三浦しをんのレビュー一覧
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この本は大きく分けて、色々な本が読みやすい素晴らしい文章と言葉で紹介されている書評部分、本に関係したりしなかったりするエッセイ部分で構成されている。なのでそれぞれに分けて感想を書きたい。
まず書評部分。多くの場合はコミカルで読んでて吹き出してしまうような愉快な文章でありながら、時折ワタの中に仕込まれたナイフのように鋭くて深い言葉が飛び出てくるのがアクセントを与えている。当の本を読んでいないのに紹介文だけでも心に刻印を残していき、舐めていた甘え心を踏み潰していくようは気分だ(まぁその教訓はすぐ忘れてしまうのだが)。特に「すべて「乙女」たちのために」のエッセイは詩的かつ鋭い言葉で、綴られた痛 -
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しをんさんは、私には「心の広い神経質な人」が合うと言う。
あまり聞かない言い回しだ。
私は「心が狭くて無神経な人」だから、自分と反対の性格の人がいいんだと。
表現の魔術師だと思う。
「寝ようと思えばいつでも寝れる、いくらでも寝れる。」を、
「睡眠に関しては、瞬発力、持久力ともにかなり優等生だと自負している。」と言い変える。
言葉の魔術師だと思う。
しをんさんのエッセイは、とてもテンポよく読めるのだが、
「脳内麻薬物質が分泌されている状態で、勢いに任せて書いている。」と書いてあった。
なるほど、この書き手の勢いが読み手にも伝わってくるんだな。
そして、読み手にも脳内麻薬物質が分泌されてき -
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ネタバレ三浦しをん(2013年8月単行本、2017年6月文庫本)。
初めてのマニアックなテーマではない三浦しをんの小説、東京の下町に暮らす幼馴染の老人二人の人情温まる物語。
一人は有田国政73歳、大学を卒業後銀行に入行、見合い結婚をして娘が二人、孫が一人居るが、数年前に妻の清子は家を出て長女夫婦の家に同居している。家庭を顧みず、妻の助けを求める声に応えず、と言うか全く無神経で深読みが出来ない、寄り添うことが苦手な性格によるところが大きい結果なのだろう。現在寂しい年金一人暮らしをしている。
もう一人は堀源二郎73歳、幼い頃に兄が病死、父親は戦死、母親と弟と妹は空襲で死亡。小学校もろくに卒業出来ずに「つ -
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しゃれた構成のアンソロジー
煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。 -
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ロシアものは自分に酔う
こんな本読んじゃってる自分を想像するだけで満足してるかもしれない。
何冊か読んで途中棄権してる本もあるが、罪と罰も上下巻で揃えて読むタイミングを逃している。
そこにこの本があると知り、こちらを読んだら読む気になるのか…?なんて
ちょっと遠回りしてみることに。
結果、四人の読書会がエッセイのようでもあり
とてもハマってしまった。
作家さん達であるから、書き方や持って行き方なんかも自分と比較したりする、そんな会話もめっちゃ楽しい。
罪と罰を普通に読んでいたらこうは思わなかったと思う。
ロシアものは難解だ
だって人の名前も日本人にはとっつきにくい発音(発声)
それでいて -
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未読座談会という、(立会人以外の)出席者全員が本を読まずに参加するという、『読んでない本について堂々と語る方法』をやってみたという記録本。
実際には、冒頭と結末を数ページずつ読んでからでありましたが、想像力が膨らんでどんどん空想の話が進んでいって面白い。小説家と自分の距離感を感じざるを得ませんでした。
ときどき、想像力に置いてけぼりにされながらも、実際に自分も本で読んだことがないので、こういう話なのかな、と何度か振り回されました。
読んでは忘れを繰り返しながら、新しい本を読み続ける自分にとっての、「読む」という行為は一体どんな意味があるのだろう。
忘れてしまうのでは、むしろ無駄なのでは -
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三浦しをん氏の日常をまとめたエッセイ集。
三浦しをんさんの作品に漂う、ちょっと古風で込み入った感じが大好きなのですが、この日常からあの作品が生まれるのかー……と、しみじみ眺めつつも、「ぷぷぷ」と笑えるようなお話が満載で、ついつい目尻を歪めてしまいました。
特に面白かったのが弟さんとスーツを選びにいく話(「アイコンタクトレンズ探し」)、マックブックと冷蔵庫の話(「白雪姫の毒りんご」)、ワンピースが欲しい話(「罪深いがゆえに人は」)、ちょっと抜けているファッションの話(「キメきれない」)、ホワーイの話(「暗黒禅問答」)でした。
エッセイってこんなに面白かったのか、と思わされるのは、それが三浦さ -
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まほろ駅前狂騒曲
まほろ駅前多田便利軒シリーズ三作目にして完結編。
多田と行天が過去と向き合い未来に進みます。
シリーズを通してまほろに住む人への解像度が上がり、これからも彼らの物語を読ませてほしいと思います。