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Posted by ブクログ
催眠療法というと何となく怪しげな感じを持ってしまう。
どんなものにでも人それぞれにイメージがあり、相対したときには無意識にそのイメージがすり込まれたフィルター越しに物事をみている。
あの医師には患者を自殺に追い込んだ過去がある。
もしそんな噂を耳にしたら、まさかと思いながらもそんな医師に診てもらいたいとは思わないだろう。
言葉は生きている。
悪意に操られた言葉は悪意をまきちらし、愛に包まれた言葉は愛を育む。
主人公はまだ若かりし頃の嵯峨敏也。
他にも鹿内や朝日奈も登場し、「催眠」以前の人間関係も垣間見ることができる。
「催眠」ほどのサスペンス色もないし、どちらかといったら一般小説に近いような物語だった。
臨床心理士としてまだまだ未熟だった嵯峨の姿には、ちょっと違和感を感じたけれど、成長前の嵯峨もそれなりに魅力的だ。
唯一不気味だな~と思ったのは、冒頭の嵯峨がマネキンから話しかけられる場面。
「おいおい、どうしちゃったの?」と心配になってしまった。
心理学を専門とする人間が心を病んじゃまずいだろ…と。
まさか裏には用意周到な仕込みがあったとは。
冒頭ではまったく予想ができなかった。
未完成の嵯峨にはちょっと残念感もあるけれど、ひとつの結末に向かって物語が集約していく様子は面白かった。
途中でもしかしたら…と読めてしまった謎解きも、それはそれで不思議なあたたかさがあってよかった。
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