あらすじ
川田幸代29歳は社史編纂室勤務。姿が見えない幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、ダイナマイトボディの後輩みっこちゃん、「ヤリチン先輩」矢田がそのメンバー。ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌製作・販売)に没頭するはずだった。しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。決断の時が迫る。
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『舟を編む』みたいなお話かなあ〜とか『ロマンス小説の七日間』のようでもあるなあとか思いながら読んでいたんだけれども、中盤から「な、何ぃ?事件か!?」とミステリー調になっ…たとまでは言えないけど、不穏な展開になっていくので、まずは半分まで読むのがおすすめ
不穏とはいうけれど、いつもの三浦節でおふざけ全開な部分とホロリと同人誌界隈の内輪事情の匙加減が絶妙で読ませるねえ!
女の友情もあり、恋愛もあり、窓際中年男性の悲哀もある
好きなお話でした☺️
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腐女子出るの親近感。楽しい面白い。
みんなの持つ固定観念も描きつつ、それを気にしつつも気ままに生きる人々が描かれる。ただキラキラ充実しているわけではなく、悩みもあって、それを乗り越えたり抱えながらも素敵な日々を送っている。悩みがなくなることはないと思うし、楽しみを忘れない大人になりたい。
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社史編纂室勤務の川田幸代はゆるい職場で働く傍ら、10年来の友人2人と共に同人誌を執筆発行する事を趣味としてそれなりに充実した日々を送っていた。が、しかし、社史編纂の為会社の過去を知る人々を当たっていくうちに、社に謎めいた裏歴史があることを知ってしまう。社の隠された過去を知ることでいつの間にかゆるゆるだった社史編纂室メンバーは突如活動的になるのであった。
社史に秘められたミステリーの真相、編纂室のキャラの濃さ(本間課長面白い!)、幸代の同人活動のオタクあるあるなエピソードと、幸代の書くBL小説の肩を揺らさずにはいられないノリノリなストーリー…色々楽しめて爽快痛快!とても面白かったです。
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社史編纂室のメンバーが個性的で、楽しく読めました。社史作りのお仕事もので終わるのかと思いきや、会社のかつての暗部に迫る内容もあり、若干、意外でした。ただ同人誌の活動がオタクで、その活動をしていることを隠さないという気持ちは、そんなものなのかなぁと、あまりピンときませんでしたが。ラストはもう少しスッキリ、悪を討伐!てな感じになれば良かったのですが、淡々と終わったという印象です。
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社史編纂室での大変な社史作成の過程を描いた話、
と思いきや
星間商事の隠された歴史も社史に掲載するべく、同人誌の皮をかぶった「裏社史」をコミケで頒布するドタバタで愉快な社史編纂室の話
「舟を編む」のイメージで手に取ったからギャップにびっくりしたけど、
作中作の小説も面白いし、同人活動と結婚とのあり方には考えさせられるものがあったし、楽しく読めた
サリメニの女神、なかったことにしたいほど社内でタブーとされているから売春とかそんな感じの悲しい話かと思ったら、女神がサークル主の文学サロンだったのはちょっと温度差あってびっくり
身売りされたのは事実だし消息不明だから悲しい話なのは確かかもしれないけど
サリメニの女神も、月間企画の3人も、みっこちゃんも、全体を通して「愛」がテーマの小説だなと感じた
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重たくない内容で気軽に読み進められるところがよかったです
社史編纂室は花形の部署ではないけれど、なんやかんやそれぞれちゃんと取り組んで形にしていくところがいいなと思いました
オタクのエネルギーってやっぱすごい!笑
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テンポよく読み切れました。主人公を含めた全キャラクターが濃い。三浦しをんさんのお話は、それぞれのキャラクターに対しての表現が細やかに散りばめられていて、いつの間にか脳内で映像化しています。
歴史の目立たないとこで女性が暗躍するお話が好きだなあ、と改めて実感。
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主人公の幸世が務める会社の社史を制作するにあたり、集められた個性的なメンバーによる奮闘劇。幸世が腐女子でコミケにサークル参加する事を、生きる糧にしてる所にとても共感した。自分もかつては幸世のようだったからだ。コミケへの準備やコミケ当日の模様など、瞼の裏に焼き付けられた光景が目に浮かびました(笑) ドタバタながらも会社の裏事情へのミステリアスな部分が読みたさを掻き立てられた。幸世と彼氏の距離感は個人的には理想だと羨望しました。読みやすく面白さもあり、納得できる終わり方でとても親しみやすい1冊。
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星間商事の社史編纂室のメンバーそれぞれのキャラクターがまず好き。
何故か多くを語って貰えない高度成長期の穴と呼ばれる期間の裏側の社史を暴いていくっていう、ミステリー?要素あり、BLが好きな腐女子の話ありと、なかなか未知の世界だったけど、クスッと笑えるところも多くて面白かった。
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個性的なメンバーの社編が、会社の闇に気付いてだんだん結束したチームになっていく。登場人物がみんなキャラクターがしっかりしてて、面白かった!三浦しをんさんがBL好きだという事実にびっくり。
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日陰の部署?の社史編纂室に集められた社員3人とまったく仕事をしない本間課長にいつもどこに居るのか分からない実在するのかそれも分からない幽霊部長というある意味社内でも島流しの部署。そこの社員の主人公のアラサー独身女・幸代と同僚のミッコちゃんとヤリチン先輩の矢田と言う編纂室のメンバーが社史を作るためにほぼ平社員3人で原稿を集め編纂へとすすんで行く。
幸世はオタクで腐女子で小説を書いて友だち二人とコミュニケなどに出かけて年に2回自分たちが作った小説や冊子を売るのに命を?掛けている。
平社員三人はそれぞれダメ社員というわけではなくそれぞれ会社とある意味トラブルを起こし、そのためにこの部署にとばされたが、その能力は実は・・・
社史を編纂するに当たってバブル期の星間商事が業績を上げていった時期の情報が完全に欠落していて、そこに疑問を持った幸世がOBや資料を探したりインタビューしたりしながらその時代の社史を埋めようとすると、その時代を鍵回るなと脅迫状が編纂室に届く。
そこから幸世、ミッコ、矢田の三人が真相に近づこうと本気になっていく。
なぜその時期の秘密を調べたら邪魔をされるのか!?また上層部からもストップが掛かる。さて、この編纂室のメンバーが全員でどんな社史を作っていくのか!?
それは是非読んで楽しんでもらいましょう。
なお私が読んだのはこちら文庫本ではなく単行本を読みました。
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題名にあまりいいイメージがなかったので(長い、堅苦しい、漢字ばっかり)意外に内容が面白くてハマった。
現実的にこんな会社ないだろうけど、こういう職場は楽しそうでいいなぁと思う。
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再読3回目。
なんか面白かった。お話を書く人とか、愛を語る人とか、結婚とか、謎解きとか、けっこういろんな要素が散りばめられてて、散りばめすぎちゃうかと思ったけど、ちゃんと収束して終わったところがすごい。
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社史編纂室という会社でも地味な部署。そこに集まる人々も左遷(?)されたような個性的な面々。
主人公は同人誌でBLの小説を書いている川田幸代29才。仕事は真面目に取り組んでいるので社史の完成遅れを気にしている。会社の歴史を掘り起こしているうちに会社の暗部に触れる。そして進めて行くうちに、幸代に脅迫状が届くなどミステリーの様相。
テンポ良く進むはずが、途中で差し込まれる幸代のBLの小説、課長の訳のわからない自伝、元常務と幸代の南国の小説など混乱させてくる。暗部の筋に関係あるような無いような展開。一度も出てこない部長が最後に現れたり、ウルトラCで暗部を曝け出した編纂室メンバーへの処分も不思議な結果。最後までよくわからない内容だった。
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イマイチ必要性を感じない姥捨山のような職場でゆるく働く社員達の反逆。てっきり人生の岐路に立たされたOLのゆるいお話かと思ってた。
どこか「ののはな通信」と「舟を編む」を思い出させますね。
面白かったけど、主人公を突き動かす感情が理解できなかった。私だったらクビになりたくないから口をつむぐと思う笑
好きなキャラはみっこちゃん。
外見や仕草から女の敵みたいなキャラだけど、割と無愛想な主人公の事を先輩と慕ってる。可愛くて良い子だなと思った。
苦手なキャラは美咲と洋平。
幸せのカタチは人それぞれだけど、もう少し相手の気持ちを考えてくれ。特に洋平お前だ。
BLに詳しいけどやっぱり三浦先生って腐女子なのかな。
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キャラ立ちがはっきりしていて、読み易くて良かった。三浦しをんって放浪癖のある若者を登場させがちだけど今回も主人公の彼氏がそれだった。ただ今回のメインはオタクの主人公が社史を通じて会社の闇を暴露するというのが本筋になっているので彼氏の様子があまり描かれなかったのは残念。暴露とはいってもサスペンスよりコミカルな印象。社史編纂室のメンバーがゆるゆるなのが効いているんだと思う。上司である本間課長が「コミケに我々も出展しよう」と言い出して仕事そっちのけで小説作りに勤しみだすくらいのゆるさなので、こんな職場羨ましすぎるー、と感じながら読んだ。
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星間商事株式会社社史編纂室の川田幸代は、元は企画部で華々しくプロジェクトを成功させていた経歴を持っていますが、趣味の同人誌(ボーイズラブ)に割く時間を確保するために、この部署に移ってきました。営業部から異動してきたみっこちゃんも何だかとんちんかんだし、2年先輩の矢田信平も専務の愛人に手を出したとの噂で秘書室から異動してきています。定年間近の本間課長は毎日遅刻で、室長に至ってはまだ一度も出社したことがありません。予定の創立60年式典は昨年執り行われてしまいましたが、間に合わなかった社史をゆるゆる編纂し続けているうちに、編纂室の面々は、50年代後半だけ異常に情報が集まらないことに気づいていきます。その「高度成長期の穴」の解明に向けて進めるうちに、会社の隠された闇を暴くことになり…
といっても、サスペンスではなく、コメディタッチで話は進みます。主人公の個性的な恋人や、同人誌仲間の友人たちとの生活も絡めながら、それぞれが一生懸命に生きていく姿が爽やかです。
大好きな三浦しをんさんの作品で、細やかな情景描写や、しっかり下調べされたのであろうリアル感はさすがなのですが、最後が大味というか、ざっくりしすぎていてもったいない気がしました。
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川田幸代
星間商事株式会社社史編纂室。友人二人とサークル「月間企画」というサラリーマン同士が恋をするストーリーの同人誌を出しまくっている。ペンネーム河内サチ。、
みっこちゃん
幸代の後輩。
本間正
実質的な責任者であと一年で定年の課長。学生時代には文芸部に所属し、仲間と同人誌を作っていた。、
矢田信平
幸代の二年先輩。専務の愛人に手を出したとの噂から、みっこにヤリチン先輩と呼ばれている。
室長
平山。だれも姿を見たことがない。幽霊部長と呼ばれている。ハゲ頭。
小野実咲
幸代の高校時代からの友人で一緒に同人誌を作っている。有名な電気機器メーカーに勤めてある。ペンネーム野原きざみ。
中井英里子
幸代の高校時代からの友人で一緒に同人誌を作っている。漫画担当。二人の子持ちで専業主婦。ペンネームホリエリカ。
溝内洋平
幸代と付き合って五年。宅配便の会社でアルバイトをしている。
篠原
矢田が連れてきた合コンの男メンバー。
岩下
合コンの女性側の幹事。
宇原
岩下が連れてきた合コンの男メンバー。
遠藤
岩下が連れてきた合コンの男メンバー。
上野
岩下が連れてきた合コンの女メンバー。岩下の後輩。
熊井昭介
星間商事の元常務。営業畑ひとすじ。
女将
料亭星花の女将。サリメニの女神。
花世
女将の双子の妹。
柳沢
星間商事の専務。総務出身。元専務・秋山の直属の部下。秋山の娘婿。
小林
星間商事の常務。営業出身。
稲田
星間商事の社長。営業出身。
磯村
星間商事の副社長。
秋山
星間商事の元専務。
青木
表参道のにやけたデザイナー。
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コロナウイルス ワクチンの3回目、モデルナですが、その副反応対策に買った。
うとうとして少し良くなるとこの本を読んで笑って、を繰り返す事で、発熱とダルさを乗り切った。三浦しをんさま、ありがとうございます。
社史編纂室や資料室は、左遷場所の象徴ですが(私が見てきたテレビドラマではそうだった)主人公の川田幸代は腐る事もなく淡々と仕事をしている。幸代には、仲間と同人誌を作ってコミケで売る趣味がある。幸代はBLを書いている。それを課長に知られてしまい、課長から「編纂室でも同人誌を作ろう!」と提案されてしまう。編纂室の個性的な面々、彼氏の自由人っぷり、長年の同人誌仲間の同人誌への揺れる気持ちが描かれる。
星間商事の秘密は、私は荒唐無稽な話だと感じだけど、そんなことはこの作品の面白さを損なわない。笑ってハッピーになり、ちょっとだけ生き方も考えさせられる。
三浦しをんの物言い(小説だと登場人物の話と話し方)に、私は嬉しさが込み上げてしまう。グループLINEで友人二人の掛け合い漫才ばりの会話を端でニコニコして見ている楽しさだ。
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星間商事の一角にある社史編纂室は、左遷先と言われるほどパッとしない。
生活の中心は同人誌製作の腐女子川田、オンナであることを誰よりも楽しんでいるみっこちゃん、ヤリチン先輩、川田の同人誌を読んで社史編纂室でも同人誌を作って冬コミに参戦しようとする課長、本当にいるのかいないのかわからない幽霊部長…。
パッとしない部署に集った個性的な面々が、星間商事の“裏”社史こと「高度経済成長期の穴」に挑む。
主人公川田が作中で披露する自作小説(オヤジ受BL)をさらに腐女子の作者三浦しをんが書いているの、メタだなぁ…。
Posted by ブクログ
ゆるそうだけど、
何か起こりそうで、
結局ゆるい。
そんな感じでした。
仕事にせよ趣味にせよ、
やりがいは人生に潤いを与えると思いました。
そして、やりがいを見つけるのも、無くすのも自分次第なのだなと。
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川田幸代は社史編纂室勤務。姿が見えない
幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、後輩
みっこちゃん、ヤリチン先輩矢田がそのメンバー。
ゆるゆるの職場でそれなりに働き、趣味の
同人誌製作・販売に没頭するはずの幸代だったが…。
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社史編纂という閑職に異動になってやる気のない社員たちが、会社の秘められた歴史を暴くことになって結束するお仕事小説。
舟を編むを先に読んでしまったので、少し見劣りする印象。
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星間商事株式会社社史編纂室勤務の川田幸代は、ゆるゆるな同僚に囲まれて趣味の同人誌製作に没頭する日々。そんな彼らが同人誌を武器に、会社の秘められた過去に挑む。三浦ワールド全開の異色お仕事小説。
以前はさりげなく描かれていたBLが、思い切り作品の中心部を占めるようになった。その辺りがちょっと付いていけない。舞台設定は名作『舟を編む』と同じ雰囲気だが、作風は全く異なる。
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星間商事なる商社の「社史編纂室」の面々が社史を完成させるまでのお仕事物語。
三浦しをんさんと言えば、1冊の辞書を作り遂げる長編大作「舟を編む」。私も大好きです。
それに通じるものだけど、それよりは全体のスケールは小さめでライトな感覚で読める。
主人公のアラサー独身女・幸代は新設された地味な社史編纂室の仕事に嘆きつつも、同僚達と会社の歴史を探る上で、会社にある空白の時代があることに気づき、探りを入れ始める。
また、並行して自分の趣味であるコミケへ没頭する姿も描かれる。面白いのは、幸代は、友人と3人で、「男性同士の恋愛」をテーマに漫画や小説を書きまくりコミケに出店するのが生きがいというところ。
その趣味と、編纂の仕事がうまい具合に交差する。ふらっと旅に出てしまう風来坊の彼氏、洋平も良い味を出してる。
私も長いこと会社員やってることもあり、お仕事小説も結構好き。楽しく読めました。