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Posted by ブクログ
夏の角川ホラー文庫祭。角川ホラーにしては、割と表紙デザインが好き。
夢枕獏の短編集。ショートショートみたいなものから、時空の歪で抜けられなくなる軽いSFまで、たくさん網羅している。また、夢枕獏と言うと山モノ(でいいの?)なので、登山関係が半分くらい。
角川ホラーなのに、文章はちゃんとしていて、話の内容もちゃんと怖くて意表を突かれた。大御所の作品だから当たり前だろうと言うところはあるが、ホラー方面は、古典的な怪談を、そのまま現代にもってくるだけではなく、きちんと現代風に調理してから書かれていて好感。比較は誰とは言わないけど。
また、SFものは、インパクトはそれほどないものの、きちんと「なぜそうなった」が考えられているあたりも良い。
ただ、もともと角川文庫から出ていた同名の本から、数作削って作られたとのことが最後に書かれているが、そういうところは角川ホラーなんだよな。良い作品の最後でがっかりさせる。
というわけで、ホラー文庫版でない方がオススメ。
Posted by ブクログ
「悪夢喰らい」夢枕獏
オカルトホラー。乳白色。
獏さんのエキス満載短編集。
あまり特筆する作品もないかと思いますが、暗澹として濃密で異常な猥雑さをもったホラー、が主です。
確固たる矜持というか、独特の世界観がバックに構築されているから、引きずり込まれる感覚が自然だと思います。
あとは、ホラーといってもトラウマになるような怖さはないかと思います。人間臭さのある短編ばかり。
和やかって意味ではないですけれどね・・・。
角川ホラーでの再文庫化のものを読んだのですが、20年前の作品とは思えないような新鮮かつ斬新さ。かな。
収録作のなかでは「霧幻彷徨記」が好きでした。
ホラーとは銘打ってありますが、SF色も魅せてくれる作品です。
Posted by ブクログ
朝のジョギング。脳内に子供の声が響く。“―もっと速く、もっと、もっと―”子供の声に急かされ死に向うように走り続ける男たちを描いた「鬼走り」。ほんの些細な超能力を持つさえない男が激しい怒りを覚えた時、力が暴走し始めた―後の一連の伝奇バイオレンス作品の一端が垣間見える「のけもの道」など7篇収録。山好きの著者のこともあり、山を舞台にした作品が3篇含まれているのも特徴と言えるか。
初版は今から18年前だったとのこと。その際のあとがきで著者は自らの真情と希望とを、「雨月物語」になぞらえて書いている(詳しくは文庫の解説を参照されたし)。ともすれば「キマイラ」「闇狩り師」「餓狼伝」等々、伝奇やアクションものの作家とのイメージを抱いてしまいがちだが、その根底には日本人の心底にある恐怖というものへの並々ならぬリスペクトがあったのだなぁ、と再確認。それが昨今の「陰陽師」ブームへの火付け役を担うことにもなったのかも(ちなみに未読)。
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