西加奈子のレビュー一覧
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圷家に起こる様々な出来事を歩の視点から歩の成長と家族それぞれの人生の機微を描いた作品でした。
母や姉に振り回されて自分自身を消すように生きてきた結果、大人になって自分自身を見失うことになってしまったのが歩なのかなと思いました。
でも、エジプトで生活していた時の親友に再会することで本当の自分をちゃんと見つけられた、親友との再会のシーンは泣けてきました。
途中、荒んでいく歩の生活、その後の立ち直って行く姿がなんとなく今の自分に重なって、力をもらった気がしました。
淡々と話は進んでいきますが、このあと歩はどうなるの?なんで父と母は離婚したの?とか色々気になって、矢田のおばちゃんの言いたいこ -
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(あなたのなかから感想)
「がん」が一人称で語り部をやっていたと判明するのがいい。自分は今まで自分の身体も「私」という一人称に含まれると考えていたが、この話では「がん」という自分と呼べるかグレーな存在が体の中から自分のことを二人称呼びしてくる。大腸菌とかミトコンドリアとかの共生生物(?)からしたら「私」も「あなた」なんだなと思った。人間の生命を蝕む悪というのが人間から見た「がん」だが、「がん」はただそこに存在するだけで、その善悪は人類が勝手にラベル付けしたものだという当たり前のことに気付く。
自分はまだ「がん」を意識せずに生きているが、死にたいほど辛いのに死ぬのが怖いというのが自分がやがて味わ -
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神文芸誌が誕生。
もうGOATなしでは生きていけない身体になってしまいました。
私にとって何が神だって、基本的に読み切りを前提とした作品集になっているところ。
ずっと文芸誌というものに憧れはありつつも、でも文芸誌って連載ものが基本で、途中参加したい新参者はちょっと入りにくい仕組みになっていると思うんです。
かといって、バックナンバーを漁ろうにもそこにはやっぱり過去の連載作品が絶え間なく続いているのであって、その続きを読むためにバックナンバーを、、、という夢幻スパイラルに陥ってしまう。
そんな中で新文芸誌の誕生に、ついに一から連載を追える、文芸誌に手を出せるぞ、と思ったらそれ以上の衝撃、す -
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読んでよかった
病気の経過、バンクーバーの医療事情など
知らないことばかりの話だった
特にわたしに刺さったのが
家でテレビみていて流れてくる
内臓脂肪を減らすサプリのCMや
塾のCM
当たり前に見ていたCMや雑誌の広告など
これが日本人の価値観なんだと
知らされた
せっかくテレビ番組を楽しんでいたのに
CMがはじまるとなんだか心地よくないなと
感じる理由がこれだったんだ
2人目が産まれてから
もっぱら電車移動や外食が苦痛になった
旅行も車で行けるなら車で
食事もテイクアウトしてきてホテルの部屋で
食べる方が気が休まる
この子育てに対するストレスの根本は
日本人の価値観からだったんだ
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1番心にのこったのは、孫係かなあ
自分の感情に真っ直ぐに生きられずに相手の期待に応えようとするけどそれって中々難しい
そして相手に対してマイナスな感情が出始めるとそう思うことすらいけないんじゃないかと考えてしまう
けど、係だと思えば、よくできたら係の仕事だと思えば全て楽になる
マタニティも心に残った
周りからどう思われるかなとか弱いままって良くないと思いつう上手く生きていけない
今日会社の帰り道に、車椅子のおばさんを引いて駅まで送った。
その時、周りから偽善と思われるかなとか、私は車椅子を引いてる自分にいい事したって満足してるんじゃないかとか考えすぎちゃった。
けどよくよく考えてみ -
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ネタバレ泣くようなシーンはないのに読後涙が止まらなくて、自分でも言葉にできない。
何に感動しているのか、悲しいのか、嬉しいのかも、わからない、感情が爆発しているとしか言いようがない。
最後の数ページは私自身に確実に書かれていた、そう思ってしまう。
私と私の人生を鼓舞して、応援しようとしてくれていると思えた。
「あなたは、あなたの信じるものを見つけてほしい。」、これが言いたいことのすべてだと感じた。
いろいろなシーンの中で、姉貴子と歩が初めて向き合うシーンが心に残った。
生まれた瞬間から33年間ずっと抱いていた姉への嫌悪、怒り、恥ずかしさ、全てぶつける歩と、自分の信じるものを見つけて、人生を得た姉 -
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ネタバレ
歩の中高大社会人初期までが描かれていた。
この小説での好きなポイントは性的ではないが男性同士が人間的に強く惹かれる様がテーマの一つにあること。
須玖との関係は性的関係さえないが、恋人のそれに近い独占欲と好意を感じる。
他にもエジプト時代の少年や、いとこの義一、高校の同級生の林など、同性愛、ゲイがかいまみえるシーンが多い。
また精神的な衰弱、関連した宗教・信仰心もテーマの1つである。
何か頼る先を求めている人にサトラノコヲモン様をつくったおばちゃんの、純粋な気持ちには、宗教者としてのあるべき姿を感じてしまったし、いかに自分が宗教的なものに忌避感を覚えているかも感じた。
とにかく純粋であってく
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