小説 - KADOKAWA作品一覧

  • 木更津キャッツアイ 日本シリーズ
    4.4
    熱狂的ファンを獲得した伝説の連ドラ「木更津キャッツアイ」を映画化、大ヒットした作品のシナリオ本。またしても余命半年を宣告されたぶっさんと仲間たちの最低で最高の夏をぎゅっと詰め込んだ傑作物語。
  • 忌談
    4.1
    1~5巻506~528円 (税込)
    キャバ嬢、風俗関係者、裏街道に生きる人々……。そんな彼らが出くわした怖い話、嫌な話、おぞましい話……。思わず頁を閉じたくなるようなエピソードの数々。本書は気の弱い方にはオススメしません。
  • ジュリエットXプレス
    3.2
    寝台特急での誘拐事件に遭遇した少女。学生寮でスナッフフィルムの噂を語る少女。そして、ある少女の自宅に侵入してきた殺人鬼。大晦日を超えた45分後、3人の少女たちの運命は!? 衝撃のリアルタイムノベル!
  • ゴシック&ロリータ幻想劇場
    4.2
    怪奇、不条理、愛、夢、残酷、妖精、ロック……奇才・大槻ケンヂが、可愛くって気高い女の子たちのために、ロマンティックで可笑しくって悲しい物語を紡ぎ出しました。単行本未収録作品を加えた完全版。 ※本書は、二〇〇五年十二月にインデックス・コミュニケーションズから刊行された『大槻ケンヂ短篇集 ゴスロリ幻想劇場』に、単行本未収録作品を加え改題のうえ、文庫化したものが底本です。
  • 動物農場
    4.4
    一従軍記者としてスペイン戦線に投じた著者が見たものは、スターリン独裁下の欺瞞に満ちた社会主義の実態であった……寓話に仮託し、怒りをこめて、このソビエト的ファシズムを痛撃する。
  • ラスト・イニング
    3.9
    野球を通して少年たちの瑞々しい想いと情熱を描き、世代を問わず爆発的な人気を得た「バッテリー」シリーズ。シリーズ屈指の人気キャラクター・瑞垣の目を通して語られる、彼らの「その後」の物語。新田東中と横手二中、運命の試合が再開された! ファン必携の一冊!
  • 不幸な恋の終わらせかた
    4.0
    「カラダの、つきあい」略して「K2」を重ねてしまうあたしは、なぜ不幸な恋からぬけだせないのだろう? 本当の恋をもとめるすべての人に贈る、究極の恋愛小説!
  • ぼけナースいつもオドロキ編 新米看護婦物語
    3.5
    病棟に獅子舞がやってきた! 患者さんにつけ届けをもらっちゃった! 患者さんが自殺しようとしてる! 病院はいつも驚きでいっぱい、新米ナースのドキドキには終わりがありません。それでもさりげなく進んでいく病院の日常を、ナース経験をもつ著者が愛情こめて描きました。医療現場に吹き始めた新しい風も予感させつつ、好評の「ぼけナース」シリーズ、ついに完結編です。
  • ぼけナースたまにオトボケ編 新米看護婦物語
    3.0
    ナース十人いれば看護も十色。新米ナース・有福のこだわりは、「白衣の天使」とはちょっと違います。患者さんの髪にかぶせてあげるネット。床ずれの効果的な治療法。そして、死にゆく人の最期の言葉……。力みかえったり、ホロリとしたり。天然ぼけと正義感の絶妙なバランスで、現代社会の縮図・病院の日常を生き生きと描きます。「病気になんか縁がない」と思っている人にもおすすめしたい、人気コミック『おたんこナース』の原案小説化です。
  • デス・ネイル
    3.5
    ネイリストを目指す奈々子はボランティアで老人ホームを訪れ、かつ江という老婦人の爪を美しくマニキュアした。数週間後、かつ江が亡くなったという知らせとともに、遺品の眼鏡が奈々子のもとに届けられる。奈々子がその眼鏡をかけると不思議な映像が見え、奈々子を窮地から救い、導いてくれた。かつ江の眼鏡を武器に、一躍カリスマネイリストへの道を歩み始めた奈々子だったが……。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作家の待望の作品集!
  • 誰の中にでもいる彼
    3.4
    人生には忘れがたい瞬間がある。十四年前、東京駅のプラットホーム。そこにいたのは互いに縁もゆかりもない29歳の人妻と27歳の独身商社マン。運命が連れ添うはずもない二人を引き寄せたのだった。だが、輝かしい時間も歳月とともに色褪せてゆき……。燃えるような恋とその後の顛末を綴った文庫オリジナル作品「誰の中にでもいる彼」ほか6編を収録。ベストセラー『水曜の朝、午前三時』の著者が贈る、珠玉短編集。
  • 橋をわたる
    -
    時間給の高さに惹かれ、大学の夏休みの期間だけ、僕は塾講師のアルバイトをすることにした。担当する科目は小学校五年生の算数。文学部の僕にとって、彼らに算数を教えるのは至難の業だった。なんとか夏期講習前期最後の授業まで辿り着き、ひと安心した矢先、教室で信じられない出来事が起こる。女子生徒の一人がシャーペンで自分の顔を突き刺し始めたのだ。なぜ彼女はそんなことを? 僕は、人には言えない特殊な能力を使って、事件の裏に潜む謎を調べ始める……。驚愕のホラー小説!
  • 雨は見ている 川は知ってる
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ずっとずっとひとつの思いに沈みこんでその中でさまよっていると今がいつでここがどこなのかは大事でなくなる そんなふうにふだんの時間もすごせたらいいのに
  • あなたの気持ち
    -
    30歳を目前に控えたなつき。イラストレーターと物理学者の卵という、二つの顔を持つ。恋人は妻子持ち。気ままな独身生活の心地よさの中で、何か大きな変化に飢えていた。ある日、なつきは、出版社のパーティーで、カメラマン・矢沢と出逢う。大酒呑みで、離婚歴2回、しかも仕事でほとんど日本にいない矢沢。そんな彼に、アザラシ・ウォッチングの旅に誘われた。彼の「人生観が変わる」という言葉に惹かれて、なつきはマドレーヌ島へ。二人の心に、運命の扉が開きつつあることを、まだ気づかずに……。傑作結婚小説。
  • 李陵・山月記 弟子・名人伝
    4.3
    1巻506円 (税込)
    漢の最盛期、武帝の時代。が、北辺の地に匈奴の来襲があいつぎ、時代に影が兆しはじめた。李陵は、五千の少兵を率い、十万の匈奴と勇戦するが、捕虜となった。その評価をめぐり、華やかな宮廷に汚い欲望が渦巻く。司馬遷は一人李陵を弁護するが、思いもかけぬ刑罰をうける結果となった。讒言による悲運に苦しむ二人の運命に仮託して、人間関係のみにくさ美しさを綴る「李陵」他に、自らの自尊心のため人喰い虎に変身する李徴の苦悩を描く「山月記」など六編を収録。
  • 舞踏会・蜜柑
    4.2
    「私は花火のことを考えていたのです。我々の生のような花火のことを」秋の夜の鹿鳴館舞踏会で、露台に出たフランス海軍将校は明子に教えるような調子で言った。……夜空に消える一閃の花火に人生の空しさを象徴させた名作「舞踏会」、ほのぼのとした小品「蜜柑」。ほか「葱」「路上」「鼠小僧次郎吉」など大正8年度作品を収録。
  • 眠りの家
    3.0
    学生時代からの友人潤木と吉沢は、千葉・外房で奇妙な円筒形の建物を発見する。釣人を装い調査を始めたが……。表題作のほか、不朽の名作「ゆきどまりの女」を含む全六編を収録。
  • 杜子春・南京の基督
    4.3
    「杜子春」は、中国伝奇を骨子としたメルヘンで、唐の洛陽の若者が仙人から母の愛の尊さを教えられる話。同じく中国物の「南京の基督」は、秋の一夜年若い売春婦が体験した、基督との不思議なふれあいを描き、短篇技巧の冴えを示す。ほか、名作「秋」「お律と子等と」など大正9年度の作品十数篇を収む。
  • インドラの網
    3.0
    ツェラという高原を歩いているうちに、ふと“天の空間”に滑り込んでしまい、天人、蒼い孔雀、天界の太陽などあらゆる美の極致を目にする主人公を描く表題作「インドラの網」をはじめ、夢と神秘にあふれた幻想的作品を集める。「雁の童子」「学者アラムハラドの見た着物」など“西域異聞”と呼ばれる作品も含め、賢治の持っていた〈心象宙宇〉の途方もない大きさと透明度をあますところなく伝え、賢治世界の真骨頂ともいえる童話集である。
  • 余は如何にして服部ヒロシとなりしか
    3.2
    同級生の姉に連れられて訪れた古い家屋。軒下には文化祭のセットで作ったはりぼての風呂。彼女はここで汗を流せと自ら服を脱ぎ始める。グロテスクな不条理の世界が選考委員の度肝を抜いたホラー大賞短編賞受賞作!
  • 丸の内殺人物語
    4.0
    ◎部下と帰宅途中、飲酒運転の人身事故を起こしてしまった! ◎単身赴任先で浮気をしていたら、突然妻がやってきた! ◎やりすぎの領収書ゴマカシがついに経理の女の子にバレた! ◎トイレで専務と並んで用足し。どんな挨拶をしたらいいのか! サラリーマンなら誰でも体験しそうなピンチの数々。うまく脱出をはからねば、破滅があなたを待っている……。身につまされる笑いのあとに、背筋も凍る恐怖。読み出したら止まらない興奮の短編5連発!(『それは経費で落とそう』改題)
  • まじめ半分
    3.5
    結婚披露宴でのジョークを一つ。「夫婦円満のコツは、相手をほめることです」というスピーチを聞いて、花嫁がその夜ベッドの中で早速実行したそうだ。「あなたって上手ね」と。阿刀田高は、現実と非現実の境目にあるぼんやりしたものをすくいとる天才だ。意気消沈している人は、この本を読んで元気になって下さい。真面目すぎる人は、少しは笑って下さい。ジョークなしの人生なんて考えられないのだから……。阿刀田高の頭の中を全面公開したこの一冊、お見逃しなきよう!!
  • 空想列車(上)
    -
    1~2巻506~550円 (税込)
    同じ列車に偶然乗り合わせた四人の女性。二十代、三十代、四十代――年齢も境遇もまったく違う彼女たち。現在の生活に不満はないが、特別満足しているわけでもない。ただ、ほんの少しの願望を持っているだけ。その空想をそれぞれが想い描いている時、突然、列車事故で自分の空想が他人に取り込まれてしまった。ちょっとした出来事。それは、彼女たちの運命の歯車を少し動かしただけのようにみえたが……。男と女の不透明な時間。
  • ワンナイトミステリー 「シアトルの魔神」殺人事件
    -
    化粧品会社に勤める永峯希美は、顧客向けに制作しているPR誌の小説を読んで驚いた。8年前にシアトルで体験した恋人との別れの場面が、セリフもそのままに描かれていた。作者は、ほかでもない過去の恋人。だから99%が事実。だが1%が違う。作中の希美は哀しい最期を遂げているのだ! 希美は別れた男の真意を探るためにシアトルへ。指定された再会場所へきた男は自らを「魔神」と呼ぶ変人に変貌をとげていた。そして最悪の事態が……。ワンナイト、今回の探偵役は烏丸ひろみ!
  • 美濃路殺人事件
    3.5
    愛知県犬山市の明治村で死体が発見された。残されたバッグには、本人とは違う血液に染まった回数券が。数日前の宝石商失踪事件の報道から被害者に見覚えがあった浅見は、取材先の美濃から現場に赴く。
  • 天城峠殺人事件
    4.0
    天城峠付近で発見された、千社札を持って寺社巡りをしていた男の死体。そして人気アイドルの心中事件。無関係とも思える二つの事件に遭遇した浅見は、意外な接点に気づき、巧妙なトリックに迫っていく!
  • 少女像は泣かなかった
    5.0
    毎朝、涙を流すという少女像。何故、彼女は持ち主が謎の自殺を遂げた朝だけ泣かなかったのか?〈車椅子の少女〉橋本千晶と、娘を失った鬼刑事・河内の心の交流が難事件を解決してゆく名品4編を収録。
  • 8月のカモメたち
    4.0
    18歳の薊は、死んでしまった祖父の相続税を払うため、夕陽の当たる海辺のバー〈サンセット〉でアルバイトを始めた。過去を語らぬ店長の浩一に魅かれ、彼がかつての新鋭作家だと知った。……薊は初めての恋に落ちていた。人生への不安、胸の痛み、そして抱きしめてくれた腕の熱。彼の残した唯一の小説を探り、いつしか薊は小説家を目指す。人生で一番濃密で、一番短い夏が終わる。薊はその夏失った大切な命を描こうと誓った。小説に寄せる著者の切実な想いを込めた青春ロマン。
  • 「首の女」殺人事件
    3.0
    真杉光子は姉の小学校の同窓生、宮田と出かけた光太郎・智恵子展で、木彫の〈蝉〉を見つめていた男が福島で殺されたことを知る。そして宮田も島根で変死。奔走する浅見光彦が見つけた真相とは!
  • 恐怖小説集 金曜日の女
    3.8
    自分を捨てた男からの電話を、何年も電話の前で待ち続ける女。婚礼の前日、会ったばかりの男と駆け落ちを企てる女。女たちの胸の奥底に渦を巻く出口のない想いがえぐり出される。森瑤子の遺した傑作サイコホラー集。
  • プールサイドで踊ろう
    -
    ハワイ。ホノルル国際空港。今朝も僕はロケ隊を迎える。ケン・タナベ、27歳。日系四世。ロケのコーディネーターをしている。――夢と挫折に揺れる和美。終わった恋を胸に埋めた美樹。泣きたい程の不安を抱いた明実。そして、いつも大人でいようとした信子…。次々と訪れるロケ隊。瞬間の煌めきと一粒の涙を残し、少しだけ違う自分を見つけて、彼女たちは日常へと帰っていく。生命の輝きを映す四つの書き下ろしラヴ・ストーリー。
  • 少し酔って
    4.0
    1巻506円 (税込)
    ホテル・ルームで、バーで、レストランで、二人がグラスを合わせる時、物語(ラブ・ストーリー)の幕が上がる。あるいは、物語の幕が下りる。ブランデーで、バーボンで、カンパリで、少し酔っている。男も女もグラスを武器にする。ハッピー・エンドでもない、悲しい結末でもない、贅沢で粋な10篇。
  • ジョーカー
    3.0
    父の愛人・カオルの店で過ごす時間は、19歳の万穂子にとって唯一くつろげる時であった。またそれは、父と秘密を共有することも意味していた。19歳、27歳、32歳――自らの愛の局面で、知らず知らずのうちに誰かの切り札(ジョーカー)を演じてしまう万穂子。そのことはいつも誰かを救ったが、どこかで誰かを、時には自分をも傷つけた――祈るような人間へのいとおしみをクールにそして暖かく描く、著者初の連作長編小説。
  • 花刑
    3.0
    サラ金地獄で首が回らなくなった男が企てた高利貸しの老婆殺害計画――社会問題化する生活破綻の実態をリアルに描いた表題作「花刑」をはじめ、定年を迎えた男がかつて通勤電車の窓から目撃した“白いハンカチを振るOL”を探す「完全犯罪の鏡像」。異なる家族が暮らすマンションでおこる人間関係の憎悪をテーマにした「凶隣の巣」など、身近にある殺意を収めた傑作社会派推理短編集! 完全犯罪の鏡/凶隣の巣/死媒祭/花刑を収録。
  • 悪夢喰らい
    3.4
    1巻506円 (税込)
    「走れ、もっと早く走るんだ!」謎の声に導かれ、憑かれたように走って死を迎える男。獣臭と血臭の入り混じる山小屋の中で繰り広げられた、血塗られた饗宴。漆黒の闇の中を泳ぐ巨大な竜。濃霧の中から突然広がる死屍累々の世界……。夢枕獏ワールドのエッセンスが凝縮された、珠玉の恐怖小説集!
  • 日本三文オペラ
    4.0
    1巻506円 (税込)
    大阪造兵廠跡のスクラップをねらう食いつめ者たちの集団、アパッチ族の動物的エネルギーと愉快にして滑稽な行状、原始共産制を思わせる泥棒社会の、妙に活気に満ちた姿を描く。最低の生活条件のなかで、社会的な虚飾や被覆を一切はぎとられた時にかえって逞しくうごき出す生の諸欲望をさわやかに描き出す。
  • リア王
    -
    純真な末娘より、甘言を信じ、長女と次女に国を譲ったリア王は、忘恩の娘達に追い出され、発狂し嵐の荒野をさ迷う。急を聞き、父を援けに出た末娘は、不運にも捕えられ殺される。理性をとり戻した王は、真実の愛情と虚偽を見分け出来なかった愚をくやみつつ息を引きとった。シェイクスピア全劇作品中、最高作と評価される一作。
  • トロイラスとクレシダ
    -
    トロイ戦争とその戦争の中に咲いた悲しい恋の物語。西欧の文学に歌いつがれたこの「恋愛と名誉」の伝統的な主題をシェイクスピアはこの戯曲の中でまったく非情の眼で直視する。トロイやギリシアの華やかな英雄たちはその栄光の座から引きずり降ろされ、純情なトロイラスは、女性を理想化したため深い幻滅を味わされる。最も古典的な物語がシェイクスピアの手によって一変する。
  • 新・オリエント急行殺人事件
    4.0
    ロンドン~ベニス間を一昼夜で走るオリエント急行は、その歴史、豪華さ、風格、話題性から考え、まさに“伝説の中の列車”であった。日本からツアーに参加した安養寺ら10名の男女は、その華やかさに酔いしれていた。一年後、彼らの間で次々と起こる謎の連続殺人事件。誰が加害者で誰が被害者なのか。捜査の焦点は、ある日時のある場所で起こった事件へ……。“夢の超特急”オリエント急行を舞台に、森村誠一が満を持して新境地に挑む、本格長編推理。
  • 奇巌城
    -
    ある夜、ジェーヴル伯爵の館に何者かが侵入した。狙いは伯爵の集めた美術品だった。犯人は撃たれ、負傷した。すぐに屋敷の出口は封鎖され、徹底的な捜索が加えられた。だが犯人の姿はどこにもなかった。これをルパンの犯行と断定したのは、天才的な少年探偵ボートルレだった。少年の鋭い推理が次第にルパンを追いつめてゆく…。追う者と追われる者、一片の古文書に記された暗号をめぐる、頭脳と頭脳の闘い! そして舞台は荒涼たるノルマンジーの海岸へ。そこには無気味な古城、奇巌城が…。ロマンの香りをゆたかに湛えた、ルパン・シリーズの最高傑作!
  • 影絵の町
    3.0
    ときめく恋――淋しい恋――情熱的な恋――せつない恋――〈おとこ〉と〈おんな〉。新たな〈恋〉のドラマが始まる時、夕闇という名の幕(ヴェール)は、静かに二人の姿を隠す……恋のドラマにあわせて、阿刀田高が奏でる恋の〈夜想曲(ノクターン)〉。今夜(こよい)の観客は、貴女ひとりです。
  • おれがあいつであいつがおれで
    3.9
    1巻506円 (税込)
    斉藤一夫は小学六年生。ある日クラスに斉藤一美という転校生がやってきた。なんと彼女は幼稚園で一緒だった、ちょっとやっかいな女の子。みんなの前で秘密をばらされたり、ちょっかい出されたりで弱った一夫は、ちょっと脅かしてやろうと「身がわり地蔵」の前で一美に体当たり。ところが二人ともでんぐりかえって気を失ってしまった。気がつくと、二人の体は完全に入れ替わっていた!!
  • 浮舟寺
    -
    結婚詐欺にあっても、心からは女を憎めず、怒れず、それどころか女の勝手気儘な大らかさを羨望する「浮舟寺」の稲次郎。燃えるような恋の道行には、なりうるはずもなく、何やら佗しいがほのぼのとしたアバンチュールに終わる「中年」の妻子もちの有川とハイミスの私の一泊旅行。――酸いも甘いも知りつくした中年男と女の、あいまい模糊とした愛情のありようを、上方芸人の世界や関西の商家を舞台に自由奔放なタッチで描く好短篇集。
  • 命ある限り
    4.0
    旭川で小さな雑貨店を切り盛りしていた一人の主婦が、新聞の懸賞小説に当選するや、生活の激変を体験する。次々に寄せられる祝福、巨額の賞金に対する周囲の様々な反応、多くの仕事の依頼、次作への重圧……。しかし、こうした体験を経てもなお変わることがなかったのは、信仰に対する深い思いと、献身的な愛を惜しまない夫への感謝の気持、そして人生の本質を静かに見つめる曇りのないまなざしだった。病との絶え間ない闘いなど、起伏に富んだデビューからの道のりを振りかえりながら、生きることの意味を問う、愛と感動の自伝長編!
  • 鬼の女房
    4.5
    王朝の夜は、一寸先も見えない漆黒の闇だった。その闇の中を、鬼は、御所の内に、橋のたもとに、北山に、時に天空を翔り、彼岸・此岸をも自在に往来し、わが物顔に徘徊した――。若く美しい人間の女房をもてあました、中年のユーモラスな鬼、当代随一の歌よみに挑んだ芸術鬼など、さまざまな鬼の姿を軽妙洒脱な語り口で描く、鬼ものがたり六話。
  • ぼっけえ、きょうてえ
    3.9
    「教えたら旦那さんほんまに寝られんよになる。……この先ずっとな」時は明治、岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた……。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。
  • 雨の中に死ぬ
    2.5
    指名手配の強盗殺人犯を追っていた捜査一課の山崎刑事が何者かに腹を刺されて殺害された。ところが、雨上がりの路上に倒れていた山崎の死体の左手には何かを示すように三本の指が伸びていた……。(雨の中に死ぬ) 大都会の片隅に残された死者からのメッセージをテーマに描く表題作他、人間心理の奥底を照射し、意外な結末で贈る傑作オリジナル短編集!
  • 【写真詩集】やがて今も忘れ去られる
    4.4
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【写真詩集】私たちは進みます、あなたの愛を背にうけて、ふりかえらずに進みます、あなたに愛を返すため。人生は限りなく続く荒野か、希望あふれる海原か、だれかを想うその胸に、やさしくひびく写真詩集。
  • 岸辺の祭り
    -
    1巻506円 (税込)
    凄惨な戦闘、正月休戦の短い平和、米兵や村民たちの日常、日本人少年との美しい友情。南ヴェトナムにジャーナリストとして従軍した久瀬の鮮烈な体験を描く秀作「岸辺の祭り」。ヒトラーの貧しい美術学生時代を描いて人間の孤独の深淵を抉った初期の傑作「屋根裏の独白」。他に「一日の終りに」「兵士の報酬」「森と骨と人達」を収める。
  • 影の分岐
    -
    人の一生に影のごとくつきまとう犯罪への道。それは甘い誘惑の香りを漂わせ、絶えず誰かが踏みこんでくるのを待っている。いま、あなたが立ちどまった人生の分岐点。影の道へ進むかどうか、それを決めるのはあなただ!作家志望の小高省吾は、同人誌のなかま松江の素晴しい才能に瞳れていた。ある時、松江をそそのかした小高は彼の作品で文学賞に応募、見事入選を果してたちまち流行作家にのし上った。だが、松江の存在に悩む彼は……。問題作「文学賞殺人事件」ほか5篇を収めた、森村誠一の傑作短編集!
  • イチかバチか
    -
    「男の勝負は一生に一度か二度、どんとやることだけや」―南海製鋼社長・島千蔵は、新入社員の北野真一にいった。茶はぬるいのが経済的という徹底的合理主義者千蔵の一大計画、それは200億円の資金を予定する大工場の建設である。その工場を東三河市に誘致しようと画策する変り者市長太田原恭平。イチかバチかの大仕事をめぐる虚々実々の駆け引きをユーモラスに描く、傑作小説。
  • アンティークFUGA 1
    3.7
    1~3巻506~572円 (税込)
    中学一年生の風雅は、骨董店を営む両親が失踪して以来、一人で暮らしている。けれど父親がくれたペンダントから、超美形だけど不機嫌な青年姿の精霊シャナイアを呼び出してしまい、一緒に暮らすことになり……!?
  • 棟居刑事の砂漠の暗礁
    -
    新宿で助けた藤村雅子と、金沢高一はホテルで一夜を過ごしてしまう。雅子との一夜は、あまりにも甘美で金沢の心を揺さぶるものであったが、翌朝、手紙も残さずに雅子は消えてしまう。ところがその夜、金沢の妻の愛人が新宿で殺されていた。金沢のアリバイを証明できるのは雅子だけ――。そして驚くべきことに、同じ頃、雅子の夫も殺されていた!事件を追う棟居刑事は、二人の間に隠された事実に、捜査の糸口を見つけるが……。森村誠一が男と女の間の奇妙な関係を描いた、長編・社会派ミステリ。
  • 田辺聖子の今昔物語
    4.0
    今は昔。いつのころか、一昨年のことだったか――。何だか怪しいなとは思ったが、不思議でならなんだが――。こんな話があった。ほんとの話だ。見果てぬ夢の恋、雨宿りのはかない契り、愛嬌のある欲ボケ、猿の才覚話――。貧しい若者、ならびなき風流男、帝、生霊、動物、遊芸人、美女と主人公は様々だ。徹底して滑稽で、哀切で、怪(こわ)くて、ロマンティックな29話を語り伝える田辺流今昔物語。
  • 零からの栄光
    4.0
    〈グラマン・ヘルキャット〉に太刀打ちできる戦闘機がほしい! 緒戦以来、「零(ゼロ)戦」が日本の戦闘機の花形であったが、敵にヘルキャットが出現すると形勢逆転、「零戦」は餌食にされるばかりだった。だが、おそまきながら、この日本戦闘機部隊の悲願にようやく新型機の「紫電改」が応えようとしていた。「川西航空機」は、戦闘機メーカーとしては通りが悪い田舎会社であった。社長の川西竜三も、さしたる飛行機好きでもなかった。それがなぜ、当時としては、最高性能の戦闘機がつくれたのだろうか。軍部のいわれのない圧力をはねのけ、血の滲みでるような苦闘と熱意で新型機をつくりだした“飛行機にとり憑かれた男たち”の不屈のドラマ!
  • 少年狩り 野田秀樹戯曲集1
    -
    登場人物――西田幾多郎、護良(もりなが)親王、サン・テグジュペリ、少年1・2・3、あんあん、のんの、立の木リサ、その他――をいちいち説明してもはじまらない。南北朝時代から600年をへだてた世紀末、すなわち現代の、たとえば「人に刃物を持たせると危ない」ような暑い夜、愛の絆などが問題になるのではけっしてなく、「うつつの世は夢、夜の夢こそまこと」である現世において、「月の光と鏡のいたずら」によって事が起き、鎮まり、ついに「鏡の海の果ては、行く先々で千夜一夜」という言葉で果てる、烈しさのあまり人の手を焼く、華麗不遜な、失なわれゆくものの物語。
  • 虚構の空路
    -
    小田原付近を通過中のひかり号車内で、検札の車掌が若い女の死体を発見!死因は青酸中毒で、目撃者の証言から、東京駅発車寸前に降りた男の犯行との見方が強まった。そして三か月後、こんどは都内のホテルで男の刺殺体が。2つの事件の重大な共通点が捜査本部を緊張させた。被害者は二人とも同じ会社の社員だったのだ。ただちに綿密な聞き込みが行われ、その結果、ある海外旅行社の営業部長が重要容疑者として浮かび上がった。だが彼には、両事件ともに完璧なアリバイがあった。巧みなストーリィの展開と意表をつくトリック、著者会心の本格長編推理小説。
  • 延命の負債
    3.0
    “死にたくない。商売がこんな大事なときに死んでも死にきれない”――町場の印刷工場の主・村野末吉は、病院のベッドで思った。苦労を重ね続けた人生が、ようやく好転しかけていた。彼は意を決して、縁者から多額の借金をし、最上等の個室に入り、心臓手術の担当医にも十分な謝礼をした。そして無事、退院を果せたが……。表題作ほか「湖畔の人」「ひとり旅」「九十九里浜」「賞」「春の命」など、人生の皮肉、孤独をテーマとする初期作品12編を収録。
  • 鮮やかな男
    -
    男にとって企業とは何か? 自分の能力を発揮し、経済生活を支える場、いわば男の全生活は企業と結びついている。――大銀行にパワー・エリートとして勤める竹原のところに組合運動でクビになった友人が訪れた時から何かが狂いはじめた……! 有能で会社のため全能力を注いでいる男が、ある日、企業との関係を誤まり、その生活ばかりか、性格まで変わってしまうケースを描いた表題作他、企業で峻烈に生きる男達を見事にとらえた傑作作品群!
  • ルパンの告白
    -
    本書は『怪盗ルパン』につぐ、ルブランの第二作目の短編集である。第一作をしのぐという高い評価を得ているだけあって、文字どおり粒よりの傑作ぞろいである。各篇ともトリックに工夫がこらされ、推理小説の醍醐味を満喫させてくれる。ルパンが暗号をみごとに解いてみせる「太陽のたわむれ」、軽妙なオチがたのしい「結婚指輪」、幻想的な導入部の「影の指図」、絶体絶命の危地に追いこまれたルパン「地獄の罠」、そして名作の呼び声高い「赤い絹のストール」、そのほかに「白鳥のような首をもつエディット」「麦わらの茎」「ルパンの結婚」の8篇を収録する。
  • 地の指 上
    -
    1~2巻506~550円 (税込)
    深夜の路上に毒殺死体で発見された元新聞記者島田は、「シュウ」と記する不思議な紙片を持っていた。タクシー運転手三上は、その死体を目撃した折の客の挙動に不審を抱き、客が都厚生局職員山中であることを突き止めた。そして山中はまた、不二野精神病院事務長飯田、都議岩村ともつながりを持つことを知った。(三人の関係に何かがある!)と三上は思った。……病院経営をめぐる黒い霧と謎の連続殺人を描く、巨匠の長編社会派推理。
  • ワンス・ア・イヤー 私はいかに傷つき、いかに戦ったか
    3.8
    もうこの男の手の届かないところにいる――このフレーズをつぶやくまでに、私はどれほど傷つき、戦ってきたことか。就職が決まらなかった女の子がベストセラー作家にステップ・アップしていく道のりは、身を切るような恋の出会いと別れの日々でもあった。23歳から36歳まで、その人生を決定づける大切な14年間の、愛と葛藤のすべてを一年ごとに描き切った、画期的自伝長編小説。
  • ローマの休日 小説 ロマンチック洋画劇場
    4.0
    平凡で色あせた日常に光のように射し込んで来た「恋」に酔う18歳の2人は、やがておとずれる中年期や倦怠のことなど思いもよらないことだった――「いつも2人で」。結婚目前の私、見合いを始める愛子。いくつもの諦めを胸にアトランタへと旅立った――「風と共に去りぬ」。その他「ローマの休日」「卒業」など12の名画の名場面、名セリフをモチーフにした、映画より心おどらせ、胸つまらせる、私たちの恋愛小説集。
  • 夜明けの縁をさ迷う人々
    3.9
    世界の片隅でひっそりと生きる、どこか風変わりな人々、河川敷で逆立ちの練習をする曲芸師、教授宅の留守を預かる賄い婦、エレベーターで生まれたE.B.、放浪の涙売り、能弁で官能的な足裏をもつ老嬢……。彼らの哀しくも愛おしい人生の一コマを手のひらでそっと掬いとり、そこはかとない恐怖と冴え冴えとしたフェティシズムをたたえる、珠玉のナイン・ストーリーズ。
  • ブラック・ティー
    3.8
    歯車が狂ったのはどこからだったろう。就職して三年目に先輩に失敗を押しつけられた、あの時だ。皆と同じようにやってきたつもりだった。結婚して子供もいるはずだった。なのに今の私は、常識さえ捨てれば、働かなくとも暮らしていけると知っている。純真でもなく、賢くも善良でもない。自分のしたことはいつか自分に返ってくるのかもしれない。でも……。心に問題を抱えた寂しがり屋たちが、懸命に生きるさまを綴った短篇集!
  • バルセロナの休日
    -
    パリでバレエ留学中の安奈は、ある日窃盗事件に巻き込まれる。忌まわしいその体験が甘美に思い出されるのは、その時に出会った美しい男の黒い瞳のせいだ。もう一度会いたい。安奈は彼から手渡された「鍵」を手がかりに、パリからバルセロナへ旅立つ――。光と闇に彩られた「カタロニア」を舞台にくり拡げられる恋と冒険と希望の物語。極上の、ラブサスペンス!
  • 薔薇の殺人
    3.0
    浅見光彦の遠縁の大学生・聡が女子高生誘拐の嫌疑をかけられた。一目惚れして家まで後をつけていたという彼に呆れる浅見だが、濡れ衣を晴らそうと行方不明になった文絵の家を訪れる。そこに届いた脅迫状には、文絵の出生の秘密をばらすという内容があった。文絵は人気俳優・三神洋と「宝塚」出身の女優・鳥越美春との秘めやかな愛の結晶だったのだ。数日後、文絵が遺体で発見され、浅見は真相を追って乙女の都・宝塚へ向かう。
  • 「のと恋路号」殺意の旅
    2.7
    自分にプロポーズまでしていた中原はなぜ自殺してしまったのか? 井岡あや子は割り切れぬ思いを胸に、中原が自殺の直前に訪れていた能登恋路海岸へ傷心の旅に出た。彼女は恋路駅でノートに残されていた中原のメッセージを見つけるが、それは何者かに破り取られてしまう。一方、中原の死を他殺の線からも検討していた十津川警部は、何かを隠そうとする政治的圧力に捜査を妨害される。事件の真相を追い、十津川は能登、東京、セブ島へと飛ぶ!長編トラベルミステリー。
  • 罪深き緑の夏
    4.1
    12年前の夏、“蔦屋敷”と呼ばれる熱海の洋館で、淳は白いドレスの少女百合に出会った。幼い少年の日の、謎めいてエキゾチックな邸での記憶そのまま、今、淳の目の前に百合が居る。兄の婚約者として、事故で動かなくなった体を横たえ眠っている――。画廊の火災を発端に度重なる災厄、死までも華麗な舞台装置とし、耽美な物語世界を独得な個性で描く。森村誠一氏、夏樹静子氏絶賛の、横溝賞受賞女流の長編ミステリー。
  • 失恋カレンダー
    3.0
    正月帰省や卒業や新学期、バレンタインとか夏休みとかXマスとか。女の子の年中行事は、恋がめばえたり、深まったりしそうな絶好のチャンス。だけど、あれこれ期待する胸のうちとはうらはらに、いつもその機が裏目に出て、恋がぎくしゃくしてしまう……。移りゆく四季の情景をバックに、恋する娘心の機微と哀楽をたくみに描いた12ヶ月の失恋物語。
  • 失踪の果て
    3.8
    Q大理学部の中年教授が大学からの帰途に失踪、赤坂のマンションの一室で首吊り死体となって発見された。自殺か、他殺か?当人が一度も口にしたことのない場所で死んでいたこと、カバンの中にしまう習慣の手帖が洋服のポケットにあったこと、などの不審点から他殺説が浮上。教授と若い女の話し声を耳にしたという隣室夫婦の証言で、捜査の的は、謎の女の追求に絞られたが……。表題作ほか「額と歯」「やさしい地方」「繁盛するメス」「春田氏の講演」「速記録」を収録。素材、テーマに多彩な変化を見せる推理短編集。
  • 佐渡伝説殺人事件
    5.0
    梅雨の訪れと共に駒津家に届けられる奇妙な葉書。裏には筆書きでただ一文字『願』と書かれていた。4通目の葉書が配達されたあと、56歳になる駒津は何者かに殺された。一方、大学時代の親友4人組の一人三輪も同じ葉書を送られた後、佐渡で死体となって発見された。佐渡の「願」という地名に由来する奇妙な連続殺人。「願の少女」の正体は?事件の根は三十数年前に佐渡で起った出来事に!!警視庁幹部を兄に持つ、魅惑のキャラクター、浅見光彦が大活躍する本格伝奇推理。
  • 偶然の祝福
    3.8
    キリコさんはなくし物を取り戻す名人だった。息も荒らげず、恩着せがましくもなくすっと――。伯母は、実に従順で正統的な失踪者になった。前ぶれもなく理由もなくきっぱりと――。リコーダー、万年筆、弟、伯母、そして恋人――失ったものへの愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。息子と犬のアポロと暮らす私の孤独な日々に。美しく、切なく運命のからくりが響き合う傑作連作小説。
  • 霧の旗
    4.0
    柳田桐子は、強盗殺人事件の犯人にされた兄の弁護を依頼に、著名な大塚弁護士を訪ねて九州から上京する。が、依頼をことわられる。偶然、桐子を知るジャーナリスト阿部はこの事件に興味をもつが、桐子の兄は獄死する。上京し、酒場の女になった彼女の心は、大塚への復讐に燃える。巨匠が見事に描きあげた復讐譚。
  • 上野谷中殺人事件
    3.3
    東京の北への玄関口、上野駅に再開発計画があるという。地上300mの超高層駅ビル、不忍池地下の大駐車場。地元の下町では賛成派と反対派に意見が分かれていた。大林繭美はタウン誌を発行しながら、この愛すべき街を守ろうと忙しい毎日を送っていた。ある日、ルポライター浅見光彦は軽井沢の作家から一通の奇妙な手紙を託された。そして、数日後、差出人は谷中霊園で「自殺」した。情緒あふれる東京の下町に浅見光彦の推理が冴える書き下ろしミステリー。
  • 琥珀の道殺人事件
    3.7
    古代日本では琥珀が岩手県久慈から奈良の都まで運ばれていた。その「琥珀の道(アンバー・ロード)」をたどったキャラバン隊メンバーの相次ぐ変死。久慈から単身上京していた大岡滝子は早稲田面影橋で通り魔に襲われ、本井博正は三陸海岸で投身自殺を遂げた……かに見えた。残された写真に写る謎の人物とは? 琥珀の知られざる秘密を名探偵・浅見光彦が探るうちに事件は思わぬ方向へ。内田康夫、長編第50作を飾る渾身の書き下ろしミステリー。
  • アムステルダム運河殺人事件
    3.0
    19××年8月末の夕方、アムステルダム市内の運河に浮かんでいた、銀色のジュラルミン製トランク。――その内部には、血まみれの下着と共に、首と手首と脚を切断された、男の胴体があった。オランダ警察は、下着の文字と黄色の皮膚から、被害者は日本人と判定、身元は、ベルギー駐在の一商社員と知れた。……国際犯罪を描く、巨匠松本清張の本格推理小説!「セント・アンドリュースの事件」併載。
  • ベンジャミン・バトン 数奇な人生
    3.6
    老人として生まれ、若者へと時間を逆行して生きるベンジャミン・バトン。しかしその心は同世代の人間と変わらず、青春時代の苦悩や恋愛や結婚を経験し、戦争などの逆境に果敢に挑んでいく。不思議な人生を歩みつづける彼を、最後に待つものは……。(「ベンジャミン・バトン」)20世紀を代表する伝説的な作家による、ロマンあふれるファンタスティックな作品を集めた傑作選。
  • 温室デイズ
    3.5
    みちると優子は中学3年生。2人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。校舎の窓は残らず割られ、不良たちの教師への暴力も日常茶飯事だ。そんな中学からもあと半年で卒業という頃、ある出来事がきっかけで、優子は女子からいじめを受け始める。優子を守ろうとみちるは行動に出るが、今度はみちるがいじめの対象に。2人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが……。2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。
  • 生きる歓び
    3.3
    1巻506円 (税込)
    にんじんが嫌いな父とその娘、サラリーマンだったころを思い出す老人、自分に物語が足りないことに気づいたOL、入社3年、肥満を気にし始める青年…。なんでもない「ふつう」の人々が生きる、ごく「ふつう」の人生。そのささやかな歓びと淡い哀しみを切々と描く短編集。名手・橋本治が紡ぎ出す、九つのほのかな感動。
  • 能登・キリコの唄
    2.5
    東京で銀行強盗が発生。現場にいた青年・栗原太郎の活躍で、強盗は逮捕される。だが、強盗が「栗原も共犯だ」と証言し始め、栗原は姿を消す。十津川警部が彼の素性を探ると、親に捨てられ福祉施設で育った過去が判明。彼が拾われたときに入っていた箱には「キリ」という文字が記されていた。文字を手がかりに能登に向かった十津川は、予期せぬ事態に巻き込まれ……。キリコ祭りの能登を舞台にした、傑作長編トラベル・ミステリー。
  • 湖西線12×4の謎
    -
    日下刑事は、叔父・黒田信行のマンションを訪れた。彼の娘から、父と連絡が取れないと相談を受けたからだ。日下が部屋に入ると、そこには身元不明の死体が横たわっていた! 現場に残された謎のアルファベットを手掛かりに、十津川警部は湖西へと飛ぶが、第2、第3の殺人事件も発生し……。――犯人の目的は? 謎の文字の意味は? 点が線へと繋がった時、恐るべき陰謀が浮かび上がる。傑作トラベル・ミステリ!
  • マリッジ
    3.0
    35歳で独身の山上潔は、一念発起し「お見合いパーティー」に参加した。そこで、誰もが羨む美女・西畑茜と意気投合、人生の伴侶を射止めた。だが、結婚してから妻の性格が激変、日毎に別人のようになっていく。そのさなか、妻が殺人事件の重要参考人であることが判明し、山上は茜の過去を調べ始める。事件を追っていた警視庁捜査一課の棟居と新宿署の牛尾もまた、結婚という「愛の誓い」に潜む闇を照らし出していくのだが……。男女の普遍のテーマを活写した社会派ミステリー。
  • 旅人の心得
    4.0
    宮古島の祭り、パーントゥに参加して、宵闇に異界の怪物に追い回され、泥を塗りたくられる。カンカカリャーと一緒に聖地を辿る。その土地に積み重なった歴史と人々に向き合えば、ホテルに泊まってドライブした島とは、全く違うものが見えてくる。私はずっと旅人でありたい。遠くへ、近くへ、外へ、内へ。沖縄、メキシコ、カンボジア、タスマニア、広島、旅をしながら聴いていたのは、遠くから響いてくる内なる鼓動だった。
  • ステーシーズ 少女再殺全談
    4.0
    近未来、いかなる存在の意志によるものか? 15歳から17歳までの少女たちが突然、世界中で狂死を始めた。少女の屍は立ち上がり、人肉を求めてさすらう無数の大群と化す。屍少女“ステーシー”殲滅のために完全武装の再殺部隊が組織されるが、戦いは血まみれ、泥沼の様相を呈し、涙は枯れ、心は凍りついていく……。大槻ケンヂの音楽も含めた全作品の中でも、最も狂気性に満ちた名作に、外伝2編を加えた完全決定版。
  • 殺人の花客
    -
    新宿の超高層ホテルの一室で、男性の死体が発見された。被害者は女性と宿泊する予定だったらしいがその形跡はない。かわりに見つかったのは“カタセタム”という日本では珍しいランの花粉だった。奇妙な手がかりをもとに女性の行方を追う新宿署の牛尾。だが、事件当夜にホテルで起こった幾重もの人間模様がさらなる迷宮へと誘う……。もつれた因縁の糸を、敏腕刑事牛尾正直が丹念に解きほぐしてゆく白眉の社会派推理。
  • 後催眠 完全版
    3.6
    「精神科医・深崎透の失踪を、木村絵美子という患者に伝えろ」。臨床心理士・嵯峨敏也は謎の女から一方的な電話を受ける。絵美子とのあいだには医師と患者の垣根を超えた愛が芽生えていたが、深崎は既に癌という重い病に冒されていた。しかし、2人の関係にはもっと驚くべき真実が――。大ヒットシリーズ「催眠」の第3弾にして、第1作を凌駕する感動作。胸を打つ究極のラブストーリーが、ついに待望の完全版で登場!
  • リンウッド・テラスの心霊フィルム 大槻ケンヂ詩集
    4.1
    「誰も詩など聞いてはないし」/この世界がみな作り物なら/港につながれたサーカス団の/あの船に乗って/流れてゆこう/パノラマ島へ帰ろう ――「パノラマ島へ帰る」より。血色の憧憬が生んだ、グロテスクなまでに美しい言葉の破片。各界から絶賛を浴びた大槻ケンヂ戦慄の処女詩集。
  • 夜の終り
    2.5
    浅草の映画館で、妊娠三か月の女性の死体が発見された。死因は青酸死。中年女性顔まけの濃いアイシャドーをつけた厚化粧の下には意外に稚ない顔が覗いていた。だが死体のまわりには、女の身許を明らかにするようなものはなにもなかった。被害者は、一体どこの誰なのか? 事件の謎をとく鍵は、彼女が残した黒いハイヒールに!? 複雑な男関係。都会で一人生きていくために少女から女へと変身しようとした彼女に何が起こったのか。オリジナル短編集(単行本未収録)。
  • もういちど走り出そう
    3.6
    1巻506円 (税込)
    たぶん初めは小さな穴だったのだ。歯医者として成功をおさめ、美しい妻とかわいい娘がいる。上品なアシスタントの働く清潔な職場。自分の美学で建てた城に住むちょっとした王様。だから、妻が小説を書いて新人賞を受賞したことなど、僕にっとっては、意外な、けれども些細な事に過ぎないはずだった―――。インターハイ三位の実力を持つ四00メートルハードル選手だった主人公が、順調な人生の半ばで経験した、思いもかけない挫折と再生を、繊細に、そしてほろ苦く描いた感動作。
  • 棟居刑事の悪夢の塔
    3.0
    売れっ子ホストの有光は、人身売買ブローカーたちから逃げ出した女性・トウイを、自分の部屋でかくまい始める。しかしトウイは忽然と部屋から消え、死体として発見される。一方、まじめで通っていた女子大生が、学校からの帰りに消息を絶ち、そして有光の上客の女性も消えてしまう……。まるで無関係だと思われた事件に接点が生まれ、容疑者が捜査線上に見え隠れする。棟居刑事は、事件の奥底にある事実を探りだし推理を始める。歪んだ社会の、屈折した人の心を描いた戦慄ミステリー。
  • 無印不倫物語
    4.0
    あこがれの彼に超ブスの奥さん。仕事はぼんくらでも浮気はマメ。清楚な美人が実は……。誠実そう、優しそうで始まる恋が、意外な奥行きを見せてくる――。恋にトラブルはつきものと、覚悟はあってもまさか!の事態。恐怖と陶酔で盛りあがる、明るい略奪愛の物語。大人気無印シリーズ愛情編。
  • 無印結婚物語
    3.6
    母親との結束が異様に強い夫、老後の面倒をみるからと実家に甘える妻、フリフリの洋服を押しつける勘違いの義母etc……。有利なチャンスをつかもうと挑んだお見合い結婚、“愛の力”を信じて決断した恋愛結婚――それぞれの夢を欲をふくらませた結婚生活が、「こんなもんか」と思えるまでの、12のドラマチック・ストーリー。大ベスト・大ロングセラーを更新する超人気本!
  • 無印おまじない物語
    3.7
    子どもの首には不釣合な地味で重い水晶玉。明るい未来を招く不恰好な幸せ体操。懸賞品を射止めるために、必ずしなければならないある行為――。しようもないガラクタに望みをたくし、陳腐な思い込みをふりかざし、人よりも多くの幸せをつかもうとする女たちの、おかしくて、少し哀しい物語。
  • 保険金殺人 死体の声を聞け
    -
    家族の命すらターゲットにすることも珍しくない保険金殺人。そのあまりにも酷い犯罪の多発に警鐘を鳴らすため、ついに極秘ファイルの封印が解かれた! ベテラン作業員の乗ったトラックが山から転落、作業員は多額の生命保険に加入していた。果たして、事故か事件か――。さまざまな事故に見せかけ完全犯罪をもくろむ犯人の偽装を、元監察医が次々に見破っていく。
  • 非常識の美学
    4.0
    1巻506円 (税込)
    遅刻することも、嘘をつくことも、あの女(ひと)ならステキにみえてしまうのは、なぜ? 我がままが似合う女になるための秘密の数々。森瑶子が全ての女性に贈る、非常識の楽しみ方。
  • 薔薇いろのメランコリヤ
    3.7
    道ばたで偶然年上の美しいエマと知り合った十八歳の私。贅沢で気難しく奔放で孤高、その上匂い立つばかりのエロティシズム。エマの魔力にとりつかれた私がそのボーイフレンドを次々寝取ったことは、むしろ自然な成り行きであった――無名の詩人・晋平が出現するまでは。人が人を好きになる罪悪と悦び。愛し合えば合うほど陥る孤独という裂け目。誰も描き得なかった愛と哀しみに踏みこみ、小池ロマンの分岐点となった恋愛小説の金字塔。
  • バカさゆえ…。
    3.3
    「会いたかったわ、ラリー。すごく会いたかったわ」サマンサは身を床にかがめると、ラリーの股間ですでに45口径マグナムのように堅くなったものを啜った。関係ができて一年たつ前から、事がスタートするとサマンサは大胆な行動をする。それがラリーには気持ちいい。「Mmm……この、この、このやろめ」(『奥様はマジよ』より)サマンサ・スティーブンス、香山リカ、夢野サリー、そして矢吹丈。あの人たちの知られざる私生活を綴った、ちょっとシュールな短編小説集。
  • 母

    4.3
    「わだしは小説を書くことが、あんなにおっかないことだとは思ってもみなかった。あの多喜二が小説書いて殺されるなんて……」明治初頭、十七歳で結婚。小樽湾の岸壁に立つ小さなパン屋を営み、病弱の夫を支え、六人の子を育てた母セキ。貧しくとも明るかった小林家に暗い影がさしたのは、次男多喜二の反戦小説「蟹工船」が大きな評判になってからだ。大らかな心で、多喜二の「理想」を見守り、人を信じ、愛し、懸命に生きたセキの、波乱に富んだ一生を描く感動の長編。
  • にんじん
    3.6
    「にんじん」――ルピック夫人は末の男の子をそう呼ぶ。髪の毛は赤く、顔はそばかすだらけだから。にんじんは、部屋の片隅にうずくまりながら、家族のために役立つ機会を待ちぶせしている。が、母親の口汚いののしりと邪険な態度が、そんな彼の気持ちを打ち砕く――。愛に飢え、愛を求めながら、母親のあまりの反応のなさに悩み傷つく少年の姿を生き生きと描き、読者の感涙を誘う不朽の名作!

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