19世紀 フランス作品一覧

  • 河畔の街のセリーヌ  1巻
    完結
    4.5
    わたしは、わたしを見つけたい。 19世紀フランス――パリ。『月から来たような』少女・セリーヌは、自分が何をしたいのかもわからない14歳。“先生”の教えだけを頼りに上京したパリで、偶然出会った老紳士から"職業を体験する職業"を勧められ……?19世紀パリ風俗を美しく描写する少女職業探訪記、ここに開演――。
  • 地中海の十字路=シチリアの歴史
    3.7
    長靴の形をしたイタリア半島に蹴り上げられるように、地中海に浮かぶ最大の島、シチリア島。マフィアの故郷として知られ、人気の観光地でもあるこの島は、現在はイタリア共和国の一部となっているが、しかし、古くからここは「イタリア」だったわけではない。文明の先進地域・地中海とヨーロッパの歴史を常に色濃く映し出し、多様な文化と宗教に彩られてきたシチリア島。その3000年に及ぶ歴史を描き出し、シチリア島から世界史を照射する。シチリアの覇権をめぐって最初に争ったのは、古代ギリシア人とフェニキア人だった。その後、ローマの「最初の属州」となり、ローマ帝国の穀倉となった。中世にはイスラーム勢力が柑橘類の栽培や灌漑技術を導入し、当時の先端文明と通商ネットワークをもたらしたが、北フランス出身のノルマン人たちがこれを屈服させて「シチリア王国」を建て、栄光の時代が訪れる。さらにドイツのホーエンシュタウフェン家、フランスのアンジュー家の支配が続き、ヴェルディのオペラで知られる「シチリアの晩祷事件」を境に、アラゴン・スペインによる「長く、暗い時代」に入る。フランス革命期にはイギリスの保護下に置かれるが、19世紀にはイタリアの統一運動、すなわちリソルジメントに巻き込まれ、イタリアに併合されていく。絶え間なく侵入した「よそ者」と、宗教・文化の交錯の過程で、シチリア人の誇り高いアイデンティティは形成された。そして今、北アフリカから小さなボートで「新たなよそ者」が押し寄せているシチリアは、まさにグローバル化した世界の台風の目となっている。〈目次〉序章 シチリア島から世界史をみる/第一章 地中海世界と神々の島/第二章 イスラームの支配と王国の栄光/第三章 長くて、深い眠り/第四章 独立国家の熱望と失望/第五章 ファシズムと独立運動/終章 「シチリア人」の自画像/あとがき/参考文献/関連年表/シチリア王の系譜
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)
    4.0
    1~4巻858~1,144円 (税込)
    19世紀フランスの政治思想家トクヴィル(1805―59)が、アメリカ社会全般の透徹した分析を通して広い視野で近代デモクラシーを論じた、現代の民主主義を考えるにあたって読み直すべき古典的名著。1835年に刊行された第1巻(第2巻は1840年刊)では、アメリカ社会の具体的な分析を行なう。(全4冊)

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  • レ・ミゼラブル(一)
    4.3
    1~5巻737~979円 (税込)
    わずか一片のパンを盗んだために、19年間の監獄生活を送ることになった男、ジャン・ヴァルジャンの生涯。19世紀前半、革命と政変で動揺するフランス社会と民衆の生活を背景に、キリスト教的な真実の愛を描いた叙事詩的な大長編小説。本書はその第一部「ファンチーヌ」。ある司教の教えのもとに改心したジャンは、マドレーヌと名のって巨富と名声を得、市長にまで登りつめたが……。
  • 魔獣医とわたし 灰の世界に緑の言ノ葉
    4.7
    「僕と契約をするか」  19世紀フランスの片田舎で、親に捨てられた少女ニニは死にかけていた。  そんな時、彼女の前に美しい悪魔が現れる。  彼の名はダンタリオン。  甘い物が好きで思慮深い、魔獣専門の獣医だった。  ダンタリオンと契約し、魔界で悪魔の使い魔になる――過酷な生活を覚悟したニニだが、 思いがけず手厚く庇護されて、少しずつ心の凍った部分が溶けはじめ・・・・・・。  ニニに甘い悪魔ダンタリオンと怠惰な居候悪魔ベルフェゴール、人間ニニと魔獣たちが織りなす、いびつであたたかな主従物語。
  • 家なき娘(上)
    4.4
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 インドからパリまでの長い旅の途中で、父も母も失ったペリーヌは、フランス北部にある祖父の工場まで一人たどり着く。祖父は、ペリーヌの父を勘当していた。インドで生まれた孫のペリーヌを受け入れるわけがないと思ったペリーヌは、身分を隠し工員として働きはじめる。近くの無人の小屋を手に入れ、たった一人で住み始めるが、一人暮らしは、ペリーヌにとって思わぬ喜びの連続であった。アニメ「ペリーヌ物語」の原作。「家なき子」とともに19世紀フランス児童文学の傑作の完訳。
  • レディ・エミリーの事件帖 盗まれた王妃の宝石
    3.5
    マリー・アントワネットを狙うのは誰だ?19世紀のロンドン社交界で、次々に盗まれるフランス王妃ゆかりの宝石。その目的は――?貴婦人探偵シリーズ第2弾! 華麗なるロンドン社交界に盗難事件が発生。マリー・アントワネットゆかりの品ばかりが狙われる。幻のお宝ピンク・ダイヤモンドも盗まれ、持ち主の富豪は毒殺されるはめに。ところがこのダイヤ、なんと恋文つきでエミリーの屋敷へ届けられ――!? 長い喪が明け晴れて社交界に復帰したエミリー。踊るワルツのステップも軽やかに、新たな謎に挑む! 麗しの貴婦人探偵、第2の事件。
  • ファウストの劫罰
    値引きあり
    4.5
    全1巻70円 (税込)
    19世紀フランス。 顔に傷痕を持つ男ユーグは、やっと得たオペラ座の衣裳係の仕事を失わないよう、自己を押し込めて生きてきた。 ある日、偶然耳にした研究生・アリーヌの歌声に魅了され、その才能と隠れた努力を密かに崇拝する。 だが、彼女が理不尽な評価を受けたと知った時、押し込めていた自己が暴走を始める―
  • アロエッテの歌 曖憎版(1)
    値引きあり
    4.5
    全3巻99~499円 (税込)
    犬木加奈子の名作サスペンスマンガ「アロエッテの歌」が超合本として登場! 【収録:1~2巻】 【1巻】19世紀のフランスで、母は幼いコゼートをとある旅館にあずけ、必ず迎えに行くと誓うが……。 【2巻】あずけられた旅館で虐げられるコゼート。娘のあずかり賃の為に、母は必至に働くが……。
  • 愛書狂
    4.0
    「稀覯本余話」「愛書家地獄」「ビブリオマニア」――19世紀フランス、古本道楽黄金時代のフローベール、デュマら、名だたる書物狂いによる〈書痴小説〉アンソロジー。本の病は不治の病。
  • アリスのいた映画史
    -
    世界初の「フィクション映画」を作った女性、それがアリス・ギイ(1873 ~ 1968)であった。 ギイは世界初の女性映画監督であるほか、映画史上数々の「世界初」の実績を持つのだが、リュミエール兄弟やエジソンが世界中の人びとに知られていることに比べると彼女はほぼ無名だった。日本で出版された初期映画研究書にもアリスの名はない。2018年、『Be Natural』(邦題「映画はアリスから始まった」)という映画がカンヌ映画祭で公開されたが、新型コロナ禍のため一般公開が遅れ、ようやく2022年に日本で公開される。これに触発されて、日本の映画研究者で、ようやく、アリス・ギイ研究に手を付け始める人が出てくることとなった。本書は、アリスの一生を生い立ちからたどり、彼女の生い立ちと映画監督として活動した時期を中心に、彼女が生まれ育った19世紀末のフランス、世紀末から20世紀初頭にかけての映画史をなぞりながら、アリスの視点から見た「映画史」をたどってゆく。数少ない資料をベースにした事実をトレースしながら、知り得ない部分についてはフィクションで補った物語的評伝となるものである。今こそ、知られざる映画人アリスを、日本に紹介したい、との思いから本書は成立した。
  • アロエッテの歌1
    完結
    4.0
    時は19世紀フランス。とある横丁の旅館にあずけられたコゼート。母は振り返り、必ず迎えに来ると誓うが――!?ホラーの女王・犬木加奈子が、ビクトル・ユゴーに挑むグランドロマン!!「アロエッテの歌」以下「第1章 やむを得ず戦士は言いぬ」「第2章 ひばりと呼ばれた子」を収録。
  • アントニー 5幕散文ドラマ
    -
    アレクサンドル・デュマの最も一般的な略歴は以下である。 1802年フランスのヴィレール・コトレ生まれ。 19世紀フランスを代表する作家の一人。幼少よりラテン語、古典文学を学び、17歳で『ハムレット』を観て劇作家を目指す。20歳でパリに出た後、『アンリ三世とその宮廷』、『クリスティーヌ』の大成功によって劇作家としての地位を得る。その後も数多くの劇作を発表し続けるが、フランス・ロマン派の影響を受け、徐々に歴史小説に移行する。1844年、「ル・シエークル」誌に連載された『三銃士』が爆発的な人気を得た他、『王妃の首飾り』、『黒いチューリップ』などの大作を世に送り出す一方で、革命に積極的に参加するなど当時のフランス国内に多くの影響を与えた。晩年はフランス、ベルギー、ドイツ、オーストリアなどを転々としながら創作活動を続け、1870年、ピュイの別荘にて死去。 主な作品は、『三銃士』、『二十年後』、『モンテ・クリスト伯』、『王妃マルゴ』、『王妃の首飾り』、『黒いチューリップ』など多数。 もちろん、フランス文学史がロマン主義を避けて通ることができないかぎり、デュマに触れないわけにはいかないが、ヴィクトル・ユゴー、アルフレッド・ド・ミュッセ、アルフレッド・ド・ウ゛ィニーなどと比較すると、デュマは明らかに挿話的な扱いしか受けないのが普通である。しかし、2002年11月、ついにアレクサンドル・デュマの亡骸が国葬としてパリのパンテオンに移され、国民作家の列に加わったのだ。  一般に日本でのフランス・ロマン主義の研究は手薄だが、なかでもアレクサンドル・デュマについての研究は皆無に等しい。デュマと言えば『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』といった大衆娯楽作品の印象が強く、また数知れない代作者を使ったという理由で悪名も高い。また、その作品の全体について正確な総数すらわからないほどのいわば濫作者であったからよけいに始末が悪いのかもしれない。いったいどれだけ作品を出版したのだろうか。 カルマン・レヴィー出版社が1902年に出したアレクサンドル・デュマ作品総カタログによる作品分類は以下の如くであった。1)歴史小説および歴史研究128作品218冊。2)個人伝41作品、64冊。3)回想録、閑談9作品、11冊。4)少年少女物語5作品、6冊。5)旅行記18作品、35冊。6)戯曲66作品25冊。以上合計271作品、359冊(若干数の作品は重複の可能性がある)。シャルル・グリネルの『アレクサンドル・デュマとその作品』ではカルマン・レヴィー版全集で298作品142巻という数字を出している。Webサイトで検索すると688作品がリストされていて、270作品とか289作品とかをはるかに超えた多作家であることは間違いがない。ジャンルも小説、伝記、回想録、おとぎ話、旅行記そして戯曲と多彩である。 ≪Elle me resistait, je l’ai assassinee!....≫ 「俺を拒んだ、だから殺したのだ!」 有名なこの幕切れの台詞と共に、愛人アデルを殺した暗い目付きの主人公アントニーは、1831年以後しばらくの間フランスの若い世代を席巻した。1831年5月3日ポルト・サン・マルタン座で初演された『アントニー』は、当時の上演事情から見ると異例としか言いようのないほどの連続上演記録を作った。「このドラマはパリで連続131回上演された。内訳はポルト・サン・マルタン座で100回、オデオン座で30回、イタリアン座で1回である。そればかりか、またフランス中で巡回公演され、その年1831年は非難ごうごうであったが、1833年から1837年までは大成功を収めた。 今日のわれわれから見るといささか大時代なこの姦通劇が、どのように着想され、どうしてこのような熱狂的な反響をもたらしたのであろうか。
  • 異国迷路のクロワーゼ Le cahier d’ Yune
    4.0
    大人気コミックが待望のノベライズ! 19世紀フランス、パリ。小さな鉄工芸品店「ロアの看板店」で働くことになった日本人の少女・湯音が、店主の少年・クロードにもらった1冊の日記帳に綴る、優しい出逢いの物語。
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ
    4.1
    時代とともに、絵は変わる。 でも、“人間の心”は変わらない。 19世紀後半のフランスに起こった絵画運動で、現代日本でも絶大なる人気を誇る「印象派」。“光”を駆使したその斬新な描法によって映し出されたのは、貧富差が広がる近代の「矛盾」という“闇”でもあった。マネ・モネ・ドガからゴッホまで、美術の革命家たちが描いた“ほんとうのもの”とは――。 *電子版では、絵画の多くをカラー画像で収載しています。 *著者の話題作『「怖い絵」で人間を読む』につづく〈ヴィジュアル新書〉第2弾! [内容] 第1章 新たな絵画の誕生 第2章 「自然」というアトリエ 第3章 エミール・ゾラをめぐる群像 第4章 キャンバスに映されたパリ 第5章 都市が抱えた闇 第6章 ブルジョワの生きかた 第7章 性と孤独のあわい 第8章 印象派を見る眼
  • インテリジェンス入門 英仏日の情報活動、その創造の瞬間
    3.0
    1巻1,300円 (税込)
    本書は、情報機関を最初から考えてみたいという人のための導入として執筆されている。事前の知識がなくても理解でき、理論的なアプローチへの導入にもなるのが、歴史的アプローチ。まずは歴史から入るというのが本書での狙いである。19世紀後半、列強各国に近代的なインテリジェンス機構が誕生した時代。インテリジェンスには、何よりも国民性が色濃く反映している。その誕生の瞬間において、インテリジェンスにおける国民性は、忘れ得ぬ輝きを見せるのである。インテリジェンスを歴史的な産物と捉えるなら、この時代はまさしく各国の情報機関にとっての青春時代である。青春期ゆえの過ち、あるいは成功がその次の時代にも大きな影響を及ぼしている。この青春時代を追体験すること、これが本書の目的である。いち早く諜報活動体制を確立したフランス。実は意外なほど低調だったイギリス。決して情報収集が苦手ではなかった日本。源流から見た画期的な分析!
  • ウジェーヌ・スクリーブ演劇に対する批判と擁護
    -
    本書『ウジェーヌ・スクリーブ演劇に対する批判と擁護』はウジェーヌ・スクリーブの「アカデミー入会演説」、テオフィル・ゴーティエの「フランスにおける演劇芸術の最近25年史」、アレクサンドル・デュマ・フィス「『放蕩親父』序文」、フランシスク・サルセー「演劇40年史(劇評)で構成されている。オギュスタン・ウジェーヌ・スクリーブ(1791年パリ生 - 1861年パリ没)は合計400作品以上を書いて上演させた19世紀を代表するフランスのヴォードヴィル作家、劇作家であり、オペラ台本作家である。しかし、日本では残念ながら、私と妻の二人が最近になって初めて翻訳に手を染めたばかりで、ほとんどどの作品も翻訳されることがなかった。現在我々が翻訳出版したのは、「スクリーブ傑作ヴォードヴィル選 『熊とパシャ・外交官』」、『貴婦人たちの闘い』、『鎖』、『水のグラス』の4冊だけである。こうした状況のなかで、日本でスクリーブを取り上げているのは進藤誠一であり、本書の成立には進藤の『フランス喜劇の研究』がガイドラインになっている。
  • 永遠の映画大国 イタリア名画120年史
    -
    【推薦!】 蓮實重彦 氏(映画評論家) 「ネオレアリズモ」をいかに相対化するか。 古賀太は、イタリア映画を語る者に求められるこの最低限の資質を、ディーヴァ映画の優雅さや、デ・シーカ主演のカメリーニの秀逸なコメディを語ることで、軽々と超えて見せた。 【豊かな映画文化はなぜ生まれたのか?】 『無防備都市』『自転車泥棒』『道』『8 1/2』『情事』『山猫』『荒野の用心棒』『木靴の樹』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ライフ・イズ・ビューティフル』『君の名前で僕を呼んで』…… 数々の名作を生み、日本でも絶大な人気を誇るイタリア映画。 アメリカやフランスに比べて、その文化の全容が語られる機会は少ないものの、世界の映画史に大きな影響を与えてきた。 本書ではイタリア映画の歴史を、19世紀から現代までの120年を、約800の作品とともに通覧。 「イタリア映画祭」を立ち上げた著者がその豊かな文化的土壌と、映画の本質を明らかにする。
  • 欧州動乱史―週刊東洋経済eビジネス新書No.423
    -
    ウクライナ侵攻はなぜ起きたのか。ロシアとは長く複雑な関係にあるウクライナをめぐる地政学。フランスの繁栄を導いたナポレオン3世、ドイツ統一を実現した鉄血宰相・ビスマルクなど、欧州近代を代表する政治家の人物伝や欧州での2つの世界大戦とその後の東西冷戦。ソ連の崩壊からEUの成立までを読み解きます。19世紀から20世紀の欧州では、革命と戦争が繰り返され、21世紀に入った現代でも戦乱が続いています。協調と戦乱の欧州200年史から、世界の「今」を考えるヒントになるでしょう。 本誌は『週刊東洋経済』2022年5月14日号掲載の28ページ分を電子化したものです。情報は底本編集当時のものです。その後の経済や社会への影響は反映されていません。
  • 王の綽名
    3.6
    禿頭王、肥満帝、青歯王、合羽王、長脛王、金袋大公、ドラキュラ公、助平ジジイ……今も伝わる55の王の綽名から、近代ヨーロッパのなりたちがわかる。ゴシップとスキャンダルに彩られた、華麗で野蛮な中世・近世欧州史! 『小説フランス革命』や『ナポレオン』をはじめ、スケールの大きな歴史小説で多くのファンを持つ直木賞作家・佐藤賢一氏が、中世から近世にかけてのヨーロッパの王の「綽名」にまつわる逸話を在位の時代順にひもといていく歴史エッセイ。1話=4ページのエスプリの効いたコラム集という趣きで、寄席の謎解きのように軽妙な語りが時空をまたいで逸話と逸話をつないでく。読んでいるとはっと掌を打ったり、思わず吹き出したり。 本書に登場するのは、9世紀のフランス・ドイツ・イタリアの元となったフランク王国の王から19世紀の二月革命で廃位されるフランスの「市民王」まで56人。北欧のヴァイキングや戦乱やまぬイベリア半島の王も登場し、星雲状態だった中世ヨーロッパがほぼ現在の国々の勢力図になっていくまでの1000年が活写される。残虐非道な謀略、親子兄弟の骨肉の争い、結婚や世継ぎを巡る醜聞、そこにカトリック教会など宗教がからみ、時に100年も続く戦争に発展する。まさに血で血を洗う歴史である。
  • 男の隠れ家 特別編集 時空旅人別冊 大人が観たい美術展2020
    -
    絶対に見逃せない2020年美術展80 目次 大人が観たい美術展2020 【特別寄稿】19世紀、世界に流通したイギリス発の西洋美術史 【ルポ】LNGのある街 ロンドンを旅する 第一特集 絶対に見逃せない 西洋美術 1 「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」より 西洋絵画史を彩る 世界最高峰のコレクション 2 「モネとマティス―もうひとつの楽園」より 理想の空間を創り、 描いた2人の巨匠 3 「クロード・モネ―風景への問いかけ」より 新しい時代を映し出す モネの風景画の世界 4 「ブダペスト ─ヨーロッパとハンガリーの美術400年」より ハンガリーが誇る珠玉の名品、25年ぶりに来日 5 「カラヴァッジョ 《キリストの埋葬》展(仮)」より ローマ・カトリックの歴史と読み解くカラヴァッジョの傑作 6 「画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン」よ 19世紀末の近代都市に生きたナビ派が描いた子どもたち 7 「ゴッホと静物画 ─伝統から革新へ─」より 静物画の歴史から紐解く ゴッホの《ひまわり》 編集部おすすめ!BOOK 第二特集 絶対に見逃せない 日本美術 1 「ボストン美術館展 芸術×力」より ボストン美術館の至宝でたどる権力とともにあった芸術の歴史 New Open & Renewal Openの美術館 2020美術展カレンダー 【グラビア】「法隆寺金堂壁画と百済観音」より 消失より70年を迎える 法隆寺の国宝を訪ねて 2 「法隆寺金堂壁画と百済観音」より 世界最古の木造建築 法隆寺金堂の美の世界 3 「奇才 ─江戸絵画の冒険者たち─」より 本流も異端も大集合!江戸時代の絵師はみんな奇才 4 「三菱の至宝展」より 静嘉堂文庫・東洋文庫が誇る珠玉のコレクションが集結 5 「国宝 鳥獣戯画のすべて」より 史上初!!甲乙丙丁の四巻一挙公開 国宝・鳥獣戯画の魅力 6 「聖地をたずねて ─西国三十三所の信仰と至宝─」より 草創一三○○年、西国三十三所でたどる観音信仰の歴史と美 7 「おいしい浮世絵展 ─北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい─」より 浮世絵から読み解く 江戸の食文化 【コラム】古代エジプトとその発見の歴史を科学の目で見直す 第三特集 絶対に見逃せない 近・現代美術 1 「ピーター・ドイグ展」より ロマンティックかつミステリアスないつか見たような新世界 2 「アンディ・ウォーホル・キョウト」より ポップアートの旗手がつくり出す大量消費社会の光と闇 3 「BANKSY展(仮)」より 落書きアートで社会にメッセージを放つ覆面アーティスト バンクシー 4 「古典×現代2020 ─時空を超える日本のアート」より 日本美術史の巨匠と対峙する現代作家の世界を体感せよ! 5 「超写実絵画の襲来」より 写真とも映像とも異なる超写実絵画の世界 第四特集 2020年注目の展覧会 冬季特別展 日本画のテーマ 巨匠が愛した美/山種美術館 広尾開館10周年記念特別展上村松園と美人画の世界/コートールド美術館展 魅惑の印象派/ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター 美人のすべて/企画展 上方界隈、絵師済々 Ⅰ/─「鉅鹿」発見100年─ 磁州窯と宋のやきもの展/モダンデザインが結ぶ暮らしの夢展 マイティネット創立45周年記念 印象派のいろは展 ひろしま美術館コレクションでひもとく近代絵画/生誕120年・没後100年 関根正二展/狩野派 ―画壇を制した眼と手/鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵 ─朝日智雄コレクション ハマスホイとデンマーク絵画/ DOKI土器!土偶に青銅器展 ─はにわもいっしょに古代のパレード─/華めく洋食器 大倉陶園100年の歴史と文化/茶の湯 ─禅と数寄 Ⅱ期 ─陶板で魅せるジャポニスムの時代─ 多彩な表現展/ゴッホ展/ルネ・ユイグのまなざし フランス絵画の精華/館蔵 中国の陶芸展 開館記念展 見えてくる光景 コレクションの現在地/シュルレアリスムと絵画 ─ダリ、エルンストと日本の「シュール」/北斎師弟対決!/奇蹟の芸術都市バルセロナ 江戸ものづくり列伝 ─ニッポンの美は職人の技と心に宿る─/三井家のおひなさま/京都の美術 250年の夢 最初の一歩:コレクションの原点/国宝東塔大修理落慶記念 薬師寺展 上村松園・松篁・淳之 三代展 ─近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜/隅田川に育まれた文化 浮世絵に見る名所と美人/チェコ・デザイン 100年の旅/ふつうの系譜「奇想」があるなら「ふつう」もあります。─京の絵画と敦賀コレクション 桜 さくら SAKURA 2020 ─美術館でお花見!─/開館60周年記念名品展Ⅰ モネから始まる住友洋画物語/国宝 燕子花図屏風 ─色彩の誘惑─/澄川喜一  そりとむくり 茶の湯の美/ミュシャと日本、日本とオルリクめぐるジャポニスム/美との出会い─名画に恋して─ 足立全康の審美眼/御即位記念特別展 雅楽の美 江戸のエナジー 風俗画と浮世絵/ MIHO MUSEUM コレクションの形成 ─日本絵画を中 特別展 和食 ─日本の自然、人々の知恵─/特別展 よみがえる正倉院宝物 ─再現模造にみる天平の技─/北斎と楽しむ四季のイベント 大江戸歳事記/若冲誕生 ─葛藤の向こうがわ─ 日本博/紡ぐプロジェクト 特別展 京(みやこ)の国宝 ─守り伝える日本のたから─/ルオーと日本展 響き合う芸術と魂 ─交流の百年/安野光雅展/神田日勝 大地への筆触 リニューアル・オープン記念展Ⅰ ART in LIFE, LIFE and BEAUTY / SOMPO美術館開館記念展Ⅰ 珠玉のコレクション ─いのちの輝き・つくる喜び/三井家が伝えた名品・優品/拡張リニューアルオープン記念 ジャポニスム ─世界を魅了した浮世絵 開館15周年記念特別展海幸山幸/ The UKIYO-E 2020 ─日本三大浮世絵コレクション/生誕260年記念北斎の肉筆画 ─版画・春画の名作とともに─/江戸絵画の華 美術展無料観覧券 読者プレゼント 奥付 裏表紙

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  • 男の隠れ家 特別編集 大人が観たい印象派
    -
    マネ、ルノワール、セザンヌ……印象派の殿堂から傑作が来日! 目次 大人が観たい印象派 コートールド美術館・オランジュリー美術館の名画たち 【巻頭グラビア】原寸大で楽しむ 名画鑑賞 【インタビュー】現代アーティスト・伊庭靖子氏が語る 光の表現を求めて──印象派と私── 【第一特集】「コートールド美術館展 魅惑の印象派」より 名画gallery 1《フォリー=べルジェールのバー》 エドゥアール・マネ  2《桟敷席》 ピエール=オーギュスト・ルノワール  3《カード遊びをする人々》 ポール・セザンヌ  4《ネヴァーモア》 ポール・ゴーギャン  5《アンティーブ》 クロード・モネ  6《舞台上の二人の踊り子》 エドガー・ドガ  7《花咲く桃の木々》 フィンセント・ファン・ゴッホ  8《裸婦》 アメデオ・モディリアーニ  9 まだまだ見どころたくさん!! この作品も見逃せない 落札金額ランキングからプロモーターまで  値段でわかる印象派絵画 コートールド美術館探訪 コートールド名画館 サミュエル・コートールド 【第二特集】「オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」 より 13人の画家と19世紀パリ ひと目で分かる! 相関図 ルノワールと12人の画家たち パリと13人の画家の130年 Crossroad ──画家たちの交差点── 1 ルノワールとモネ 印象派以後、二人の運命  2 ルノワールとユトリロ “新しい女性”を巡って  3 セザンヌとマティス 出会うことのなかった師弟  4 ローランサンとルソー アポリネールと洗濯船の仲間たち  5 スーティンとモディリアーニ 固い絆で結ばれた友情 描かれたパリ 1 異国趣味 アフリカ横断政策とフランス  2 バレエ ・リュス 欧州を魅了したロシア・バレエ!  3 ファッション ファッションの聖地パリの誕生  4 楽器 楽器は教養を示すアイテム  5 芸術家の 住み 家 モンマルトルからモンパルナスへ オランジュリー美術館探訪 オランジュリー名画館 ポール・ギヨーム 雌カマキリと呼ばれた女 ドメニカ・ヴァルテル物語 音楽界はドビュッシーにより「印象派」の扉が開かれた 【第三特集】 2019年秋以降に 開催される おすすめ印象派展 「ゴッホ展」より「ハーグ派」と「印象派」人生を変えた2つの出会い  「印象派からその先へ─世界に誇る 吉野石膏コレクション」より 日本の一大企業が築いた壮大なコレクション  「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」より英国が誇る至宝がはるばる来日  「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」より 現代アートと印象派の巨匠たち  新時代のアートスポット誕生 アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館) [男の住まい選び]おおらかに、遊び心を 時空旅人SELECT SHOP サンエイ新書 告知 時空旅人 バックナンバーのご案内 時空旅人 別冊 松方コレクションのすべて 告知 奥付 裏表紙

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  • 大人のための印象派講座
    4.0
    「お金」「女性」「名誉」といったシビアな視点からあぶりだす、革新的画家集団の知られざる実像。アカデミスムの画家たちとの出身階層の違いとは? グループ展での確執の原因は? 最新の研究成果を盛り込み、19世紀フランスの社会・制度に生きた彼らの姿を丸ごと捉える。図版200点以上掲載。読めば名画の見方もきっと変わる!
  • 科学者の網膜 身体をめぐる映像技術論:1880-1910
    -
    19世紀末から20世紀初頭のフランスで、名もなき人々の身体を測定するために写真を中心とする映像技術を駆使した5人の科学者たち。現代から見れば奇妙で荒唐無稽でさえある写真の使い方は、当人たちにとっては人間の感性を可視化する科学的な実践だった。 「写真から映画へ」という映像史からはこぼれ落ちてしまう科学者5人の熱狂的な実践――ポーズや歩き方を捉える連続写真やグラフ法、そしてかたどり――に光を当てる。そして身体をつぶさに観察するため、写真を人間の目=網膜と重ね合わせた「科学者の身ぶり」を掘り起こす。 19世紀末の忘却された映像実践から、多様な映像環境に組み込まれた私たちの感性の変容をも照らし出す視覚文化論の成果。貴重な図版を100点近く所収。
  • 貴婦人たちの闘い
    -
    19世紀フランス演劇界はウジェーヌ・スクリーブに明け暮れたと言っても過言ではない。歌って踊るヴォードヴィルという新しい演劇ジャンルを作るとともに、5幕のフランス喜劇を量産するばかりか、グラン・トペラ(本格オペラ劇)の台本を提供した。残念ながら日本ではスクリーブの演劇は全く翻訳されなかったため、『貴婦人たちの闘い』は本邦初訳になる。スクリーブは共作することが多く、この戯曲も女性の権利擁護者であり、劇作家でもあったエルネスト・ルグヴェとの共作である。1817年王政復古下の騒然たるフランスで貴族社会に生きるドートルヴァル伯爵夫人を中心とした王党派とナポレオン派の知恵比べと恋の駆け引きを巧みに組み合わせた「良くできた芝居」になっている。
  • 黒猫の漫画家 スタンラン
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    19世紀末は「ベル・エポック(美しい時代)」と呼ばれフランスの首都パリの繁栄を謳歌した時代。街はアール・ヌーヴォーのポスターで彩られていた。その代表画家の一人がテオフィル=アレクサンドル・スタンラン。猫を愛し「猫の画家」と称された彼の描くユーモラスな黒猫の絵を中心に、同時期に活躍した8人の画家作品も含め全72作品を収録。本書は日本で初めてのスタンラン画集となる。
  • グランゼコールの教科書――フランスのエリートが習得する最高峰の知性
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    【内容紹介】 フランスのエリートが持つ知性を「歴史、宗教、哲学、文学、芸術、科学」で区分け 850ページ!! 古代ギリシアから現代までの「リベラルアーツ大全」 エコール・ポリテクニーク、国立行政学院、パリ高等師範学校などの超一流グランゼコールで求められる教養のレベルがわかる シャルル・ド・ゴール、フランソワ・ミッテラン、ジャック・シラク、エマニュエル・マクロン、ジャン=ポール・サルトル、ジャック・デリダ、ジャック・アタリ、エマニュエル・トッド、トマ・ピケティ……きら星のごとく政界、財界、官界、学会にエリートを輩出してきたが、フランスのグランゼコールと呼ばれる学校群である。ちなみに日本ではよく知られたソルボンヌ大学(パリ大学)よりも断然レベルが高く、入学するためには日本の受験以上に熾烈な競争に勝ち抜く必要がある。一言でいえば、フランスエリートの養成校なのだ。入学には、どの程度の教養レベルが求められるのか。850ページに集約したのが本書である。 世界の歴史を形作ってきたフランス知性の源を知る 【フランスのグランゼコールとは何か?】 ジャック・アタリ、エマニュエル・マクロン、フランソワ・ミッテラン、エマニュエル・トッド……フランスのエリートは大学ではなく、ほぼグランゼコールで学んでいる。日本で有名なソルボンヌ大学(旧パリ第四大学、パリ第六大学などが統合)などは、バカロレアを取得すれば無試験で入学できるが、グランゼコールは、「準備級」で2年間学んだ後に行われる競争試験での合格が必要である。ちなみにグランゼコールに進むことができる学生は、全体の10%未満と言われるほどの難関である。ちなみに200校程度存在するグランゼコールの中で特に理工系トップ校のエコール・ポリテクニーク、高級官僚養成校の国立行政学院、経営系トップ校のHEC、研究系トップ校のパリ高等師範学校などは超名門と称される。 ギリシアから2015年までの「歴史」「宗教」「哲学」「文学」「芸術」「科学」を約100に整理された見出し語で一挙に俯瞰する。本書を読むことで、フランスエリートの思考回路を知ることができ、特に欧州において国際人として評価されるに値する「教養」を身につけることができるだろう。欧州のエリートと対峙できる知性の一端にリーチすることができるいわば、グランゼコールに入学するための知識が詰め込まれた「参考書」である。知の海へようこそ。 【著者紹介】 【著者】 ジャン=フランソワ・ブラウンスタン 1953年マルセイユ生まれ。プロバンス大学卒。パリのソルボンヌ大学で博士号を取得。フランスの哲学者。高等師範学校、アミアン大学などの勤務を経て、パリ第一大学教授。現代フランスの哲学、歴史、科学哲学が専門領域。哲学関連書を初めとする著書多数。 ベルナール・ファン パリの名門校アンリ4世校に設立された「グランゼコール準備校」の名誉教授。現代史の研究者として著書多数。 【訳者】 木村 高子(きむら・たかこ) 英語・仏語翻訳者。仏ストラスブール大学歴史学部卒、早稲田大学大学院文学研究科考古学専攻修士課程修了。訳書にフェアチャイルド・ラッグルズ『イスラーム庭園』(原書房)、『地政学で読む世界的覇権2030』(東洋経済新報社)、『ユダヤ人の起源』(共訳、ちくま学芸文庫)ほか多数。本書では、序文、1章、2章、3章の翻訳を担当。 広野 和美(ひろの・かずみ) 仏語翻訳者。大阪外国語大学フランス語科卒。訳書に『フランスの天才学者が教える脳の秘密』(TAC出版)、『北欧とゲルマンの神話事典』(原書房)、リュック・ペリノ『0番目の患者』(共訳、柏書房)、ジェラール・ルタイユール『パリとカフェの歴史』(共訳、原書房)ほか多数。本書では、4章、5章、9章の翻訳を担当。 岩澤 雅利(いわさわ・まさとし) 東京外国語大学ロマンス系言語専攻修士課程修了。訳書に『「経済学」にだまされるな! 』(NHK出版)、グルバハール・ハイティワジほか『ウイグル大虐殺からの生還』(河出書房新社)、『格差と再分配』、『いま、目の前で起きていることの意味について』(以上共訳、早川書房)ほか多数。本書では、6章、7章、8章の翻訳を担当。 【目次抜粋】 序言 第1部 ギリシア 第2部 ローマと一神教 第3部 中世 第4部 ルネサンスおよび近世 第5部 17世紀 古典主義時代 第6部 18世紀 啓蒙の時代 第7部 19世紀 第8部 20世紀 第9部 21世紀 参考文献
  • グレン・グールドと32人のピアニスト 不滅のクラシック
    3.0
    1巻1,600円 (税込)
    グールドがデビューした一九五五年を境に、世界のピアニズムは明らかに変貌した。一九世紀ロマン派を象徴するような詩情豊かな奏法とは一線を画し、さりとてチェンバロ奏法や古楽復興ムーヴメントとも方向性を異にするピアニスト、それがグレン・グールドであった。本書は、グールド以降、ピアノ音楽を革新した32人のピアニストを取り上げ、グールドの演奏との比較を通じて、ピアノ演奏の最前線を紹介する。登場するおもな曲・バッハ「ゴルトベルク変奏曲」「パルティータ」「フランス組曲」・ベートーヴェン「ピアノソナタ第14番《月光》」「ピアノソナタ第17番《テンペスト》」「ピアノソナタ第29番《ハンマークラヴィーア》」「ピアノソナタ第30~32番」・モーツァルト「ピアノソナタ第10番」「ピアノソナタ第11番《トルコ行進曲付》」・ショパン「ピアノソナタ第3番」・ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」

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  • 群衆心理
    3.9
    民主主義が進展し、「群衆」が歴史をうごかす時代となった19世紀末、フランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンは、心理学の視点に立って群衆の心理を解明しようと試みた。フランス革命やナポレオンの出現などの史実に基づいて「群衆心理」の特徴とその功罪を鋭く分析し、付和雷同など未熟な精神に伴う群集の非合理的な行動に警告を発した。今日の社会心理学の研究発展への道を開いた古典的名著である。
  • 黒衣の外科医たち
    4.3
    セルフ手術で結石を取りだした鍛冶屋の男、 無痛分娩の先陣をきったヴィクトリア女王、 とがった器具で痔を切り裂かれたルイ14世…… スプラッターな「試行錯誤」がいまの医術を築いてきた 麻酔はない、消毒もない、手洗いすらない時代。 外科医たちは白衣ではなく、返り血を浴びても目立たないよう黒衣を着ていた。 傷口は水で洗うかわりに焼きごてで焼灼(しょうしゃく)。 出血多量のときこそ瀉血(しゃけつ)。 患者はベッドに押さえつけられ阿鼻叫喚の手術がおこなわれたが、 そこには治療の道を切り開こうと必死に手探りしていた人たちがいた。 驚愕と震撼とユーモアに満ちた、背筋も凍るほど刺激的な一書。 現代に生まれて、ほんとうによかった―― 目次 序章 「手」で治す外科医たち 第1章 ある鍛冶屋の男 膀胱を自分で切り裂き摘出――結石 第2章 アブラハムとルイ16世 ペニスを石でしごいて包皮を切りとる――包茎 第3章 エリザベート皇后 心臓を刺されても歩き回れたのはなぜか――血液循環 第4章 インノケンティウス8世・レオ10世・ヨハネ23世 教皇も逃れられない暴食――肥満 第5章 ヨハネ・パウロ2世 人気教皇、銃撃され腸が穴だらけ――人ストーマ工肛門 第6章 ペルシア帝国ダレイオス王 「手術で死んだら、外科医の手を切り落とす」――脱臼 第7章 ジョン・F・ケネディ 世界が見つめる世紀の大解剖――気管 第8章 リー・ハーヴェイ・オズワルド ケネディと同じ外科医が暗殺者も――手術の限界 第9章 アウストラロピテクス・アファレンシスのルーシー 二足歩行とひきかえに――静脈瘤 第10章 奇術師フーディーニ 水拷問よりも腹パンチよりも――虫垂炎 第11章 ヴィクトリア女王 無痛分娩、歴史が動くとき――麻酔 第12章 大航海時代の貿易商ストイフェサント 砲弾で砕かれた脚はどうなるのか――壊疽(えそ) 第13章 名探偵ポアロとシャーロック・ホームズ 外科医は金星人、内科医は火星人――診断 第14章 イランの元皇帝 一・五リットルの膿を腹に抱えた亡命生活――合併症 第15章 バロック音楽家リュリとボブ・マーリー 足指切断のかわりに失ったもの――播種(はしゅ) 第16章 ローマ帝国執政官 丸々と肥えた軍人には脂肪切除を――開腹手術 第17章 アインシュタイン 天才の血管は破裂寸前――動脈瘤 第18章 内視法の生みの親たち 腹を切り裂くか、鏡を突っ込むか――腹腔鏡手術 第19章 アダム・宦官・カストラート ペニスを切り落とす10の方法――去勢 第20章 英国王ジョージ6世 イギリス王室とタバコの関係――肺がん 第21章 宇宙飛行士アラン・シェパード 究極のプラセボ治療――瀉血(しゃけつ) 第22章 英国キャロライン王妃 でべそを隠した王妃の壮絶な最期――臍ヘルニア 第23章 イタリア戦争を生き延びた若き医師 自分の傷に指を突っ込み腹腔を学ぶ――鼠径ヘルニア 第24章 19世紀フランスのパン屋 歯科医がつくった機械の肩を埋め込まれた男――人工関節 第25章 レーニン 頭痛、不眠、ノイローゼの指導者――脳卒中 第26章 胃腸をはじめてつなぎ合わせた外科医 ちょっと雑でも高速技なら大丈夫――胃切除 第27章 ルイ14世 とがった器具をさし込み一気に引き抜く――痔 第28章 動物園の獣医 デンキウナギに麻酔をかける――動物の手術
  • コランタン号の航海~水底の子供~(1)
    完結
    4.3
    ルパート・ユースタス・マードック海尉は、命を受け、コランタン号に着任した。英国海軍、いや七つの海にまでその名が轟くといわれる不思議にあふれた艦。だがマードックは「不思議なことなんてありえない」と笑う。艦は、王党派のフランス貴族救出のため、フランスへ向かう。コランタンとマードックを待ち受ける冒険とは――!? 19世紀、対ナポレオン戦争中のイギリスを舞台に、海洋冒険ファンタジーが、華やかに開幕!!
  • コンスタンの思想世界 アンビヴァレンスのなかの自由・政治・完成可能性
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 バンジャマン・コンスタン――19世紀フランス自由主義の代表的論者と目されながら、政治、道徳、宗教、文学など多岐にわたるその思想を総合的に捉えロジカルな構造を解明した研究書はいまだ存在しない。本書では、そうしたコンスタン自身のテクストが持つ多様性と歴史的コンテクストの複雑さを貫く一本の軸として、これまで等閑視されてきた彼のペルフェクティビリテ論に注目する。 共和政、帝政、王政のはざまで揺れ動くフランスにおいて、社会と人間とに透徹した眼差しを注ぎながら、個人の、そして人類の完成可能性に賭けたコンスタンの意図とは何だったのか? コンスタンの思想世界の全体像とともに、それが現実の政治空間でいかなる力と限界とを負っていたか、その「アンビヴァレンス」を見据えることで近代における「政治的なるもの」の姿を抽出する――歴史をより普遍的な主題と結びつけつつ問い返す本書は、思想史叙述の新たな可能性を模索する一つの試みである。 【目次より】 凡例 序論 問題の所在 第一部 問題史的コンテクストとコンスタンの政治思想 第一章 代表観念の歴史的展開と権力の問題 第二章 フランスにおける代表制と人民主権の問題 第三章 コンスタンの政治思想とその理論的構成 第二部 ペルフェクティビリテ論の基底性と統合的作用 第四章 ペルフェクティビリテ論 内面的ペルフェクティビリテを中心に 第五章 ペルフェクティビリテ論の総合的展開 第三部 テクストとコンテクストの交叉における闘争 二つの著作を中心に 第六章 『政治的反動論』を中心に 第一節 コンスタン カント虚言論争 第七章 『征服の精神』を中心に むすび アンビヴァレンスの残響のなかで あとがき 注 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 堤林 剣 1966年生まれ。政治思想史学者。慶應義塾大学教授。慶應義塾大学経済学部卒業、ケンブリッジ大学大学院政治思想選考ph.D.。専門は、近代政治思想史。 著書に、『コンスタンの思想世界』『政治思想史入門』などがある。
  • 砂漠 アルチュール・ランボーへの旅
    -
    1巻880円 (税込)
    俺の墜落と昏睡とを語ろうと努めてくれ。 ―『地獄の季節』より―19世紀を代表するフランスの詩人・ランボー。そのゆかりの地を歩きながら彼の幻影を追い求める。シャルルビル、ムーズ川、デュカール広場……様々な場所を鮮やかな詩的表現で描写していく。著者の描いたイラストとともに綴る、放浪物語。

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  • 砂漠 文庫版
    -
    俺の墜落と昏睡とを語ろうと努めてくれ。 ―『地獄の季節』より― 19世紀を代表するフランスの詩人・ランボー。 そのゆかりの地を歩きながら彼の幻影を追い求める。 シャルルビル、ムーズ川、デュカール広場…… 様々な場所を鮮やかな詩的表現で描写していく。

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  • 30の都市からよむ世界史
    3.8
    なぜそこに都市が造られ、 なぜ現在の姿になったのか 本書は、世界の主要都市を栄えた年代順にとりあげ、 古代から現代までを俯瞰する一冊です。 ・布教をやめて成功したアムステルダム商人 ・ロンドン近代化のきっかけは大火災 ・1年だけアメリカの首都だったニューヨーク ・もとは「ウサギ島」だったサンクトペテルブルク ・カエサル率いるローマ軍がパリを育てた 本書に登場する30の都市 バビロン 聖書にも名を残した古代の要衝 エルサレム 苦難の歴史が刻まれた聖地 アテネ 民主政が花開いた文化と学問の都市 アレクサンドリア ヘレニズム文化が生んだ学術の都 テオティワカン 今も多くの謎を残す「神々の集う場所」 ローマ 何度もよみがえった「永遠の都」 コンスタンティノープル 海峡に面したヨーロッパとアジアの結節点 長安 数多の王朝が興亡した永遠の都 バグダード イスラム帝国の最盛期を築いた「平安の都」 京都 日本の中心だった「1000年の都」 サマルカンド 東洋と西洋を結んだシルクロードの要衝 アンコール 壮麗な寺院が並ぶ密林に埋もれた都市群 チュニス 約3000年の歴史を持つ地中海の十字路 北京 地方都市から変貌した中華の中心地 マラッカ 世界遺産と生活が混在する古き港市 モスクワ 大森林に築かれた「第三のローマ」 イスファハーン 「世界の半分」と呼ばれた高原の古都 ヴェネツィア 貿易で地中海を席巻した「水の都」 デリー 多文化が混在する複雑な顔を持つ街 サンクトペテルブルク ロシア皇帝が西方に開いた窓口 パリ 世界に開かれたフランス文化の発信地 アムステルダム プロテスタント商人が形づくった貿易都市 ロンドン 19世紀に「世界の中心」となった都 ニューヨーク 超大国アメリカを象徴するメガシティ ウィーン ハプスブルク家が築いた「音楽の都」 リオデジャネイロ 熱帯の美港に築かれたニュータウン シドニー リアス式海岸に築かれた港湾都市 シンガポール アジア有数の経済力を誇る都市国家 上海 経済発展の旗印として急成長した港湾都市 ドバイ 砂漠地帯に出現した近未来都市
  • 渋沢栄一 上 算盤篇
    3.9
    新1万円札の肖像画に選ばれた、「日本資本主義の育ての親」渋沢栄一。幕末から明治、大正、昭和へと至る91年の激動の生涯を、博覧強記の才人・鹿島茂が描いた傑作評伝、ついに電子書籍化! 近代日本の「資本主義」をつくりだした渋沢栄一。彼がその経済思想を学んだのは、「産業皇帝」ことナポレオン3世の統べる19世紀フランスからだった。豪農の家に生まれ、尊皇攘夷に燃えた彼は、一転、武士として徳川慶喜に仕えることになり、パリ万博へと派遣される。かの地で渋沢に影響を与えたのが、産業を拡大することで労働者の福利厚生を充実させるという「サン=シモン主義」の思想だった。帰国後、維新政府に迎えられるが、日本に資本主義を興すため、民間人として生きることを選ぶ……波瀾万丈の評伝、その上巻・算盤篇。 「近代日本は、世界に類を見ないほどの幸運に恵まれていたといえる。なんのことかというと、日本の資本主義は、この「損して得取れ」という思想をバトル・ロワイヤルが行われる以前にすでに体得し、血肉化していた渋沢栄一という例外的な人物によって領導され、実に効率よく高度資本主義の段階に入ることができたからである」 (本文より)
  • 「社会」の誕生 トクヴィル、デュルケーム、ベルクソンの社会思想史
    3.3
    19世紀フランス、二月革命。そこから人は、超越性に包まれた「世界」から「社会」という概念を生成した。神という超越性に包摂された世界から、社会という観念が切り離されたとき、「社会科学」が生まれた。19世紀フランスに生まれたトクヴィル、デュルケーム、ベルクソンという三者を、ひとつの流れとして読み解く、これまでにない「ユニーク」な思想史! (講談社選書メチエ)
  • 宗教対立がわかると「世界史」がかわる
    3.6
    読まずに生き残れるか…!? グローバル化がすすんだ今、 世界史と日本は切り離せない ・ロシアによるウクライナ侵攻の背景 ・ラテンアメリカ、中国で福音派が増えている ・日本人は宗教対立とは無縁なのか ・十字軍遠征の意外な真実 ・イスラム支配地域でも、キリスト教やユダヤ教が許される条件 ・多神教は寛容で、一神教は排他的なのか ・宗教とテロの関係史 ・急激にイスラム化が進む欧州で起きていること ......etc 「宗教対立」を入口に、新たな世界史の見方を提示。 世界の歩みも、国際情勢の「なぜ?」も、背景を読むカギは「宗教対立」にある。 ・・・ 世界で起こる出来事の背後に宗教対立がある。それは、最近起こった世界的に重大な出来事の場合にもそうである。しかし、現代の日本人には宗教対立は先鋭な問題として感じられてはいない。私たちは、宗教というもの、あるいは異なる宗教同士の対立がどういった事態を生むかを理解できていない。それは、世界の歴史、世界の歩みを十分な形では理解できていないことを意味する。国際化が著しく進んできた現在の状況のなかで、果たしてそれで世界を知り、他の国々とかかわり、日本の進路を定めていくことができるのだろうか。そこには大きな問題がある。(本文より) 目次 はじめに ロシア正教とウクライナ正教の反目 ロシア正教会はロシアのアイデンティティ 「第3のローマ」モスクワ 共産主義と宗教の和解 聖なるロシア 仏教と神道の対立 日本における宗教弾圧 第1章 宗教対立の起源――十字軍遠征の意外な真実 1 ローマ帝国はキリスト教を迫害していない 外来宗教との対立 デウスを大日としたザビエル 手強い禅宗との宗論 仏教と道教の対立 度重なる老子=釈迦説の否定 儒教には教団がない キリスト教徒は皇帝崇拝を拒絶? ローマ帝国によるキリスト教公認は怪しい 天理教は軽犯罪で罰せられた 皇帝崇拝はキリスト教公認以前のもの 国家統合に役立つ公認宗教 2 贖罪と金儲けのための十字軍 キリストは神ではない、という根深い主張 ぬぐい切れない「キリスト教= 多神教」論 3つの宗教の交差点「エルサレム」 十字軍のそもそもの目的は「贖罪」 ユダヤ教に原罪の観念はない アウグスティヌスの回心 善悪二元論、現世否定のマニ教 マニ教の深い影響力 聖遺物の蒐集と十字軍派遣 中世で大流行した聖遺物崇敬 聖地奪回では片づかない十字軍の意味 第2章 宗教対立の陰に経済がある 1 プロテスタントは何を“改革"したか ハンチントンの文明の8分類 文明の主軸に宗教あり プロテスタントの側から見た改革イメージ ルターは“公然と"教会批判をした パウロの書簡のなぞ 終末論と教会制度の結びつき 生誕から死までカバーする「七つの秘蹟」 教皇こそ教会の力の源泉 2 教会と世俗権力の「人事と金」をめぐる争い 教会と経済活動 人事をめぐる闘争 銀行業務を行ったテンプル騎士団 異教徒からは利子が取れる 十字軍のための経済的な支え 宗教改革に対抗してできたイエズス会 商才に長けた宣教師たち 教会領としての長崎 アジールとしての宗教勢力 教会に頼らず聖書に頼る――ルターの改革の真意 第3章 キリスト教とイスラム教は対立していたか――近代以前と以後 1 野蛮なキリスト教世界、進んだイスラム教世界 宗教対立の契機 アラブ側には不明だった十字軍の目的 文明の先進地アラブ 医療もイスラム世界の方がすぐれていた 野蛮な十字軍 オスマン帝国に「スルタン・カリフ制」の成立 重要問題の判定者= カリフ オスマン帝国の軍人にキリスト教徒もいた 宗教の混交は当たり前 「イスラーム世界」という言い方への違和感 イスラム教の大勢力は東南アジア、南アジア 19世紀に成立した「イスラーム世界」という見方 2 イスラムには組織も宣教も現在もない キリスト教に宗教法がない イスラム教徒はモスクに属してはいない イスラム教は商人の宗教 イスラム教のもつ緩さ 「啓典の民」を認めるイスラム教 利子を取れる「啓典の民」は貴重 対立は近代に入ってから 第4章 インドの宗教対立の歴史を追う―― 多神教は寛容なのか 1 中国、朝鮮、日本の「廃仏」の歴史 中国における「廃仏」 仏教弾圧にも経済的背景が 李氏朝鮮における廃仏政策 寺社勢力から土地を奪い、税を課した明治政府 2 神話とナショナリズムの形成 ヒンドゥー教徒によるモスク襲撃 アヨディヤ事件の背景 イスラム教徒は全体の13パーセント 体系化されていないヒンドゥー教 ヒンドゥー・ナショナリズムの2つの背景 政治への幻滅から興ったナショナリズム 3 神話の政治利用 神話ドラマと連動する政治 神話と歴史的事実との関係 捏造される神話 神話を根拠とナショナリズム 税金を取り異教を許したオスマン帝国 非イスラム教組織を徴税に利用する オスマン帝国とムガル帝国の統治の違い 第5章 2つの原理主義が向かう先――福音派とワッハーブ派 1 アメリカを襲った信仰復興の狂熱 新しいことば「原理主義」 イラン革命とイスラム原理主義 先にあったキリスト教原理主義 福音派の主張 「アメリカの子どもたちを戦士に」 アメリカの異様な信仰復興熱 商品のセールスと信仰の宣伝 キリスト教の特殊性 2 何度もよみがえるイスラム原理主義 18世紀のイスラム改革運動 イルハン朝の従軍記者 ムスリム同胞団に引き継がれた思想 原理主義が対したのは国内政治の矛盾 第6章 宗教とテロの関係史 1 イスラム教の特性とテロ イスラムは「普通名詞」の世界 アフガニスタンでの米ソの確執 同時多発テロ ハンブルグ・グループ ビンラディン主犯説の疑わしさ 組織ではなくネットワーク イスラム教徒による襲撃事件 増える「自爆テロ」 殉教者を聖人とする仕組みがない 2 個人の改心が宗教対立を引き起こす エリートたちがテロリストに 世俗的な若者たちの変身 内面の変化が大きな要因 「チンケな若者」による大量殺戮 宗教の確信と劣等感 外側にある悪を強く意識する 狂信者の系譜 暗殺対象の歴史的な変化 個人が引き起こす宗教対立 第7章 世俗主義が巻き起こす新たな宗教対立 1 宗教改革から政教分離へ ある映画の隠された意味 改革派「ユグノー」への弾圧 フランス革命と宗教 フランスにおける政教分離の流れ カトリック教会の激しい抵抗 宗教的標章規制法の成立 2 国内の宗教対立 オイルショック後の移民政策の変化 聖俗一体化したイスラム教との根本的差異 トルコにおける世俗化 顕著なイスラム教復興の動き 国家による世俗化との対立 おわりに 民族宗教と世界宗教 宗教衰退の原因 カーストとイスラム教の拡大 分断と宗教対立のゆくえ
  • [小説]フェルマーの最終定理
    3.4
    1巻1,100円 (税込)
    17世紀に提唱されてから、ワイルズによって証明されるまで、360年にわたって数学者をとりこにし、その人生までも狂わせてきた「フェルマーの最終定理」。その証明に挑んだ人々の記録は、そのまま数学史の記録でもあり、これまでもその奇跡を追ったルポルタージュなどで紹介されてきた。本書は、その数学史を、史実に基づいた小説形式で紹介する読み物。東京に暮らすごく普通の若者である主人公が、古代ギリシアのアルキメデスから、中世ロシアのオイラー、19世紀フランスのソフィー、日本の志村・谷山など、時空を超えて数々の数学者と出会い、対話形式で物語は進む。そしてヒロインの女性と、数学を通じて心を通わせ、その結末は……。数式はほとんど使わず、数学の知識がなくても読むことができ、なおかつ近世数学史の一部が読者にわかりやすく伝わる渾身の一冊。

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  • 職業別 パリ風俗
    4.0
    バルザックの《人間喜劇》に代表されるように、19世紀フランスほど、人間の欲望や本質が剥き出しになった面白い社会はないだろう。現代の日本における「女子高生」(JK)のように、当時のパリにおいては「お針子」たちが男性たちのファンタスムを掻き立てる欲望のアイコンであった。また、医者や弁護士といった実用的な職業を目指さず文学部や理学部に進学し、その後ドロップアウトして田舎の高校の復習教師になった、「黒服の悲惨」と呼ばれる高学歴ワーキングプアがごまんといた。その他、法廷では弁護をしない「代訴人」、情報通の「門番女」、医者より儲かる「薬剤師」、自営業としての「高級娼婦」……カラー挿絵版画付の風俗観察百科『フランス人の自画像』やバルザックやフロベールの小説に描かれた様々な職業の実態から、19世紀フランスの風俗や社会が手に取るようにわかる! 読売文学賞受賞作。
  • 所有とは何か
    -
    本書は、激動する19世紀フランスに生きた社会思想家ピエール=ジョゼフ・プルードン(1809-65年)の初期の主著である。 スイスとの国境に近いフランス東部のブザンソンに生まれたプルードンは労働者階級出身であり、向学心旺盛でありながら学業を断念せざるをえなかった。そうして働き始めた印刷所での日々は、のちの社会思想家を生み出す養分を提供することになる。すなわち、校正作業を通じてヘブライ語を習得したほか、聖書や言語学をはじめとする学的関心を養うとともに、同郷の社会思想家シャルル・フーリエの著書を校正することで、現実とは異なる社会を構想する動機を与えた。さらに、印刷工として働く傍らでフランス各地を巡行して印刷所の現場監督を務める中で労働者の境遇を身をもって知り、これが「社会の構成単位は仕事場である」という発想を導くことになった。これらの成果が結実したのが本書にほかならない。その冒頭には「最も数が多く最も貧しい階級の物質的、道徳的、知的境遇を改善する手段」を見出すというプルードンの動機が明確に宣言されている。 本書は第一章で提示される「所有とは盗みである」という警句によって物議をかもした。これは「奴隷制とは殺人である」という命題を「変形させただけ」だと言われるとおり、「所有」とは合法化された「盗みの権利」にほかならない。ならば、それが奴隷制につながらないための線引きを担保する必要がある。その方策を実現するものこそ、プルードンが構想した理想の社会だった。 紛れもない社会哲学の古典である本書の邦訳は1971年になされたあと半世紀以上、新しいものは登場していない。本書は、気鋭の研究者が清新な日本語で作り上げた新訳であり、格差が激化する今こそ熟読したい1冊である。 [本書の内容] ブザンソン・アカデミー会員諸氏へ 第一章 本書が従う方法論――革命という観念 第二章 自然権とみなされる所有について――所有権の始動因としての先占と民法について 第三章 所有権の始動因としての労働について 第四章 所有は不可能であること 第五章 公正・不公正の観念の心理学的説明および、統治と法の原理の確定 訳者解説
  • ショーペンハウアーとともに
    4.0
    《世界が変わる哲学》がここにある! 現代フランスを代表する作家ウエルベックが、19世紀ドイツを代表する哲学者ショーペンハウアーの「元気が出る悲観主義」の精髄をみずから詳解。その思想の最奥に迫る! *** 本書『ショーペンハウアーとともに』は単なる注釈書ではない。一つの出会いの物語でもある。二十五から二十七歳のころ――つまり、一九八〇年代半ば――ミシェル・ウエルベックは、パリの市立図書館でほとんど偶然に『幸福について』を借りた。「当時、私はすでにボードレール、ドストエフスキー、ロートレアモン、ヴェルレーヌ、ほとんどすべてのロマン主義作家を読み終わっていたし、多くのSFも知っていた。聖書、パスカルの『パンセ』、クリフォード・D・シマックの『都市』、トーマス・マンの『魔の山』などは、もっと前に読んでいた。私は詩作に励んでもいた。すでに一度目の読書ではなく、再読の時期にいる気がしていた。少なくとも、文学発見の第一サイクルは終えたつもりでいたのだ。ところが、一瞬にしてすべてが崩れ去った」。衝撃は決定的だった。若者は、熱に浮かされたようにパリ中を駆け巡り、『意志と表象としての世界』を見つけ出す。それは、彼にとって「世界で最も重要な書物」となった。そして、この新たな読書はさらにすべてを「変えた」。 私の知る限りでは、いかなる哲学者もアルトゥール・ショーペンハウアーほどすぐさま心地よく元気づけてくれる読書を提供してくれる者はいない。「書く技術」の問題ではないし、この手のジャンルに見られる饒舌でもない。それは公衆に向って発言しようというほどの勇気をもつ者ならばあらかじめ同意書にサインすべき前提条件のようなものだ。『反時代的考察』第三篇は、ショーペンハウアーを否定する少し前に書かれたものだが、そこでニーチェは、この哲学者の深い誠実さ、廉直さ、正直さを賞賛している。ショーペンハウアーの声の調子、その一種の粗野な善良さについて名調子で語り、それを読めば読者は名文家や文体に凝る連中に対して嫌悪感を覚えるだろうと述べる。これこそ、広い意味での本書の目的である。 (本文より) *** Arthur Schopenhauer アルトゥール・ショーペンハウアー (1788-1860) 19世紀を代表するドイツの哲学者。 ドイツ観念論に東洋哲学を取り入れ、実存主義・ニヒリズムの先駆者としても知られる。 主著は『意志と表象としての世界』(1819年)。彼の唯一で独自な思想は、若き日のニーチェを熱狂させたほか、ヴィトゲンシュタイン、フロイト、アインシュタイン、トルストイ、プルースト、ボルヘス、ワーグナーなど、後世の哲学者・作家・芸術家などに多大なる影響を与えた。 今日においては『余禄と補遺』(1851年)からの抜粋である『幸福について』『読書について』などのエッセイが広く一般に親しまれている。

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  • ショパン・望郷のピアニスト
    -
    ショパン(1810~49)の生前の雰囲気を、まだ、色濃く留めている、1927年のパリで、この本は書かれました(オスマンが、パリ大改造を実現したのは、ショパンの死後4年後の1853年から、70年まで)。そこに登場して、自由奔放に、語り、活躍する、ショパンの友人は、親友、フランツ・リストを筆頭に、ドラクロワ(画家)、ハイネ(詩人)、シューマン(作曲家)、バルザック(小説家)、などなど、いずれも19世紀のヨーロッパを代表する芸術家たち。その中心にいるのは、ショパンの愛人、ジョルジュ・サンド(小説家)でした。彼らの意見を、鋭く、興味深い論評を加えて語る、この本の著者、プルタレスは、フランス・アカデミーの芸術部門の大賞を得た小説家です。音楽、殊に、ピアノ演奏に造詣(ぞうけい)が深く、ショパンを初めとする数人の音楽家の評伝も書いた著者が、この本の随所に披露している、ショパンの作品鑑賞は、作曲者の真情と到達した美の世界とを、明快に説き明かしています。舞台は、主として、パリですが、地中海のマジョルカ島、ロンドン、ウィーン、マルセイユ、パリ南西の寒村・ノアンなど、ショパンの足跡を追って、動乱のただなかにある、ヨーロッパ各地の、十九世紀半ばの、空気と世情を描いています。

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  • 紳士と乙女の密約【あとがき付き】
    完結
    5.0
    【最終ページにあとがきが付いて再登場!作品の登場人物や漫画家の素顔に迫れる1ページを最後までお楽しみください。】19世紀、フランス激動期。高貴な身分を隠し、機織り娘としてマルセイユの港に絹の売り込みに来ていたマルグリットは、そこで絵から抜き出たような美しいふたりづれの男女を見かける。その時銃声が響き、女性が撃たれてしまう。とっさの機転でマルグリットはふたりを馬車にかくまい救い出すが、ルイ・ジャックと名乗る男のほうは、彼女を熱いまなざしでみつめてくるくせに、ひどく警戒しているようだった。それは、誘惑に満ちた危険な旅の始まりで…。
  • 19世紀イタリア・フランス音楽史
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ロッシーニ、マイヤーベーア、ベルリオーズ、ベッリーニ、ドニゼッティ、ヴェルディ……。19世紀のイタリア・フランス両国で豊かに花開き、パリやイタリア諸都市の歌劇場で上演された偉大なオペラ作品群はどのように誕生したのか。音楽教育や作曲家を支えるシステムから、新しい作品ジャンルの創造、批評文化の形成までをイタリア音楽学の重鎮が描ききった古典的著作。音楽・演劇愛好者必携!
  • 情熱のカンバス~愛は時空を超えて~
    -
    1巻660円 (税込)
    裕福な婚約者の屋敷に同居している大学生・彩菜。彼が最近つれなくなったため、ちょうど彼の買った古い絵画の前で手淫していた彩菜は、絶頂に達した時なぜかその絵画の時代である19世紀のフランスにいた。そしてそれを描いた画家のヌードモデルになっている自分に気づく。その筆がカンバスの自分の姿をなぞる度に、体のその部分に悦びが走る。さらに筆がじかに肌に触れると思わず声が上がる。画家と愛し合うようになった彩菜は、筆を使ったり、彼女の体をカンバスに見立てたりする、画家とのさまざまなプレイにのめりこんでいくが……。
  • すてきな ディズニープリンセス シンデレラ ともだちは うたひめ
    -
    19世紀前半のフランス、けっして諦めない気持ちと思いやりのある優しい心の持ち主。それがディズニープリンセス、シンデレラです。プリンセスとして過ごしていたある日、王立劇場のオープニング公演に招待されました。その舞台で歌う歌手は、なんと昔の友だちだったカーリンです。カーリンとシンデレラは子どものころ、音楽教室で出会った友人でした。二人で苦難を乗り越えて、成功を勝ち取ったのです。新しいサイドストーリー。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • スピリティズムによる福音
    -
    フランス、リヨン出身の教育学者であったアラン・カルデックは、1850年代、ヨーロッパのブルジョアサロンを熱狂させていたテーブルを使って死者とのコミュニケーションをとる現象に出会い、研究を始めた。その結果、人間の存在の本質とは肉体の存続に限定されるものではなく、霊魂としての存在であるという結論に至り、その主義をいくつかの著作を通じてスピリティズムの教義として体系化し、広める。その著作シリーズは、19世紀後半にフランスで発刊され、ヨーロッパで400万部超を売り上げた大ベストセラーである。現在、日本でもブームとなっているスピリチュアリズムの分野において、不朽の古典とされている。本書は、初の日本語訳版である。スピリティズムの知識は、人生に対する広く合理的な視野を広げ、私達を納得させる形で人生について説明してくれ、そのことは私達が内面的に変革することを可能にし、私達を神の元へと近づかせてくれる。

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  • 世界史を突き動かした英仏独三国志―対立と協調の欧州500年史
    -
    1巻1,870円 (税込)
    ■「イギリス VS.フランス VS.ドイツ」で知る世界史 EU牽引役・イギリスはなぜ離脱したのか? 民族移動、宗教対立、国民国家、帝国主義、資本主義、世界大戦、民主主義、欧州統合……。 世界の諸問題の「根源」がこの1冊でわかるポストコロナ時代に日本人必読の新教養。 [目次] 1.中世から近世へ 2.近世から近代へ 3.近代 4.20世紀の二つの戦争 5.凋落と統合の冷戦時代 6.苦悶するEUの時代 <著者略歴> 関 眞興(せき・しんこう) 1944年、三重県生まれ。歴史作家・研究家。東京大学文学部卒業後、駿台予備校世界史講師を経て、著述家となる。『学習漫画 世界の歴史』『学習漫画 中国の歴史』シリーズ(以上、集英社)の構成を手がけたほか、著書に『読むだけ世界史 古代~近世』『読むだけ世界史近現代』(以上、学習研究社)、『総図解 よくわかる世界の紛争・内乱』『さかのぼり世界史』(以上、新人物往来社)、『30の戦いから読む世界史』『キリスト教からよむ世界史』(以上、日経ビジネス人文庫)、『19世紀問題 近代のはじまりを再考する』(PHP研究所)、『世界史の流れをつかむ技術』(洋泉社)など多数。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『世界史を突き動かした英仏独三国志―対立と協調の欧州500年史』(2020年12月15日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • セゾン・ド・エリコ【特別版】パリの街ガイド
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 パリ在住の中村江里子さんのライフスタイル・ムック『セゾン・ド・エリコ』から、パリの情報だけをまとめたパリの街ガイド本 美術館巡り、お土産探し、キッチン雑貨や文房具ショップ散策など、パリで暮らす江里子さんならではのオススメ情報が満載! 美しい写真と充実したショップ情報。見ているだけでパリの街を歩きたくなる1冊 魅惑のパリの美術館 元宮殿やアーティストの邸宅など、建物自体も歴史的価値のあるパリの美術館を大人世代のために厳選 パリで探す。おしゃれな器 ディテールが美しい、デザインがおしゃれ、コスパがいい、といった魅力的な器やショップ パリで探す。キッチン雑貨 フランスで愛され続ける調理器具や食器、モダンで機能性の高い器具、パリジェンヌが通うとっておきのお店 おすすめ。パリのおみやげ 古き佳きフランス菓子から、街の掘り出し物まで、わざわざ足を運びたくなるパリならではのお土産 大好きなパリの文房 伝統を守っている文具やボン・シックな文房具、新進気鋭のデザインを扱う文房具店など パリ暮らしのエトセトラ パリ左岸の美術館 / パリ西側、閑静なエリアの美術館 / 19世紀、20世紀の美術館 眼鏡のおしゃれ / エレガントな帽子 / 手袋のおしゃれ / 素肌に映えるアクセサリー パリジャンのサンドイッチ / おいしいクレープ屋さん / 街で人気のおそうざい屋さん おしゃれなスーパーマーケット / ファーマシーでおみやげ探し / 路地裏の小さなお菓子屋さん ※本書はムック本「セゾン・ド・エリコ」をまとめた特別版です。掲載されている商品や価格は取材時のデータのため、変更されている場合があります
  • 創元世界史ライブラリー フィッシュ・アンド・チップスの歴史 英国の食と移民
    4.0
    19世紀の英国に生まれ、20世紀前半には安くて栄養満点の日常食として労働者階級に広まったフィッシュ・アンド・チップス。その魚の衣揚げの起源はユダヤの食文化にあり、揚げた細切りのジャガイモは、フランスに由来すると考えられる。お店の経営者には移民が多く、その出身地はイタリア、キプロス、中国と多岐にわたっていた。ディケンズやドイルなど英国文学ファンにも味わい深い、移民と階級社会を映しこんだ本。図版多数。
  • 黄昏をゆく者~不死人の伝説【改稿版】
    5.0
    19世紀半ばのロンドン。霧の中で人間が行方不明になる事件と、三本爪の謎の怪物が人々を襲う事件が相次ぎ、街は不穏な雰囲気に包まれていた。新聞社で使い走りの仕事をしている17歳のユーゴは、仕事の帰り道、怪物に襲われたと思しき不思議な青年と出会う。彼の名はアシエル。白皙の美貌を持つ彼は、悠久の時を生きる『不死人』だった――。17世紀ハンガリーから、第二次世界大戦中のフランスの片田舎、21世紀のアメリカまで。さまざまな地域と時代を舞台に、ゴシック&ホラーの香りも高く描かれた連作小説集。『不死人の伝説』『黄金の扉 不死人の伝説2』(小学館キャンバス文庫 白城るた名義)を大幅に改稿・修正し、新BLレーベル『エールブランシュ』で電子書籍化!
  • 大都会の誕生 ──ロンドンとパリの社会史
    3.0
    18、19世紀のロンドンは、「世界経済のメトロポリス」であると同時に巨大なスラムが存在する「世界の吹溜り」でもあった。また、カフェやレストラン、劇場といった華やかな文化を生み出したパリの都市空間は、二月革命に代表される民衆騒乱の舞台にもなった。人はなぜ都市に集まり、どのように大都会の生活様式が生まれたのか、この根本的な問いをめぐって、イギリス近世・近代史、フランス社会運動史をそれぞれ専門とする碩学が重層的な連関のなかに考察する。ふたつのアプローチ、すなわち経済生活と民衆運動、その違いがそのまま「二都」の性格の反映となっていることもきわめて興味深い。
  • デオダ・ド・セヴラック 南仏の風、郷愁の音画
    -
    1巻1,760円 (税込)
    彼は、良い香りのする音楽を作る。 そして、人はそこで胸いっぱいに深呼吸するんだ。 ──クロード・ドビュッシー デオダ・ド・セヴラックは、私の芸術生活の最良の思い出のひとつです。私は彼に賛嘆の念を惜しみません。 ──パブロ・ピカソ 真に印象主義者といえる音楽家は、ドビュッシーとセヴラックだけである。 ──ミシェル・シオン 楽壇の中心であるパリに背を向け、ラングドックの自然と生活を描いた音の画家。 師ダンディが愛し、ドビュッシーやラヴェルが賛嘆した天才作曲家の生涯と作品がいま蘇る! デオダ・ド・セヴラック(1872~1921)は19世紀から20世紀への時代の転換期に、フランス楽壇の中心であるパリから距離を置き、南仏を拠点に活躍した作曲家。「地域主義」ともよばれる独自の創作美学を標榜・実践し、ピアノ曲《ラングドックにて》をはじめとする珠玉の作品は、師ダンディをはじめ、ラヴェルやドビュッシーも絶賛した。舘野泉をはじめ、その作品に魅せられたピアニストは数多い。フランス近現代音楽および現代思想を研究する著者が、セヴラックの思想や作品の投げかける現代へのメッセージを読み解く本邦初の伝記。巻末に作品表、年譜、ディスコグラフィを付した。 〈叢書ビブリオムジカ〉シリーズ、創刊第2弾!
  • デモクラシーの現在地――アメリカの断層から
    4.0
    「相互的な(reciprocal)……これがものすごく大事な言葉だ」(序章より)。2018年4月、日米首脳会談後の会見で、トランプ大統領はこう言った。かつて福沢諭吉も説いたこの言葉こそ、戦後の日米関係がはらむ矛盾を照らし出すものだった――。著者は、2018年4月から22年3月までの4年にわたり、朝日新聞の経済・通商担当特派員として、米中貿易戦争、コロナ危機、連邦議会襲撃、ロシアのウクライナ侵攻などに揺れるトランプ・バイデン政権期のアメリカを追った。変化の底流を探るべく、19世紀フランスの思想家トクヴィルの観察記『アメリカのデモクラシー』を手がかりに、貿易戦争の荒波をかぶる大豆農家、「幽霊病院」で再生をはかる旧炭鉱街、日米協力が深化する多国籍の半導体メーカー、河港プロジェクトに挑む全米一人口が減った町など、さまざまな「断層」の現場を訪ねる。その傍ら、米通商代表部(USTR)のR・ライトハイザーや「エレファントカーブ」で知られるB・ミラノヴィッチ、ノーベル経済学賞を受賞したA・ディートンなど数多くの当局者や識者とも対話を重ねた。〈草の根〉の人々と〈鳥〉の視点で考える識者らの取材をへて見えた、〈デモクラシー〉の可能性とは?激変する超大国の肖像を通し、「存在の根幹にアメリカが深く関わる国」日本の針路をも問う、深層報告の決定版。
  • トマ・ピケティ『21世紀の資本論』を30分で理解する! ―週刊東洋経済eビジネス新書No.76
    5.0
    重厚な経済書が欧米で飛ぶように売れている。フランス人経済学者、ピケティ教授による『Le Capital au XXIe siecle(21世紀の資本論)』だ。  格差の拡大は資本主義に内在するメカニズムだとし、急進的な課税による再分配を求める。日本の足元に広がる不透明な状況は、本書が示す資本主義の暗鬱な未来の一様相なのだろうか。  著者独占インタビューや、欧米でこの本が売れる背景、そして日本の中間層にはこれからどういった影響があるのかを徹底解説します。 また電子特典として、池田信夫氏(アゴラ研究所所長)による書き下ろしQ&Aも収録しました。    本誌は『週刊東洋経済』2014年7月26日号第1特集の20ページ分に、電子版特典を付加したものです。 ●●目次●● 『21世紀の資本論』著者 トマ・ピケティ 独占インタビュー 平等でない世界に鮮烈な一撃 成長理論で読み解く 富める者がますます富む構造/アゴラ研究所所長 池田信夫 グローバル資本主義の中で中間層は解体されてしまう/日本大学国際関係学部教授 水野和夫 米国はなぜピケティに熱狂するのか 足元に広がる貧困の芽 日本の中間層は大丈夫か 【電子書き下ろし】 Q&Aでわかるピケティと『21世紀の資本論』/池田信夫(アゴラ研究所所長) Q すごい厚さですが、要するに何が書いてあるんですか? Q なぜ700ページも必要なんですか? Q 19世紀のGDPをどうやって測定したんですか? Q その結果、どういうことがわかったんでしょうか? Q 格差が拡大する原因は何ですか? Q 資本主義で格差はずっと拡大してきたんですか? Q この本の何が画期的だったんですか? Q ピケティってどういう人ですか? Q アカデミックな評価はどうなんですか? Q こんな専門的な本が、どうしてベストセラー1位になったんですか? Q これはマルクスの『資本論』とどういう関係があるんですか? Q 大学で学ぶ普通の経済学とまったく違う感じですが、どう理解すればいいんですか? Q 日本とはどういう関係があるんでしょうか?
  • ナポレオンが選んだ3人の女
    5.0
    美貌、家柄、才能、女の実力は愛だけではない! 宮廷と人生の真の勝利者は誰!? 愛とプライドと富!19世紀、帝政フランス宮廷に生きた3人の女。パリ社交界のスター、ジョゼフィーヌ、ポーランドの名花マリー・ヴァレフスカ、そしてオーストリア皇帝の娘であるマリー・ルイーズ。愛と名誉と幸福を求めて波乱の時代を生き抜いた三者三様の華やかな軌跡。その陰にナポレオンの正統な後継者である少年の悲劇の人生が隠されていた。
  • パリの秘密1
    -
    ユゴーが「レ・ミゼラブル」を著すにあたってこの小説を参考にしたことは有名だ。中心となるフルール・ド・マリの複雑な物語に、無数の小ストーリーが絡み合う。作者の出世作であるばかりでなく、フランスの大衆小説、新聞小説の代表格。19世紀初めのパリ。不良どもの巣窟セーヌ川の中の島シテで出会ったドイツの大公殿下ロドルフと、可憐な娘マリ(歌坊)。ロドルフは、彼女が実の娘とも知らずマリを悪の手先としてこき使う「みみずく婆」や脱獄者の悪徳校長の手から救おうと活躍する。だが、マリは、執念深く迫る敵の手に落ちていく。
  • パリのプロポーズ 大和撫子とフランス貴族
    値引きあり
    3.5
    19世紀末のフランス。留学した令嬢・沙羅は下宿先の伯爵家でラウルと出会う。鮮やかな金髪、深い緑色の瞳。気取らない優しさにときめく胸。親しくなるにつれ彼が大胆になり……。「敏感な身体だな。俺の日本人形さん」昼は紳士、夜は荒々しいラウルに巧みに責められ、身体は感じるけれど心は不安で――。揺れる中、彼から真摯な告白が。「君の全てを愛してる。ずっと一緒にいたい」

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  • 100年前のパリ(1)
    5.0
    1~2巻1,046円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 19世紀にフランスで出版された“Le PANORAMA Paris Instantane”をもとに編集、復刻したもの。歴史的な建築物などは変わらずそこにあり、逆にまったく別の印象を与える場所もある。何気ない写真の中に100年前の生活をかいま見ることができる。写真に付けられたフランス語の解説は当時書かれたものであり、そのまま翻訳を加えた。原書の資料が多いため二分冊した、その第1巻。
  • 100年前のパリの夜
    3.0
    1巻1,046円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 19世紀にフランスで出版された“Le PANORAMA-Paris la Nuit”をもとに、編集、復刻したものである。当時、劇場やカフェ・コンセールと呼ばれる小舞台で活躍した、踊子、歌手、女優などの生き生きとした姿を写真で見ることができる。あまりにも有名なムーランルージュやムーラン・ド・ラ・ギャレットなどのダンスホールの、貴重な資料写真も収録してある。
  • 昼下がりのお仕置き志願
    -
    「さかりのついた牝犬め。我慢できないのか」 「はい……下着はぐしょ濡れです」 「見せてみなさい」 スーザンは休暇先で、ある写真集を恋人の目を盗んで何度も見返していた。 19世紀の愛らしい乙女たちが、むきだしのお尻を器具や平手で叩かれている。 こんな変態的な行為をもとめる人たちと同じ嗜好が、わたしにもあるらしい。 ハンサムで優しい恋人にいたぶられる自分の痴態を想像すると、どうしようもなく興奮するのだから。 スーザンはフランス窓の外のラウンジチェアに座る恋人に視線を転じた。 サイモン、あなたもこの本を見て興奮したの? その日、珍しく彼と口論になったとき、彼女はおずおずと願望を口にしてみた。 「わたし……あの……お仕置きを受けたほうが……?」 すると彼は眉間にしわを寄せ、使用人でも見るような目つきで腕組みした。 「失敬な振る舞いに対しては、お仕置きが必要だ」 愛情深い恋人は突如、尊大な暴君に変貌した。
  • 美味礼讃
    4.5
    人生に必要なこと。それは、よく食べ、よく愛し合うこと――。19世紀フランスでベストセラーとなった食のバイブルを、『パリ 旅の雑学ノート』『料理の四面体』の玉村豊男が、原書の魅力が伝わるよう大胆に編集し、新訳。食の話題にとどまらず、恋愛を何よりも大切にするフランス文化のエッセンスが詰まった原文の妙味を解説。
  • フランシス・ジャム全詩集
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 19世紀末、フランス、ピレネーの麓から“朝露にも似た澄んだ声”が響いてきた。美しい自然と、慎ましい生活と、少女たちを愛し、素朴な祈りのうたをささげ、永く人々の心を慰め楽しませる詩人の、本邦初個人完訳全詩集。

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  • フランス小説の扉
    -
    19世紀の極めつきの名作から20世紀の逸品、そして現在まで、小説の読みどころ、味わい方を語る。トゥーサンやジャン・ルノワールの名翻訳家による「フランス小説美味礼讃」。

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  • フランス文学講義 言葉とイメージをめぐる12章
    3.8
    近代小説は19世紀以来、「(かけがえのない)個人」に焦点を当てて発達してきた。物語の主人公が、神や王から、ありふれた個人に替わる時、イメージこそが物語の書き手と読み手をつなぐために必須のものとなったのだ。本書では、文学とイメージのかかわりを意識的に追求してきたフランス近代文学を素材に、私たちが物語を通して「見ている」ものは何か、そして書かれているものは何かを考えていく。
  • 文明と教養の〈政治〉 近代デモクラシー以前の政治思想
    -
    宮廷社会や文明社会を舞台としたヨーロッパの初期近代では、19世紀以降とは異なる、人文主義的な政治が展開されていた。そこでは、マナーや教養、レトリック、シヴィリティが重要視された。しかしフランス革命と産業化の19世紀を迎えてのち、デモクラシーの浸透とともに、人文主義的な政治マナーは衰退してしまう。アダム・スミス、ベイコン、ヒューム、ハーバーマスなどの論考を参照し、実践知の政治学に光をあてる。(講談社選書メチエ)
  • プリンスと白薔薇の王国【新装版】
    完結
    -
    19世紀末ロンドン。パーティを抜け出したおてんば伯爵令嬢シャーロットは、ミステリアスな男性・ユーフォに突然キスされる!彼はフランスから来た調香師だとわかったが、まだ謎があって―――?※本作品は提供元が宙出版からハーレクインコミックスに変更になりました。本編に変更はないので、重複購入にご注意ください。
  • 方程式のガロア群 深遠な解の仕組みを理解する
    5.0
    19世紀前半、フランスの天才数学者エヴァリスト・ガロアが方程式に関して行った考察は、その後の数学や物理学の発展に重要な役割を占めることになりました。方程式の解の関係性を表すガロア群。具体的な方程式のガロア群を計算することで、複雑に見えていた解の構造が浮かび上がります。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 本当は偉大だった 嫌われ者リーダー論
    3.0
    人の上に立つリーダーの孤独と、己の信念の貫き方を知る一冊。雑音は聞かない! 直感を信じよ! いつか歴史が正しさを証明してくれる!! 激動の時代に国家の岐路に立たされ、たとえどんなに当時の人に嫌われても、自分の信念を貫いた5人の<嫌われ者リーダー>の物語。彼らこそが、その国を救い、新たな未来を作った。第二次大戦中、ナチスに占領されたフランスに対し、ひとりで別の政府をロンドンで宣言し、人々を鼓舞して結果的に戦勝国に導いたシャルル・ド・ゴール。17世紀のヨーロッパ、新教徒と旧教徒の争いの中、諸外国との争いからフランスを守り抜きフランスの王権を確立し強国に育てた宰相リシュリュー。19世紀末、フランス革命後のパリにてナポレオン3世の懐刀として、今も世界中から観光客が押し寄せる“花の都パリ”を作ったウージェーヌ・オスマン。激動の中国近代史を父・蒋介石と共に指導者として生き抜き、最終的には台湾に渡って、台湾の近代化と台湾人のための国づくりを進めた蒋経国。幕末の動乱期に、朝廷と幕府の間にはさまれ、融合を図るも失敗。諸外国の思惑を外に内戦の危機から日本を救った最後の将軍・徳川慶喜。東西の傑出したリーダーをフランスで3人、アジアでふたり、取り上げた。彼らの決断こそが、今に続く繁栄の礎になったことを、人々はもっと知るべきであろう。
  • 凡庸な芸術家の肖像 マクシム・デュ・カン論 上下合本版
    -
    「凡庸」は人類にとって普遍的な概念ではなく、ある時期に「発明」された優れて歴史的な現実であり、その歴史性は今なお我々にとって同時代のものだ――『「ボヴァリー夫人」論』(2014年)の執筆がすでに始まっていた1970年代、著者の心に忽然と燻りだした19世紀フランスの作家マクシム。今では「フロベールの才能を欠いた友人」としてのみ知られる謎多き人物を追い、時代と文化の深層を描く傑作。芸術選奨文部大臣賞
  • ポストコロナの資本主義 挑戦される国家・企業・通貨
    3.0
    ●巨大な政府資金は自由主義のコストだ 新型コロナウイルスの蔓延は、世界の風景を一変させた。街からは人が消え、経済は急激に冷え込んだ。各国は巨大な財政支出でこれを再び浮揚させようと四苦八苦している。 現在の自由主義は、19世紀に確立した。フランスや米国は血と汗と涙で自由を獲得し、株式会社制度・中央銀行制度が確立したのもこのころだ。自由主義の発展で中間層の生活水準は押し上げられ、度重なる不況も政府資金によって乗り越えることができたことで、自由主義は最高のシステムとして認識されてきた。 ただ、今回の不況期では、巨額な財政支出が見込まれ、自由主義の存亡が問われている。本書は、10年先の国家・企業・通貨の関係を展望することがテーマになる。
  • ポー詩集
    3.5
    詩人として、小説家として、19世紀アメリカ文学の中で特異な光を放つエドガー・アラン・ポー。彼の詩は悲哀と憂愁と幻想に彩られ、ボードレールのフランス語訳によってフランス象徴主義の詩人たちに深い影響を与えたことはよく知られている。本書には、ポー自身が『詩の原理』の中で創作過程を明かしたことで著名な「大鴉」のほか「ヘレンに」「アナベル・リイ」などの代表作を収める。
  • ポールとヴィルジニー
    3.8
    インド洋に浮かぶ絶海の孤島で、美しい自然と慈母たちに囲まれ心優しく育った幼なじみのポールとヴィルジニー。思春期を迎え、互いに愛の感情が芽生えた矢先、二人は無情にも引き離され……。19世紀フランスで一世を風靡し、かのナポレオンも愛読した幼なじみの悲恋の物語。
  • マノン 警官見習い中
    完結
    -
    全1巻759円 (税込)
    19世紀末のパリ。幼い時の事件がきっかけで、警官になることが夢になった女学生マノン。怪事件に首をつっこんでいるうちに、パリ警察特殊捜査班・「オルフェーブルの犬」のクローデル警部と知り合い、ますます事件と関わることに……!? さわやか懐古的ロマンティック・ミステリー! 両親が殺された幼い日に、青年警官に助けられた少女マノン。以来、女学生となった今も、マノンの夢は警官になること。19世紀末のフランス、次々と起こる事件に首をつっこむマノンは、パリ警察特殊捜査班の冷徹なクローデル警部の捜査に関わることになり……!?
  • 向こう岸から
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    思想の「聖化」に反対し、生身の人間の側に立ち続け、人民の大衆への変貌をいち早く洞察した亡命ロシア人。19世紀革命の時代に稀な思索の人が、敗者の側からフランス1848年を考察する主著。
  • メロドラマ(1)
    完結
    -
    1925年(大正14年)大日本帝国陸軍大尉・都筑慎太郎・29歳、花の都・巴里(パリ)に赴任す。 フランス駐在員としてパリに配属になった慎太郎。異なる民族を受け入れない西洋社会を淡々と生きる慎太郎は、画家志望のかつての友人・今広美、そしてレオ伯爵の美しき愛娘・ソフィと運命的な出会いを果たす。 村上もとかがお贈りする、19世紀パリ、そして当時の芸術の世界を描いた歴史ロマン・コミック。
  • 物語 ベルギーの歴史 ヨーロッパの十字路
    4.4
    ビールやチョコレートなどで知られるベルギー。ヨーロッパの十字路に位置したため、古代から多くの戦乱の舞台となり、建国後もドイツやフランスなどの強国に翻弄されてきた。本書は、19世紀の建国時における混乱、植民地獲得、二つの世界大戦、フランス語とオランダ語という公用語をめぐる紛争、そして分裂危機までの道のりを描く。EU本部を首都に抱え、欧州の中心となったベルギーは、欧州の問題の縮図でもある。
  • 役人の生理学
    4.0
    革命後、ジャーナリズムが勃興したフランスで一気にブレイクした「生理学」シリーズ。現代の「スーパー・エッセイ」のたぐいですが、バルザックの観察眼にはなかなか唸らせられます。冒頭の定義があります。「役人とは生きるために俸給を必要とし、自分の職場を離れる自由を持たず、書類作り以外なんの能力もない人間」現在と同じではありませんか! 付録に、一九世紀の役人文学3篇を追加。(講談社学術文庫)
  • 夜明けの色を紡いで
    4.5
    《ハサウェイズ》シリーズ2。19世紀の英国。ロマの血を引く孤児ケヴは、少年闘士として過酷な日々を送っていた。ある日、瀕死の状態で部族から捨てられたケヴは、ハサウェイ家の当主に救われ、一家とともに暮らすようになる。最初は英国人に反発していた彼だったが、心優しい次女ウィンに崇拝にも似た気持ちを抱き、次第に心を開いていく。彼女も純粋なケヴに特別な絆を感じていた。ところが、ウィンを猩紅熱という不幸が襲う。一命は取り留めたものの、床に伏しがちになった彼女はフランスの療養所へと旅立った。療養先からウィンは愛をこめた手紙を送るが、ケヴからの返事はない。彼は自分のような男はウィンにふさわしくないという思いに囚われていたのだ。数年後、健康を取り戻して帰国したウィンが再会したケヴは…。『夜色の愛につつまれて』に続いて、ハサウェイ家に訪れた新たな愛の物語。
  • Lightning Archives アンティーク家具カタログ
    -
    現代の日本は、家選び、生活スタイルの多様化と共に、インテリア選びの基準も高まっています。 そんな中、注目を集めるのがアンティーク家具。 名も無き武骨なプロダクツに見られるインダストリアルデザイン、いま見てもモダンなミッドセンチュリー、フランスの洗練された家具、チェスターフィールドソファや19世紀のヴィクトリアスタイルに見られる英国ファニチャー、その他北欧や和家具など、様々なスタイルが存在します。 現代では再現しえない家具は憧れの的として、またショップインテリアの定番として、いま最旬のアイテムです。 本書は、それらが一堂に会したアンティーク家具カタログ。 かつてないボリュームでお届けする完全保存版です。 ※デジタル版には、表紙画像や目次に掲載している記事、画像、広告、付録が含まれない場合があります。また、掲載情報は原則として奥付に表記している発行時のものです。
  • ラフォルグ抄
    -
    19世紀末フランスの夭折詩人ラフォルグ。象徴派が勃興する中、近代の倦怠を知的な抒情とした天才が遺した散文集『伝説的な道徳劇』は、若き日をヨーロッパで過ごした吉田健一にとって「前世か何かで自分が書いたことをそれまで忘れていた感じだった」と語らしめ、耽読して止まなかった魂の邂逅の書であった。同じく遺作の詩集『最後の詩』と共に名訳で贈る。
  • ルパン・エチュード 1
    完結
    5.0
    19世紀末のフランスに現れた青年・ラウール。彼と出会ったエリクは、彼の中にもう一人の人格がいることに気づく。若きルパンの誕生、そして友情と恋を描く、新訳ルパン登場!!
  • LE REPERTOIRE DE LA CUISINE フランス料理総覧 改訂版
    -
    本書は、1971年に出版された「LE REPERTOIRE DE LA CUISINE フランス料理総覧」を改訂翻訳し、復刊したものです。 “レペルトワール”の名で日本でも長く親しまれてきた名著ですが、初版の刊行から50年が経ち、 書店では手に入れることができなくなりました。その復刊を望む声が多く、今回、「辻静雄料理教育研究所」による 大幅な翻訳の見直しが行われ、改訂版を刊行する運びになりました。 原著は、今から100年以上前の1914年にフランスで刊行された 「LE REPERTOIRE DE LA CUISINE」。19世紀から20世紀に活躍した料理長・オーギュスト・エスコフィエの 金字塔的著作『料理の手引きLe Guide Culinare』のエッセンスを抽出。7000もの料理の食材、作り方の概略を説明し、記されています。 調理法や食材、風味の精妙な組合せは、今もフランス料理の大きな魅力の一つ。 だからこそ、本書は今もフランスをはじめ各国で読み継がれています。 また、現代フランス料理の根幹に触れられる資料として大切にされています。
  • レ・ミゼラブル 上
    4.3
    ひときれのパンを盗んだために,19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの物語.19世紀前半のフランス社会に生きる人々の群像を描く大パノラマ『レ・ミゼラブル』の少年少女版.

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  • ロジスティクスから見た「失敗の本質」
    -
    1巻997円 (税込)
    ■ロジスティクス(兵站)の視点から太平洋戦争を再検証する1冊。 19世紀の軍隊は金で雇われた傭兵だったので最も恐れられたのは兵士の脱走だった。そのため食糧や衣服の支給に事欠いてはならず、その必要からロジスティクスは生まれた。 本書では、数々の近代戦争を紐解き、どのようにロジスティクスは生まれたか、フランス(イギリス、アメリカ)式ロジスティクスとドイツ(ロシア・日本)式のロジスティクスの違いとは何かについて解説する。 アメリカが南北戦争や米西戦争でどのような失敗を犯し、それを機にロジスティクスの役割がどのように変貌していったかを分析。同時に日本軍はなぜ、日清戦争で戦死者の11倍もの病死者を出しながらも、太平洋戦争でガダルカナルやインパールで同じような失敗をしてしまったかをついても検証していく。 名著『失敗の本質』をはじめ、これまで戦術論や人物・組織論からの敗戦を分析した本は多数あったが、本書はロジスティクス(兵站)の視点から太平洋戦争を再検証する。 ■著者略歴 谷光 太郎(たにみつ・たろう) 1941年香川県に生まれる。1963年東北大学法学部卒業、三菱電機株式会社入社。1994年同社退社、山口大学経済学部教授。2004年、大阪成蹊大学現代経営情報学部教授。2011年同校退職。著書に、『海軍戦略家キングと太平洋戦争』『海軍戦略家 マハン』(共に中央公論新社)、『敗北の理由』(ダイヤモンド社)、『青色発光ダイオードは誰のものか』(日刊工業新聞社)、『米軍提督と太平洋戦争――世界最強海軍のルーツ』(学研パブリッシング)、訳書に『統合軍参謀マニュアル』(白桃書房)など多数。 ■目次 第一章 ロジスティクスとは 1 ロジスティクスの語源と参謀組織 2 歴史上の名将にみるロジスティクス 3 日本人の美意識とロジスティクス 第二章 グランドストラテジーからみたロジスティクス問題(1) 1 輸送・通信手段を駆使した初の近代戦――南北戦争 2 兵力・物資を機動的に展開――独参謀本部と普仏戦争 3 干し飯二日分で戦った日本陸軍――日清戦争 4 海上輸送路短縮の重要性を説くマハンの見識――米西戦争 5 敵の戦略意図を兵站活動から見抜く――日露戦争(1) 6 大本営を悩ませた馬不足と脚気患者――日露戦争(2) 第三章 グランドストラテジーから見たロジスティクス問題(2) 1 民間補給組織を重視した英宰相の慧眼――第一次世界大戦(1) 2 総力戦の勝敗を決した軍需品生産・輸送――第一次世界大戦(2) 3 戦術重視で戦略を誤った日本海軍――太平洋戦争(1) 4 「限定戦」戦略と「無制限戦争」戦略 ――太平洋戦争(2) 5 戦果を左右した独海軍Uボート艦長の力量――大西洋の戦い 第四章 陸空海のロジスティクス 1 「戦争は輸送」の鉄則を忘れた日本陸軍 2 「陸大卒に非ざれば人に非ず」――陸軍人事行政の問題点 3 「商船攻撃よりも敵艦隊撃滅」で失敗――決戦主義の誤謬 4 大陸を疾駆したトラック部隊――陸軍の自動車工業育成 5 満州への兵力派遣を支えた輸送――鉄道と参謀本部 6 商船損失を軽視して敗れた日本海軍――太平洋戦争と商船隊 7 航空機輸送を軽視して機動力欠いた日本軍――航空輸送戦略 第五章 ロジスティクスへの取り組み日米比較 1 精励恪勤だが政策立案は苦手な日本の指導者――リーダー比較 2 日米両海軍の人事処遇の比較 3 日本は策士、米国は書記官――日米参謀制度比較 4 陸海軍の機能統合に失敗した日本軍の悲劇――統合参謀部 5 標準艦量産の米国、多品種少量生産の日本――艦船建造比較 6 部品の共通化すら拒んだ指導者のエゴ――日米航空作戦比較 第六章 総力戦とロジスティクス 1 船舶消耗を直視し、敗戦を予測した総力戦研究所 2 「生産重視・輸送軽視」の問題点――石油資源確保と輸送 3 海軍予備学生にみる人の育て方、生かし方――人材育成(1) 4 通信諜報を支えた海軍予備学生士官――人材育成(2) 5 輸送業務に女性を活用した米陸軍航空隊トップの決断 6 搭乗員の人命を尊重しつつ大戦果を上げた対日爆撃作戦
  • 私たちの「ターシャ」を探して
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2008年に他界した、アメリカの絵本作家であり、ガーデナーであり、 人形作家であるターシャ・テューダー。 50歳を超えてから19世紀の農村の自給自足の暮らしに憧れて、 バーモント州へ移住。広大な庭で季節の花々を育て、 なるべく電力を使わないライフスタイルを貫きました。 彼女の生き方や言葉は、世界中の人々に感銘を与え、日本でもたくさんのファンがいます。 そして、そのファンのなかには、ターシャの暮らし・言葉を実践している人たちも。 もちろん、ターシャとまったく同じ暮らしができるわけではありません。 それでもターシャのメッセージを胸に抱いて、日々の暮らしを楽しんでいらっしゃいます。 本書では、ターシャを愛し、そして影響を受けた10人の暮らしをご紹介しています。 ガーデナー、移住、カントリードール、そして芸術。 それぞれ、自分たちなりのターシャを胸に抱いて、1日1日を大切に生きていらっしゃるのです。 毎日を心から楽しむその生き方は、きっと、この本を手にとってくださったみなさまへの 素敵なメッセージとなるはず。 〈内容〉 翻訳家・食野雅子さん「ターシャとの出会いは宝」 ターシャ・テューダー基礎知識 第一章■庭を育てて20年。いつしか「秋田のターシャ」と呼ばれて/佐々木利子さん 第二章■りんごを栽培しながら庭づくりの「好き」を楽しみたい/熊井智恵子さん 第三章■つらい時期の支えは庭と家族と友人たち、そしてターシャの生き方/佐々木みゆきさん 第四章■難病とのつき合い方も育児と庭づくりもターシャの言葉を胸に/山崎亮子さん Handmade Column|蜜ろうキャンドルの作り方 第五章■人生を楽しむため50代で理想の地へ移住し、自力で家を建築/植木純恵さん・竹光さんご夫妻 第六章■団地のベランダで植物に癒やされ、すべてに愛情を注ぐ/毛塚千代さん 第七章■田舎暮らしを心から楽しみながら可愛いおばあちゃんに/大谷基栄子さん 第八章■無謀といわれた挑戦も「好き」を貫いたことで今がいちばん幸せ/宮野典子さん・和典さんご夫妻 第九章■自分の楽しみを「創り」だすためにフランスへ/木蓮さん
  • 私たちはどんな世界を生きているか
    4.0
    ●第1章 今の世界に至る道 19世紀~1970年 ・日本の戦後レジームからの脱却・グローバル経済へ・極端に分離する階層・身分制と不平等・新自由主義が社会を再組織していく・自由と管理の反転・アメリカにネオナチがいる・ヨーロッパと第一次大戦・国際連盟とILО・第二次大戦とフィラデルフィア・ド・ゴールと移民世代・EUとフランス・ル・ペンの国民戦線・フランス・ファースト・国民の解体と再接着・人権と身分制社会 ●第2章 アメリカの大転換 90年代末~対テロ政策へ ・アメリカという特殊形態・モンロー主義とアメリカの「解放」・『すばらしい新世界』・「例外国家」のスタンダード化・アメリカの標準化とネット・アドレス・アメリカ・バイアス・テクノ支配と一代成金・白人の不満と被害感情・平等と「差別」、「本音」を煽るトランプ・偉大な中国・征服王朝と中国・オランダとイギリスのヘゲモニー・帝国と平和・武器を売るアメリカ・ポスト・トゥルース・人権を求めて・西洋だけでなく世界にも・自由と平等は独り舞台 ●第3章 日本と朝鮮半島 ・米朝会談が不満・こじらせる近隣関係・日本に三権分立はない・問われなかった戦争責任・冷戦後と歴史修正主義・拉致問題と歴史没却の勝利・朝鮮半島ではどう思っていたか・なぜ北朝鮮は核を持つのか?・ベルリンの壁崩壊とドイツ統一・北の自立、南に呑まれないために・対米核武装の成功?・軟着陸のためには・悪い国でいてもらわないと困る・日本敗戦後の朝鮮半島統治 ●第4章 日本の明治一五〇年 ・西洋の世界展開と日本の参入・戦争で認知される・敗戦の世界史的意味・無条件降伏と自発的隷従・正当性の論理・民主制と交渉の主体(外交)・翻訳語をつくる・翻訳する独特の日本・日露戦争から国際連盟へ 逆のドライブ・一世一元制・天皇の権威・「…名において」治める・なぜ元号に固執するのか・時代意識の造形・政治と宗教の区別・義勇兵起源ではない・独自権力になっていく軍部・装置としての天皇制・近代化の流れと逆行していく・戦後のフィラデルフィア宣言・農地改革でつくられた基盤・占領下の改革の受け止め方・西洋的価値は絶対か・冷戦の終わりと市場開放・なぜ「新」自由主義なのか・平成の三〇年で起きたこと・あらゆるものを市場化する・国策としての新自由主義・神道国家派の大攻勢・米軍と一体化する自衛隊・自由の底が抜けている・失われた三〇年で何を失ったか ●第5章 現在の日本と世界のこれから ・西洋的世界の変質・国、政治、経済・民主、平等、自由・連携における自立・人権のない存在、テロリストの発明・フランスとアメリカの歴史否認・日本では民主主義がいらなくなっている・ポイント・オブ・ノーリターン・「身分制のほうがいいんじゃないか」
  • VILLAヴィラ 西洋の邸宅 -19世紀フランスの住居デザインと間取り
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は19世紀の建築家レオン・イザベ、ルブラン両氏の設計・製図による『ヴィラ 都市住宅と郊外住宅―16、17、18、19世紀の様式による現代パリの住居のモチーフ、および、外国の傑出した住宅』(1867年刊)の図版を再編成したものです。 本書の図版は、16世紀から19世紀の様式による住宅建築の雛形であり、原書は19世紀フランスにおける、当時のいわば「住宅カタログ」です。各デザインの様式は時代・地域とも多岐にわたり、寸法付きの詳細な立面図と平面図を掲載しています。そこには、主(あるじ)の家族や使用人、芸術家、商人などそれぞれの職業や階級に合った部屋、食堂や図書室など共同生活の場のほか、ギャラリー、テラスなど遊興のための場も見られます。 過去の建築デザインや伝統的な貴族住宅の設計を踏襲した本書の作例からは、19世紀当時の人々の志向や暮らし、趣味をうかがい知ることができるでしょう。建築、デザイン、イラスト等の資料としてはもちろん、画集としても楽しめる一冊です。どうぞ幅広くお役立て下さい!

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