集英社作品一覧
-
4.2日本人にとって「いいとも!」とは何だったのか? 国民的人気番組で司会者タモリが媒介したテレビと戦後民主主義の歴史的邂逅―― 1982年から2014年まで約32年間にわたり放送された国民的人気テレビ番組『笑っていいとも!』。 戦後の闇市から発展した新宿でスタジオアルタを拠点とし、タモリが司会を務めた、いまだ語り継がれるテレビ番組である。 司会者タモリおよび『いいとも!』を考察することは、テレビのみならず戦後日本社会を考察することにもつながる。 それは、現在のネット社会におけるテレビの可能性をも浮き彫りにさせることになるだろう。 衝撃のグランドフィナーレから10年を迎える今、改めて『いいとも!』とは何だったのかを問う。 ◆目次◆ 第1章 「密室芸人」タモリが昼の司会に抜擢された理由 第2章 「テレフォンショッキング」という発明 第3章 「国民のおもちゃ」を演じたタモリ――「仕切らない司会者」と「無」への志向 第4章 視聴者を巻き込んだテレビ的空間――芸人と素人の共存と混沌 第5章 聖地・新宿アルタ――「流浪のひと」タモリが新宿で芸人になった理由 第6章 『いいとも!』と「フジテレビの時代」――80年代テレビの熱狂と冷静のあいだ 第7章 『いいとも!』と「お笑いビッグ3」――タモリ、たけし、さんまの関係性 第8章 『いいとも!』の個性的なレギュラー陣たち 第9章 SMAPが『いいとも!』にもたらしたもの 第10章 「グランドフィナーレ」を振り返る――なぜテレビ史の伝説となったのか 終章 『いいとも!』は、なぜ私たちのこころに残るのか?――戦後日本社会とテレビの未来
-
-「ポッキーの山にうもれたい」「ドーナツめっちゃ食べたい!」。そんなかるいノリから、おかし工場にせんにゅうする、大阪人のぴろコン、MONMON(モンモン)、そしてなぞのおじょう様・みのPの三人。ベルトコンベヤを流れる、なが~いポッキー生地にこうふん! ドーナツを秒単位でウラがえすワザにはびっくり!? 楽しくって役にたつ「自由研究メモ帳」や「取材レポート」つきで、一冊で二度おいしいよ~♪【もくじ】1 ポッキーのひみつ!/グリコの取材レポート/2 ドーナツのひみつ!/ミスタードーナツの取材レポート/3 ぴろコンの自由研究☆メモ帳/あとがき
-
4.2陸の孤島(?)蕨ヶ丘には、古色蒼然たる名家、我が権藤家が君臨している。ところが、長女・長子姉さまがめでたく勘当されて以来、権藤家四人姉妹の和は崩れ、跡継ぎを互いになすりつけ合う凄絶な闘いが始まった。あたし(次女・次子)だって戦うぞ。命をかけて戦うんだ! で、計画したのが偽装駆け落ちなんだけど、相手がなんと『薄野(すすきの)の帝王』と呼ばれるプレイボーイの洋之介。不安は残るのよねえ……。
-
4.0僕の叔父さんは、人魚を飼っていた──。 失踪した叔父の遺言状をきっかけに、洋介は8年前の夏の日を思い出す。あの日、叔父の家のプールで見たのは、人魚のように美しいあの人。14歳だった洋介は、人魚への想いの正体に気づかないでいた。大人になり、人魚と再会した洋介は、幼い頃の憧れが次第に恋であると自覚していき──。表題作「笑わない人魚」のほか、不器用な大人たちの切ない恋物語を収録した、今市子の初期BL短編集。 【収録作品】笑わない人魚/青髭の友人/真夏の城/廻遊魚の孤独/海幸山幸/あとがき 泳げない人魚
-
-優しくて甘えん坊のヒモの省ちゃん。社内の派閥争いにまき込まれた課長と社長秘書。青い性のほとばしりにおぼれる人妻と家庭教師…。男たちの、女たちの、哀しさとやさしさをちりばめて、ぬきさしならない愛のカタチを斬新な筆致で描く新シリーズ。
-
4.0清く正しいお付き合い中の裕子と亮司。ホントはもっと仲良くなりたいから乙女卒業したいんです…。でも女子から言うのはムリ! でも温泉旅行チケットをもらって…。 タイプの違う素敵男子と、泣いたり笑ったり胸キュンたっぷり読みきり集! 【収録作品】悪い子の味方/この男でいいのか?/シトラスウエット/ずっと君の王子さま
-
4.0
-
3.5闘う弁護士・宇都宮健児。彼は1970年代から、サラ金・ヤミ金・貧困問題の最前線で社会悪と対峙してきた。そして、脅しや嫌がらせに屈することなく、これまでに6万社を超える悪質業者を告発している。その闘いは今も継続中だ。本書では、振り込め詐欺等の新型詐欺、債務整理を名目に返済金を横領する悪質弁護士、いわゆる貧困ビジネスなど、弱者をターゲットにした現代の「わるいやつら」の手口や実態を、第一人者が具体的に解説。加えて、その背景にある政治の無策を鋭く告発する。“騙されない”ための、必携の一冊!【目次】序章 私は、なぜ「わるいやつら」と闘うのか/第一章 サラ金からヤミ金まで/第二章 新型詐欺のバリエーション/第三章 整理屋と提携弁護士/第四章 跋扈する貧困ビジネス/第五章 「わるいやつら」を生み出す「わるい政治」/おわりに
-
4.2「世界の悪者」にされNATOの空爆にさらされたユーゴ。ストイコビッチに魅せられた著者が旧ユーゴ全土を歩き、砲撃に身を翻し、劣化ウラン弾の放射能を浴びながらサッカー人脈を駆使して複雑極まるこの地域に住む人々の今を、捉え、感じ、聞き出す。特定の民族側に肩入れすることなく、見たものだけを書き綴る。「絶対的な悪者は生まれない。絶対的な悪者は作られるのだ」。(解説・田中一生)
-
3.4【第42回すばる文学賞受賞作】――純子ちゃんもあるやろ、お父さんに有罪だしたこと。硝子職人の父はいつの間にか「箕島家」から取り除かれてしまった。工場(こうば)で汗を流して働く以外は縁側から動かず、家族を見なかった父はどこへ行ったのだろう。笑顔が増えた母、家には寄り付かない姉の鏡子と祐子。ときどき現れる「ミシマ」さんという男性。純子だけが母の視線を受けながらずっと家にいる。大好きなレーズン、日課の身長測定、ビーカーで飲む麦茶、変わらない毎日の中、あるときから純子は父の「コンセキ」を辿り始める。日本のどこかで営まれる家族の愉快でちょっと歪んだ物語。
-
3.5大震災以降、混迷する世界。文明の力で制御できない巨大な力の前に、我々は無力感・閉塞感の只中にいる。地球は、人類はどうなるのか。日本の惑星科学の第一人者である著者は、辺境(宇宙)から地球を見つめ直す視点こそが人類の未来を照らすと説き、独自の「チキュウ学」を提唱する。そして人類が積み重ねてきた「知」を体系化することこそ、転換点にある人類の進むべき道と論ずる。宇宙から地球を俯瞰するマクロの視点から、量子レベルまで分け入ったミクロの視点まで、惑星学から哲学まであらゆる分野を縦横に論じた本書は、松井教授の地球論・文明論の決定版である。【目次】まえがき/第一章 地球を俯瞰する視点/第二章 文明の変貌と人間論/第三章 「内部モデル」という宇宙/第四章 人間圏の未来/第五章 普遍を探る者として/あとがき
-
3.3樋廻こず江、29歳。私の夫、暎人さんは、料理が上手くて、掃除も洗濯も得意。しかも、私が家事が苦手でも怒らない。「理想の旦那」と、みんなは言うけれど…。実は、私たちお見合い結婚なんです。夫婦一年生。ひとつずつ、はじめてを積み重ねていく。そんなふたりの物語。
-
3.5〈このタイトルは室生犀星が「純文学誌」に書いた小説をぼくが高校生のときに授業中に読んでいて──小便がでなくて苦悩するこの小説に首をかしげていたものだ。尿が出ない苦悩、なんて高校生には意味がわからなかった。今は前立腺肥大によるものと理解できる。そのときの犀星は七十二歳でいまのぼくがそれと同じだ〉。モノカキ人生も40年を過ぎると体のあちこちにガタがくる。長旅はおっくうになり草野球では長打が打てず、極悪ピロリ菌や不眠症のせいで若い頃は無縁だった通院が日課に……とこぼしつつも痛飲、シメキリ地獄に身を委ねて原稿を量産し、食が細くなったのについ大盛りを頼んでしまう、やぶれかぶれなシーナさんの日常と非日常。
-
-老いを悲観せず、おもしろがる「老人力」は、男性にはあるが女性にはあまりないのでは、と故・赤瀬川源平氏は言った。そんなはずはないのでは、と自らも高齢者の仲間入りした阿川佐和子。頭も身体も若い頃のようには動いてくれない。でも、それでもいい。老(おい)を笑えば福来る。日々やってくる「老い」を慈しみ、笑い、今日も女の老人力を探しにいく。チャーミングなばあさん街道をテクテクとゆくアガワの、古稀超え・等身大エッセイ!
-
4.0なぜ日本人は、気候変動問題に対する関心が低いのか。そのヒントは司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』などの漫画作品にあった。「未来を変えること」と「過去を新たに見出すこと」は別のものではない。両者は同じ対象を二つの側面から眺めたのであり、その視線は緊密に結びついている。哲学から現代思想、文学、サブカルチャーにまで精通する著者が、日本人が切り捨ててきた<我々の死者〉、そして〈未来の他者〉をキーワードに、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。
-
-
-
3.8
-
-湾岸に覇を競う二大暴走族<獄狼(ヘルハウンド)>と<毒眼竜>。<毒眼竜>の総長・筧将宗は、ある日見かけた激美形の少女に心を奪われる。少女の名は九藤春香。皮肉にも<獄狼>のマスコットだった。だが彼女は、ただの「お人形」ではなかった。封印された彼女の過去をめぐって戦いの火種が仕掛けられ、湾岸の夜に嵐の予感が吹き荒れる。男たちの熱い戦闘に春香の眠っていた牙もまた目を覚まそうとしていた…。※あとがきは収録されていません。
-
-引っ込み思案な佳乃に、念願の彼氏が! カレとの恋バナを打ち明けられる相手は、愛犬のプリン。この恋を大切にしたい佳乃だけど、関係に暗雲が…。涙を流す佳乃と、彼女をただただ見つめるだけのプリンにある奇跡が起こって―? ※こちらの作品は『月刊officeYOU 2023年12月号』に収録の「ワン恋!」と同内容です。
-
4.3
-
4.0
-
3.7
-
4.0ONE PIECEのリアリティにせまる! ONE PIECEと海賊の真実にせまる! ONE PIECEで人生に勝利する! ギネスブックにも載る世界的人気コミック『ONE PIECE』に関するミステリーを解き明かしながら、生きることの意味を考える、「勝利学シリーズ」最新作。ルフィ、ゾロ、ナミたちが教える、「冒険心の大切さ」「生きていくための知恵」「リーダー論」「未来への指針」「夢をかなえる方法」「友情の大切さ」――コミックからの名シーン、感動のセリフをたっぷり交え、人生に勝利する方法を楽しく伝授する。
-
4.1
-
3.0【小説版登場!】3年半ぶりとなる待望の超大作映画、最速ノベライズ!! 海賊、海兵、大富豪が集うエンターテインメントシティにして、独立国家の黄金船〈グラン・テゾーロ〉。この国の支配者であり、世界を金で動かす黄金帝〈ギルド・テゾーロ〉の底知れぬ野望が動き出す! 世界の命運を懸けた戦いに、ルフィは!? 究極のエンターテインメントを映画で、小説で目撃せよ!
-
3.5【フルカラー版!】“麦わらの一味”は、世界最高のカジノを有し黄金で満ちあふれるリゾート船「グラン・テゾーロ」で一獲千金を狙う。だが、そこでは狡猾な罠がルフィ達を待っていた!
-
4.5【フルカラー版!】海で巨大な空飛ぶ船と遭遇したルフィたち! その船の船長である海賊シキに航海士ナミがさらわれ、さらにシキのあらゆるモノを浮かす“フワフワの実”の能力で、仲間もバラバラに飛ばされてしまう!! ルフィたちが飛ばされた先は、弱肉強食の島だった!! 記念すべきワンピース映画第10作!!
-
3.5【小説版登場!】海軍基地を襲い、破壊兵器ダイナ岩を奪った巨体の老戦士「Z」率いる謎の軍団。負傷した「Z」を救った麦わらの一味だが、「Z」はルフィたちに襲いかかった! 史上最大の死闘が今、幕を開ける!! 劇場版をノベライズ!
-
5.0【フルカラー版!】“新世界”を航海中のルフィ達。その頃、海軍の保管庫からダイナ岩が伝説の元海軍大将“ゼット”に奪われてしまう。海賊を恨み“新世界”崩壊を企むゼットに遭遇したルフィ達は、ゼットと激突するが…!?
-
4.8【小説版登場!】『ONE PIECE』25周年記念作品! 世界中が熱狂する歌姫・ウタ。素性を隠したまま発信する彼女の歌声は“別次元”と評されるほど。そんなウタがライブで初めて公の前に姿を現す! 彼女の歌声を楽しみにきたルフィ率いる麦わらの一味たち、海賊、海軍、ありとあらゆる世界中のファンが会場を埋め尽くす中、ウタが“シャンクスの娘”という衝撃的な事実が発覚! 世界を揺るがす戦いにルフィが挑む! 総合プロデューサーを務めるのは、原作者の尾田栄一郎。監督を務めるのは、人気アニメ「コードギアス」シリーズなど国内外から高い評価を得ている谷口悟朗。2022年8月6日公開、3年ぶりとなる待望の劇場版最新作を最速ノベライズ!
-
-【フルカラー版!】【ページ数が多いビッグボリューム版!】歌姫“UTA”の全世界初ライブが開幕! 熱狂のステージに麦わらの一味も大興奮だが、ウタとルフィの関係や彼女の秘密が明かされて会場は大混乱に…!! “大海賊時代”に幕を引き、世界中の皆を幸せにするというウタの“新時代”とは!?
-
5.0「ワンピース」最新劇場版をノベライズ! 世界中の人々を歌声で魅了する歌姫・ウタ。素性をかくしてきた彼女が、初めて公の場で姿を見せるライブを開くことに! そして、ライブ当日。色めきたつ海賊たちと、目を光らせる海軍。ルフィ率いる麦わらの一味は、何も知らずに、ただウタの歌声を楽しみに会場へとやってきた。しかし、世界中から集まったファンが会場をうめつくすなか、ウタが四皇の一人である赤髪海賊団・シャンクスの娘だという事実があきらかになり……!? 世界をゆるがす“歌声”にルフィたちが挑む!! カラー口絵4ページ他、挿絵多数!
-
5.0
-
5.0
-
-
-
4.1
-
-普通の女子高生・沙織のクラスにいる独特な雰囲気の絵真。ある日、沙織は友達にハブられていた所を絵真に助けられる。それ以来、2人は一緒に過ごすようになって…。 【同時収録】獣の頃/スウィート・チャイルド
-
4.0相手の防具を透明にし防御力をゼロにする最強デバフスキル「透明化(ヴァニッシュ)」を持つアラン。しかし、巻き込まれた味方も裸になってしまう性質からエロスキルと誤解され、S級パーティーから追放されてしまう! 新たに出会った仲間と共に、スキルを駆使して異世界に起こる異変に立ち向かえ!! 肌色すぎる異世界冒険譚、開幕!!
-
-
-
4.2闇夜を無垢なる少女の鮮血で染める不死なる吸血鬼の前に遂に伝説の吸血鬼ハンター・ヴァン・ヘルシングが現れる!! 無敵の力を持つヴァンパイアに対し、クドくてちょっとアレなヴァン・ヘルシングの残念な必殺技が今夜も炸裂してしまうのか!? 美麗イラスト台無しの行徒&河田雄志コンビが贈る、衝撃のゴシックホラーギャグ誕生!!
-
-大学生の麻生耕司は卒業論文のテーマを求めてヴァーチャルアイドル・香月りんねの誕生日イベントに参加する。しかし、そのパーティーの途上、突如としてりんねが豹変し、会場内の電子機器を一斉に暴走させてしまう。彼女には正体不明の悪霊が憑依していたのだ。爆発するスマホ、動き出す自動販売機、乗っ取られるSNS、高速で紙を射出するコピー機……全ての電子機器が殺戮兵器と化し、一人また一人と参加者は息絶えていく。辛うじて生き残った麻生は、自称霊能者や乱暴者、プログラマーの小学生にその母と協力し、電脳世界の除霊を試みる……!/第6回ジャンプホラー小説大賞
-
3.5
-
4.5女と酒に溺れる放蕩夫と、その日常を守る妻。いびつな男女関係から、夫婦のあり方、人間の強さ、そして幸福を探る。ほか、名作『清貧譚』を収録。
-
-
-
5.0【電子版限定:描き下ろし&カラー扉収録!】プロのピアニストを目指す大学院生・八乙女 蓮(やおとめ れん)は、雪の降る夜、自宅近くで倒れていた男・木虎 洸人(きとら ひろと)を助ける。劇団俳優だという洸人は行くあてもなく、なぜかそのまま蓮の部屋に居つくことに…。自由で掴みどころのない洸人に最初は戸惑う蓮だったが、真っ直ぐに芝居と向き合う姿を見て、次第に心を許していく。そんなある日、酔って帰ってきた洸人が「慰めてあげる」と言って、蓮に突然キスしてきて――? ミステリアスな舞台俳優×生真面目なピアニストが織りなす、切なくて心温まるドラマティックラブ
-
-「柴犬が大好き」 愛犬への愛! 飼い主への愛! いろんな愛と優しさあふれた何気ない毎日がしあわせ! 笑って和んで癒されて、ちょっぴり涙も? わんこ大好きな作者が贈る、柴犬の「あたち」とおとさんのワンダフルDOGコミック「あたちとおとさん編」第1巻。 ※本書は過去に発売された単行本の一部を、電子書籍用に再編集しています。※電書バトから過去に配信されていた同名作品と同様の内容です。重複購入にご注意ください。
-
-「わしのこと以外、書くことなんてないやろ」 カンザキさんは、悪魔だったのか、それとも――。 大学卒業後、引きこもりを経て、僕が働くことになったのは、離職者続出、いつでも求人中の超絶ブラックの配送会社。 そこで先輩として出会ったのが、誰にでも優しい人格者のミドリカワさんと、「殺すぞぼけ」と人を罵り、蹴りを入れる悪魔のようなカンザキさんだった。 ナンバーワンの配送員になって幹部を目指す!と豪語した同期は、カンザキさんと組んで入社2週間で辞めた。要領の悪い同期はカンザキさんに殴られ続け、走るトラックの助手席から飛び降り、入院してしまう。そしてカンザキさんと組まされた僕は、カッター片手の彼に、荷台の上へ引きずり込まれ「服を脱げ」と命じられて――。 圧倒的な暴力と不条理の果てに、見えてくる戦慄の光景。 注目の劇作家による初小説! 第47回野間文芸新人賞受賞作。 【著者略歴】 ピンク地底人3号(ぴんくちていじんさんごう) 1982年生まれ。同志社大学文学部文化学科美学芸術学専攻卒業。劇作家・演出家。2019年「鎖骨に天使が眠っている」で第24回劇作家協会新人戯曲賞受賞。2022年「華指1832」で第66回岸田國士戯曲賞最終候補。初の小説である本作で第47回野間文芸新人賞受賞。
-
-セロニアス・エリスン(通称モンク)はアフリカ系アメリカ人で、大学で教鞭をとりながら小説家として文学的な作品を書いている。彼の目からみると黒人を売りにしたレベルの低い作品が世間ではベストセラーとなっていた。モンクは三年ぶりにロサンゼルスから実家のワシントンに帰り、医師の姉や高齢の母に会う。姉からは母は物忘れが目立つようになり、金銭的にも困りそうだと告げられる。ロサンゼルスに戻ったモンクは教授昇進が決まったことを知るが、小説は十七社から出版を断られていた。エージェントからは「黒人らしさが足りない」などと言われる。 その後、姉が事件に巻き込まれて再度ワシントンに飛んだモンクは、兄が離婚して多額の借金を抱えていることを知った。モンクは母と家政婦が住む家に引っ越して休職する。エージェントに電話をすると、小説はさらに三人の編集者から断られていた。 モンクは亡き父の書斎に入り、父が使っていた古いタイプライターで小説を書き始める。一気に書き上げたその中編小説は、モンクにとって到底発表できないような低俗極まりない作品だった。しかし、別名スタッグ・リーで書いたその原稿をエージェントが大手出版社に送ったところ絶賛され、多額の契約金で出版されることに。モンクは、やりとりは基本的にエージェント経由とし、決してばれないようにスタッグ・R・リーを演じようと考えるが、作品は非常に大きな注目を集めていき・・・・・・。 2024年アカデミー賞脚色賞を受賞した映画『アメリカン・フィクション』原作小説。 (ERASURE by Percival Everett) 【著者略歴】 パーシヴァル・エヴェレット Percival Everett 1956年米国ジョージア州生まれ。アフリカ系アメリカ人作家。南カリフォルニア大学卓越教授。『ジェイムズ』(木原善彦訳、河出書房新社)で2024年全米図書賞、2025年ピューリッツァー賞などを受賞。著書にブッカー賞最終候補作『赤く染まる木々』(上野元美訳、早川書房)、ピューリッツァー賞最終候補作『Telephone』ほか。本書を原作とした映画『アメリカン・フィクション』が2023年に公開され、アカデミー賞脚色賞を受賞。 【訳者略歴】 雨海弘美(あまがい・ひろみ) 翻訳者。訳書にミシェル・ザウナー『Hマートで泣きながら』(集英社クリエイティブ)、クレア・ノース『ハリー・オーガスト、15回目の人生』(角川文庫)などがある。
-
-
-
-
-
-
-
-漫画家の美希は5年前にお見合いで出会った夫・大賀と結婚し幸せに暮らしている。だが最近の美希はスランプに陥り、仕事が上手くいっていなかった。ある日、担当編集の桐島と打ち合わせをしている際、次の連載のネタの話になり「不倫」テーマを提案される。結婚生活が順調な自分には想像もつかないテーマに戸惑う美希。しかし、そんな折に大賀が電話で誰かに「愛してる」と言っているのを聞いてしまう。さらには大賀の部下という美人が家を訪れ…!? オムニバスシリーズ『倫理をなくした女たち』第一章・一夫多妻。倫理をなくした女たちによる、ドラマティックバトルをご覧あれ!
-
-
-
-
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。