西加奈子のレビュー一覧

  • 夜が明ける
    余りに重たい現実が粛々と書き連らねており、ともすれば読む事が辛いかも知れないが、ラストに僅かばかりの光がさす事で、確かに希望は存在すると思わせてくれた。
    一日本人として、いつか「夜が明ける」事を祈らずにはいられない。
  • くもをさがす
    いつもの西さんの小説での情景やセリフも大好きですが、この作品では彼女の実体験からの感情をリアルに感じることができ、何度でも読めます。泣いたり笑ったり、忙しく、一気に読んでしまいました。
  • しずく
    西加奈子さんの作品を作品を順番に読んでて、これは5冊目。
    本作は短編集で、今までの作品よりはちょっと切ないものも多めかなぁという印象。

    どれも素敵だけど個人的に好きなのは「灰皿」。少し「きいろいゾウ」に通じるものがあった印象。

    好きな人の要求を全て受け入れようとしたり、逆に秘密から目を逸らしたり...続きを読む
  • 夜が明ける
    2人の男の人生の話。なんだけど、それだけではなくて、社会問題、特に貧困と労働についての強い強いメッセージが伝わってきた。

    全体的には重いし、その重さのまま淡々と進むから、読み進めるのがしんどい時も正直ある。でも、それだけ私たちに、忘れてはいけないこと、考えることを放棄してはいけないと、叫びに近いエ...続きを読む
  • わたしに会いたい
    強くて、自由で、生き生きしてて寛大。
    私は毎日痩せなきゃって思ってたし、VIO脱毛しないといけないのかな?とか、綺麗な女の人の写真を見る度に不安になった。
    女としての価値とか言われる意味不明なものに苦しんでいた。
    でも、私が嫌なことはしなくていいんだ。
    人にとやかく言われることを恐れる必要はないし、...続きを読む
  • サラバ! 上
    下巻まで読み終わっての感想

    最初から最後までおもしろかった。ただただこの本の世界に浸かっていたかった。

    ヤコブと再会して、ヤコブがサラバ、と小さな声で言った場面、自分までビリビリと震えた。
  • 通天閣
    愛されるためには愛すること。
    遠くにいる他人を幸せにするんじゃなく
    身近にいる人を大切にすること。

    現実はドラマみたいに派手じゃないし
    突然奇跡が起こって何もかも変わる!
    なんてことはないけど
    毎日コツコツ生きていくことも悪くないなあと
    そんな私の毎日を肯定してくれる小説でした
  • さくら
    永遠に「西加奈子」の文体で殴られる感じがした。正直前半は読むのが結構辛い(一見無駄な展開や描写が続くから)けど、その細かすぎる描写とか、冗長に思える描写があるからこそ、長谷川家の子供たちの成長を1番近くで親とか兄弟のように見守っている感覚になる。そしてそれが後半の美しい絶望へと繋がるという構成が本当...続きを読む
  • 白いしるし(新潮文庫)
    よ、よ、よ、よすぎ〜〜〜〜〜!!!!!!!
    久々にストレートな恋愛小説読んだな!!という感じ!これストレートか!?分からん!分からんけどかなり最高の恋愛小説!!!胸が苦しすぎて爆発しちゃうかと思った。一気読み。おもしろすぎ。最高。はあ、好き。

    主人公は夏帆ちゃん
    間島昭史は野口準くん
    瀬田は陳内将...続きを読む
  • i

    主人公の境遇や心境に共感することはすこし困難でしたが、生き方について考えさせられる。また時間を置いて読んでみたくなる、持って置きたい1冊になりました。
    1回目に読み終えて思ったのは、ミナはじめ、アイをとりまく主要人物がみんな温かみのあるいい人たちすぎる‼︎その人々に魅せられました。
  • きりこについて
    凄まじい話しだった。
    展開も早くて一気読みしてしまいした。
    自分を可愛いと思い込んでるキリコに最初は嫌悪感を抱いたけれど、キリコはただ素直なだけだったんだと分かり自分が恥ずかしくなりました。
    素晴らしい女性、周りも幸せにする心温まりました。
    自分は犬派なんですけど猫の事をこれからはもっと観察して見よ...続きを読む
  • きりこについて
    出会えてよかったなと思う一冊。
    ユーモアを交えながらも、鋭い指摘や視点がしっかりと表現されていた。
    サラッと読み始めて、ぐっと惹きつけられる。
    印象深い小説でした。
  • きいろいゾウ
    西加奈子の言葉は、私の心のぼんやりとした不安をゆっくり和らげて、安心させてくれる。

    本作で大好きな言葉
    「たくさん、たくさん、あります」

    まだ知らないことや、知ろうとしなかったこと、ただそこに横たわっているだけで美しいようなことが、この世界にはたくさんある。

    死にたいわけではないけど居なくなり...続きを読む
  • きりこについて
    コンプレックスがあったり、周りの目が気になったり、自分にはきっと抱えてるものがたくさんある。でも、ずっと自分のことを愛してあげられるのは自分だけ。
    読んでから、生きるのが少し楽になった。
  • 白いしるし(新潮文庫)
    『清潔な欲望』『清潔な生命』西加奈子さんの作り出す言葉が好きだ。そんな風に見たこと、考えたことなかったなぁと思うような視点を作り出す言葉。それとは、アンバランスな物語の設定。読み終わった後に体力の消耗を感じた。
  • わたしに会いたい
    西加奈子の乳がん闘病の影響を感じる作品も多くある。
    女性の身体や容姿について、ブスでもイビツでも、愛するしかないのですね。せめて自分だけでも。きっと愛着が湧いて、イビツさも愛おしくなる。

    「ママと戦う」のママ、なんかすごく愛おしいキャラでした。
  • i

    この本は、最後のシーンに何度も出会いたいがために、再読してしまいます。モヤがかかっていたものが、スッキリ快晴のようになる、うまく表現できませんが、好きなラストシーンです。

    再読したのはだいぶ前ですが、
    確か、自分の悩みを他の人の悩みと比べなくていいと言うような文章に心救われた記憶があります。
    私も...続きを読む
  • i

    再読。なぜかは分からないけど定期的に読みたくなる。
    自分とは違う環境にいる人、生まれた人々。暖かく平和に暮らしている私には、少しは理解できるようでいて本質的には理解できない。所詮テレビの向こうで起きている惨状でしかない。これは振り幅の違いはあれど、日本社会にも言えることだと思う。
    ただ、胸を痛めるこ...続きを読む
  • 夜が明ける
    夜が明けるか… 。西さんの書く物語は、みんな息をしていて、存在してる。暖かな部屋でお腹を満たしながら本を読むことのできる私が、軽々しく感想を書けるような気持ちになれない読後感。ただただ彼らに心震えるような美しい夜明けを。
  • 白いしるし(新潮文庫)
    恋愛小説を読んだ事がなかったので短編ということもあり本作を手に取りました。
    僕自身が大人になってから恋愛をした事が無いので、社会人の恋愛については分からない事だらけです。 登場人物が芸術家ばかりのこの作品は僕が手に取るには早かったかと思います。
    解説にもありましたが歳をとってから結婚する人にはたくさ...続きを読む