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みちると優子は中学3年生。2人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。校舎の窓は残らず割られ、不良たちの教師への暴力も日常茶飯事だ。そんな中学からもあと半年で卒業という頃、ある出来事がきっかけで、優子は女子からいじめを受け始める。優子を守ろうとみちるは行動に出るが、今度はみちるがいじめの対象に。2人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが……。2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。
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Posted by ブクログ
衝撃の一冊でした。 こんなことが現実に起こって欲しくなんてないけど、きっと起こっているのだろう。大事なのは、私たちが目を背けないことだな、と思った。少しでも、この本のみちるや優子、瞬の助けになれるよう、頑張りたい。 本書を読むことを、強くお勧めします。
『ナイフを使って脅しても、カウンセリングマインドで接しても、私たちには誰も変えられないし、学校の崩壊を止めることもできない。結局、卒業を間近に、何も解決していない崩れた学校の中に私たちはいる。』 あきらめのようでいて、なんだか希望につながっているようにも感じる。 やるせないし、たいへんなんだけど...続きを読む、生きるっていいなと思える本だった。
読んでいて、怖いというか、ハラハラしてしまうというか、なんとも言えない気分に ほんの少しだけ良い方に変わっていくところが、少しだけ温かい
中学生のいじめ、不登校を題材にした小説。 主人公のみちるは正義感が強く、周囲の視線や損得を気にせず、自分が正しいと思ったことに対してまっすぐに突き進む女の子。芯が通っていて自分に対して正直にまっすぐ生きていると思った。周りの目を気にせず、自分の軸で物事を判断しているからこそ、いじめをはね返し、気にし...続きを読むない強さを持つことが出来ているのだと思った。友達の優子は、辛い経験をしてきたからこそ、人に寄り添い、ふと心を許せるような優しさや温かさを持つことができたのだと思った。2人ともつらい経験をたくさんしてきけれど、その分強さや優しさ、人間としての深みを手に入れることができたと思った。人生辛いことがいろいろあるけど、苦しんでも必ず何か得られるものはあって、苦しんだからこそ得られたものには大きな価値がある。 瞬は自分では制御できないつらさや苦しさを抱えて、もがき苦しんでいて、助け出してあげたいと思った半面、生まれながらの環境により構築されたものは抗えないものもあると感じた。
小学校や中学で、こんなにひどいイジメってあるの?と思うほど陰湿で驚いたけれど、どうなるのか気になって一気に読んだ。 この子達の学校生活は毎日がサバイバル。本人達も親も先生も様々な方面で苦戦しながら生きている。互いの考えがわからないままに。 学校がもう少し肩の力を抜いて、自分らしく伸び伸びと豊かな経験...続きを読むを積んで成長出来る場になったらいいのに。
瀬尾まいこさんの作品は多く読んだつもりだが1番重い内容。でもやはり最後には希望は残す終わり方をしている。 学級崩壊(学校崩壊)した中学校での凄まじいいじめを耐え抜こうとする主人公は読んでいて苦しい。 保健室、相談室、フリースクールなどの居場所の話も出てくる。しかし、なぜ被害者が教室からでなければなら...続きを読むないのかという理不尽さもいじめの構造の複雑さを感じる。 小5で担任の恐怖政治から解放され小6で控えめな担任となり学級崩壊するという回想もあり、「あ〜、小学校の先生の闇だ。」としみじみ。 中学の不良校で先生たちも病んでいく描写も悲しくなった。 悲観的な感想ばっかだが、それでも主人公の奮闘や、唯一の友達が不良にカウンセリングを試みること、サポートスタッフがなんとなくがんばる姿など、ところどころ応援したくなる内容もあった。
中学生なりに学校を変えたい、このままではいけないという思いから立ち上がる子たちの存在は大きい。教師ですら大きな問題を避けたいと思うし、現状を変えなければと思いながらも行動に移せずにいる。そんな中、中学生が自分のできることは何かを自分で考え行動に移す姿は胸を打つものがあった。 少しでもいいから良くなっ...続きを読むてほしい、そんな希望を抱き続けることが素晴らしい。 文中の中学生を見習わなければいけないと思った。
逃げた人には その助けとなる空間や新たな場所は用意されるけど、いま苦しい中で戦っている人・辛い想いをしながらも それに堪える人には何の助けもない 大人と子供との中間の多感な時期に、同級生からの無視や暴力、あてにならない大人(教師)の存在が今後どのように影響していくんだろう 高校では幸せに過ごしていて...続きを読むほしいな
優しい世界だった。(話自体は崩れゆく中学校とかいじめとか、けんか不登校スクールサポーターとか、決して穏やかでないものだったけども...) 自分は教師に向いてないだめだめ人間だって言う吉川を、それでも私はあの一言に救われたんだよって思うみちるとか。 学校は行くものだっていう考えの枠から出られないだけで...続きを読む、皆んな自分を買い被りすぎだって否定するみちるに、いじめられる毎日を逃げ出さずにいるのがすごいことだし、そういう枠から出られないところがみちるらしくて好きだよって伝える吉川とか。 自分の中のだめだ〜〜って思う部分を肯定してくれる人がこの物語にはたくさんいて。読んでいて自分も救われた。 私は誰かの美しい人なんだ、私が誰かを美しいと思える限り、っていう言葉を思い出した。
学級崩壊したクラス(というより、崩壊した学校のひとクラス)を立て直そうとする主人公みちる。中学3年の卒業までの時間。みちるはクラスのみんなに「なんとかしよう」と投げかけるが、それがきっかけでいじめられるようになる。 みちるの小学校の同級生(いじめが原因で転校した)優子。優子はだんだん教室に入りづらく...続きを読むなる。 みちるの小学校の崩壊を立て直した斎藤君。 みちるの小学校の同級生で親がヤクザで自身も不良の瞬。 みんなそれぞれいいキャラだし、読みやすいんだけど、あえてだろうけどスッキリしない結末にうーーんて感じ。中学生を主人公にして(ティーン向けの作品なら)もう少し前向きなラストでもよいのでは、、?いや、逆にこれがリアルのでよいのか、、、?
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瀬尾まいこ
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