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今は昔。いつのころか、一昨年のことだったか――。何だか怪しいなとは思ったが、不思議でならなんだが――。こんな話があった。ほんとの話だ。見果てぬ夢の恋、雨宿りのはかない契り、愛嬌のある欲ボケ、猿の才覚話――。貧しい若者、ならびなき風流男、帝、生霊、動物、遊芸人、美女と主人公は様々だ。徹底して滑稽で、哀切で、怪(こわ)くて、ロマンティックな29話を語り伝える田辺流今昔物語。
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Posted by ブクログ
著者の古典に係る本が好きで本書を手に取りました。 原本は無理だけど著者がわかりやすく砕いた文章にしてくれたおかげで読み易かったです。 他の著者の今昔物語も読んだことがあるけれど、抜粋した物語が違っていてそこが面白いところ。 岡田嘉夫さんの装画もとても素敵!
今は昔しで始まる今昔物語。約30の短いが不思議な優しいお話しだった。平安時代も、まだ、初めの頃の話しが多く。鬼が出てきたり、姫様を拉致して連れ去る人間が現れたり、やはり恋の話しが面白い。治安がことのほか悪いのもわかった。読んでいくうちに芥川の世界と重なっていくのもおもしろい。とても読みやすく、数が多...続きを読むいので1つ1つの印象は弱いが入門書としては最適なのかなと思う。語りが優しいのは、作者の人柄だろうか。少し説教臭いのは宗教色があるのかもと感じた。
古典というととっつきにくいとこらがあるけど、この本は別!現代語訳なので読みやすい。学校の古典の授業に使ってくれたら、授業が好きになってたのになぁ。
田辺聖子 「 今昔物語 」 軽妙なエロ話で読み手を引き込みながら、仏教的なテーマを盛り込んでいる。短編なので飽きない。因果応報の皮肉さ、会う者は必ず別れる哀しさ、普遍的な面白さを感じる。最後のストーリーテラーの終わらせ方も上手い。岡田嘉夫 の女性の表紙挿絵も見事 「葦刈」人の世には人の力で及ばぬ運...続きを読む命というものがある。でもそれに敗けてうちひしがれ、心のうるおいを忘れてしまうのは 人間らしくありません 「赤子を食う鬼」鬼は 世間の心ない悪口のこと〜鬼は 人の世なら どこでもいる〜性根を据えて決心すれば、鬼に食われることはない
まあ、力があります。語り継がれた「物語」は。 意外性のオンパレードだし。 はじめの風景描写は趣深いし。 語り口調なのもいいし。 時折よみかえしたくなるような本。 鬼だの神だのと、超常現象に惹かれるのは、今のファンタジーブームと何ら変わりないのかも。
『平中の恋』など知っている話も多かった。 今昔物語は興味があるので全部読んでみたいな〜。 古語は無理なので現代語で。
103ページまで読んだところ。成立時期は1120年代~1449年頃というが、今も昔も人の世は変わらない。各編は文庫本で7ページくらいの短編で、昔物語風に書いてある。男女の愛欲、生霊、盗賊を描いたものが多いのも、昨今と変わらないような感じ。
古典読みたいと思っていたのだけど、原文は無理だしと思っていたら。しかも田辺聖子! 楽しかった。葦苅が1番好きだな、ロマンチック。 全体的にもう少し上品な方がよかった。
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