西加奈子のレビュー一覧

  • 私の身体を生きる

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    凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
    ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
    共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
    性に関する体験をもとに感情が描かれていて、一読するだけでは飲み込みきれなかった部分もあった。一作ずつ丁寧に読みといていきたい。

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    2026年05月04日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    ネタバレ

    文字以外の空間が広い小説だった。4人それぞれが他3人に対して持つ嫌悪感や不快感が、過去の記憶に絆され、徐々に前向きなものになっていく過程が心地よい。所々で挿絵のように挟まれる風や空気、人物の形や仕草の描写が、読み手をその物語の世界の中にずっと留めておいてくれる。



    あの猫は死神のような存在だったのかな…

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    2026年05月04日
  • 舞台

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    ネタバレ

    旅しながらも葛藤する主人公の姿が自分に重なり、どんどん読み進めてしまった。
    「この苦しみは、自分しか体験できない」という言葉にとても救われた。仕事がうまくいかず、将来どうなるのか全く見当がつかないが、そんな苦しみは今私しか感じられない。そう思うと悪くないじゃんって思った。今の苦しみを噛み締めて生きていこう。

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    2026年05月03日
  • ふくわらい

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    ネタバレ

    憧れている人になれなくとも、傷付きながらも自分の道で精一杯生きているバイソンにめちゃくちゃ惹かれてしまった。今憧れの仕事に就いたものの、ハードワーク故に体調を崩して休職しているからかもしれない。共感できるだけでとっても救われる。
    西さんはこういう作品が多くて大好きだ!

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    2026年05月03日
  • 円卓

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    こんな素敵な家庭を作りたい、そう思わされる一冊。新しく家族ができた時に読み返したいな。
    みんなが顔を見合わせる円卓があって、おばあちゃんおじいちゃんも元気に暮らしていて、笑顔が溢れる食卓が最高にいい。
    主人公の心の中も面白い。

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    2026年05月03日
  • うつくしい人

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    ネタバレ

    物語の世界観、空気感がとても好き。
    みんなそれぞれ悩みはあるけれど、その大小、カテゴリーは人によって様々。
    自分が悩んでる時、他人の些細な、関係のない発言に救われることってあるよなぁ。
    大事な人はずっと変わらずいてくれるのに、自分だけ気持ちがうろちょろしていることもあるよなぁと今の自分のことのように感じた。
    悩んだ時に読み返したい。

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    2026年05月03日
  • i

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    「渦中の人しか苦しみを語ってはいけないなんてことはないと思う。想像でしかないけど、それに実際の力は無いのかもしれないけれど、想像するってことは心を、想いを寄せることだと思う」
    世界中の死をノートに記して、裕福な家庭に養子に貰われた時分を恥じていたアイ、望まない妊娠をしたが流産してしまったアイを心の底から心配して寄り添おうとしたミナ、「どこまでが使命としての報道なのか、どこまでが自分のためなのか」を悩み、難しさを内包した「愛があるかどうかだよ」というシンプルな答えに行き着いたユウ

    世界のどこかで起きている事への気持ちと身近な大切な人を想う気持ちは切実さや想いの深刻さや大きさに差はあるかもしれないけど、「想像」して「想いを寄せている」
    答えなんてないような悩みを抱えてるアイに共感まではいかないまでも想いを馳せていた自分にとってユウのシンプルな答えに腑に落ちたというか心が軽くなった気がした

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    2026年04月24日
  • i

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    これは久しぶりに読み応えのある本!!自分もルーツについてモヤモヤして生きてきたので改めて考えてみたい。

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    2026年04月23日
  • 舞台

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    「俺はいつだって演じている。何かを。正解を求めている。
    だが、困ったことに、この正解も曖昧だ。」

    その場で、どう、人に見られるかを常に意識してしまう自分と葉太が重なった。
    そこまでか!って思うところと、わかる、、ってなるところがたくさんあった。
    「自分とは?」を考え始めると思考がすぐ止まっちゃって、なぜだか怖くなることがある。
    他人からしたら本当にどうでもいい苦しみなんだろうけど、それに一生苦しめられるのかと思うと先が見えなくなるんだよなあ。

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    2026年04月23日
  • サラバ! 下

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    あらすじを見てあまり興味が持てないまま敬遠してきた本だったが、たまたま機会がありオーディブルで聴いてみた。最初は正直何を聴いているんだ…というくらいよくわからなかったが、なんだか止められず気づくとすっかり引き込まれてしまった。下巻あたりまで来るともう親戚の子供か自分の弟かと言うくらい歩くんが身近な存在になってしまい、彼が悩んでいることに心が傷んだ。まさか最後に涙することになるとは思わなかった。いい本に出会えた。

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    2026年04月22日
  • サラバ! 下

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    上中下巻からなら壮大な歩くんの半生記。読みやすいストーリーと「これでもか」というくらいの個性的なキャラクター群に引っ張られ、速攻読破!誰しもが悩む「じぶんの指標」について考えさせられる。「10代のうちに読んでほしい!」とオジサンからのオススメです!

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    2026年04月18日
  • サラバ! 下

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    宗教、生き方、信ずるもの。それぞれの人生において見えないけれど非常に大切なもの。
    人ひとりの人生を追うことって、本当に面白い。それぞれにドラマがある。
    争いを避けるために中立にいる。それによる存在を消してしまう能力。それは相手を思いやりながらも、結果的にはいつまでも使える方法では無かったし、積極性が無いがゆえの受け身な決断には自分の気持ちが無いという負の部分ともなった。
    にしても主人公の深い自叙伝、回想録であった。

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    2026年04月08日
  • i

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    ネタバレ

    アイに限らず、人は生きる権利・目的・根拠を求めていると思う。望んだか否かにかかわらず、それは強いほど、長続きするほどよい。
    血のつながりは生まれてきたのは正当性を担保するため。
    震災の渦中に自ら残ったのは、不幸な運命に自分が選ばれたと証明するため。

    しかし当事者性を持ったにもかかわらずアイが激しく苦しんだことがある。流産である。
    そこでアイは、不幸の当事者でありたいと願うのは傲慢であったと心から理解する。世界中の死者数を数えて苦しみを摂取していた彼女は、たった一つの命が消えたことに絶望した。
    さらにアイにとって理解できないことが訪れる。ミナが中絶することを打ち明けた。アイは非常に大きな怒りを覚えることになるが、しかしこれは必ずしも悲劇ではない。
    大好きなミナを許せないという感情は、細切れに分析されることなくそのままアイの中に残った。起こったことを細かく分割することなくそのまま感じ取り、受け止める心が育ったのだと思う。

    ミナに会いに行く途中、アイは事故で亡くなった、たった一人の子どものために泣いた。確かに存在していた彼の人生を思って。
    彼の名はアイラン・クルディ。以前のアイでは死亡者数しか見えていなかったであろう。

    幾多の苦しみの末、彼女は感受性に開かれた。
    たとえ経験していなくても、海の向こうで死んだ子どもを思って泣くことができる。砂浜の感触を、海の冷たさを、花束の色彩を享受することができる。ミナが子を産む決意を、心から祝福することができる。
    今や彼女は、生きる権利を探す必要はない。外に意味を求める必要はなかったのである。世界を見て、喜び、悲しみ、愛でる自分がいる。iの定義によって複素数の世界が開かれるように、アイが感じ取る世界があるから、アイは存在する。

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    2026年05月14日
  • サラバ! 中

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    この巻良かった。宗教について不思議に思っていたことの答えが分かった気がする。
    自分で自分が信じるものを見つける。
    これだと思う。みんな多くの人がその時代、その時代、不安で厳しい生活しかない世界だった。だから、外にすがれるもの、心の拠り所となるものが欲しかったし、必要だったんだ。あとは、今現代より見えないものを信じる気持ちが今よりはるかに純粋だったとも思うし、大きくなってからも親への従順さとかも違っただろうし。そして、自分が信じたものが間違いだったなんて、そうそう信じられないし、自分の信念みたいになってからはそれを手放すのはかなり難しいからね。他人に無理強いさせなかったとしても、ある意味心を囚われると枠外のことやものは見えなくなるし、受け入れ難くなる。
    では、宗教とこだわり、との違いはなんだろうか。

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    2026年04月06日
  • 私の身体を生きる

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    個人的にはむっちゃ面白かったが、娘を持つ父親としてはマジ複雑。危険すぎるやん、満員電車に乗せられないし、共学にも入れられない。とかやってると箱に入れすぎて社会に出て路頭に迷う。
    特に若い女性は希少性が高いし、あらゆる年齢層の男性から性的視線を向けられるキモさ、精神的苦痛は想像してもキツイ。
    しかも性被害に遭えば一生悩まされるし、キモい男性、痴漢は一定程度発生して避けようがないとしたら、。地獄に落ちないようにだけはしっかりと自衛せなあかんよな。

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    2026年03月31日
  • サラバ! 下

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    歩の成行とそれを励ます姉という、今までの話から予想外の展開に胸を打たれた。
    そのあとの父母やヤコブ再会も大きなポイントだと思うが、個人的に一番きたのはそこ。
    凄いスケールの話で読み応え抜群。
    左足からはじまり左足で終わるのも見事。
    凄い神様だ。

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    2026年03月27日
  • きいろいゾウ

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    終盤ムコさんが、当たり前にボタンを直してもらおうと考えてたところがお互いの愛を感じてすごくドキドキした

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    2026年03月23日
  • おまじない

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    ドブロブニクやばい!!!ほんまに泣いてしまう、好きかどうかわかんないけど尊敬する感情とか、自分の場所がなくなっていく感覚とか、イマジナリーフレンドが大人になっていなくなったところとか。まるで私が考えていたことを代弁してくれているようで、泣いてしまう

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    2026年03月18日
  • GOAT

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    読みやすいので、寝る前ひとつお話を読むのにいい
    様様な愛の捉え方があり、作家ごとに色んな観点があって読んでて楽しかった

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    2026年03月15日
  • さくら

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    ネタバレ

    とても泣いた。
    ミキの切ない恋心も、切なさも、家族の温かみも、一の絶望も、お母さん、お父さんの恋と、愛している人への、愛しているが故の反動の憎悪も、
    全部全部、自分じゃ受け止めきれず、どうしようもなくて、泣くしかなかった。

    サクラだけは誰に対しても平等で、いつもそこにいて、家族でいてくれる。

    愛する気持ちや大切に思う気持ち、
    愛しさがサクラというちいさなちいさな存在に詰まっている

    西加奈子さんの作品は、本当に感情に色を付けてくれて、
    読みながらぽかぽかしたり、切なくて悲しくて苦しくて胸がぎゅうっとなったり、
    この本と向き合ってるときは自分も薫くんと全く同じ気持ちを味わった。

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    2026年03月15日