民主主義が進展し、「群衆」が歴史をうごかす時代となった19世紀末、フランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンは、心理学の視点に立って群衆の心理を解明しようと試みた。フランス革命やナポレオンの出現などの史実に基づいて「群衆心理」の特徴とその功罪を鋭く分析し、付和雷同など未熟な精神に伴う群集の非合理的な行動に警告を発した。今日の社会心理学の研究発展への道を開いた古典的名著である。
Posted by ブクログ 2023年03月26日
難解な書 「群衆とは何か」の問いに答える書。
自分なりにくみ取った主旨とは次の3つです
①群衆とは個人の集合体ではない 個性、理性は消え失せて、本能的な人間、野蛮人と化す。
②群衆を支配するのは、群衆の想像力を刺戟する能力をもつ指導者のみである。感情に訴えるものであって、決して理性に訴えるもので...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月17日
人々に同じ意見をもって、それに合意して動いてもらわないと組織は力を発揮できない
インパクトがあり、わかりやすいメッセージでないと多くの人は受け入れないし、耳を貸さない
ややこしくわかりにくいことは、聞き手でなく話し手の問題とされがちで、結果として「聞き手が聞きたいこと(幻想)」を話す人が、組織で...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月10日
具体的にフランス革命時の例をとって、群衆(ここでは目的意識や地位などがバラバラな人たちがひと所に集まった状態)になった時にどのように行動するのか、そしてそれはどのような意識に基づいて行われるのかを説明する。
なるほどなあ、確かになぁ、今でもそうだなぁ、と思う。烏合の衆となった時、我々は平易に動かされ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年11月03日
NHKの番組で紹介されていたので読んでみた。
群衆心理、そこには知識や正答などに基づくものではなく、断言や反復で人の心にするりと入り込んだ言葉で作用する。結局、人間一人一人は弱く、影響を受けやすく、そして集団になると個人の弱さは置き去りになって強くなる錯覚を起こすのかな。
ネットで正論を吐いて、いい...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月19日
哲学書にある難解な言い回しが少なく、現代にも通じる内容なので、頭に入ってきやすかったのもあるが、かなり読みやすく感じた。
改めて人間の本質は時を経てもあまり変化していないということなのだろう。
難解な議論や理屈はほぼ効果がなく、断言、反復などによる感情と心象を想起させ、揺さぶりをかけることによる...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月21日
100分de名著の今月の本。読んでみたら、いろんな意味で面白かった!ヒトラーがこの本を読んでいたことも納得。現代の私が読むといやいや、偏見が過ぎると思う描写も多いけれど、それも含めてこの本が書かれた時代感。自分も群衆であることを自覚したい。それを知っているだけでも、同じ過ちを繰り返さずに済むかもしれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年10月10日
群集という言葉、その心理について初めて分析した本。
優れた政治家は群衆精神を的確に知っていた。ナポレオンはフランス群集心理を看破していたが、ロシアはしていなかった。
群衆は保守的本能を持っている。
群衆を説得するのに必要なのは感情。群衆を活気づけている感情を理解して、自分もその感情を共にしているふう...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月10日
集団心理の状況を丁寧に考察してあり、時代背景は違っても、現代にも通じる精神心理がうまく描かれています。
指導者の行動手段は、「断言と反覆」そして感染が暗示を与える最上の手段とか書かれていたのは、とても納得できました。
「内容てはなく、言い切る力!」そして「繰り返し言い続ける力!」が暗示を与えるみたい...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月22日
フランス革命により起きた大転換を中心に社会を動かす中心は何かを考察した古典的名著。
書かれたのは1895年と古いものではあるが、その内容は恐ろしくも現代にも当てはまる。
群衆とは、ただ人が集まったものでなく、ある指向された思想の元に集まり、個人個人の考えや思想とは別に群相ともいうべき思考様式が発現...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月25日
読みながら最近の事件を思い起こすことがめちゃくちゃ多かった。自らも群衆になり得るということに自覚的でありたいと思った。SNSの発達でより群衆化しやすい社会になっているとも思う。群衆を動かす方法も書いてあるのでマーケティングやらマネジメントやらにもちゃんと使えそう。
断言と反覆と感染
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論議...続きを読む