アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

ビジネス・実用
1,155円 (税込)

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19世紀フランスの政治思想家トクヴィル(1805―59)が、アメリカ社会全般の透徹した分析を通して広い視野で近代デモクラシーを論じた、現代の民主主義を考えるにあたって読み直すべき古典的名著。1835年に刊行された第1巻(第2巻は1840年刊)では、アメリカ社会の具体的な分析を行なう。(全4冊)

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 国際
  • 出版社
    :
    岩波書店
  • 掲載誌・レーベル
    :
    岩波文庫
  • タイトル
    :
    アメリカのデモクラシー
  • タイトルID
    :
    191815
  • ページ数
    :
    364ページ
  • 電子版発売日
    :
    2012年11月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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アメリカのデモクラシー の一覧

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アメリカのデモクラシー 第一巻(上) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    知っていても読んだことはない(言及される機会が多いので読んだ気になっている)古典だが、岩波文庫版は良訳と聞いたので読んでみた。

    一言でまとめると、
    1800年代前半の建国間もないアメリカを見たトクヴィルが、フランスやイギリスをはじめとする欧州諸国と比較したうえでアメリカを「民主主義の先進国」としている。
    …ここまでは教科書どおりの記述といってもよい。

    読んでみて思ったのは、現代日本の私たちにとってアメリカの政治制度は「そういうもの」として半ば自明の存在になっているが、(当時のヨーロッパから見ると)異質で特殊なものだということだ。
    トクヴィルが特に強調しているのが司法、とりわけ連邦最高裁について。現代日本人は「司法権の独立」を当たり前のこととして受け入れているが、それは決して当たり前ではない。
    そもそも法治主義と言っても誰が法律を定めるかという論点があり、ヨーロッパでは「法律は王が定める(あるいは王が承認する)」ものであり、司法が(独立して)その是非を論ずるという議論と整合させるのが難しい。よって最高裁判所の機能は貴族院(上院)が持っていたりして、イギリスなどは2009年に連合王国最高裁判所が設立されるまでは貴族院が最高裁判所だった。
    その代わりというべきか、アメリカでは具体的な訴訟の解決に必要な範囲で憲法判断をする(付随的審査制)のであって、憲法裁判所が具体的事件から離れて憲法判断をする大陸法(特にドイツ)とは異なる。
    (ここまでの話、大雑把に書いたので正確じゃないかもしれない)
    付随的審査制などのブレーキがあるものの、トクヴィルはアメリカにおいては独立性の高い司法が専横することを懸念している。それは具体的な判事の人選ということではなく、システムとして国民の意思を離れて暴走し得るという指摘である。

    トクヴィルが指摘するまでもないのだろうが、アメリカの「民主主義(人民主権)」はヨーロッパの古いしがらみにとらわれずに作り出したからこそ、不純物が少ない、一貫した制度で成り立っている。
    そしてそれはニューイングランドに移住した清教徒によってつくられたという。
    トクヴィルは、ハドソン川以北(ニューイングランド)と以南では民主主義の浸透度合いに差があるとしている。「以南」は比較的豊饒な土地で奴隷使用に適していて地主(資本家)が生まれやすいかったともいう。(トクヴィルの執筆は南北戦争前です)
    この南北比較はアメリカの「反知性主義」の源流についての話でもあるし、その比較において相続法のあり方に触れていることも含め、かなり興味深い。

    文庫本全4冊のうちの1冊目を読み終えただけだが、この1冊目が最も面白いのではないかという気がしている。果たして。。。

    0
    2026年09月16日

    Posted by ブクログ

    近代の民主主義がどのように生まれたのか。
    民主主義、これが人間の手によって実現されたものであるということがなんだか奇跡のようにも感じるし、当時の人びとの偉大さに感銘を受ける。
    民主主義が、いかに今私の生きる社会を保証しているのか、その機能や原理を考えることを忘れて自然に生えてきたように存在するものだと思ってしまう現代、初心に帰らせてくれる語り。
    そして異国の制度、その諸々の背景や具体例をここまで書き綴るトクヴィル、感謝します。

    0
    2019年03月20日

    Posted by ブクログ

    自分と年齢の変わらないような若者(貴族であるところが違うけど…)が新興国アメリカに視察に行ったあと書いた考察である。内容は、フランス(革命国)、イギリス(旧体制)、との比較の視点があり、わかりやすい。アメリカは○○であるが、なぜ○○かというと…という政治をしているからである。一方フランスでは…のような形。なぜ訴訟社会なのか、など、現代のアメリカを考察するにもアイデアの源泉になる素晴らしい著書。

    0
    2016年06月28日

    Posted by ブクログ

    フランス革命を経験した著者が生まれたてのアメリカを紀行し民主主義の本質面やアメリカという国の未来を予見し綴った一書。
    内容もさることながら著者の深い洞察力が物凄い。
    民主主義の構造分析から始まり行政や司法の在り方まで先見的な洞察の上に成り立っている。

    0
    2010年07月09日

    Posted by ブクログ

    フランスの政治思想家トクヴィルが1830年代初頭のアメリカ社会を分析し、近代民主主義を論じた古典的名著(全4巻)。アメリカ社会と民主主義を語る上で欠かせない文献となっている。

    <トクヴィルが見たアメリカの特徴>
    トクヴィルは滞在中、「境遇の平等」こそが社会の根源的事実であると看破し、この平等化は世界的に不可避の流れだと捉えました。本書では以下の点が詳述されています:

    ■プロテスタントの宗教と自由の精神が結びついたニューイングランドの重要性
    ・人民主権の原理 タウンから連邦政府に至る政治制度
    アメリカの起源には、経済的な目標だけでなく、入植者の自由を求める思想があり、それがタウンシップという地域レベルで民主主義として実践されてきました。

    ・民主主義を支える「相続法」
    トクヴィルは民主主義を支えるもう一つの柱として「富の再分配」に注目し、その実現には「相続法」が重要だと指摘しています。一代でどれほど莫大な富を築いても、子孫に分配されることで強大な力が分散される——これがアメリカ民主主義を支える仕組みの一つだというのです。

    ■トクヴィルの目的
    身分制が当たり前だったフランス出身のトクヴィルの目的は、最も民主化が進んだ実例からデモクラシーの性質、その利点と危険を学び、到来する民主社会を導くための教訓を得ることにありました。

    ■現代への問い
    翻って現代のアメリカ社会を見ると、富の集中に拍車がかかり、民主主義がポピュリズムに陥っているように見えます。この200年でアメリカ社会は何が、どのように変質してしまったのか——そんな問いを持ちながら読んでいます。

    0
    2026年02月06日

    Posted by ブクログ

    アメリカの根底にあるもの。

    ・宗教と市民的自由・タウンシップ

    ・一般に人間の愛着は、力あるところにしか向かわない

    ・行政権の大きさ、種類、自律性による選挙の空白、非連続性の弊害の緩和

    ・アメリカ諸邦は連邦政府が法を定めるのみならず、これを自ら施行することに同意した

    ・アメリカでは、連邦が統治する対象は州ではなく、一般市民である

    ・連邦の制度は複雑な理論に基づいており、この理論を適用するには、被治者が理性の光を日常的に行使することがどうしても必要である

    0
    2025年12月28日

    Posted by ブクログ

    難しかった。

    アメリカにおける民主主義の制度や人々の特徴についてさまざまに書かれている本。

    意外だったのは著者が人々の同質性をなんどもとりあげていた点。
    資産状況のみならず、知識などにおいても同質な人々が集まっていたからデモクラシーが成立していると分析しているようだった。
    また、地方自治の重要性やそれを支える制度と地域共同体の強さについても強調されていたことは勉強になった。

    民主主義というと一人一票とか選挙にいくことの重要性ばかり重要視されるが、そもそもの人々が平等でなければならず、自主的に地域の事柄に取り組む精神がなければならないのだということを考えさせられた。

    0
    2025年06月29日

    Posted by ブクログ

    もうすぐ大統領選挙なので。アメリカの選挙制度その他、どうしてこんな風になってんのかな?との疑問の一端が晴れた感じがしています。
    あくまで二百年前のフランス人から見たアメリカ像なので、社会の安定という点に物凄く力点が置かれており、安全装置がバランスよく働いているとの評価に繋がっていると感じました。その反面、現在のアメリカが置かれている不安定な状況をみるにつけ、どこで何が損なわれたのか、疑問は尽きません。

    0
    2024年10月31日

    Posted by ブクログ

    まとまり。弱肉強食の国際情勢。生まれたばかりの中堅国アメリカ。各州ばらばらだと、足並みの乱れを突かれて、列強の餌食になる。連邦政府の強化と、州の主権の廃棄が必要だ。アメリカ人は同じ祖先・言語・宗教・統治原則を持っている。よく似た習俗と慣習を持っている。ただし連邦政府を強化しても個人の自由は守られるべきだ▼多数派による専制を防ぎたい。直接民主政は多数派による少数派への圧政につながる。個人の生命や財産が守れない。そこで代議制を採用し、優れた人間に統治を任せる▼立法部(議会)の暴走を防ぎたい。大統領に拒否権を与えて、議会に対抗する力を持たせる。裁判所に違憲審査権を与えて、議会の暴走を防止。互いに権力を抑制▼大統領が独裁者になるのを防ぎたい。まず州ごとに選挙人を投票で選び、その選挙人が大統領候補に投票する仕組みに。選挙戦の期間を長くすることで、大衆の一時的な熱狂で担ぎ上げられることを防止する。アレクサンダー・ハミルトンHamilton他『フェデラリスト』1787

    フランス革命後、仏では政治体制が不安定化、帝政が生まれてしまった。アメリカ(ジャクソン大統領時代)でデモクラシーの可能性を探りたい▼平等と自由は両立しない。平等の実現(平準化)はしばしば自由を犠牲にする。階層秩序が崩壊し、貴族(中間的な権力)に支配されていた人が解放されると、無数の群衆が解き放たれる。彼らは魂を充たしてくれる卑俗な喜びを求めて動き回る。富と財産を増やすことが最大の関心事。自分の内に引き籠もり、個人がバラバラに欲望を追求する。彼らの享楽を保障し、監視しているのが国家。無力で不安定な個人は強力な国家に依存・隷属するようになる。また、政治に無関心になり個性を喪失し多数派に隷従・同調する。デマゴーグに操作される。こうして平等は自由ではなく隷属をもたらす。伝統的権威をなくした社会では多数者の意見が権威となる。多数者の専制。※cf. ミル自由論・ハーバマスの福祉国家▼それを防いでくれるのがアメリカの地方自治を通じた政治教育(民主主義の学校)。地域の問題を住民自身が考えて解決していく。仏のように行政的な中央集権がなく、人々が自らの手で身近な行政に携わっている(1-2-8)。仏のように中央の官僚(王の僕)が政治を主導するのではなく、下から国家をつくっている。仏のように結社の自由が制限されておらず、結社を自発的に作って個人と個人が結びつく。仏のように教会が強権をもつことなく、宗教が人間相互の連帯や社会への義務を自覚させ、利己主義を克服、紐帯が生まれている。アレクシ・ド・トクヴィルTocqueville『アメリカのデモクラシー』1835; 1840
    ■アメリカでは連邦が統治する対象は州ではなくて一般市民。税を徴収するとき、州政府に命令するのではなく、その州の住民1人1人に命令する(1-1-8)。
    ■結社の権利の行使は、大きな党派が多数派になる可能性が小さければ小さいほど危険になる。支持を得ることを期しがたい時、もはや説得しようとはせず、戦闘しようとする(1-2-4)
    ■小さな仕事を共同で行えば行うほど、人々は大きな仕事を共同で遂行する力を身につける。だから市民的結社は政治的結社の活動を容易にする(2-2-7)。
    ■人間の制度を変えることはできても、人間を変えることはできない(2-3-13)
    ■人々が特権に向ける憎悪の念は、特権が稀になり、小さくなればなるほど増大する(2-4-3)

    トクヴィルが礼賛したアメリカの地域コミュニティの結束は1980年代辺りから弱まっている。市民組織や友愛団体の会員数減少。メンバーの高齢化。親の教育課程への関与(PTA)の減少。投票率の低下・公的な集会への参加の減少。相互援助や共感の弱まり。個人間のつながり・社会的な網目は弱体化。互酬と信頼の規範が衰退。社会的な信頼の低下▼全国的な社会運動組織は、社会的な網目・相互信頼(ソーシャルキャピタル)とは言えない。ワシントンに拠点を置くプロ(専門家)が運営する組織であり、大部分の会員は会費を納めるだけか、一時的に寄付することで、自らの良心を慰めて自己満足しているにすぎない。全国的な社会運動組織の存在は草の根の参加が欠如していることの証し。ロバート・パットナムPutnam『独りでボウリング』2000
    ※昔ながらの古い組織に注目するから「コミュニティが衰退している」ように見えるだけとの批判。新しいコミュニティ(SNSなど)はむしろ隆盛。
    ※仲間うちの結束をもとづく内部指向の排他的な信頼・規範・ネットワーク。外部指向で他者と橋渡しをする信頼・規範・ネットワーク。cf. デュルケーム。機械的連帯(結束型)。有機的連帯(橋渡し)。

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    2025年04月26日

    Posted by ブクログ

    先日拝聴したライフネット生命の出口治明会長の講演の中で、『縦と横に見る視点が重要』とおっしゃっていた。先に読んだ、ちきりん著「自分のアタマで考えよう」の中でも、同じことに触れており、「『縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ること』と『横=他者比較=国際的な視点でものごとをみること』とのことですから、やはり比較といえばこの二種類を覚えておくべし」と言っている。そういう意味で本書は、現代の民主主義を考える上での「タテとヨコ」の決定版である。ちなみに本書も出口会長のお薦め本。
    本書は、フランスの政治思想家トクヴィルが1800年代前半にアメリカに渡り実際の見聞を著したものである。(著者が初めてアメリカに渡ったのは25歳の時だから驚き!)アメリカ人ではないところがミソで、日本人から見れば、「タテとヨコ」でいう「ヨコ」に深みが増している。
    一例をあげる。たとえば、著者は以下のようにアメリカの二院制について、
    「立法権力を分割し、議会政治の進行を遅らせ、法律の修正のために上訴の場を一つ設けること、これが合衆国の二院制から導かれる唯一の利点である。
     利点はこれらに限られるとしても、立法権の分割になお第一級の必要性があることを、アメリカ人は時と経験から知った。連邦に加わった諸国の中で、ペンシルバニアだけが最初一院制を試みた。フランクリン自身、人民主権の教義の論理的必然に導かれて、この措置に同意していた。その後、法を改正し、二院制をとらざるをえなくなった。かくして立法権の分割は最後の祝福を受けた。このとき以来、立法行為を複数の機関に分掌させる必要性は証明済みの真理とみなすことができる。この理論は古代の共和国にはほとんど知られておらず、多くの偉大な心理と同じく実行に移されたのはほとんど偶然の賜であり、近代の諸国もいくつかはこれを無視しているが、いまや今日の政治学の一つの公理となっている。」と述べている。
    正直1回通読した現時点において、まだこの重みが処理しきれないでいる。ただ、噛めば噛むほど味が出そうだということはよくわかった。何度か読み返すべき名著である。

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    2021年08月08日

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 国際
  • 出版社
    :
    岩波書店
  • 掲載誌・レーベル
    :
    岩波文庫
  • タイトル
    :
    アメリカのデモクラシー
  • タイトルID
    :
    191815
  • ページ数
    :
    364ページ
  • 電子版発売日
    :
    2012年11月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
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