あらすじ
都内老舗ホテル勤務の続力(つづき・ちから)は、招待状の宛名書きを依頼しに書家の遠田薫を訪ねるも、なぜか手紙の代筆を手伝うはめに。遠田が自在に書き分ける筆跡に魅せられた続は、やがて文字にこめられた人々の思いと、遠田の秘密に触れることになり――。待望の書下ろし長篇小説。
2023年5月刊行の本編のなかから、一部を特別無料配信します。
感情タグBEST3
匿名
人それぞれに思い出がある
ページをめくって続きを読むにつれて、今まで知らなかった遠田の状況を知ることになる展開が面白いです。頼まれた後に一文字一文字手書きで思いを込めて記すことで、この人物に関わっている人々のことが思い出されていくというのも、心にじんわりと来る展開のように感じました。文章センスも生かされている印象を受けます。
三浦しをんらしい
軽いユーモアを含んだ語り口がとても読みやすく、まほろ駅前シリーズの作家三浦しをんらしい作品である。中国 及び 日本で特異的に育った「書」という芸術を題材にのびのびとした描き出し方をした作品である。