無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
夏休み、小学三年生の瑛介は血小板数値の経過観察で一ヶ月以上、入院している。退屈な病院での日々。そんなある日やって来たのが「俺、チビだけど、九歳」と陽気に挨拶する同学年の壮太だった。低身長の検査入院らしい。たちまち打ち解けた二人。でも一緒にいられるのは、あと少ししかない――表題作「夏の体温」。大学生男女の新たな歩みを描く「魅惑の極悪人ファイル」と掌編「花曇りの向こう」の全三編。ビターな想いをじんわりと温かく包みこむ、瀬尾ワールドの真骨頂! 文庫版特典として、巻末にエッセイを収録。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
読後にほっこりと心が暖まる3つの短編。表題の『夏の体温』は入院中の小学3年生の男の子たちの短い出会いと別れの物語。子供の時間の流れと密度は本当に大人のそれとは全然違うのだろうと思う。だからこそ瑛介と壮太の過ごした病院での夏休みは生涯忘れられない宝となっていくことだろう。退屈な病院の中でも楽しいことを探して遊ぶその好奇心とか創造性とか、かつての私たちも持っていたのだろうか…?そんな気もするような、忘れていたものを思い出させてくれたような気分になった。
大学生の女子が小説のアイデアのため、腹黒いという意味のストブラという異名で学内で呼ばれている男子に接近して話を重ねていくうちに友達になっていく『魅惑の極悪人ファイル』も面白かった。ユーモラスでありつつも切なさや若者ゆえの青さを包容する優しさがあってほっこりした。最後の『花曇りの向こう』は短いけれど、中学に進学したばかりでなかなかクラスメイトと仲良くなれないぎこちない空気のなかで、僅かにふれあってこころが開き会い始める喜びの瞬間が描かれていてとても良かった。リアルに人と人が出会ってふれあうことっていいなぁとしみじみ思いました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。