西加奈子のレビュー一覧

  • i

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    シリアから養子として迎えられた主人公・アイが、「自分はなぜ選ばれたのか」「存在するとはどういうことなのか」を問い続ける物語。読んでいるうちに、戦争や貧困などの社会問題に対して、自分自身もどこかで“難しい”の一言で片付け、無意識に目を逸らしていたのかもしれないと考えさせられた。

    アイはとても優しく、繊細で、頭の良い人物だからこそ、周囲から愛情を受けながらも、自分の存在意義について深く悩み続けていたのだと思う。自分の幸せを願う気持ちと、この世界の誰かの幸せを願う気持ち。そのどちらを優先すべきなのか、アイはずっと揺れ続けていたように感じた。しかし最終的には、そのどちらを願うことも決して矛盾していな

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    2026年05月18日
  • 円卓

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    ネタバレ

    本当に良かった〜。西加奈子、こう、言葉にできないけど知っている感情を描写するのが上手なんだよね…。

    こっこは9歳、小学5年生。祖父母と両親、三つ子の姉と団地で暮らしている。幼くて聡明で猛々しいこっこの、日常と成長の物語。

    基本的に文体は軽やかでコミカルなんだけど、ふとしたところに出てくる各人の優しさにめちゃくちゃぐっとくる。「みんなそうだから」に流されないこっこが瑞々しい感性で世の中を見て、感じて、成長していくこと。こっこを取り巻く人々の形のない、けれど常に薄く漂う優しさ。
    表題「円卓」は家族が揃う場でずっとタイトル回収はしてるんだけど、ラストがあまりにぐっとくる。力強い筆致で書かれたこっ

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    2026年05月16日
  • サラバ! 下

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    ネタバレ

    なんだか胸にずっしりときました。
    考えさせられるテーマが、自分の中での気付きが山のようにあって。とても良い作品に出会えたなと思いました。またすぐ読み返しそう。

    上、中巻でうまいこと世渡りできていた主人公。年齢を重ね老いへ向かう、30代半ば。自分の人生を振り返って、何を得たのだろうかと考え、苦しみ、友人を妬み家族を恨むようになる。心理描写がとてもリアルで、歩だってそこまで悪い人間じゃないのにと、同世代の私は読んでいて苦しくなりました。姉の言葉に耳を傾ける事ができた歩は立派だと思いました。

    個人的に、上、中巻で気になってた両親の離婚の謎や、どうしてるかなと思い巡らせてた友人たちのその後が描かれ

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    2026年05月12日
  • i

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    戦争や事件事故のニュースや、それこそ読書の中ででも自分は今恵まれた環境で生きているということに関してもちろん考えたことはある。でもあまりにも当たり前になりすぎてしまっていたと思った。知ってるし分かってるけど私には関係ないと思ってしまっていたし、物語の世界みたいに感じてしまって“実際起きていること”という違和感がありました。凄く難しい。私の周りには海外の人や養子として育った人はいない。でももし居たらまた色々と考えることも感じ方も違ったりしたのかなと思いました。恵まれていることに対して恥ずかしいと思う感情は少しわかる気もする。恵まれていることに対しての罪悪感、私はたまたま恵まれた環境に産まれただけ

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    2026年05月12日
  • サラバ! 中

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    面白くて一気に読んじゃいました。中巻。

    実は男性が書いてるんじゃないの?って思うくらい思春期の男の子の心理描写や友達とのやり取りまでありありとしていて驚きました。目から鱗って感じで読みました。歩も憧れていたお友達の須玖くん、素敵だなぁ。こういう人は救われてほしい。

    姉と父、宗教的なものを含め「何を信じるか」がちょっとキーになってくるのかなという気がします。相変わらず母のキャラクターは強烈。
    さていよいよラスト下巻!どんな展開になるのか楽しみです。

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    2026年05月10日
  • サラバ! 上

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    面白いです。続きが気になる。

    イランに生まれ、美人で気が強い母、静かで優しい父、そして猟奇的な姉(今ではよく聞く、発達に課題がある子、にカテゴライズされるのでしょう)を家族に持つ、僕。その幼少期が語られています。
    仲の良くない母と姉の機嫌を損ねぬように、幼い頃から処世術を上手く身に付けてしまった主人公の心の動きがとても興味深い。

    そして日本での生活も束の間、物語は父の次の赴任先、エジプトのカイロでの暮らしへ。
    日本生まれ日本育ちの私にはカルチャーショック、とても刺激的でした。うわぁ大変そう、と思って読み進めますが、住めば都なのかだんだんとこの国を愛していく主人公の感情も知り。現地でできた家

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    2026年05月09日
  • おまじない

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    私は本当はイジワルなのではないか?あんなに優しかった死んだおばあちゃんを忘れるなんて薄情なんじゃないか?付き合ったばかりで妊娠するなんて他の人にどう思われるだろうか?
    ひっそりと孤独に悩む女性にそのままでいいんだよと言ってくれるような一冊。
    外からガヤガヤ言ってくるひとたちが多い時代になったけど、そんなの無視してよし!

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    2026年05月07日
  • サラバ! 下

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    下巻を読み終えて振り返ると、上巻中巻にも全く無駄な話がなかったなぁと感心した。すべてのストーリーが結末につながる意味のあるものだったことに感動。
    中巻で感じていた違和感(歩の苛立ちの身勝手さ)が間違っていなかったことがわかって、個人的には胸のつかえが取れた感じもあって爽快。
    あなたの信じるもは、あなた自身で見つけにいかなければならない。そしてそれは既にあなたのすぐそばにあるはず。
    この物語ではその一例が登場人物の数だけ例示されているに過ぎず、あくまで表面的なもの。本質の答えはそれぞれが生きる意味、生きる根源を心の芯として見いだせるかどうかだから。
    それがある限り、生活に付随する全てはどれもご褒

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    2026年05月07日
  • サラバ! 下

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    ネタバレ

    上中下の3部作、歩の37歳までの物語。
    1人の人生を覗き見た感覚。読み終わった時の余韻は他の作品では味わえない。
    37歳までの人生を歩目線で描くからこそ人生の紆余曲折が描かれる。
    読者のその時の置かれている環境、年齢などによって同じ読者でも感じることが違う気がする。
    自分が人生に迷った時にまた戻って来たい。
    正直、この作品の凄さを上手く言語化できる気がしないけど、なんかすごい。
    自叙伝の形で進む本作、なぜそのような文体なのかは最後に回収?されなるほどなとなる。
    「自分の人生において何を信じるのか?」それが今作のテーマ。
    この本の中で信じるものの正解は明確に描かれてはおらず、それぞれの登場人物な

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    2026年05月05日
  • こうふく あかの

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    世間一般的なものさしに左右されないで生きている兎島からの「かっこいい」だったからこそ、嬉しかったんだろうな。

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    2026年05月05日
  • サラバ! 下

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    やあ、面白い小説だった。上中下3巻があっという間に読めてしまう……といいつつ進むのがもったいなくて故意に時間をかけて読みもした。
    主人公の歩の前半生(30歳くらいまで)がヤコブや須玖といった親友・ソウルメイトをの結びつきがあるし、高身長のイケメンだしで順風満帆でそのまま痛快に人生を生きていくのかと思いきや、30歳過ぎからどん底に落ち込んだのが衝撃。
    しかもそれは、家族や人々の間でうまいこと立ち回ってきたがゆえ、うまいこと立ち回ろうとするがために自分の芯をなくしてしまっていたというわけ。歩が幼い頃から自己顕示欲が強い面倒な存在だと思っていた姉が、それらの言動は実は自分の芯を求めるための遍歴であり

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    2026年05月04日
  • サラバ! 中

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    やあ、面白い小説だった。上中下3巻があっという間に読めてしまう……といいつつ進むのがもったいなくて故意に時間をかけて読みもした。
    主人公の歩の前半生(30歳くらいまで)がヤコブや須玖といった親友・ソウルメイトをの結びつきがあるし、高身長のイケメンだしで順風満帆でそのまま痛快に人生を生きていくのかと思いきや、30歳過ぎからどん底に落ち込んだのが衝撃。
    しかもそれは、家族や人々の間でうまいこと立ち回ってきたがゆえ、うまいこと立ち回ろうとするがために自分の芯をなくしてしまっていたというわけ。歩が幼い頃から自己顕示欲が強い面倒な存在だと思っていた姉が、それらの言動は実は自分の芯を求めるための遍歴であり

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    2026年05月04日
  • サラバ! 上

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    いやあ、面白い小説だった。上中下3巻があっという間に読めてしまう……といいつつ進むのがもったいなくて故意に時間をかけて読みもした。
    主人公の歩の前半生(30歳くらいまで)がヤコブや須玖といった親友・ソウルメイトをの結びつきがあるし、高身長のイケメンだしで順風満帆でそのまま痛快に人生を生きていくのかと思いきや、30歳過ぎからどん底に落ち込んだのが衝撃。
    しかもそれは、家族や人々の間でうまいこと立ち回ってきたがゆえ、うまいこと立ち回ろうとするがために自分の芯をなくしてしまっていたというわけ。歩が幼い頃から自己顕示欲が強い面倒な存在だと思っていた姉が、それらの言動は実は自分の芯を求めるための遍歴であ

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    2026年05月04日
  • 私の身体を生きる

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    凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
    ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
    共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
    性に関する体験を

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    2026年05月04日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    ネタバレ

    文字以外の空間が広い小説だった。4人それぞれが他3人に対して持つ嫌悪感や不快感が、過去の記憶に絆され、徐々に前向きなものになっていく過程が心地よい。所々で挿絵のように挟まれる風や空気、人物の形や仕草の描写が、読み手をその物語の世界の中にずっと留めておいてくれる。



    あの猫は死神のような存在だったのかな…

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    2026年05月04日
  • 舞台

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    旅しながらも葛藤する主人公の姿が自分に重なり、どんどん読み進めてしまった。
    「この苦しみは、自分しか体験できない」という言葉にとても救われた。仕事がうまくいかず、将来どうなるのか全く見当がつかないが、そんな苦しみは今私しか感じられない。そう思うと悪くないじゃんって思った。今の苦しみを噛み締めて生きていこう。

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    2026年05月03日
  • ふくわらい

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    ネタバレ

    憧れている人になれなくとも、傷付きながらも自分の道で精一杯生きているバイソンにめちゃくちゃ惹かれてしまった。今憧れの仕事に就いたものの、ハードワーク故に体調を崩して休職しているからかもしれない。共感できるだけでとっても救われる。
    西さんはこういう作品が多くて大好きだ!

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    2026年05月03日
  • 円卓

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    こんな素敵な家庭を作りたい、そう思わされる一冊。新しく家族ができた時に読み返したいな。
    みんなが顔を見合わせる円卓があって、おばあちゃんおじいちゃんも元気に暮らしていて、笑顔が溢れる食卓が最高にいい。
    主人公の心の中も面白い。

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    2026年05月03日
  • うつくしい人

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    ネタバレ

    物語の世界観、空気感がとても好き。
    みんなそれぞれ悩みはあるけれど、その大小、カテゴリーは人によって様々。
    自分が悩んでる時、他人の些細な、関係のない発言に救われることってあるよなぁ。
    大事な人はずっと変わらずいてくれるのに、自分だけ気持ちがうろちょろしていることもあるよなぁと今の自分のことのように感じた。
    悩んだ時に読み返したい。

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    2026年05月03日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なんというか、ヒリヒリどころかズタズタ(笑)
    それなのに、そういう物語を求めているときがある。

    恋が恐怖からはじまるところが刺さった。近づくたび、相手への感覚が研ぎ澄まされて、言葉が溢れて、理解した気になるけど、結局、近づいた先は、暗くて、恐怖は恐怖のままだった。
    それぞれの狂気があって、人のことには冷静なのに、自分の感覚は止められない。
    『間島昭史』という概念、瀬田の存在。
    主人公が生き抜くために必要な終わらせ方だったんだと感じた。恋愛だから湧いたエネルギーであり、恋愛だけだったら湧かなかったエネルギーだと思った。

    わたしには、まだ受け取れていないことが山程ある気がする。また、読み返した

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    2026年05月03日