三浦しをんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレドラマ化前に再再読。
数年おきに再読しているが、今回が一番しめたかもしれない。とてもよかった。昔より、言葉の面白さを感じたり、自分の考えをきちんと言葉で伝えたいと思っているからだろうか。それとも歳を重ねて、『大渡海』にかけた年月の長さと重さを実感しているからか。自分にとって仕事とは何かと考えているからだろうか。
馬締やみどりの、恋や愛の語釈で対象を「異性」と限定するのはおかしいのでは?という疑問は、今では多くの辞書で改訂されているのではないか。感慨深い。
一番共感できたのは西岡だった。
辞書や職場にそこそこ愛着もあったのに、あとから入って来た馬締に敵わないと思ってしまった西岡は、異動先で、自分にできる方法で辞書作りを支援しようとする。その気持ち、わ、わかる……!あとがきに自分の名前を発見した時の西岡を想像したら、泣ける。
「その言葉を辞書で引いたひとが、心強く感じるかどうかを想像してみろ」。西岡、いいこと言う……!
『CLASSY.』連載だったというのが毎回意外でびっくりする。
みどりの妄想した馬締の河童への取材「とっくりを持つことはありますか?」がツボ。 -
Posted by ブクログ
「舟を編む」の静謐な雰囲気が好きな自分としては、本作のドタバタ感とかエンタメみたいな要素に若干違和感があるけど、楽しく読めたしそれなりに感じるものがあった。
自分にとってのざっくりの印象は、一作目が多田の苦悩、二作目が脇役オムニバス、三作目が行天の苦悩 にメインの焦点が当たっていたと感じた。
幼少期の苦痛な経験はそう簡単に克服されないだろうとか、そもそも行天少年の生い立ちは今の行天のキャラには繋がらないのではないかな?など思うところもあるけど、そのようにいろいろ考えること自体が有意義だと思うし、純粋に前進する行天を応援しながら読むことが楽しかった。
多田も行天も脇役たちも、どれだけ悲しい経験をして孤独を感じても、人は多かれ少なかれ他者との関わりの中で生きている。関わることで知らず知らずのうちに前を向くことになる。孤独の中でも忘れたくても忘れない存在はあるし、反対に誰かに影響を与えていたり気にされていたりする。ということを思った。
あと地味におもしろかったのは星と手下が要所要所でいい奴で最後の祝いの輪にも加わってくれていたこと。