歴史・時代作品一覧
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-小石川の養生所に、どこからかふらりと現れ、どこかにふらりと消えていく、遊び人風の町侍。躰は筋肉質で、太い眉と切れ長の眼を持ち、いい男である。だが、絹で丁寧に織られた羽織を裏返すと、背中には大きな葵の紋──。彼の正体は現将軍・徳川吉宗の四男・宗尹であり、兄はのちの九代将軍・家重、次兄は田安家の祖・宗武であった。 自らは一橋門内にれっきとした屋敷をもつ若殿であったが、城内にいては何が庶民の幸福かわからない。よって松平小五郎を名乗り、頻繁に城外に出たのだ。彼らと同じものを食べ、同じ場所に暮らすことこそ政……。父上とも兄上とも違う、己のやり方での世直しを誓ったのである。のちに一橋家の初代当主となる貴人の熱い躍動がいま、始まる!
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4.22015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の主人公は久坂玄瑞の妻、文(ふみ)。文の兄であり玄瑞の師である吉田松陰こそ、『世に棲む日日』前半の中心人物です。「人間が人間に影響をあたえるということは、人間のどういう部分によるものかを、松陰において考えてみたかった。そして後半は、影響の受け手のひとりである高杉晋作という若者について書いた」(「文庫版あとがき」より) 嘉永六(1853)年、ペリー率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕かをめぐり、国内には激しい政治闘争の嵐が吹き荒れていた。この時期、骨肉の抗争を経て倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ松下村塾主宰・吉田松陰と、後継者たる高杉晋作がいた――。維新前夜の青春群像を活写した怒濤の歴史長編、ここに開幕。
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4.0鬼より怖い凄腕与力がなぜ「仏」と呼ばれる? 男の生き様の極北! 惨殺死体が続いて見つかる。ホトケの身元を調べると、かつての盗賊一味だという。 誰が何のために? 犯人を追う重蔵の苦悩! 与力は普通、現場には足を運ばないが、南町奉行所与力・戸部重蔵は、いつも自分で検分に出向く。それだけでも変わり者だったが、火盗改め同心への抜擢、そして本来世襲であるはずの町方与力への出世は、兄とも慕う幼馴染、勘定奉行の矢部定謙の口利きとしか思えない異例のことだった。仏の重蔵と呼ばれる男の、これぞ男の生きざまを描く、著者渾身の新シリーズ第一弾!
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-藩の危機を救うため、潜入した公儀の隠密を討ち果たしたものの、臨月だった妻を殺されたうえ、幕府の仕置きを畏れた藩重役たちに裏切られ、脱藩を余儀なくされた掛川藩槍奉行の木暮月之介。姓を鎧と変え、素性を隠して深川に暮らす月之介は、ある日人斬りの科で北町奉行所に捕縛されてしまう。北町は冤罪と知りながらその首を刎ねようと画策するが、月之介は上役に不審を抱く定廻りの弓削勘太郎に助けられ、脱牢に成功した。弓削とともにお尋ね者となりつつも、月之介は罠の裏側に北町与力を操る大盗一味の存在を掴み、探索に乗り出すが…。癒されぬ過去を背負いながら、闇に巣くう悪を相手に修羅の剣で立ち向かう、書下ろし活劇シリーズ第一弾!
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-南町奉行所に勤める信藤長次郎は、自他ともに認める根っからの小心者。仕事も剣も、はたまた恋も、持ち前の気弱さが邪魔をしてなかなかうまくはいかない。織田信長の史書を読むことを唯一の楽しみとしていたが、それも同僚から名前をもじられて「信長殿」とからかわれる始末であった。天保七年三月──そんな長次郎に、思わぬ人生の転機が訪れる。定町廻りとなり、慣れぬ役務に戸惑う長次郎は、探索の途中、頭と身体を強く打ち、賊の手に捕らわれてしまう。そしてそのときから頭の中で、戦国の英雄、織田信長の声が聞こえるようになってしまったのだが……。信長の叱咤激励で生まれ変わる、若き同心の活躍!
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3.91巻737円 (税込)蛭が島:若き源頼朝が流された伊豆の地。当時の支配者は北条氏。 真珠院:頼朝との悲恋の末に八重が命を落とした地。 伊豆山神社:頼朝と北条政子が結ばれた地。 石橋山:頼朝が源氏復興ののろしを上げるも、大庭景親、伊東祐親らの平家軍に大敗した地。 黄瀬川:奥州から駆けつけた義経が頼朝と再会した地。 願成就院:北条時政が頼朝の奥州平泉討伐戦勝祈願のため建立した。 銭洗弁財天:頼朝への宇賀福神の夢のお告げを元に、宇賀福神を祀り神仏の供養を行なったのが創建の由来。 三島大社:頼朝が源氏復興を祈願して旗揚げをした神社。 梶原山公園:頼朝の信任厚かったが、その死後に滅ぼされた梶原景時終焉の地。 鶴岡八幡宮:鎌倉幕府とともにあった彼の地のランドマーク。 伊豆修善寺:頼朝の嫡男・頼家が暗殺された地。 など、鎌倉殿(鎌倉幕府)をめぐる13の地を舞台に、歴史時代小説の手練れ13人が切れ味鋭い筆をふるう。 13の掌編を自宅でじっくり味わうも良し、地図と写真を手がかりに今に残る歴史の現場を訪ねるも良し。
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3.0狂瀾怒涛の太平洋全水域において武勲赫々、帝国海軍の花形と謳われた高速戦艦、比叡・霧島・金剛・榛名。その名艦の歴戦のさまを、ミッドウェー、南太平洋、ソロモン沖、レイテ沖等の壮烈な海戦に追いながら、大艦巨砲の戦艦群が辿った栄光と悲劇的末路を描破する長篇海戦記。ほかに真珠湾奇襲作戦を立案した黒島亀人少将の波瀾の後半生を活写した「仙人参謀」を収録。
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4.5停戦命令に抗してソ連軍を阻止し続けた戦略家の決断──陸軍きっての中国通で「昼行燈」とも「いくさの神様」とも評された男の波瀾の生涯を描く。
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4.0名誉を捨て、義を貫く! 講談社創業者・野間清治の祖父にして、門下八百人を超える大道場の当主、森要蔵。 幕末の動乱の中、なぜ彼は藩を抜け、会津で新政府軍と戦ったのか。 世を憂い、家族を愛し、弟子の未来を想った、知られざる剣豪の生涯。 慶応四年(1868年)、六月二十八日。北辰一刀流の開祖・千葉周作のもとで四天王のひとりと謳われた大剣士・森要蔵は、道場のある江戸を出て、遠い会津の地にいた。 門弟や息子とともに会津藩に与し、白河城を奪還する戦に参陣するためだ。 ただひたすら、己の信じる「誠」に従って。 時代の趨勢に抗い、新政府軍に立ち向かった男はいかにその生涯をまっとうしたのか。 ひとたび戦えば、「雷雲を纏った龍のよう」と称された要蔵。 平穏な日々を捨て、世のため人のために生きる信念を貫いた愚直な男を描く、傑作歴史長編!
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4.3何ものにも縛られない自由な娘・遊と将軍家斉の息子・斉道の運命の恋――。 江戸から西へ、三日ほど歩いたところにある瀬田村。そこの庄屋の愛娘・遊は、乳飲み子の頃にさらわれた。15年の時を経て、遊は狼女となって帰還する。一方、家斉の息子・斉道は、身体も弱く、癇癪持ちということもあり、気難しい性格をしていた。ある日、転地療養ということで瀬田村が選ばれ、斉道一行が訪れる。庄屋を訪ねていた斉道が出会ったのは、自由に生きる遊だった。やがて、二人は惹かれ合っていくが――。数奇な運命を辿った遊の凛とした生涯を描く、時代劇版ロミオとジュリエット。
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3.8アメリカ重巡洋艦インディアナポリスvs.日本の潜水艦イ五八! 玉木宏主演映画『真夏のオリオン』の原作、実話を基にした手に汗握る戦争サスペンス大作 昭和20年7月16日、110余名の乗員と人間魚雷回天を乗せた伊58潜水艦が呉軍港を出港した。 やがて、倉本艦長はフィリピン東方を通過する敵艦船をグアム―レイテ線上で撃沈せよとの特命を受ける。 その敵艦船とは、原子爆弾をテニアン島へ届けた後でレイテ島へと向かう、重巡洋艦インディアナポリスだった。 乗艦を撃沈され伊58に救助された永井少将は、開戦前、インディアナポリス艦長マックベイ大佐と机上演習で戦い、勝利を収めた。 因縁の宿敵同士に、ついに決着をつける時がやってきた――。 太平洋戦争における最後の艦艇同士の最後の戦いを元にして生まれた、全く新しい戦争サスペンス! 解説・香山二三郎
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3.0「戦艦でハワイをやれないものだろうか」。山本五十六のその一言から始まった真珠湾奇襲作戦。山本の命を受けた海軍中将・小澤治三郎は、新式酸素魚雷で武装した戦艦大和を旗艦とする第三艦隊で、オワフ島への殴り込みを敢行する!
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4.0勝率9割6分2厘、江戸相撲最強の力士・雷電為右衛門。その雷電が唯一、二度敗れた相手がいた。相手の名は花頂山。後世に伝わる花頂山との戦績は、3勝2敗、そして二人の最後の取組となった1預り(その場で勝敗を付けず、保留とすること)。その1預りには、藩の思惑と力士の誇りがぶつかり合う、隠された物語があった――。 江戸時代の相撲は藩の威信を懸けた代理の戦。松江藩の江戸留守居役・石積多平太は、藩主・松平不昧が力を入れる相撲力士の育成に関わることに。過去のある出来事から相撲を憎む多平太だったが、松江のお抱え力士・雷電爲右衞門の圧倒的な強さを前に、徐々に相撲に魅入られていく。あるとき、雷電は、庄内藩の幕下力士、花頂山に敗北を喫し、更に次の場所でも花頂山に敗れてしまう。それは、相撲藩・松江藩にとっては、起きてはならぬ一大事であった。各藩の思惑渦巻く土俵の上で、雷電と花頂山は何を思うのか。藩の威信、そして一人の力士としての意地を懸けた、両者の最後の一番の行方は――。
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3.5直木賞作家による、落語「人情小説」集! ●子別れ 腕の良い大工だが呑兵衛の熊五郎。呑み過ぎないよう妻のおとくに釘を刺されていたが、棟梁に前借りした50万円を、遊郭ですべて溶かしてしまった。愛想をつかしたおとくは、一粒種の亀吉を連れて出て行ってしまう。 ●景清 腕のいい鏨彫り物師だった定次郎は、目の病を患い、わずか半年で失明してしまった。かつての仕事への未練を捨てられず、目の病に御利益があるという赤坂の圓通寺の日朝さまに、願掛け参りを始める。 ●後家殺し 刃物研ぎ宿「研ぎ常」の親方である常吉の強みは、声の良さにある。義太夫の師匠中堀十元に、熱心に稽古をつけてもらっていた。天保三年六月、常吉は運命の女に出会う。 ●火事息子 蔵前天王町の大身札差・伊勢屋四郎左衛門は、従弟で質屋を営む伊勢屋藤右衛門の息子・藤三郎を溺愛していた。火消しに憧れる藤三郎のために、四郎左衛門は火の見やぐらを建設し、半鐘番に就けるよう根回しをした。 ●柳田格之進 彦根藩納戸役を免職となった柳田格之進は、浅草馬道の碁会所で質屋、万屋源兵衛と対局し意気投合する。対局はその後、万屋の離れにて行われることになり、二人の関係は、八月の十五夜まで盤石だった。 ※この作品は単行本版『後家殺し』として配信されていた作品の文庫本版です。
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4.0古典落語の人気演目を本邦初のノベライズ。 直木賞作家で時代小説の第一人者が、「落語の人情世界」を小説化。 夫婦の愛情を温かく描いて、屈指の人情噺として名高い「芝浜」のほか、登場人物がすべて実直な善人で、明るい人情噺として人気の「井戸の茶碗」、船場の商家を舞台にした大ネタ「百年目」、一文無しの絵描きが宿代の代わりに描いた絵から意外な展開となる「抜け雀」、江戸末期の名脇役だった三世仲蔵の自伝的随筆をもとに作られた「中村仲蔵」を収録。 落語ファンからも人気の高い演目を、細部を丁寧に描き込み、ときに独創を加え、ときに人生訓を交え、見事に調理してみせます。 高座芸である落語を小説という形で表現する、新しい試み。 聴いてから読むか、読んでから聴くか。 元ネタを知る人も知らない人も楽しめる、落語小説集です。 ※本書は過去に単行本版として配信された『芝浜~落語小説集~』の文庫版です。
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3.9明治四十五明治天皇崩御――直後、渋沢栄一ら東京の政財界人は御霊を祀る神宮造営を計画、その動きは巨大なうねりになっていく。一方、帝国大学農科大学の本郷高徳らは、「風土の適さぬ東京に神宮林にふさわしい森を造るのは不可能」と反論、大激論に。東都タイムスの記者瀬尾亮一は、対立を追う同僚に助力するうち、取材にのめり込んでいく……。献木十万本、勤労奉仕のべ十一万人、完成は百五十年後という造営事業を成し得させた天皇と日本人の絆に迫る著者入魂作!年七月、天皇重体の情報を掴んだ東都タイムスの瀬尾亮一は、宮中の大事が初めて庶民の耳目に晒される状況に記者魂を揺さぶられる。快復を願う万余の人々が宮城前に額ずく中、天皇は崩御。直後、渋沢栄一ら東京の政財界人が「御霊を祀る神宮を帝都に創建すべし」と動き始める。一方、帝国大学農科大学講師の本郷高徳は、「風土の適さぬ地に、神宮林にふさわしい森厳崇高な森を造るのは不可能」と反論。しかし、曲折の末に造営が決定すると本郷は、取材をする亮一に“永遠に続く杜”造りへの覚悟を語った……。直木賞作家が、明治神宮創建に迫る書下ろし入魂作!
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-文化年間の江戸。ある諍(いさか)いから逃れるため、英国船から飛び降りた大倉恭之介(おおくらきょうのすけ)は、深川に流れ着くと、身分を隠し夢次郎として暮らし始める。ある日、思いを寄せる芳奴(よしやっこ)が事件に巻き込まれた! 恋敵の源太郎とともに、謎の品川浜屋敷に潜入する夢次郎。得意の「紅毛カルタ(タロットカード)」を駆使し、大切な女を守れるか? 西洋占星術の第一人者が描く痛快時代小説!
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4.4応化二年十一月未明、〈救国〉をかかげる佐官グループが第1空挺団と第32歩兵連隊を率いて首都を制圧。同日正午、首都の反乱軍は〈救国臨時政府樹立〉を宣言。国軍は政府軍と反乱軍に二分した。内乱勃発の年の春にすべての公立学校は休校となった。そして、両親を亡くした七歳と十一ヶ月の佐々木海人は、妹の恵と、まだ二歳になったばかりの弟の隆を守るために、手段を選ばず生きていくことを選択した――。
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-ジェット推進の邀撃機「呂式震電」を駆り、超空の要塞B29を串刺しにした豪傑。開戦初日、パールハーバー空襲の日本軍機を初撃墜したものの、誰にも信じてもらえなかった米海軍の札付きパイロット。単機米本土に進入、サンフランシスコ郊外に日の丸を立てて帰還した零式小型水偵。VT信管に対抗すべく、対空砲射程外からの攻撃を可能にした音響追尾酸素魚雷とその搭載機「連山」。……『ラバウル烈風空戦録』本篇に未だ書かれざる戦いの、大空の物語5篇。
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-自分の道場で寝ていた大門一郎太の顔の上に、天井を破って何かが落ちてきた。それは男装の娘盗賊、天狗小僧千吉ことお千の臀であった。 そこへ斬りこんで来たのは、覆面の侍たち。一郎太は道場を捨て、お千を連れて逃げ出す羽目になる。 実は、お千が大名屋敷から盗み出した女雛には、三万両の秘密が隠されていた。それは、慶安年間に倒幕を画策した由井正雪の隠し金なのである。 次から次へと迫りくる女やくざ、女忍、刀腰女らの妖艶な刺客と戦い、巨砲で哭かせてしまう一郎太。 徳川御三家をも揺るがす大金の在り処は?そして争奪戦の黒幕の正体とは? 本篇の<前日譚>ならぬ<当日譚>を書下ろし──番外篇「女体道場」を新たに収録した大人気“乱愛シリーズ” の傑作長編!
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-六千三百石の大身旗本・藤岡家の剣術指南役、五味源十郎──。年は四十二、樽のように逞しい巨漢で、無骨な凄腕剣豪であった。 そんな源十郎が、同家の腰元を手籠にした咎で出奔することに……。が、これはあくまで世間を欺く絡繰り。 多額な借金を背負い、お取り潰し寸前の藤岡家には、実は一万両という隠し金があるといわれ、その在り処を探索するため、白羽の矢が立った源十郎が浪人となったのだ。 しかしその秘密は、十八娘の背中に“白粉彫り”で記され、女悦の極みで浮かび上がるという。 剣は一流なれど、堅物で閨事には疎い源十郎が、果たして三人の美女に近づくことはできるのか──!? 新たに書下ろし番外篇「裸女の剣法」を収録した傑作が甦る!!
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-「若君、藤丸様の護衛役を命ずる!」──白馬藩九万九九九九石の納戸頭・南条家の部屋住みであった大輔は、国家老から大役に抜擢された。側室・お嘉世の方と手を組み、御家乗っ取りを企む奥用人・仙波頼母が、藤丸を亡き者にするため、魔忍者軍団〈斗狩衆〉を雇ったからだった。剣は強いが女嫌い、堅物で単純直情の大輔は、斗狩衆の女忍に襲われるが、巨根絶倫であることが幸いして危機を逃れる。しかし、守るべき藤丸君には、将軍家に御目見得もできない、ある重大な“秘密”があった。そしてついに、剣難女難に立ち向かう大輔と江戸へ向かう藤丸に、斗狩衆の頭領・幻夜斎が襲いかかる!果たして正義の剣は、邪法に勝てるのか──!?書下ろし番外篇「妄龍の夜」を収録した痛快時代傑作!!
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-飲む打つ買うの放蕩が過ぎ、拝領屋敷も知行地も没収される身となった旗本・藤堂源四郎。 だが、全裸の美女を怪しい侍たちから救って屋敷に連れ帰った日から、彼の運命は一変する。 金策へ出かける度に、女壺振りや貧乏長屋の娘、双子の軽業姉妹など、なぜか、次から次に美女を拾って来る羽目に!? しかし源四郎は、美女と愛姦を繰り広げるうちに、彼女たちの受難に背後に陰謀があること突き止めた。 謎の女死客人や凄腕浪人と闘いながらも真相を追う源四郎。 果たして、巨悪を討ち、天命のように集まった美女たちを皆、幸せにしてやることができるのか? 御殿の美女はまだまだ増える!?──後日譚を新たに書下ろした番外篇「第八の天女」を収録した“乱愛シリーズ” の人気傑作!
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-姫割り役──それは、男を識らぬ生娘に対し、優しく性の手解きをしてやる者のことである。 川越領の外れに隠棲する浪人・御崎源三郎も、村人たちの願いで姫割り役を務めていた。ところが、源三郎が閨業を指南したお光が、江戸で行方知れずとなった。 探しに出た源三郎は、彼女が〈地獄屋敷〉に連れ去られたことを知る。屋敷の賭場へ乗り込んだ源三郎は、そこで大身旗本家の恐るべき陰謀と闘うことになった! さらに、乱暴されかかった男装の武家娘を救ったことから、源三郎自身も隠していた重大な過去と対峙することになるのだが……!! 運命の出逢いへ至る〈前日譚〉を書下ろし──番外篇「牝泣き」を新たに収録した大人気“乱愛シリーズ”の極上長編!!
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-岡崎藩五万石の藩士の次男坊・二階堂俊作は、剣には自信があるが、初心(うぶ)で女を識(し)らない童貞であった。 そんな俊作が剣術修業を許されて江戸にやって来たら、お峰という年増女の色香に迷って筆下ろしをされた挙げ句、財布を盗まれてしまう。 しかも、道場への紹介状と国家老が江戸留守居役に託した手紙も奪われていた。 金より大事な物を無くした俊作は、様々な美女たちと愛姦を重ねながら、必死にお峰を捜す。 実は、いつの間にか俊作は、藩を揺るがす江戸家老の陰謀に巻きこまれていたのだ。 果たして、俊作は、凶敵と戦って手紙を取り戻し、御家の安泰を守ることができるのか。 そして、剣術修業ならぬ女体修業の艶な結末は──!? 新たに書下ろし番外篇「妻か妾か」を収録した“乱愛シリーズ”の快作!!
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-本所界隈で〈天狗の旦那〉と評判の元南町奉行所・定町廻り同心、天田久三郎──すらりとした長身、鼻筋の通った男前で、琉球渡りの釵(さい)十手を持つ正義漢、男の道具も立派であった。 ある日久三郎は、大名家の美しい奥女中から「家康公から拝領された家宝の黄金の獅子像が盗み出されたので、探してほしい」と頼まれる。 大目付の検分の日が迫っており、急ぎ取り戻さなければ御家はお取り潰しになるという。 艶福家の久三郎は、奥女中・雪絵、娘岡っ引のお綸、野生の娘・美々の三人を引き連れ捜査を開始。 釵十手と自慢の“肉の凶器”を駆使して、凶盗〈紅蓮組〉や謎の剣客、やくざ一味と闘い、巨悪の正体に迫る! 新たに書下ろし番外篇「裏の裏」を収録した「乱愛シリーズ」の傑作!!
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-時は中国唐朝、第6代皇帝・玄宗の治世。梁恵麗は、徴兵された夫の無事を祈りながら、息子と舅とともに長安で暮らしていた。楊貴妃を超えるとも評されるほどの美貌を持つ恵麗は、ある日、路上で唐の宰相・李林甫の御曹司・李陽修に見染められる。その後、宰相暗殺の嫌疑をかけられた舅が逃走。残された恵麗と息子は、李陽修の好意で宰相家に身を寄せる。恵麗は夫を救うため、息子とともに通力の習得に励む。果して、夫の臨終に立ち会うことはできたものの、夫と会話することも叶わず、悲しみに打ちひしがれるのだった。しかし、恵麗の身にはさらなる危機が迫っていた。敵方の魔道士・斎霊大師との直接対決である。恵麗は無限の力が込められた「藍渓の玉」を胸に、空前絶後の戦いに挑む――。数奇な運命を抗うことなく受け止め、果敢に人生を切り拓く恵麗と、彼女を物心両面から支え、暖かく見守り続ける李陽修との恋愛過程も見逃せないエッセンスとなっている。長編伝奇歴史小説。
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3.3甲賀の忍びあがりの土豪、滝川久助は、里の陰謀で父を失い、兄を殺め出奔。久助は名を一益と改め、諸国を放浪中に織田信長と運命的な出会いをする。一益は、射撃や忍びの腕だけでなく、武将としても力をつけ、信長の寵臣として存在を大きくしていく。天下への道を着々と進んでいく信長だったが、天正十年(一五八二)、家臣・明智光秀の突然の謀反によって斃れてしまう──。一益を頼みとする若き前田慶次郎、伝説の忍者・飛び加藤といった魅力的な脇役も登場。謎多き武将、滝川一益の波乱に満ちた生涯を描く。選考委員が大絶賛した、第九回角川春樹小説賞受賞作。
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3.0【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 戦国時代の争乱が収まって平和となった、開府以来六十余年の江戸。長崎奉行だった父・黒川与兵衛正直の娘である花世は、長崎で蘭方医学を学び、柳庵と呼ばれる治療所を開いていた。そんな市中で、首筋を十字に切られて男が相次いで殺された。警戒を強めるなか、花世の下で働く吉蔵が襲われ傷を負う。背後に切支丹の影が見え隠れし、花世は亡父への想いを秘めながら事件に立ち向かう。江戸市中を不安に陥れようとする、犯人は誰なのか。すべてを見通した花世は、心優しい解決策を提示するのだった。
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-猛将・森三左衛門の三男として美濃・金山城に生をうけた森乱丸。 それは織田信長が天下布武を決意した年のことだった。 やがて才気溢れる若者に成長した乱丸は、天下人を目指す信長の側近くに小姓として侍ることになる。 魔王の覇道を共に歩む近習衆、そして名だたる戦国武将たち。 美しき若武者の目に映じた彼らの姿と心の裡とは……。 主君の大望を果たすため、乱丸は自らの命を賭ける! (宮本昌孝✕火坂雅志「特別対談」を収録) 【目次】 第一章 氷渡り銀狐 第二章 天下布武の子 第三章 初恋 第四章 安土へ 第五章 山百合 第六章 二条御新造 第七章 北国の風雲 第八章 猿の綱渡り 第九章 信長の烈火 第十章 名月相撲 第十一章 龍の玉 第十二章 乱丸、変貌 第十三章 刺客 第十四章 兄弟、揃う 第十五章 母の書状 対談 「格好いい男」を書きたい!
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4.4戦後12年目にシベリア帰還者から遺族に届いた6通の遺書。その背後に驚くべき事実が隠されていた! 大宅賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞に輝いた感動の書。 敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕らわれ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を敬慕する仲間たちの驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかいくぐったものだった。悪名高き強制収容所(ラーゲリ)に屈しなかった男たちのしたたかな知性と人間性を発掘した感動の傑作。第11回講談社ノンフィクション賞(1989年)、第21回大宅壮一ノンフィクション賞(1990年)を受賞。 解説・吉岡忍
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3.3利休切腹事件の真相がいま明かされる! 利休と秀吉、共に頂点を極めた二人の確執の原因は何か? 『信長の棺』に始まる戦国の謎はいよいよ最終章へ。 秀吉が若かりし頃、まだ織田家の足軽大将に過ぎなかった頃、密かに茶の湯の作法を教えてくれた千宗易(利休)。本能寺の変の後、秀吉は天下人となり、宗易は秀吉の庇護の下、茶道界の第一人者として君臨する。だが、二人の蜜月は長くは続かなかった。宗易の茶道と秀吉の茶道への理解は、やがて大きく隔たっていく。 一方で広く大衆に受け入れられるよう質素で親しみやすい「政道としての茶の湯」を、他方では禅の「無」と「静寂」の空間創造を目的とする「悟りの場としての茶の湯」を提唱する宗易。だが、宗易の茶の湯を理解できない秀吉は黄金の茶室や北野大茶会など、宗易の理想とはかけ離れた方向へ茶の湯を変えていく。そして豊臣政権の複雑な政治状況の中、宗易は思わぬ誤算から窮地に陥っていく……。 著者84歳にして書き上げた、圧巻の歴史ミステリー!
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-【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 秀吉による追及の憂き目から、紆余曲折の末復興した茶道家元・表千家。しかし、七代目如心斎の代、相次ぐ悲報が同家を襲う。茶の湯の求道者としての使命感と情熱を礎に、悲しみと困難を次々と乗り越える彼だったが、唯一、家元としてどうしても果たさねばならない難題を抱えていた。それは、いつの代からか行方不明となっている、祖・利休が割腹の間際に遺した辞世の書「利休遺偈」を探し出すことであった。宿願・家宝奪還は、果たしてなるのか―。
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5.0特攻作戦の全貌を綿密な取材と膨大な資料を駆使して明らかにした入魂の大作。 ベストセラー『不死身の特攻兵』の鴻上尚史氏もリスペクトする戦史小説の金字塔! 菊池寛賞受賞。 レイテ決戦に執着する大本営が縋った特攻作戦。 9回出撃しても生還した“不死身の特攻隊員”佐々木友次伍長。 特攻隊を置き去りにして敵前逃亡した冨永軍司令官。 特攻隊は“志願”と一般に思われているが、これは全くの間違いで、本人の意思を無視した強制であった。 「体当り機」は機首に“死の触覚”の起爆剤がついており、爆弾は機体に固着させ、投下装置がなく、体当りをせざるをえないように造られていた。 この非人道的な“棺桶飛行機”の体当り効果のウソをあばく。 (*荒垣秀雄氏の解説は収録していません。)
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4.0陸軍中野学校は何を教えたのか―総数二五〇〇余名、パレンバン落下傘降下、レイテ飛行場強襲の薫空挺隊、沖縄特攻義烈空挺隊、そして、アジア諸国の独立運動支援、最後の和平工作等々。世界のいたるところで任務についた秘密戦の華―一切の名利も地位も求めず、日本の捨て石となった戦士たちの足跡を辿る。
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4.0『野外令』とは、国土防衛作戦に任ずる部隊運用の原理・原則を述べた、各種教範の頂点に位置する。米陸軍のマニュアル「Operations」と旧陸軍の体験と反省を踏まえて「作戦要務令」の一部を取り入れた。その内容は古今東西の戦史・戦例から帰納的に導き出された戦理--つまり戦いの本質を幅広く学ぶための教科書である。
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4.01945年夏、広島県呉の山中で地雷を抱えて戦車に突き進む訓練に従う若者たち。海軍の「陸戦隊」として「本土決戦」に備えていたところ、原爆投下直後の広島へ救援に向かえと命じられる。一方、水上特攻艇マルレの要員を含む陸軍の船舶部隊「暁部隊」も同じく焦土の広島へ。しかし、彼らが被爆した証を立てるまでには長い年月が必要だった――。陸戦隊の元水兵を父に持つ著者。20年にわたって関係者たちの証言に耳を傾け、文献、手紙、ラジオ音源などを読み解いて、あの夏の名もなき兵たちを追う。
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