
なんでかわからないけど、さくさく読めてしまった。
緑の目に映る活字が、括弧書きで何の脈略もなく登場するのが、緑の視線そのものを想像出来て面白い。発想が天才。
中学生の恋愛なんて興味ないのに、私までコジマケンの動向が気になって仕方なかった。
上沼恵美 -
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ネタバレ
『今まであなたは、いろんな人と関わって、
いろんな人に影響を受けて、与えて、
生きてきて、そしてそのことを忘れてしまって、
でも尚、生きている』
『誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、
その人を傷つけることは、怖くなくなるはず
なんだ』
花しすの考え方や生き方共感できる部分もあった。
忘れてほしくない、けど深く関わって傷つくのも怖い。一方で知らぬ間に自分は誰かを忘れてしまっているし、きっと傷つけてもきたのに。
だからこそ時に相手の望む自分であることや、場の空気を察知して適した言葉や行動をとったり。
現代青年の対人関係の特徴である「ヤマ -
Posted by ブクログ
ネタバレ前半は自分には合わなく読むのに時間がかかったが後半から「ふる」の世界に引き込まれ一気に読破した。
姿、性別、年齢、
それらを変えながらもなんども花しすの前に現れる人物。新田人生
人にとって、「人生」とはそんなものなのかな。と思った。
遠くから自分を見つめていて、その存在に時には気づき、時には忘れて、でも忘れたくなくて必死にしがみついている。きっと人生ってそういうもんなんだろうな。と、生きるとはそういうことなんだろうな。と。
P240
愛があれば、誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、その人を傷つけることは、怖くなくなるはずなんだ。
P179
自分たちがなんらかの奇跡の最中にいるよう -
Posted by ブクログ
西加奈子さんは、この本の登場人物のように自身がぼやけ、何か確かなものを掴みたいと願いながら書いたのではないだろうか。正直、終わり方はスッキリしたものではない。でも、その薄い靄が少しずつ薄れ、希望が見えかかった様子はリアルな現実だ。強さにはたくさんの種類がある。自分が置かれている状況や、関係している人間との関係値により、その場に適した強さは変わるだろう。でもそうではないときは?ひとりで生きていくと決めた人間は?弱さを認めることも、強くあろうと願い強い自分を演じることも、その人の強さがあるからできるのだろう。強さと弱さの間にいる自分を許さず、どちらかであろうとすることは、とても強い。
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