三浦しをんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
未読座談会という、(立会人以外の)出席者全員が本を読まずに参加するという、『読んでない本について堂々と語る方法』をやってみたという記録本。
実際には、冒頭と結末を数ページずつ読んでからでありましたが、想像力が膨らんでどんどん空想の話が進んでいって面白い。小説家と自分の距離感を感じざるを得ませんでした。
ときどき、想像力に置いてけぼりにされながらも、実際に自分も本で読んだことがないので、こういう話なのかな、と何度か振り回されました。
読んでは忘れを繰り返しながら、新しい本を読み続ける自分にとっての、「読む」という行為は一体どんな意味があるのだろう。
忘れてしまうのでは、むしろ無駄なのでは -
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三浦しをん氏の日常をまとめたエッセイ集。
三浦しをんさんの作品に漂う、ちょっと古風で込み入った感じが大好きなのですが、この日常からあの作品が生まれるのかー……と、しみじみ眺めつつも、「ぷぷぷ」と笑えるようなお話が満載で、ついつい目尻を歪めてしまいました。
特に面白かったのが弟さんとスーツを選びにいく話(「アイコンタクトレンズ探し」)、マックブックと冷蔵庫の話(「白雪姫の毒りんご」)、ワンピースが欲しい話(「罪深いがゆえに人は」)、ちょっと抜けているファッションの話(「キメきれない」)、ホワーイの話(「暗黒禅問答」)でした。
エッセイってこんなに面白かったのか、と思わされるのは、それが三浦さ -
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まほろ駅前狂騒曲
まほろ駅前多田便利軒シリーズ三作目にして完結編。
多田と行天が過去と向き合い未来に進みます。
シリーズを通してまほろに住む人への解像度が上がり、これからも彼らの物語を読ませてほしいと思います。 -
Posted by ブクログ
すごくおもしろかったです!何やってんだこのひとたち…(もちろんいい意味です)といういとおしい呆れ、ところどころ鋭い考察というかちゃんと読んでいる。作家の人たちはこうやって本を読むのか、とふむふむした。わたしもカタカナ名前が覚えられないがちだけれど、こうやって楽しくあだ名をつけて読んでいくといいのだなという気づきもあり。スベ。
印象的だったのは吉田篤弘さんが言っていた、意味やつながりを持たせすぎると絵の印象が残らない、という言葉。読書の悦びはかならずしもあそこで説明していたのはこういうことだったんだ!という意味を理解することだけではなく、想像の余白というか像を結ぶ余白をたのしむことにあるのだな -
Posted by ブクログ
三浦しをんさんによる、小説の書き方についての本です。
私は三浦しをんさんの小説が好みで、「この作品がどうやって作られているんだろう?」という動機で読み始めました。
小説家を目指す人にとっても、そうでない人にとっても楽しめるエッセイ形式で、WebマガジンCobalt(コバルト)にて連載されていたものを一冊にまとめて「お口直し」と称した部分を新たに書き下ろしたものだそうです。
注意点として、
『あの家に暮らす四人の女』
『むかしのはなし』
のネタバレがありますので、「ネタバレの前に読みたい!」という方がおられましたら、先にそちらを読まれることをお勧めします。
本書を読み終えて、三浦しをんさんの -
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番外編
多田便利軒の二人の活躍?がまた見られます。
まほろ駅前多田便利軒に出てきた登場人物たちの視点によるオムニバス形式の番外編集です。
最後は行天の心の暗い部分が描写されていて、続編を読むのが楽しみになりました。