【感想・ネタバレ】政と源のレビュー

あらすじ

東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。当年とって七十三歳の国政と源二郎は、正反対の性格ながら、なぜか良いコンビ。水路のある下町を舞台に老人パワーを炸裂させるふたりの、痛快で心温まる人情譚! 【目次】一、政と源/二、幼なじみ無線/三、象を見た日/四、花も嵐も/五、平成無責任男/六、Y町の永遠

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Posted by ブクログ

日本の平均年齢は50を超えたらしいけど、その辺から上の人たちには面白くてサラサラ読めるんじゃないかな。

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2024年08月01日

Posted by ブクログ

読みながら、ジーンとしたり、ホロリとしたり、クスッとしたり、ニヤッとしたり、73歳の国政と源二郎、幼なじみコンビに心奪われた。

政も源も、それぞれ偏屈なところがあるけれど、源は自由奔放が故で偏屈というより頑固という方が合っているか。政の方がややこしいタイプで、本当に偏屈。
でも、70年以上の幼なじみならではの息ピッタリなところをみせたり、喧嘩したり、妬んで拗ねたり。何も言わなくても分かり合っていて、そういう生涯の友っていいなぁと思う。

三浦しをんさんの表現にも、はっとさせられるたり、ジワッと情景が広がって心動かされる。
国政と源二郎が生まれ育ち、今も暮らす町の象徴にもなっている水路に、今生きている人々の人生だけでなく、これまで生きてきた人や、これから生まれくる人々に至るまで、永遠に続く時の流れをなぞらえているところが特に良いなぁと思った。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三浦しをん(2013年8月単行本、2017年6月文庫本)。
初めてのマニアックなテーマではない三浦しをんの小説、東京の下町に暮らす幼馴染の老人二人の人情温まる物語。

一人は有田国政73歳、大学を卒業後銀行に入行、見合い結婚をして娘が二人、孫が一人居るが、数年前に妻の清子は家を出て長女夫婦の家に同居している。家庭を顧みず、妻の助けを求める声に応えず、と言うか全く無神経で深読みが出来ない、寄り添うことが苦手な性格によるところが大きい結果なのだろう。現在寂しい年金一人暮らしをしている。
もう一人は堀源二郎73歳、幼い頃に兄が病死、父親は戦死、母親と弟と妹は空襲で死亡。小学校もろくに卒業出来ずに「つまみ簪職人」に弟子入りして、師匠の元で修業を積む。20代で小学校の教師の花枝と恋愛結婚して幸せな生活を送っていたが、花枝は40代の時に病死する。子供には恵まれずに一人で今も「つまみ簪職人」を続ける。しかし2年前に初めて弟子の吉岡徹平を迎えて、この20歳の弟子が元ヤンキーではあるが、結構手先が器用でデザインセンスもいいのだ。しかも源二郎を師匠としてリスペクトし、慕い、身の回りの世話までしている。国政はこの源二郎の境遇にやや嫉妬している。

二人は歩いて5分の所に住んでいる、73年来の幼馴染。性格も生き様も全く違うが子供の頃に同じように戦争を経験しても、家族と疎開していた国政と違って東京大空襲の中、一人生き残った源二郎にとって国政は唯一の家族同様の親友なのだ。孤独な国政にとってもただ一人の親友だ。
物語はこの二人がお互いに気を掛けながら、二人に関わってくる人間との困難な問題に上手く対処して、生い先短い残りの人生を逞しく生きていく、心が洗われる、胸にグッとくる、そして勇気づけられる物語だ。

若い頃、源二郎の花枝との結婚は略奪婚に近い。恋する二人の結婚を花枝の父親は認めず略奪婚に近い結婚なのだが、それに協力したのが国政で、この時の国政の親友思いの予想外の行動力には驚いてしまう。
また最近、妻に家を出られて一人暮らしの国政が台風の日、ギックリ腰の痛さで自宅の2階で身動き出来ずにいると、早朝に源二郎が虫の知らせだと言って国政の家の鍵のかかった玄関のガラス引き戸を割って入って来て助けたりして、何かこの二人には他人にはわからない強い結びつきがあるようだ。
そしてこれも最近、吉岡徹平が昔の悪い仲間のチンピラに絡まられていると知ると、源二郎と国政は無謀にも角材持参の力ずくとハッタリで徹平を助け、チンピラ達を追い払ったりして年甲斐もなく無謀なところも共有している。

物語の核となっているのは、国政が失った家族の信頼を取り戻せるかどうかと言う問題だ。
国政の妻の清子からの失望、怒り、軽蔑、諦めそして無視される国政の姿に自業自得だと清子に共感しながらも、身につまされる思いで同情している自分がいて、何とか修復出来ることを期待しながら読んでいたのだが、娘からも同様の扱いを受ける状況に至ってはこれはもう無理かなと悲観していた。
それが吉岡徹平の結婚式の仲人を引き受けたことから、国政の清子への説得のための誠意あるハガキ攻勢が始まり、結果的に清子の心のわだかまりを少しだが解きほぐすことに成功し、晴れて二人で仲人として結婚式に出席するのだ。毎日書いたハガキの内容は感動的で国政も変わったのかなと思い、自分はどうだろうかと考え込んでしまった。

結婚式の後、国政と源二郎が交わす言葉に切なくて胸がつまる。
国政「来年の桜を見られるのか、俺たちは」
源二郎「さあなあ」「俺たちが見られなかったとしても、来年も再来年も桜は咲くさ。それでいいじゃねえか」

人それぞれの永遠があり、それぞれの永遠は住んでる街の景色を変えていくが、そこに生きる人の営みは変わらない。国政と源二郎もそれぞれの永遠を生きたが、今二人は変わらず隣にいる。二人はきっと現在の自分の状況、自分達の生きた永遠を受け入れたのだろう。後悔とか満足とか不安とか恐怖とか希望とかの雑念を全て超越したかのように。




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2022年10月17日

Posted by ブクログ

やっぱり上手いなあ、しをんさん‼︎
読む前は、「パワフルおじいちゃんたちの活躍話かな?」なんて思ったけど、失礼しました。ちょこっと違う。
国政の目線で話は進みます。
もちろんパワフルなとこもあるし、源二郎との会話や、国政が心の中で悪態つくとことか、もう声を出して笑っちゃう( ´∀`)

でも、この作品の良さは、この年代の老人の心の中を、暖かく素直に、明るく描けてるところだと思うのです。

私の亡き母が昔、
「歳取ったら、時間なんていくらでもあるわよ」ってよく言ってました。
当時、私が、子育てと、パートと、学校のPTAが重なってた頃かなぁ?
あの頃の、母の気持ちが、今私もすごくわかる気がしてきてるのです。
(まだ私はそこまでの歳ではないけれどね)

この作品の中で、国政が、夜中に目が覚めてどうにか寝ようと姿勢を考えたり、出かける何時間も前、早朝から起きてしまい、どうやって時間を潰そうかと考えたり、過去を振り返っては落ち込んだり、源二郎と比べてみては、己の不甲斐なさを感じたり、寂しさゆえ、妬んだり僻んだり…。

こういう描写の一つ一つに、うんうん!わかるわかる!って思いながら…自分がこの年代になって読んだからだなぁ、今読んで良かった‼︎ って思いました。

どんな人でも、若い頃があって、どんな人でもいずれ年寄りになる。どの年代にあっても、迷いジタバタするけど、そうやって積み重ねていくしかないのよねぇ…なんてしみじみしながら読み、じんわりと涙が滲んだのでした。

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2021年07月18日

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ネタバレ

性格や生い立ちも正反対なおじいさんコンビの物語。
人生でこういう友人が一人でもいたら幸せだろうなと感じた。
「死んだ人間が行くのは死後の世界なんじゃなく、親しい人の記憶のなかじゃないか」
自分が死んだ後に誰かの記憶の中で生きていけたらとてつもなく幸せだと思える。
BLEACHの海燕の「死ぬときは心を預けていく」という台詞が昔から大好きだったので近しいものを感じた。

清子さんが耐えてきたことはすぐに帳消しにできるものではないが、葉書を送り続けるところは感動した。しかし、それですぐに戻りますともならないのが良かった。
結婚はできなくても構わないと思っているが、登場人物の家族愛や最後の結婚式をみると、結婚も良いものかもしれないと思う。
徹平くんとマミさんに幸あれ。。

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2021年02月26日

購入済み

何度読んでも面白い

三浦しをんさんの作品は神去りなあなあ村を初めて読んで、痛快な落語を聞いているような言葉の選び方がうまい!とうなってしまった。この政と源もストーリーもさることながら、源さんの破天荒ぶりにクソ真面目な政さんが振り回されている様が面白く、でもこの源さんにはつらい過去があるという笑いだけではない内容に心ひかれている。

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2019年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

定年まで銀行一筋で働きつめた真面目で堅いところのある国政と、つまみ簪職人でつまみ簪を作る以外ははちゃめちゃなところのある源二郎。幼なじみじゃなかったらきっと友達じゃなかったと作中で国政も言うように、性格や歩んできた人生が正反対な2人だけど、何十年と同じ月日を重ね、お互いの家を行き来するくらい仲の良い関係性がとても尊く感じた。正直羨ましい。血は繋がっていないし家族でもないし、友達と呼ぶとちょっと否定しそうな2人だけれど、信頼し合っているんだなとひしひしと伝わった。弟子の徹平ちゃんもいい子だし、マミちゃんもおおらかで素敵な女性だし、清子さんも花枝さんも芯があってとても好き。みんなそれぞれの人生を自分の意志で生きていて、前向きな気持ちをもらえた。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

おじいさんの幼なじみ
ニコイチってこんな感じ?
足りないところを補うとかそんなくさい関係じゃないけど、必要不可欠な存在。素敵だと思った
あとは気持ちを正直に伝える大切さ、素直になる大切さを感じた

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

江戸っ子じいさんたちの切なくて面白おかしい日常!
こんな幼なじみがいたら老後生活も悪くない。
いいな〜、こんな幼なじみがほしいなぁ。

思わず1人でプププと笑う場面もあり、元気になれる一冊。
続編あればいいのにな。

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2025年05月18日

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同じクラスで初めて出会ったら仲良くならなかったかもしれない正反対な性格の2人
70年以上も同じ町で過ごして、来年の桜について一緒に語る幼なじみっていいなぁ

しをんさんの描く「愛」にいつも心が暖かくなります

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2025年04月30日

Posted by ブクログ

時代背景は江戸と決めつけていたが、パソコンや携帯が登場する現代だった。
物語の舞台は、東京都墨田区Y町。
東京大空襲で焼け野原となり、すっかり作り替えられた町だ。
私の住まいは、空襲からは逃れて昔のままの路地だらけの場所だが同じ墨田区で、時々出かける場所なので直ぐに映像化できた。

近所のよく知っている場所がしばしば登場する、宮部みゆきさんの作品を読んでいる錯覚もした。

幼い頃から隅田川と荒川に挟まれた、水路が張り巡らされた下町に暮らしている国政と源二郎という名の爺さんが主役の話だった。

小銭を稼ぐために上野公園で路上販売しているのをヤクザに見つかり、上野動物園に逃げ込む場面があって国政は40年ぶりだと言っていた。
私は先月上野に行った時、動物園の表門の前を通って、20年以上も上野動物園に入っていないと思ったばかりだ。
今や浅草は外国人だらけになって、仲見世通りなどテーマパーク化しつつあるが、上野動物園がどうなっているか今度調査してこよう。

この物語は2人の主人公がいるが、多くの人が自分と国政を重ねて読んでいるのではないか。
源二郎のような生き方は想像し難い。
水と油のように合わなそうな二人が腐れ縁で、幼少期から爺さんになってもなぜか親交を続けている。
そんな人はいないから、ある意味羨ましい。
山の手や都心のビル街では成り立ちにくい設定で、下町の伝統文化や人情味が物語を成立させていると感じる。

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2025年02月16日

Posted by ブクログ

相変わらず面白い!

不器用で気持ちを素直に言葉にできない国政。
天真爛漫で人思い。自由気ままな源二郎。

似ているようで真逆な2人。

2人の掛け合い、お互いを思う気持ち、すれ違っているようでしっかりと絆で繋がっている。

読んでいてとても楽しく、2人の関係性がうらやましく思える作品でした。

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2024年10月10日

Posted by ブクログ

プロマンスってこいうことを言うんだ…!?って思わせてくれた。これもある意味のバディものでもある気がするけど、やっぱキャラクターが正反対だと映えるよなあ。すごく好きだった。
亡くなった人は記憶になって頭の中にいるっていうのがとても好きだった。あと葉書送るのが好き。
どっちが先に亡くなっちゃうかなってちょっと考えたけど、それを考えるのも野暮ってもんだよね。

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2024年09月07日

Posted by ブクログ

幼馴染である国政と源二郎の下町人情あるれる物語。つまみかんざし職人である源二郎の弟子、徹平と彼女のマミたちとの心温まる話しでした。
自分がその年になった時、このような友はいないよなあと思うと、二人がとても羨ましくなった。
80歳、90歳になってもこのままの二人でいてほしい。そして、国政の奥さんが帰ってくることを祈ってます。
重松清「とんび」のヤスさんにも通じる、優しさ溢れる国政と源二郎の、ほのぼのと心温まる作品だった。

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2024年05月14日

匿名

購入済み

幼馴染っていいですね。
楽しく読ませていただきました。

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2024年03月24日

Posted by ブクログ

東京下町に住む政と源。元銀行員でやや僻み根性の国政。自由奔放な、まさに職人気質の源二郎。戦後を乗り切った同級生は、羨ましいくらいの親友だ。6話の連作短編で、日常と非日常の境界線が巧く表現されている。つまみ簪という言葉を初めて知ったのも収穫だ(この歳にして……)。源二郎の弟子・徹平の一途さが物語を明るくしてくれる。そして、徹平の結婚話を機に、源二郎の亡くなった妻との馴れ初めや、国政と別居中の妻との距離が縮まる場面が楽しい。

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

正反対の性格と境遇にあって、老人凸凹コンビの国政と源次郎。おさななじみの73歳。
どんな人生を生きたとしても、こんな友人が生涯そばにいてくれるってなんて幸せなことだろう。
「もう桜も終わりだな」
「また来年があるさ」
「来年の桜を見られるのか、俺たちは」
「さあなあ」
「俺たちが見られなかったとしても、来年も再来年も桜は咲くさ。それでいいじゃねえか」

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

主人公は73歳の政と源。水路のある墨田区の下町が舞台の人情劇。
特に何か事件があるわけでもなく、彼らの日常が穏やかに過ぎて行く。強いて挙げれば、源の弟子である徹平の結婚を機に、夫婦の在り方を言及した辺りが読みどころか。
73歳という年齢設定は、ちょっと微妙だったと思う。

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2021年04月23日

Posted by ブクログ

多くの人は政のような感情を抱え、源のような人に憧れ嫉妬しながら、でも自分の人生を変えられないのだと思う。
今私は社会人3年目だが、仕事を頑張って40年間経た後に何があるんだろうと考えるきっかけになった。政は決して仕事をサボってきたり、充実していない人生を送ってきたわけではない。ただ源と決定的に違うのはその充実が積み上がってきたかということなのではないかと思う。
源は好きなことを仕事にした。こなすだけの仕事ではなく熱中できてプライドを持てる仕事
政もそういう気持ちで会社に入ったのかもしれない。ただ、社会に揉まれる中で、日々忙しく過ごしていても、瞬間的な充実を感じていても、その充実は人生を振り返った時に積み上がるようなものではなかったのではないかと思う。
ストック型充実とはどんなものなんだろう、と思うとやはりそれは大切な人との時間と熱中できる好きな仕事なのかもなと思った。
でも、社会はお金があって地位があってというのが今も「社会人」たるものが目指すべき姿になっていて、いやそうじゃないんだと例え思ったとしても、社会が創造する「社会人」から脱することはとても勇気が必要なことだと思う。

もう一つ印象的だったのは、死後についての考え方。
「死んだ人間が行くのは死後の世界ではなく、親しい人の記憶の中」
スピリチュアルでもなくて、素敵な考えだと思った。ここでも大切な人の存在が、生きている間だけではなく死後も重要なのだと感じた。

三浦しをんさんの作品は、いくつか読んだが、どれも人の温もりを感じる。ワードチョイスも美しくて、特に大どんでん返しがあるストーリーラインではないけど、心の中にスッと入ってきたり、こんな考え方いいなと思うことがよくある。
また色々読み返したいし、他の本も読んでみたい!

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2021年04月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

墨田区Y町、今どき舟で行き来できるところが東京にあるのかい!
そこに住む元銀行員、典型的昭和のオトコである国政。
戦争により天蓋孤独でありながら、破天荒で繊細なつまみ簪職人の源二郎。
幼なじみのふたりのやり取りが可笑しい。
源二郎の弟子、徹平とマミちゃんとの現代風カップルっぷりのあたたかさも心地いい
国政の視線で語られる日常は、全然楽しそうではないけれど、仲人を引き受けるため、出て行った妻にむけて毎日書いたはがきがめきめき面白くなっていく。
やっぱり本心を相手に伝えないことには、なにも変わらないってことですね。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

『人生の秋どころか冬に足を踏み入れたからこそ、秋のよさがわかるようになったのだろうか』

あなたの好きな季節はいつですか?という質問にどの季節を挙げるでしょうか?”春”に始まりを感じる一方で、対になる”秋”には収穫とともに終わりを感じる、それぞれの季節にはそのようにイメージというものがあります。そして、どの季節が好きかという質問の答えもそんなイメージに左右されるようにも思います。それもあって年代によってどの季節を一番好きと答えるかも異なってくるようです。ある調査によると、”秋”が好きという答えは年齢に関係なくほぼ一定の割合なのに対して、”春”が好きという答えの方は、年代が上がれば上がるほどに好きと答える割合は高くなるようです。年齢が高くなればなるほどに、生命の始まりを感じさせる”春”に惹かれる気持ちが強くなるというその結果。それは青春という人生の”春”のあの日々を懐かしむ憧憬の感情なのかもしれません。

さて、ここにそんな青春の日々を共に過ごし、今まさに、人生の秋、人生の収穫の秋に差し掛かった二人の『おじいさん』が主人公の物語があります。それは、『おい、源』『なあ、政』と呼び合う、そんな二人が長年に渡ってつちかってきた友情を熱く感じる物語です。

『告別式の会場に入ってきた堀源二郎を見て、有田国政はむせそうになった』という冒頭。『いつもどおりの飄々とした足取りで歩み寄ってくる』源二郎は『よう』と低く挨拶をして、国政の隣に座りました。『「よう」じゃない。なんだその頭は』という源二郎は『耳のうえにわずかに残った頭髪を真っ赤に染めていたのだ』というインパクトのある出で立ち。『おまえ、自分をいくつだと思っているんだ』と言う国政に『まさかミツねえさんが死んじまうとはなあ』ととぼける源二郎は『染め直すわけにもいかねえだろう。先週、マミちゃんに赤くしてもらったところなんだ』と意に介しません。『だったら剃ってこい』と迫る国政に『てめえがうまく総白髪になったからって、いい気になってねえか?』と揉めそうになったところで『僧侶が祭壇のまえに座ったので、会話はひとまずそこで終わった』という展開。『出棺を待つあいだ、国政と源二郎は表の駐車場で煙草をふかし』ながら『急なことだったな』、『なあに、大往生さ』と亡くなったミツのことを話します。しかし『素直にうなずけなかった』という国政は『若いころより死が身近になったぶんだけ、怖れも増したからかもしれない』と感じます。『これまで出会い、さきに死んでいったひとたちの記憶もまるごと、俺が死んだらきれいさっぱり消えるのか』とも感じる国政に『またすぐに会える』と言う源二郎。『それもそうか』と国政は思います。その後運河沿いを歩く二人。『運河の護岸の手すりに寄った』源二郎は『おまえも乗ってけよ』と国政を誘います。『船外機つきの小船に、吉岡徹平が乗っていた』という小船に乗り込む二人。『東京の東部にある墨田区Y町は、荒川と隅田川に挟まれ、ちょうど三角州のようになった地帯だ』という国政と源二郎が生まれ育ったそのY町。その河原で『羽二重にひいた糊の乾き具合を、徹平が確認している』のを見る二人。『二十歳か』と徹平のことを見て『俺は二十歳のとき、どんなことを考えていたのだったか。なにしろ半世紀以上まえのことなので、うまく思い出せない』と考える国政。そして家に帰るも『「ただいま と言っても答えるものはない』というその暮らし。『九時まで時間をつぶし、あとはもうすることもなく布団に入った』という一日の終わり。しかし夜が明けて『新しい一日がはじまったからといって、活力がみなぎるわけでもない』と思いつつ眠りにつく国政。そんな国政と友人で『つまみ簪』の職人でもある源二郎の二人の友情の物語が描かれていきます。

『編集者さんから「おじいさん二人の話はどうですか」というオファーをいただいて、それはいいなあ、と思ったところから』始まったと語る三浦しをんさん。”Cobalt”という雑誌に五年に渡って連載されたこの作品は六つの短編からなる連作短編の形式をとっています。そして、二人合わせて『百四十六歳だ』という国政と源二郎という東京の下町に暮らす二人の『おじいさん』が主人公となって物語は展開していきます。そんな物語を読んでまず気になるのは物語の前半の重さです。おびただしい『死』という漢字が登場するその内容。あまりにたくさん『死』という文字が登場するので、こういう場合数えずにはいられない私は早速その数を数えてみました。
第一章: 12、第二章: 41、第三章: 1、第四章: 10、第五章: 1、第六章: 5 合計70
という大量の『死』という文字。そして、第二章に集中する『死』という文字。五年という歳月にまたがって連載されたこの作品では、三浦さんの意図されるところが微妙に変化していったのかなとも感じられるその偏りです。そんな『死』という文字がこれだけ登場する第二章はとても影を感じる内容になっています。『死後の世界がもしあるなら、それは運河の果てに広がっているのだろうと思っていた』と考える国政。『いつかきっと、俺も流れに運ばれ、流れによって結ばれたさきで、また親しいひとたちに会えるだろう』というような感じで、相当な分量を使ってその死後の世界を語っていく三浦さん。この展開を読んで頭に浮かんだのは三浦さんの「天国旅行」という作品でした。同作品は最初から最後まで『死』と対峙し続けることを読者は求められる、とても読み応えのある作品ですが、この「政と源」の第二章もそれ同様に41ヶ所にも登場する『死』に向き合うことを読者は求められます。そして、この作品で特徴的なのは、それが”老いと死”であることです。銀行員としてがむしゃらに突っ走ってきた国政。そして、『七十三年生きてきた結果』が『妻と娘たちは家を出ていき国政と連絡を取りたがらない』と今を憂う国政は『老後というのはすることがない。国政はきわめて退屈な日々を送っていた』という日常の中で、時には『もういっそのこと、俺の心臓なんて今夜停まってしまえばいいんだ』とさえ感じる時もあります。そんな中で『死んだ人が行くのは死後の世界なんかじゃなく、親しいひとの記憶のなかじゃないか』という独自の考え方を源二郎の言葉を通して語る三浦さん。『死んでも、親しいひとのなかに生きる。そうだな、源。それはいい考えだ』と納得感を得た国政は『記憶のなかの死者とともに、せいぜい長生きしよう』と思うに至ります。『うしろ向きだとは思わない。新たに出会う生者より、死んだ知りあいのほうが多い。そんな年齢に、とっくになっているのだから』とある意味達観とも言えるその考え方が展開するこの章は、三浦さんらしい死生観を垣間見ることができたとても読み応えのある章だったと思います。

そして、そんな『死』というものを意識せざるを得ない物語は、第三章以降急に雰囲気を変えていきます。そこから感じるのは”下町に生きるパワフルなおじいさんコンビのはちゃめちゃ物語”といった面持ちです。今の世にあって73歳という年齢はまだまだ現役という方もたくさんいらっしゃると思います。実際、この作品でも駆け回ったり、大立ち回りを演じたりの大活躍を見せる二人には『おじいさん』という雰囲気はあまり感じられません。もちろんその一方で腰痛で寝込んだりといったやむを得ない老いの一面は見られますがそれにしてもパワフルです。第二章で三浦さんの「天国旅行」を思い出したと書きましたが、後半になって感じたのは、三浦さんの代表作である「まほろ駅前多田便利軒」の世界観でした。多田と行天という味のある二人のコンビがパワフルに人生を切り開いていく、活き活きとした日常の面白さを描いた世界観が、この作品の国政と源二郎の関係と重なるのを感じました。それは二人の対照的なこれまでの人生と、そもそもの二人の性格の違いにもよく現れています。『家族を顧みず働いてきたつけ』が回ってきたと感じる国政は、かつて『昔ながらの職人の世界に身を置く源二郎』のことを『やや軽んじる思いすらあったかもしれない』と感じています。そんな『国政と源二郎とでは、正反対と言っていいほど生きかたも考えかたもちがう』という二人。『どうして源二郎とのつきあいがつづいているのか』わからないという国政に、『そりゃおめえ、惰性ってやつだよ』と答える源二郎。『そういうものかもしれないな』と納得してしまう国政。人間関係というのはとても不思議なものです。「まほろ」での多田と行天もやはり対照的な二人の生きかたが描かれていました。そんな正反対コンビが描かれる「まほろ」と「政と源」という両作を読んで私が感じたのは、”なんという名コンビなんだろう”という二人の組み合わせの絶妙さでした。現実世界においても必ずしも生きかたや考えかたが同じだからといっていい組み合わせになるとは限りません。人間関係とはそんなに単純なものではないからです。この作品を読んで人と人との出会いとその関係の面白さには無限の可能性があるのではないか、合わないと思った二人の間にこそ、かけがえのない、一生を共有できる友情が生まれていく可能性もあるのではないか、そんな風にも感じました。

三浦さんの死生観を垣間見ることのできる奥深い表現に魅せられ、活き活きとした登場人物たちのはちゃめちゃな活躍に夢中にもなれるこの作品。三浦さんの小説に見られる色んな要素が一冊に集約されたある意味とても贅沢なこの作品。

『長い年月が過ぎ、Y町の風景は移ろったが、そこに生きる人々の営みは変わらない』という日常の中に、かつての『少年の日と同じように、いまも国政の隣には源二郎がいる』と感じあえる”名コンビ”。そんな何ものにも代えがたい二人の結び付きの強さにすっかり魅せられた、そんな作品でした。

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2021年01月04日

Posted by ブクログ


簪職人の源次郎と、幼なじみの国政の人情話。

少ない髪を赤や青に染めたり、自由奔放な性格の源次郎と、銀行員を定年まで生真面目に努め抜いた国政は正反対の性格をしている。
だが戦争を経験し、親や愛する人を失ったり、たくさんの苦楽を共にした2人は幼い頃からの親友だ。

————-

物語の中で、国政の老後の不安や、源次郎への憧れを抱く描写が印象的だった。

源次郎は見染めた人と駆け落ちし結婚したのに対して、国政は好きな人ではなく見合いで結婚した。

国政は2人の娘をもうけたが、家庭のことを顧みない仕事人間だった。
いつしか妻に愛想をつかされ、妻は娘の家に転がり込み、国政は家に独り残される。

弟子の撤平を叱り飛ばしながらも充実した生活を送る源次郎と、妻に出ていかれた自分とを比べて、いつしか孤独と嫉妬に似た苛立ちを覚えるようになった。

しかし徹平の結婚式が決まり、どうしても!と仲人を頼まれた時には、自分が何とかしてやろうと、国政は妻に毎日手紙を書いて送った。

その手紙には普段言えなかった感謝の気持ちや、国政らしい不器用な愛情がこもっていた。

——————-

結婚や明るく楽しい話と対照的に、老後の不安が見え隠れする。
しかし、老いてなお親友と呼べる人がいるのは、なんて素敵な事だろうか。

国政は妻の気持ちを理解したし、源次郎も充実した生活を送り、弟子の徹平は好きな人と結婚することができた。
今後の明るい未来が予想される、幸せな終わり方だった。

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2020年09月06日

Posted by ブクログ

さすが文章も上手く読みやすかった。
源さんと国政さんとの対比も良い。ただ、高齢者夫婦の行き違いはちょっと悲しかったなぁ、まぁ、仕方ないけど。因果だね。
ほっこりと平和な日々は読んでいて気持ちが良い。ぜひ、彼らの続きの話を読みたい。

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

そういえばついこの間までこんなおじいさんいたよなとノスタルジックな気持ちになった。
政と源は、私の祖父世代だから余計になのか…。

はっきり言ってしまえば、国政は自分も相手も記号として見ているのでいちいち主語がでかい。
そして鈍い。
そんな国政が時代の流れや自身の老いと共に気づきを得て変わっていくのが物語の軸。

まるで国政のようなわが祖父はこの世からいなくなった。
当時は確かに反発したし良いことばかりじゃなかったけど、なんか重ねちゃったな。
かつて共に過ごした人との思い出の頑固さたるや。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

読書備忘録815号。
★★★☆。

隅田川と荒川に挟まれた東京墨田区。
物流を水路に頼っていた名残が色濃く残るY町という架空の町を舞台に広げられる下町人間ドラマ。
73歳ジジイのBL物語と言ってもいいですね。笑

源こと、堀源二郎73歳。つまみ簪職人。若くして妻に先立たれ子供もおらず1人。
政こと、有田国政73歳。もと銀行員。家庭を一切顧みず妻と二人の娘に見放され1人。
性格が真逆な2人は幼馴染。なぜ友人関係が続いているのか本人たちもよく分からない。

源二郎は弟子の吉岡徹平、徹平の恋人マミちゃん、飲み屋のママとかから慕われていつも周りは賑やか。
独り身でありながら孤独の対極にいる。
一方の国政はまさに独居老人そのもの。源二郎の周りの賑やかさに僻みを感じる。

そんな2人の日々の人間ドラマ、ちょっとした三匹のおっさんストーリー、それぞれの連れ合いとの馴れ初めストーリー、そして徹平とマミちゃんの結婚式の仲人問題からのドタバタストーリー。

以上。

読んでて楽しい。
ただ、ストーリー性がある訳でもないので、備忘録に一番しにくい・・・。
★3.5が限界かな。知らんけど。

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2024年04月03日

Posted by ブクログ

ほっこり小説。さらっと読めて良かった。
国政みたいな堅実な人より、源二郎みたいなあっけらかんとした人のほうが好きだなぁ。
気を許せる幼なじみがいるっていいな、羨ましいな。

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

しおんさんにしては珍しいような内容。
73歳の幼馴染のお爺さん二人の物語。つまみ簪職人の源さんと元銀行員の政さんであり、性格もまさにその通りで好対照。自分の性格に近いのは政さんだが、やはり源さんに憧れる。無いものねだりで、政さんは嫉妬や嫉みで源さんにあたる。それを良く理解し対応する源さん。
政さんの妻が2年前から家を出て娘の家にいる。家を出た理由が理解できず、妻とは没交渉。源さん達の説得や、源さんの弟子の仲人で妻に交渉。五分五分の結果がもの悲しい。
つまみ簪の確認の為に画像で検索してみた。結婚式などで見るが、他ではあまり見かけない。長く残したい日本の技術と思った。

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2023年08月31日

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源次郎と国政の2人の性格や価値観のバラバラさ加減が良かった。

こんなに長く、お互い気のしれた親友、腐れ縁の知人は自分にはいないので羨ましい

源次郎は豪快、国政は一生懸命だけど ひがみっぽく器が少し小さい
国政から見れば【源次郎が羨ましく、みんなに好かれてる】と思っているが

実際に年とった2人は、同じ年の孤独な老人なのに…

源次郎のが気持ちの整理も出来て、自分の駄目な所も理解し認めてる感じ

国政には国政の良さがあるのに、本人は気づいてなくて…でも源次郎は全部分かってる

生きていく上で正解が無いのは勿論だけど
●自分の現状の毎秒毎秒が選択の結果なわけだし…それがいい結果でも悪い結果でも「それがその時のベスト」と自分は考えて生きてます

幸せも、不幸せも同じ「幸せの種類」なので
人生楽勝で何が面白い?とも思う。

※だから話が変わるけど 結局俺が何を言いたいかって言うと…
【カップ焼きそばって どんなに頑張って作っても食べるときに(かやく)は麺と一緒に口に入ってこなくて結局容器に沢山残るよね?!】って事!!

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2023年04月23日

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源さんすごい破天荒だけど、なんだかんだで政さんのこと心配して色々やってくれる良い人で好きでした。腰痛の政さんに、腰椎ベルト巻くために転がすの笑った。笑

政さんは、源さんと違い結構ネガティブだなって思った。確かに奥さんや娘から嫌われすぎてて可哀想になったけど、でも源さんや徹平たちいるじゃん!おじいちゃんになってもあんな風に仲良い関係憧れるし、何でもお見通しなのさすがと思った。

やっぱ幼なじみはいいですね。私も大切にしよう!!

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2022年12月02日

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結ばれている。いつかきっと、俺も流れに運ばれ、流れによって結ばれたさきで、また親しいひとたちに会えるだろう。(55ページ)

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2022年10月18日

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あったかいお話。
ゲンもマサもどちらの生き方もリアルで
今のままだと自分はマサのようになりそうだなと思った。
そして自分が持ってないものをゲンは沢山持っててかっこいいなと思うけど、昔の自分と比べて
ゲンみたいになりたいとは別に思わなくなってきた。
今の自分をしっかり愛して、周りの人にも優しくできる人生でありたいと思わせて貰えた本でした。

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2022年02月01日

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最初から最後まで国政のキャラクターに感情移入できなかった。いまでいう老害キャラなのですが、どこか憎めない頑固親父にしたかったのでしょうけど、身近にこういう迷惑なひとがいるし、もうこの手の人はなにがあっても治らないのをしっているので、どうしても馴染めなかった。

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2021年01月19日

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