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12年前の夏、“蔦屋敷”と呼ばれる熱海の洋館で、淳は白いドレスの少女百合に出会った。幼い少年の日の、謎めいてエキゾチックな邸での記憶そのまま、今、淳の目の前に百合が居る。兄の婚約者として、事故で動かなくなった体を横たえ眠っている――。画廊の火災を発端に度重なる災厄、死までも華麗な舞台装置とし、耽美な物語世界を独得な個性で描く。森村誠一氏、夏樹静子氏絶賛の、横溝賞受賞女流の長編ミステリー。
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Posted by ブクログ
甘美な、耽美な世界観に、どっぷり浸かれて、蒸せかえるような華々の香りが厭と言うほどしてきます。 謎解きは、一瞬よく分からなくて読み返したりしたのだけれど、何と無くでしか理解できず、否、そういうものなのかと思い直しました。 何だか僕には複雑で、絡まった糸を解す余裕もないまま終わってしまって(苦笑) ...続きを読む 最後あたりの"あんなものが何になろう……"って言葉が痛々しくて、甘くて、すき。
服部まゆみ追悼読書の第二弾。むせるような夏草の匂い、幼いころ心奪われた洋館の美少女、白皙で異端の作家、ジル=ド=レイ、そしていばら姫とラプンツェル、、、。背徳の妖しい香りがたちこめる、ただただひたすらに耽美で妖艶なゴシック・ロマン。謎解きの要素が用意されてはいるものの、そんなのは些細なこと。作者の...続きを読む美意識がそこかしこに散りばめられた人工的な美の世界に、酔いしれればいい。好き好き大好き。 なぜ私が服部まゆみ作品が好きなのかと言うと、結局は、私も大好きなものがたくさん詰まっているからなのだと、この作品を読んで悟ったわ。ああ、服部さん、、、、涙。その服部さんが今はもういないなんて、、、、涙。 たぶん私、服部作品でこの作品が一番好きだわ。
これもなかなか好きな話でした。兄弟愛憎物。 テレビゲームをするシーンはない方が良かった気がします。 服部さんの著作はここまでが好きかも。 「キマイラ」から微妙になり、「この光と闇」の落ちで大爆笑(すみません)しちゃったので、もう私は駄目かも。 だって!ダフネって!!
主人公の独白を交えて進むストーリー。著者特有の流麗な文体は変わらない。また「女」「父」と言った単語が誰を指すのか分かりづらい場面が多い。他の方のレビューにもある通り複数の伏線や謎が回収、解明されないまま終了。読者の想像に委ねるということなのかもしれないが、個人的に少々キャパオーバーでした。シメールも...続きを読むそうだったけど正直消化不良な作品。ただゴシックな時代背景、雰囲気を味わうにはうってつけかも。
その文体と世界観に、何度も時代設定を見誤りながら読んでいた。 なんというか、世界観や雰囲気ばかりがものすごく迫ってきて、肝心のミステリー部分に目がいかなかった。 初の服部作品。 他のも読んでみよう。
遠く、夏にいるような、いたような、すぐそばにあるような。でも、別の世界の事のような。絵画の事を齧っていれば、猶更、内容の美しさに深く入り込めるはず。
服部まゆみ第2作。 1作目より随分と文章は読みやすくなり、イメージが鮮やか。 「筋読めてるよね? 切るよ」と言われているような、ばさりと切り捨てられたであろう枝葉末節を読んでみたい。
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罪深き緑の夏
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服部まゆみ
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