歴史・時代作品一覧

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  • 柔(上)(電子復刻版)
    -
    明治初めの東京。帝大生の矢野浩は、路上でもみあう深川芸者を助けようとしたが、逆に二人組の職人に足蹴にされる始末。通りかかった小柄な老僧が、いとも簡単に職人たちを投げとばしてしまった。名を愚庵和尚、手練の技は柔。圧倒された矢野は弟子入りを乞うが和尚は許さず、くいさがる矢野に女弟子・妙に相手をさせた。宙を舞うこと六度、悶絶した矢野は、やっと入門を許された。長篇柔道小説。

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  • やわら侍・竜巻誠十郎 五月雨の凶刃(小学館文庫)
    3.5
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 時は享保年間。八代将軍徳川吉宗は大衆の窮状に直接耳を傾ける画期的な政策を実施した。世にいう目安箱である。目安箱を管轄する御用取次の加納久通は、お取り上げにならなかった訴え"難立願"のなかにも看過できない事案が含まれていることに以前から気づいており、頭を悩ませていた。久通は、一度闇に葬られた訴状を秘密裡に調査する「目安箱改め方」の設置を決意。白羽の矢を立てられたのが、竜巻誠十郎という青年である。誠十郎は剣を持たず、想身流柔術を駆使する天涯孤独の侍だった。新・江戸川乱歩賞作家による書き下ろし長編時代小説シリーズ第一弾。
  • やん八弁天
    -
    老中・水野の悪事を暴くため、南町奉行の内命を受け、金座役の手代にもぐりこんだ代二郎は、鳥居耀三の配下の者に付け狙われてしまった。なんとか1軒の小料理屋を見つけ、そこに上がり込むと、そこの女将は……。時代小説の名手の十八番とも言える反鳥居ものの傑作ほか、時には脆い青年剣士、男勝りの町娘など、市井に生きる様々な人々の生き方を多彩に描いた、傑作ばかりの15短編。
  • 楊花の歌
    4.0
    1941年、大阪松島遊廓から逃走して、日本占領下の福建省廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。ヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。しかし、楊から秘密裏に課されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった・・・・・・。戦時下を舞台に流転する女性たちの愛と葛藤を描く、圧巻の熱量を放つ第35回小説すばる新人賞受賞作!
  • 由井正雪 柴錬痛快文庫
    3.0
    天下をとるぞ――。野望を胸に30年、天才軍師・由井正雪は、巧みな弁舌で、槍の名人・丸橋忠弥と語らい、紀州公を抱き込み、5千余の同志を集めた。慶安4年、家光薨去(こうきょ)を好機に、世に溢れた浪人救済を名目に、幕府転覆を謀る……。だが、決行前夜、計画は漏れた。徳川300年で一番の大陰謀、遅れてきた風雲児を描く、柴錬痛快文庫第1弾! 徳川三代を揺るがす大陰謀の首謀者、倒幕の野心に散った反逆児を描く。
  • 結城半蔵事件始末 : 1 不忠者
    3.0
    四人の若い侍に襲われた奥州上関藩の留守居役遠藤頼母は、自らを不忠者と蔑んだ――。遠藤を助けた南町奉行所与力の結城半蔵は、上関藩に燻る内紛の火種を嗅ぎつける。直心陰流の達人結城半蔵が悪を斬る時代小説第一弾。
  • 結城秀康
    4.1
    徳川家康の次男として生まれ、小牧・長久手の合戦のあと、人質同然に豊臣秀吉に養子となり羽柴を名のったのち下総国結城氏に養子に出された秀康。関ヶ原の合戦では関東に残り上杉勢の動きを抑え、戦後越前六十八万国を与えられながらも悲劇が待ち受けていた!

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  • 勇気をくれる日本史 誰も知らない偉人伝
    値引きあり
    5.0
    日英同盟の影の立役者・柴五郎、インドネシア開放の父・柳川宗成、沈み行く船の艦長・佐久間勉、神様になった警察官・増田敬太郎…博多の歴女が、知られざる日本の英雄たちを語る! ※本書は二〇一四年一月に小社より刊行された単行本『日本人の知らない日本がある こころに残る現代史』を改題し、加筆・修正して文庫化したものです。
  • 遊戯神通 伊藤若冲
    3.5
    天才絵師の素顔と技法に迫った長編小説。 若冲没後百年を経た明治37年、セントルイス万博に〈若冲の間〉というパビリオンが出現する。この時〈Jakuchu〉の名を世界に広めたのは誰だったのか? 京都の図案家・神坂雪佳は、若冲の末裔という芸者から〈若冲の妹〉と呼ばれた美しい女性の話を聞く。  宝暦13(1763)年、京都錦の青物問屋〈枡源〉に、一人の少女がやってきた。主の若冲が飼う鶏や、珍しい鳥、美しい毒草などの世話をするために。美以という名の少女の体からは不思議な芳香が漂っていた。その匂いに、若冲はかつての異国の女の面影を重ね合わせながらも、美以を自分の弟に嫁として与えてしまう。若冲を慕う美以は、以後〈若冲の妹〉として思いを秘めたまま生きていくことになる。  『動植綵絵』の完成間際に、錦市場を揺るがす事件が起こり、弟が謎の死を遂げる。彼は本当は若冲の何だったのだろうか。さらに天明の大火による被災……だが、若冲が本来の絵師として蘇生するのはそれからだ。そして、いつも傍らには〈妹〉の姿があった。  心の中の〈奇〉を描かずにはいられなかった絵師、若冲。時空を超え魅了し続けるその素顔と秘密に、江戸と明治の二つの時代軸で迫った長編小説。 ※この作品は過去に単行本版として配信した『遊戯神通 伊藤若冲』の文庫版です。
  • 幽剣抄
    4.0
    「私を成仏させてください」浪人中の榊原久馬の家にいる美しい幽霊・小夜は辻斬りの五人目の犠牲者だった。自分の仇を討ってくれと家に現れた彼女は、久馬の母とも意気投合し、彼の身の回りの世話もするようになる。だが、小夜は怨みを捨てず、仇を討たねば、榊原一族を呪い殺すという。(「影女房」より)剣に生き、剣に魅せられた下級武士の悲哀を描いた著者、新境地の傑作時代怪異譚。
  • 腹切り同心 幽剣抄
    -
    「いつでも腹を切る覚悟は出来ている」そう豪語していた同僚・大熊五郎太が本当に腹を切ってしまった。しかも他人の家で、刀を腹に刺したまま、くつろぎ、茶を飲んでいる。切腹の原因である女を連れてこなければ、妻と子に祟るという。大熊の望みをかなえるべく奔走する響新左衛門だった。表題作ほか「湯治宿」「走る俊輔」「悪い芽」「家老舞う」「帰宅」「憑かれた男」「違和感」「うどん」を収録。藩のため剣のため、すべてを捨てて生きる武士の姿を悲哀とユーモアで綴った傑作時代小説集。
  • 追跡者 幽剣抄
    3.0
    幼い頃に両親が死んだため、江戸を離れ、飲み屋を営む伯父のもとに引き取られたお妙。17歳になり、伯父の店で看板娘として働いていたお妙は、店にやってきた浪人の大鳥譲也に惹かれるようになる。だが、ある夜、大鳥はすでに死んでいると、大鳥の過去を知る男に聞かされる(「飲み屋の客」)。ほかに「童子物語」「逢魔ヶとき」「介護鬼」「背後の男女」「夜の使者」「妖剣」「坂の上の死体」「追いかける」を収録。誇りという名のしがらみに追い詰められた下級武士の哀しみを描いた珠玉の時代小説怪異譚。
  • 妻の背中の男 幽剣抄
    5.0
    九鬼原の美しき妻・知也の背に浮かび上がった30半ばの脂ぎった男の顔。それはかつて、知也に求愛していた千田君平のものだった。千田は、何者かに襲われ命を落とし、その後、知也の背中にとりついたのである。なんとか千田を成仏させようとする九鬼原だったが――。表題作ほか「鯛の顔」「うるさ方」「覗く」「生ける死者」「夜の番所」「からくり進之丞」「蜃気楼」「僕の世界」「元服宣言」「戦さ人」を収録。藩のため、家のため、剣のためすべてを失った下級武士たちの姿を悲哀とユーモアで綴った時代小説怪異譚。
  • 憂国の海戦譜 真珠湾炎上
    -
    真珠湾攻撃の成功にわく機動部隊に、第1次攻撃隊隊長、淵田美津雄中佐からの報せが届く。「真珠湾 第二次攻撃ノ要アリト認ム」。果たして機動部隊を率いる南雲忠一中将の決断はいかに!? 第13回歴史群像大賞奨励賞受賞の本格的大戦シミュレーション。

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  • 幽四郎仇討ち帖
    -
    鈴鹿藩江戸上屋敷に二つの早桶が担ぎ込まれた。一つは公金横領の罪を着せられ脱藩した松方伝四郎、もう一つは彼の許婚で、自害した三千代であった。…と、片方の棺の蓋が開いて、ゾロリとした着流しの男が立ち上がった。「幽霊の幽四郎」が伝四郎の仇を討たんと甦ったのだ!

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  • 有事 台湾海峡
    4.3
    大陸に接した台湾領=金門・馬祖諸島―― 中国動く! そのとき、日本は!?  重要影響事態⇒存立危機事態⇒武力攻撃事態!  新安保法制下、戦火は回避できるのか?  元幹部自衛官の著者が放つ超リアル軍事サスペンス最新傑作!  202X年春、中国国家主席が「金門・馬祖は中国の安全保障上の脅威」と発言、対岸に戦力を集結させ始めた――! 防衛担当内閣官房参与の蓮田は、君田首相から衆院の解散について意見を求められた。 アメリカ大統領選の今年、解散が重なれば、日米の政治的空白を突いて、中国が軍事行動に出る可能性を懸念するも、君田は解散を断行。はたして中国はそれを好機と動き出したのだ。 大陸に最短で数キロに接する金門・馬祖諸島は、第二次大戦後、台湾領として死守され、以降、複数回の交戦を経て、現在は緊張緩和が図られていた。だが、邦人救出に向かった空自機と中国軍戦闘機との接触事案が発生する。 首相と蓮田らは、新たに整備された平和安全法制に基づき、重要影響事態、存立危機事態、そして武力攻撃事態の対応を協議。事態は刻々と緊迫の度を増し、一触即発の危機が迫っていた――。
  • 友情無限
    -
    「君は兵を挙げよ、我財を挙げて支援す」 現代の貨幣価値にして、じつに数百億円。黎明期の映画ビジネスで巨万の富を作り上げ、一切の見返りを求めることなく、その生涯をかけて「中国革命の父」に資金を提供し続けた日本人がいた!  その男の名は、梅屋庄吉。明治維新後のアジアを新天地に、犬養毅、大隈重信、宮崎滔天といった傑物たちからも愛された日本男児が、革命家・孫文に托した大いなる夢とは。中国と日本との間で交わされた壮大なる盟約と友情の行方を描く、著者渾身の大河小説。
  • 夕立太平記
    4.0
    行け! 勘五郎、父の敵討ちに。無住心剣流の達人・大河原源三郎を追い、ついに劇的な対決を迎える! 面白さ抜群の会心作ーー甲斐の山奥に住み、父の手で鍛えられた若き勘五郎。ある日、父が惨殺された。なぜ? 下手人は? ……左手首はないが魔剣をふるう大河原源三郎と見定め、敵討ちに江戸へ旅立つ。途中で、松江藩の駻馬(かんば)・夕立を鎮め、「夕立勘五郎」の勇名をはせる。そして、藩主の厚情を得て、剣鬼を追い、松江へ……。胸のすく爽快な活劇を描く時代小説。
  • 誘導弾戦艦・大和
    3.0
    南進を捨て、北進を選んだ日本軍は、ソ連に侵攻。一方ドイツは、イギリスを占領する。ついに米艦隊は、カムチャッカ沖にて日本艦隊と開戦。日本軍はアッツ・キスカ島を攻略し、米艦隊を撃滅すべく、最強戦艦「大和」を前代未聞の戦艦に改造した。

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  • 勇のこと 坂本龍馬、西郷隆盛が示した変革期の生き方
    -
    改革も闘争の創造も、最後は勇気があるかないか、この1点が勝負を決める。幕末の混乱期に、類(たぐい)まれなる勇気を持って時代を切りひらいた、坂本龍馬と西郷隆盛。この2人の勇気の源とは? 歴史小説家・津本陽が資料を駆使し分析。どん底の日本を変えるために何が必要か。龍馬や西郷の生きかたに答えがある!
  • 孤剣 勇之助世直し始末
    -
    天保十一年、江戸の風紀は乱れに乱れ、とくに堕落した幕府役人の間では、賄賂や不正がはびこっていた。幕臣の腐敗に業を煮やした目付・鳥居耀蔵は、使い捨てにできる若い侍を探し、きたるべき政治改革に向けて、極秘の計画を進める…。深川の岡場所をうろつく中川勇之助は、小人目付中川家の三男。いわゆる部屋住の身分である。将来に希望が持てず、自暴自棄となっていた勇之助は、深川で思わぬ刃傷沙汰に巻きこまれた。やくざとの喧嘩に負け、切腹さえも覚悟した勇之助の前に、実戦剣術の荒武者と、鳥居耀蔵の姪、お凛が現れる…。必殺の剣法を身につけた勇之助が、卑劣な役人どもを成敗する。
  • 夕映え 新装版
    3.0
    江戸の本所で「福助」という縄暖簾の見世を営む女将のおあきと弘蔵夫婦。心配の種は、武士に憧れ、職の落ち着かない息子、良助のことだった…。ついに、良助は上野の彰義隊の一員として上野の戦に加わるという。無事を祈るおあきたちだったが……。幕末の世、市井に生きる人情と人生を描いた長編時代小説が新装版にて登場!
  • 凧あがれ 結実の産婆みならい帖
    4.0
    慶応3年夏、倒幕軍が攻めてくるといううわさでもちきりの江戸。治安が悪化し、夜中のお産に駆けつけることも難しくなっていたとき、かつて手習いで一緒だったくらが火事で仕事を失い、身重となって一人、長屋で暮らしていると知った結実は……。
  • 幽霊が返した借金 おでん屋こはる事件帖
    3.0
    時は天保年間の江戸・神田白壁町。おでん屋を営む主人公のこはるは、気になることがあると、首をつっこまずにはいられない性分である。ひょんなことから近所に住む夫婦喧嘩の仲裁をしていたところ、奇妙な事件に巻き込まれてしまうこはる。不思議なことに、借金を返したのは、すでに死んでいた女だというのである。そんなことがあり得るのか? 断片的な材料から、こはるが導き出した謎の答えとは――。表題作のほか、できすぎた女の失踪に隠された真実をあぶりだす「神隠し」、放火未遂に対する証言の違いの謎を解く「嘘吐き弥次郎」など四編を収録。定町廻り同心もお手上げの怪事件の数々に、こはるが挑む“人情&ミステリー”時代小説。

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  • 幽霊の涙―お鳥見女房―
    4.0
    家督とお鳥見役を継いだ珠世の長男、久太郎に密命が下る。かつて父と夫も務め、二人のこころと家族に深い傷を残した、あの陰働き。他国の不穏な動きを探るうち、久太郎は行方知れずに。留守を預かる珠世と嫁の恵以は不安が募る。そんな矢島家をあの世から心配したのか、一回忌を迎える久右衛門の幽霊がさまよっているという。家族の情愛の深さと強さを謳う、大好評シリーズ第六弾。
  • 遊歴算家・山口和「奥の細道」をゆく
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    中国から輸入された数学的知識は、江戸時代には「和算」として大きく花開き、後期になるとその愛好者は、地方や庶民層にまで及んだ。その牽引車となったのが、旅をしながら数学を教えた遊歴算家だった。当時の主流、関流の実力者・山口和が遺した遊歴の記録『道中日記』をもとに、数学の魅力や愛好者たちの思い、さらに歌枕を訪ねた芭蕉との共感まで含めて、主人公の人間的成長を生き生きと描いた和算時代小説。文庫オリジナル。
  • 歪められた偽りの戦史を糺す 終戦3日後の占守島の戦闘
    -
    「占守島の戦闘は、自衛戦争などではなかった」太平洋戦争敗戦3日後の8月18日、千島列島北東端・占守島にソ連軍が侵攻、激戦の末に敗れたが、これは日本軍が北海道を守った自衛戦争であるとメディアは喧伝してきた。しかし、それに疑問を持った著者は各資料、書籍にあたり、必要のない無駄な戦いであったことがわかった。占守島の戦闘に父を奪われた遺児の鎮魂の思いを込めた著作。
  • 『雪風ハ沈マズ』強運駆逐艦 栄光の生涯 新装解説版
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    「この艦は沈まん! わしが艦長をしとるからじゃ」──豪傑艦長の下、艦と乗員が一体となって戦い、同型38隻中、ただ1隻、終戦まで生き残った武勲艦の不屈の戦闘記録。〈解説/片桐大自〉
  • 雪に咲く
    4.0
    今一番楽しみなのは村木嵐だ――と葉室麟に言わしめた作家による骨太な歴史小説。江戸に幕府が開かれて五十年余り。後に越後高田藩筆頭家老になる小栗美作は、大地震の後処理で手腕を発揮し、藩主・松平光長の信頼を勝ち取る。しかし光長の嫡子が亡くなると藩内は真っ二つに割れ、御家騒動へと発展。美作は否応なく、その渦に巻き込まれていく。そんな高田藩を取り潰そうと幕府は虎視眈々と機会を窺っていた。逃げず、媚びず、諦めず――藩を守るため、次々に襲いかかる難題と懸命に戦った男の生涯を感動的に描く歴史長篇。伊達騒動を描いた『樅ノ木は残った』を彷彿とさせる力作。

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  • 雪に花散る奥州路
    -
    股旅小説ブームの先駆をなした笹沢左保の時代小説。その街道シリーズから四作を収めた。「雪に花散る奥州路」の二本桐の武吉、「狂女が唄う信州路」の抜かずの丈八、「木ッ端が燃えた上州路」の三下の勢五郎、「峠に哭いた甲州路」の天神の新十郎。昔の街道を舞台に、いずれも個性豊かでニヒルな渡世人を主人公にして、推理的手法を駆使して物語を展開、非情な男の世界を描く。時代小説界に旋風をまき起こした「笹沢股旅もの」の真骨頂がもっともよく現れている……。
  • 雪に舞う剣
    3.5
    激しく揺れた幕末・日本。明治という夜明けに向かって、若者たちは命をかけて立ち上がる。高杉晋作ら歴史に名を残す人物から、討ち死にし忘れ去られた数多くの武士、愛する人と刃を交えなければならなかった娘まで……。維新期の日本を生きた人々を、その心の葛藤までも見事に描いた、感動の歴史小説集。幕末を生きた武士たちの、真の姿が明らかに!
  • 雪の朝
    -
    日米通商条約締結による違勅の罪、安政の大獄による水戸浪士の暗躍――。死の翳りのただよう中で、大老井伊直弼の脳裏をよぎるもの、それは束の間の愛に燃えた、たか女の面影だった……。庶流から身を起こし、経倫の才をかわれ幕府の最高権力者となった直弼の、若き日の彦根藩主時代の悲恋を描く表題作ほか、香気あふれる珠玉作四編を収録。
  • 雪之丞変化(上)
    -
    大正末期から昭和初頭にかけて、大衆文壇における奇才・三上於菟吉の名声は素晴らしかった。本篇は、その三上が昭和九―十年に発表した、彼の代表作。主人公は、美貌の女形、雪之丞。自家を壊滅させ父母を窮死させた五人の敵に対して、雪之丞が次々と復讐をなしとげていく凄絶な物語で、甘美な歌舞伎の世界を背景に、侠盗や女賊や将軍の寵姫などを縦横に活躍させて、興味つきない。
  • 雪之丞変化(上)
    -
    あで姿で大江戸の人気をさらう上方芝居の若手女形・雪之丞の胸には、重大な決意が秘められていた。豪商だった父と母を奸計で破滅させ、無残な死へ追い込んだ長崎奉行と輩下の商人たちが、いま江戸で権勢を振るっている。親の仇、恥知らずの悪人どもを許すことはできない! 免許皆伝の腕を美貌に隠し、雪之丞は侠賊・闇太郎とともに復讐の時を窺う。絢爛たる設定、手に汗握る展開、これぞ大衆小説の粋!
  • 雪の峠
    -
    山間の旅籠「亀屋」に奉公するおりんは、いつも夢を見ている。いつかこの山奥を抜け出して江戸にいってみたいと思っている。ある日、ひとりの侍が旅籠にやってくる。その男は夜伽をするおりんの体には触れず去っていく。やがて二年が過ぎた冬のこと、その侍が再び旅籠に現れる。侍はおりんに自分を訪ねてくる者があっても、自分のことは知らせるなと念を押す。不思議に思ったおりんだったが、その晩宿改めの役人がやって来て、侍を捕らえようとするが……
  • 雪の果て―人情江戸彩時記―
    4.0
    貞次郎の想い人、弥生は心ならずも目付神崎に嫁いだ。貞次郎は奸計に遭って、神崎の腕を斬り脱藩。江戸での潜伏の日々、神崎の参府と弥生の出奔を知り……(「雪の果て」)。餅菓子を売りながら女手ひとつで幼子を育てるおみさの前に、父親になるはずの男が五年ぶりに現れたのだが、幕吏に追われる身となっていた(「梅香餅」)。女たちのはかなくも強靱な愛の姿を炙り出す傑作人情譚四編。
  • 雪の花
    4.1
    数年ごとに大流行して多くの人命を奪う天然痘。それに絶対確実な予防法が異国から伝わったと知った福井藩の町医・笠原良策は、私財をなげうち生命を賭して種痘の苗を福井に持ち込んだ。しかし天然痘の膿を身体に植え込むなどということに庶民は激しい恐怖心をいだき、藩医の妨害もあっていっこうに広まらなかった……。狂人とさげすまれながら天然痘と闘った一町医の感動の生涯。

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  • 雪の夜のあと 慶次郎縁側日記
    4.0
    元南町奉行所同心の隠居・森口慶次郎の前に、かつて愛娘を暴行・自害に追い込んだ憎き常蔵が名前を変えて、再び現れる。常蔵の悪行を止めようとする娘、翻弄される女たち。江戸裏長屋を舞台に、男の怨念と赦(ゆる)し、人生の哀歓を描いた傑作長編。
  • 雪姫もののけ伝々
    -
    江戸に隠れ住む雪女の末裔。人の腹の中から黄金の玉が!? 南部藩の片田舎(現在の遠野近辺)で出会った貧しい百姓と美しい雪女の娘・雪乃は、霊力を色濃く持っ てはいるが、人の血が入っているため能力で人を殺めることはできない。骨董屋「鈴屋」の雪乃が小さい頃 から守り育ててきたもののけ達とともに事件を解決する、雪女の冒険譚。

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  • 雪舞い―橋廻り同心・平七郎控
    4.5
    雲母(きらず)橋―叶わぬ恋と一度はあきらめた男と再会した女。千鳥橋―我が娘の幸せを、陰から見守る男が零す一筋の涙。思案橋―いがみあう兄弟が掴んだ家族の絆…。江戸府内を預かる北町奉行所の橋廻り同心・立花平七郎の人情裁きが冴えわたる!好評第三弾。

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  • 幸村
    -
    流星の陣――「己という樹に花を咲かせる道」を選んだ真田幸村は、父・昌幸と練り上げた必殺の陣形を胸に秘めていた。徳川との来るべき戦いに向け、長宗我部盛親、塙団右衛門、明石全登らを味方に引き入れる幸村。さらに希代の忍者・猿飛佐助、真田忍び衆を束ねる霧隠才蔵、怪力の海野小平太、幸村の影武者を務める禰津小六、弁舌に長けた望月善太夫に加え、関ヶ原で死んだはずの島左近……。真田丸の激闘から大坂夏の陣へ。彼らを従えた幸村“最後の戦い”の幕が上がる!
  • 幸村軍戦記 1 上 徳川家康の宿敵
    5.0
    関ヶ原の戦に勝利した徳川家康は、秀頼を主君と仰ぐ豊臣家を潰滅すべく、最後の戦いを始めようとしていた。 家康の真意を知り、己の過ちに気づいた福島正則は、九度山に蟄居している真田昌幸、幸村を軍師として大坂城に迎えるべく、命を賭けて奔走する。九度山から脱出することに成功した真田父子は、豊臣家と秀頼を救うために、家康に挑戦状を叩きつけた。 【目次】 序 章 徳川家康の宿敵 第一章 真田父子の脱出 第二章 真田軍大坂入城 第三章 直江兼続の決断 【著者プロフィール】 津野田 幸作(つのだ こうさく) 1939年、東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、某大学付属病院で集中治療を専門とする。現在は財団法人救急振興財団・救急救命東京研修所で特別講師を務める。その間、歴史分野において精力的に執筆活動を行う。『戦国大乱』で第7回歴史群像大賞奨励賞受賞。主な著書に『戦国の龍虎1~2』(徳間書店)、『真田軍戦記』『戦国の嵐』『戦国の勇者』『戦国の軍神』(学研パブリッシング)他、多数ある。
  • 幸村大戦記1 逆襲の関ヶ原
    3.0
    慶長五年九月、真田幸村は関ヶ原の地にいた。徳川秀忠軍よりも早く上田を立ち、関ヶ原の大戦に参陣したのだ。大谷吉継の陣に身を寄せた幸村は、勇将立花宗茂と共に、劣勢だった西軍の戦況を次々に逆転していく。今幸村の軍略が花開き、関ヶ原の戦が一変する!

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  • 幸村大軍略記 一 昌幸の謀殺
    -
    天正一三(一五八五)年秋、信州の雄・真田昌幸が、徳川家康によって謀殺された。嫡子・信之は、真田家存続のため家康に膝を屈するが、次男信繁はそれを潔しとせず出奔。名を「幸村」と変え、徒手空拳の身ながら、持ち前の天才的軍略で家康に牙をむく!

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  • 幸村のむすめ
    -
    伊達藩の白石城主 片倉家16代当主・片倉重信氏、推薦!! 片倉小十郎の家系に隠された真実の歴史。 この小説には「如何に生き残るか、命をかけた本当の戦い」が描かれている。 日本一の兵と呼ばれる父の娘に生まれた少女・阿梅の力強い命の輝きと、 戦中戦後を生きぬいた人びとを描いた感動の時代小説。 真田幸村のむすめ阿梅は、父の敵将であった伊達家の重臣、片倉家に養われる身となった。 12歳の少女は異郷の地でおのれ一人の力を頼りに、周囲の信頼を得て確乎たる地歩を固めていく。 さらに4歳の弟大八が残党狩りの嵐の中を落ちのびてくる。 露見すれば伊達家をも揺るがす重大事。彼の命はいかに護られたか。 匿うことを決断した伊達政宗。周到な布石を置いた片倉小十郎景綱。 勇猛果敢にして熱情の小十郎重綱。片倉領の産業に力を尽くす重綱の正室お方さま。 激動の時代に生きた命の群像。

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  • 行きゆきて峠あり(上)
    5.0
    江戸昌平黌の卒業試験に落ちた榎本釜次郎は、彼を見込む箱館奉公・堀織部正に随って北海道を知り、また長崎で海軍の技術を習得する。オランダ留学も果たし海軍副総裁となった榎本だったが、倒幕の流れは洋々たる前途を一気に押し流す。「男」を描いて定評ある著者が辿る幕末の異才・榎本武揚の運命。
  • 雪渡の黒つぐみ
    3.0
    【第18回小説現代長編新人賞受賞作】 「一読して、抜きんでている印象を受けました」(中島京子) 「エンターテインメントのツボをきちんとおさえた力作」(薬丸岳) 「物語が進むにつれて状況が二転三転し、先が気になって仕方がない」(塩田武士) ――選考委員、大絶賛! 日本文学史上、最も「優しくて強い」武器を持つ忍びがおくる、驚愕必至の時代・エンターテインメント! 「この忍者、手裏剣も吹き矢も使わない!?」 伴天連教迫害が進む1625年。 東北では過激な新興宗教・大眼宗の台頭に、隣国との領地争いと、いくつもの火種が燻っていた。 南部藩の若き忍者・景信は、この世でただ一人の“声色使い”。 どんな声も完璧に真似できる唯一無二の喉を使えば、 無数の敵も指一本触れず制圧することができる。 隣国・伊達藩の動向を探る命を受け、諜報活動に挑む景信が目にしたのは 信仰にすがる声なき人々と、闇に身を潜める邪教の黒い陰謀。 背負わされた十字架、お上の掌返し、見ぬふりをされる人々の思い。 いま、この時代にこそ突き刺さる、驚愕の時代エンターテインメント!
  • ゆけ、おりょう
    3.6
    「世話のやける弟」がいつしか時代の英雄になってしまった――。 坂本龍馬の妻・おりょうの目を通して描かれる、幕末の名場面! 幕末の京都で出会った「世話のやける弟」のような男・坂本龍馬と結婚したおりょうは、夫を呼び捨てにし、酒を浴びるほど飲み、勝海舟にも食ってかかる「妻らしからぬ」振る舞いで周囲をへきえきさせる。 ついには龍馬の周囲から、「龍馬のために離婚してください」とまで迫られる始末。 しかしおりょうは、寺田屋で間一髪龍馬の命を救い、日本で初のハネムーンを敢行。 薩摩へ、軍艦に乗って長崎へ、馬関へ――。 激動の世の中を楽しげに泳ぐうち、いつしか薩長同盟・版籍奉還の立て役者として時代の英雄になってゆく夫。 そして、龍馬亡きあとの20年を彼女はどう生きたのか。 型にはまらない生き生きとした夫婦の姿、意地っ張りで責任感が強く、龍馬に惚れながらも自立した魂が輝く「門井版おりょう」。 現代の女性に響く物語! 解説・小日向えり(歴女) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 弓削道鏡
    -
    河内国弓削ノ邑に住む貧しい鷹の羽取りの青年・道鏡は、馬の化身かと疑われるほどの肉体のために、村の娘にも相手にされなかった。弟の浄人が恋人を抱くのを垣間見るにつけ、道鏡は懊悩した。そして憤りは野心に変った。彼は家を出奔した。都大路で若く美しい皇女のお姿を拝した。思えば、後に女帝の御寵愛を一身に集め、空前絶後の権勢をふるった怪僧・道鏡の第一歩はここにあった。
  • 湯島坂下狂騒記 煮売屋の入り婿
    値引きあり
    -
    貧乏御家人の長四郎は、父親の借金のかたに湯島の煮売り屋へ養子に入る。店の娘・いねは下馬酒屋の源七を好いていたが、その源七と長四郎や香具師の三州は呑み仲間。商売繁盛を狙った三州の仕掛けが大当りで、わんさと客が集まってきたのだが…。

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  • 柚子の花咲く
    3.9
    少年時代に梶与五郎の薫陶を受けた筒井恭平は、与五郎が隣藩で殺害された事実を知り、真実を突き止めるため鵜ノ島藩に潜入するが――。人を愛すること、人が成長するということなど、人間にとって大事なものを教えてくれる感動の長編時代小説。

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  • 夕立ち―橋廻り同心・平七郎控
    4.0
    新大橋――男に裏切られた女を包む涙雨、赤羽橋――水面を舞う初蛍に母の面影が、今川橋――愛するがゆえに姿を消した男の決意…。涙橋、情け橋、面影橋――悲喜こもごもの人生模様が交差する江戸の橋を預かる、北町奉行所橋廻り同心が情をもって剣をふるう。人情裁き、橋づくし物語。
  • ユダヤ戦記1
    3.7
    紀元66‐70年、パレスチナのユダヤ人たちはローマ帝国と戦った。だが、彼らにとってこの戦争の結末ほど悲劇的なものはなかった。聖性が宿ると信じられた都エルサレムと神殿を失ったにもかかわらず、彼らの神は沈黙したままだったからである。神の沈黙は彼らに神の再解釈を迫り、以後、ユダヤ人たちの運命は大きく変わった。2000年にわたる流浪の始まりとなったのだ。この戦争を克明に記録した本書は、古代キリスト教以来、現代に至るまで西欧社会の必読書であり、イエスの神性を保証するプルーフテクストとして機能してきた。第1巻は、アサモナイオス王朝の盛衰から開戦前夜までを収録。
  • 湯の道よ永久に岩間温泉物語
    -
    崖を超えてやっとたどり着ける山奥の秘境に高温の温泉が豊富に湧き出ていました。廃れ行く地域を観光で盛り立てるために、私費を投じて、全く道のなかった切り立った山肌に道を切り開き、その温泉を日本で最長級の10キロもの配湯管で引き出すことを成し遂げた一人の破天荒な男の物語です。当時の写真も含め、223枚もの写真を掲載した異色のノンフィクションストーリーです。
  • 湯船
    NEW
    -
    明暦の大火で灰燼に帰した江戸―― 焼け出された人々に、癒しの湯をとどけたい! すべてを失った湯屋の娘ぎん。自らの再生と町の復興のため、舟で江戸じゅうをめぐる! 人情の“ぬくもり”が胸に沁みる時代小説。 舟に、生きる希望をのせて漕ぐ―― 所は神田駿河台・上柳原の寿々喜湯。江戸では珍しい湯女を置かぬ湯屋だが、良質な湧水と絶妙な湯加減で、多くの町人に親しまれていた。 跡継ぎの娘ぎんは、父・儀兵衛と折り合いが悪く、孤独を抱えながらも懸命に働いていた。しかし明暦三年(一六五七)一月十八日、本郷丸山から広がった猛火はあっという間に駿河台を呑み込み、江戸の大半を焼き尽くした。 家族と湯屋、無二の友を失くして絶望の淵に立つぎんは、偶然出会った羽州浪人・茅島の力添えで、寿々喜湯の再建を決意。さらには江戸じゅうの人々を湯で癒すために前代未聞の策に出る……。
  • 湯船の姉弟 湯船屋船頭辰之助
    4.0
    めっぽう前向き、女は苦手、腕は自慢の喧嘩流。湯船の船頭・辰之助が、華のお江戸をかき回す! ――隅田川でもひときわ目を引く屋形船の船頭・辰之助は、喧嘩流の腕も名高い大男。元義理の姉・志乃を湯女とし、移動式銭湯「湯船」を商う。志乃には、実は不思議な能力があり、背中に血のような赤い染みを見た者が、必ず数日中に死んでしまうという。江戸の町狭しと辰之助が暴れる時代小説新シリーズ!〈文庫書下ろし〉
  • 夢あかり 人情料理わん屋
    4.0
    順風満帆なわん屋に 舞い込んだ摩訶不思議な物語 世の中が円くおさまるようにと、全ての料理を円い器に盛って出す「わ ん屋」。跡取り息子の誕生、縁を取り持った娘の嫁入りと、順風満帆。そ こへ、同心が妙な話を持ちこんでくる。江戸を騒がせている盗賊を追う ため足跡をたどると、寂しい感じの小料理屋に辿りついた。悪事に関わ りはないようだが、何か秘密が……。書き下ろし江戸人情物語。
  • 夢売り童子陰陽譚
    -
    平安末期。荒廃する京の都。鴨川の東に、人々の望み恨みを夢にして売る少年がいた。その夢は、少年の呪術によって正夢となるのだ。だが、元服の年になろうという少年自身の夢は、いまだかなえられていない。祖霊の地を京の貴族に奪われた怒りと、不可解なたぎる情念をかかえた少年を見守るのは、養母と大宰府から帰った若き陰陽師。闇に向かって走りだした童子の前途に現れるものは何か……。平安末期を舞台にした歴史ファンタジー小説。 ●日向真幸来(ひるが・まさき) 作家。3月10日生まれ、うお座のO型。名古屋市在住。『夢売り童子陰陽譚』にて朝日ソノラマ新人賞佳作受賞。著書に『神殺しの丘』『春に来る鬼』など。歴史、民俗学系を好む。競馬はオグリキャップ時代からのファン。
  • 夢駆ける草莽の志士、伊牟田尚平
    -
    薩摩藩の名君、島津斉彬亡き後、その志を継ぎ、維新回天の想いを胸に、暗躍する一人の男がいた。その男の名は、伊牟田尚平。 清河八郎らと倒幕集団「虎尾の会」を首謀し、父から授けられた忍術を武器に、弱腰の江戸幕府と日本国の尊厳を踏みにじる西洋列強に敢然と立ち向かった若き志士の軌跡を追う。 大久保利通、西郷隆盛、小松帯刀ら時代の寵児を影で操った男の正体が、今明らかになる。 「奪い合う近代文化から、与え合う太陽文化へ。 こんな夢に向かって駆け抜けた、西郷隆盛、伊牟田尚平、清河八郎――。 自らの犠牲を省みず、世の中のために命を賭けた志士たち。彼らの生き様を、現代を生きる若者はどのように読むのでしょうか」(筆者談)

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  • 夢暦 長崎奉行
    -
    文化九年。遠山金四郎の父・景晋(かげみち)は長崎奉行を命じられた。鎖国の世にあって阿蘭陀(オランダ)、清(しん)と交易する長崎は、抜け荷(密貿易)横行の地でもある。その根絶こそが景晋の責務であったが……。首謀者のひとり、水野忠成(みずのただあきら)は事件の発覚をおそれ、遠山父子に奸計(かんけい)を仕掛ける! さらに物語は、擬装船二隻の入港という大事件へと展開……。圧倒的スケールの大型時代小説!
  • 夢介千両みやげ 完全版 上下合本版
    -
    痛快娯楽時代劇として宝塚歌劇団雪組により舞台化された古典名作! 大枚千両を使い江戸で道楽修業してこい。小田原の豪農である父親から途方もない宿題を与えられ、若き夢介は旅立った。力は強いが底抜けのお人好し。懐中を狙った名うての美女道中師・お銀も、そのとぼけた温かさに、いつしかベタぼれに。よき女房になろうと、ともに江戸に入ったまではよかったが……。 おおらかなヒーロー夢介に女スリお銀がほれ込んだ。戦後日本の心を潤した山手樹一郎の代表作! 上下巻合本版
  • 夢介千両みやげ 完全版(上)
    3.0
    宝塚歌劇 雪組公演 原作! 宝塚大劇場 2022年3月19日(土)~4月18日(月) 東京宝塚劇場 2022年5月7日(土)~6月12日(日) 主演:彩風咲奈、朝月希和 痛快娯楽時代劇として宝塚歌劇で舞台化! 大枚千両を使い江戸で道楽してこい。小田原の豪農である父親から途方もない宿題を与えられ、若き夢介は旅立った。図体は大きいが底抜けのお人好し。懐中を狙った名うての美女道中師・お銀も、そのとぼけた温かさに、いつしかベタ惚れに。前非を悔い、よき女房になろうと、ともに江戸に入ったのはよかったが……。明朗木訥なヒーローの善意あふれる言動を描き、戦後日本の心を潤した大衆小説の代表的傑作!
  • 夢草紙人情おかんヶ茶屋
    3.3
    四十路半ばとは思えぬ嫋やかな美しさを備える女将・お蝠が営む『おかんヶ茶屋』に出てくる惣菜は、ごく普通の家庭料理だが、豊潤で心を和ませるあたたかい味だ。人は癒やしを求めこの茶屋に集まってくる。そんな中、欽哉が人足寄場から戻ってくることに。みんなに温かく迎えられ、歓迎会ではお蝠の惣菜を口にし、うめぇ、うめぇと涙をこぼす。欽哉は火消し人として精を上げることを決めるも、食事もせずに引きこもってしまった。欽哉の想いとは?
  • 夢燈籠-野望の満州
    値引きあり
    4.2
    歴史小説の第一人者が描く、明治男の一代記。関東大震災、二二六事件、満州国。激動の時代を背景にした傑作大河小説、第一部、開幕!
  • 夢と承知で(下)~鼠小僧と遠山金四郎~
    -
    江戸へ出没した残忍なやり口で商家を襲う葵小僧。対抗策に窮した金四郎は、かねて面識のある千葉周作、間宮林蔵、安藤広重、柳亭種彦、渡辺崋山、高島秋帆、大塩平八郎、大原幽学ら八名を集め、将軍暗殺を阻止する策を練った。しかし中の一人がニセ者だという疑惑が……。襲撃が予想される、将軍の増上寺参詣の日が迫る! 推理小説の手法を駆使した傑作時代小説。
  • 夢と承知で(上・下合冊版)~鼠小僧と遠山金四郎~
    -
    将軍暗殺計画探索の密命を受けた若き日の遠山金四郎は、怪盗・鼠小僧次郎吉を相棒に選んだ。だが徳川家に恨みをもつ盗賊・葵小僧はこれみよがしの残忍凶暴な犯罪をくり返した。対抗策に窮した金四郎は、千葉周作らを集め、将軍暗殺を阻止する策を練ったが……。襲撃が予想される、将軍の増上寺参詣の日が迫る!
  • 夢と承知で(上)~鼠小僧と遠山金四郎~
    -
    将軍徳川家に恨みをもつ盗賊・葵小僧と元池田、鍋島、尾張家の浪人たちは、十一代家斉(いえなり)の暗殺を企んでいた。探索の密命を受けた若き日の遠山金四郎は、怪盗・鼠小僧次郎吉を相棒に選んだ。ニヒルな次郎吉に、天下一の男になれる生き甲斐のある仕事を。しかし懸命の追跡もむなしく、葵小僧はこれみよがしの残忍凶暴な犯罪をくり返した。傑作時代推理小説。
  • 遊女のあと
    3.6
    八代将軍・吉宗の時代、質素倹約を強いる幕府に対抗して、尾張名古屋は遊興を奨励し、空前の繁栄を見せていた。異人との出会いから、夫をすて福岡を出たこなぎと、女敵討ちのために江戸を離れた鉄太郎。長い旅路の末に名古屋の地でめぐり逢った二人は、それぞれの秘密を胸に秘めたまま接近する。巨大な政争の具となっていることも知らずに──。著者渾身の傑作歴史時代小説。
  • 夢の痕 古道具屋 皆塵堂
    3.5
    古道具屋皆塵堂は、小僧の峰吉で回っている。自在な客あしらい、目利きの確かさ、道具の修繕は職人並みの腕前、と釣り好きで店になかなかいない店主の伊平次に代わって、皆塵堂を切り回している。曰くつきの古道具を手に入れても、峰吉は幽霊を見ないから平気だ。向かいの油屋の小僧参太は、峰吉と違い、幽霊が見える。よその店の古道具の憑きものを見ては、いつも震えさせられている。 それが悔しくてたまらない参太は、一度くらい峰吉に幽霊を見せて、震え上がる姿を見てみたいと思う。幽霊話を仕入れては、峰吉に幽霊を見せようとするが、実際に見て怖い思いをするのはいつも参太ばかり。 そんな参太をご隠居の清左衛門たちも応援にまわる。大人の巳之助、茂蔵、円九郎がとっておきの幽霊話を引っさげ、峰吉に怖い思いをさせる刺客としてやってくるのだが……。 参太のまわりに集まってくるのは、夢がらみの幽霊譚。 夢はお告げか、誰かが救いを求める声か? 職人のじいさんが隠した櫛が気になって成仏できないばあさん。隠し先を峰吉は見破ろうとするが? 二階からあるいは草むらから自分の姿も見える夢を見る菊次郎、誰が夢を見せようとしているのか?  幸ちゃんとしか覚えていない幼なじみの夢を見る円九郎。やっと町名を思いだした円九郎は、峰吉と向かうが、蕎麦打ちに行き詰まり、首を吊ろうとしていた男と出くわした。 ……などなど。他人の夢の話はつまらない、とうそぶきながらも、峰吉は、夢の謎を解く鍵を見つけていく。 皆が期待する峰吉が震え上がる日は来るのか?
  • 夢の浮き橋―橋廻り同心・平七郎控
    3.7
    「すべての人がどう言おうと、私だけは信じてあげたいのです」お幸は盗賊の疑いをかけられた与七をそう言ってかばった。永代橋の崩落で両親を失い、心に深い傷を負ったお幸を癒してくれた愛する与七。だが、疑惑は深まるばかり…。敢えて心を鬼にして、剣と情を持って正義を貫く橋廻り同心平七郎!
  • 夢の階段
    4.3
    微禄の若者小森又十郎は、辛夷の花のようだと憧れていた首席家老の娘の再婚相手に指名され、夢見心地。しかし三日後、彼は周囲の猛反対を尻目に縁談を断り、武士を捨て、陶器職人となる道を選んだのだった……表題作他、処女小説「厨房(キッチン)にて」から、直木賞受賞第一作「踏切は知っている」、「忠臣蔵余話 おみちの客」まで、〈作家池波正太郎〉誕生の跡をたどる、ファン必読の未刊行初期短編9編。
  • 夢之介夢想剣 厄介屋天下御免
    値引きあり
    3.0
    師匠の仇討ちのため甲州から江戸に出てきた佐々木夢之介は、剣も女も免許皆伝の美丈夫だ。退屈凌ぎに厄介屋を始めると江戸を騒がす盗賊団、さらに幕府を揺るがす陰謀に巻き込まれる!!「天下御免状」を懐に、夢之介の剣が市井に蔓延る悪を斬る!!

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  • 夢のなか―慶次郎縁側日記―
    3.5
    女に食わせてもらう甲斐性なしと笑われるあの人も、私にはいつだって優しい。たとえ夢のなかでさえも……。職に就かない優男を針仕事で支える娘にも、良縁話を笑顔で断る縹緻よしにも、胸に秘めた思いがある。失くした恋の哀しみが、思わぬ悪事に人を走らすこともある。理詰めじゃ解けぬ江戸の男女の心のもつれを、隠居を楽しむ慶次郎が慈愛で解きほぐす、哀歓溢れる八篇。
  • 夢のなかの息子-戦争の民話III-
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 民話を採話する中で聞いた戦争にまつわる話。ふたたび戦争する国にしないためにとの願いを込めての出版。
  • 夢の燈影 新選組無名録
    3.7
    新選組――その人斬りに、志はあったのか。男たちに残された最後の夢は、この女性作家に描かれるのを待っていたのかもしれない。日本の夜明け前――幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。幹部の華々しい活躍の陰で、語られることのなかった、無名隊士の人生もまた、あった。夢、希望、そして家族と生活。縄田一男氏に「『新選組血風録』以来の収穫」と言わしめた、歴史小説界の新星の文庫化。
  • 夢のまた夢(一)
    -
    天正十年、毛利攻めの直中にあった羽柴秀吉は、偶然捕らえた間者が忍ばせていた密書に衝撃を受ける。本能寺で織田信長討死。それは明智光秀が毛利家に宛てたものだった。窮地を覚った秀吉は毛利と巧みに和睦。中国大返しと呼ばれる急行軍を成し遂げ、仇敵・光秀との決戦に臨む……。野望と独善に満ちた天下人の生涯を、凛乎たる筆致で描く歴史巨編。
  • 夢のまた夢 人が、命をかけて守りたいものは、何か。
    完結
    -
    天正時代、ローマに派遣されることになった原マルティーノ、中浦ジュリアン、千々石ミゲル、伊東祐益の四人の少年は、フロイスと、ヴァリニャーノに連れられ、安土城へ向かった。織田信長は宣教師の言うことを信じていないという祐益に、「愛というものがどういうものか。自分を信じ、まっすぐに生きるとはどういうことか、帰ってきてわしに語って聞かせろ」と問いかける。ドラマ「MAGI 天正遣欧少年使節」の脚本(鎌田敏夫)を元に、戦国の世を描いた描き下ろし小説。
  • 夢のまた夢 若武者の誕生
    3.0
    戦乱で親を失った少年・神照庚丸は、養い親の僧侶・浄林の縁で大坂城に上がり、豊臣秀頼の奥小姓となった。 折から迫る徳川家康の圧力。秀頼に取り立てられ若武者となった彼は、関ヶ原の戦いを生き延びた島左近を軍師に迎え、戦場へ向かうことに……。 「大坂の陣」での庚丸の命運は? そして、彼は一体、何者なのか? 『星界の紋章』シリーズなど、壮大なスペース・オペラで人気の、SF界の鬼才が描く歴史時代エンタテインメント!
  • 夢の夢こそ
    5.0
    人形浄瑠璃が縁で二人は出逢った。男は尾道で造酒屋を営む忠三郎。女は廻船問屋の後妻・お夕。お夕が後妻に入った経緯を知った忠三郎は、次第に彼女に心を寄せていくが、婿養子の身でできることは限られる。そんな中、お夕が窮地に追い込まれることに。お夕を救おうとする忠三郎。忠三郎への気持ちを明かすお夕。世間から後ろ指を指されようとも、二人は覚悟を決めた。
  • 夢は荒れ地を
    4.0
    カンボジアに派遣され、そのまま行方不明になった自衛官。彼はなぜ、妻子を捨ててまでこの地に留まることを選んだのか。足跡を追う同僚が直面したのは、人身売買、汚職がはびこる腐敗しきった社会だった――。政府に抗い新たな村の建設を目指す元クメール・ルージュ大尉。独力で学校建設を進める日本人。彼らの闘いを通し、カンボジアの昏き深淵を覗く冒険巨編。第22回日本冒険小説協会大賞受賞作。
  • ゆめ姫事件帖
    3.0
    将軍家の末娘“ゆめ姫”は、このところ、一橋慶斉様への輿入れを周りから急かされていた。が、彼女には、その前に、「慶斉様のわらわへの嘘偽りのないお気持ちと、生母上様の死の因だけは、どうしても突き止めたい」という強い気持ちがあったのだ……。市井に飛び出した美しき姫が、不思議な力で、難事件を次々と解決しながら成長していく姿を描く、傑作時代小説。「余々姫夢見帖」シリーズを全面改稿。装いも新たに、待望の刊行開始!
  • 夢見屋世直し帳 落花の舞い
    -
    浪人・三隅志格と猫絵描きを生業にする丈七には裏の貌がある。それは庶民を泣かせる悪党を人知れず始末することだった。徒党を組んで狼藉を繰り返す旗本奴らを屠った三隅と丈七は、理不尽に町娘を毒牙にかける御家人崩れを冥府へ送るべく、剣を舞い閃かす!

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  • ゆめ結び むすめ髪結い夢暦
    4.0
    代々八丁堀与力をつとめる浅岡家の娘・卯野は、髪を結うことが大好きで、きれいなものに目がない。武家の娘らしくないと母や周囲にたしなめられながらも、新しい髪型を試したり、町ゆく女たちの髪を眺めるのが何よりの楽しみだ。だがある日、当主である兄が、付け火の濡れ衣を着せられ……。運命に翻弄されながらも「好き」を力に変えて懸命に生きる少女の物語。
  • 夢も定かに
    4.0
    聖武天皇の御世、後宮で働くべく阿波国から上京してきた若子。同室になった姉御肌の笠女、魔性の春世ともども暮らす宮中は、色と権謀の騒動続きで……。仕事に意地をかけ、乙女心に揺れ、人知れぬ野望を育む先に何が待つ? 平城京を蔭で支えた女官たちをいきいき描く宮廷青春小説!
  • 夢をまことに(上)
    4.3
    江戸時代に空を飛ぼうとした男がいた! 近江国友の鉄砲鍛冶の一貫斎は旺盛な好奇心から、失敗を重ねながらも反射望遠鏡を日本で最初に作り上げる。 「日本のダ・ヴィンチ」と呼ばれた男、稀代の発明家の生涯。 直木賞作家、山本兼一さんの遺作が文庫で登場。 近江国友村の鉄砲鍛冶である一貫斎は村の訴訟に巻き込まれ江戸に出ることになった。 太平の世に鉄砲の注文は減り、村は景気が悪く寂れた状況にあった。 江戸に出た一貫斎は持ち前の好奇心で交友を広げ、オランダ渡りの新式鉄砲の修繕を依頼される。 見事に鉄砲を直した一貫斎は独自の工夫によって改良型まで作ってしまう。
  • 湯屋のお助け人 : 1 菖蒲の若侍 <新装版>
    3.0
    七百石取り旗本の次男、大曽根三樹之助は小笠原正親の横暴で許嫁を亡くし、剣の修行に励む日々を送っていた。しかし再び持ち込まれた縁談が小笠原家の策謀だったと判明し、すべてを捨て出奔したその夜、斬殺事件に巻き込まれてしまう。行く当てのない三樹之助は、そこで出会った「夢の湯」主人で岡っ引きの源兵衛に連れられ湯屋に居候することに。湯屋の仕事を手伝いながら、事件の探索を始める三樹之助だが――。若侍三樹之助の活躍と成長を描く「湯屋のお助け人」シリーズ新装版第一弾!
  • ゆらやみ(新潮文庫)
    3.8
    幕末の石見銀山。間歩(まぶ)と呼ばれる鉱山の坑道で生まれたお登枝は、美貌を見込まれ女郎屋に引き取られた。初めて客を取る前の晩、想いを寄せる銀掘の伊夫を訪ねるが、別の男に襲われる。とっさに男を殺め、窮地を救ってくれた伊夫と身体を重ねたお登枝。罪と秘密をともに抱えた二人の行く末は――。変わりゆく世を背景に、宿命を背負った男女の灼けつくような恋を官能的に描き切った力作時代長編。
  • 許されざる者 上
    4.2
    【第51回毎日芸術賞受賞作】紀伊半島は熊野川の河口に位置する街、森宮。医者の槇隆光は貧しい者から治療費を取らないことから親しみを込めて“毒取ル先生”と呼ばれていた。ときは1903年、豊かな自然のなかで暮らす槇たちの周りには鉄道敷設や遊郭設置などの問題が起こり、一方で日露戦争開戦の足音がすぐそこに迫っていた――。歴史上の人物に材を取り、当時の情勢と熊野の人々を瑞々しく描いた第51回毎日芸術賞受賞作。
  • 笑う花魁 結わえ師・紋重郎始末記
    4.0
    菊花結び、鶴結び、宝珠結びに五行結び――。あらゆる“結び”から超人的捕縛術までを操る、漢部紋重郎(あやべもんじゅうろう)は、江戸の花街・吉原で仕事をする結師(ゆわえし)である。ある日、金持の座興で花魁を縛るという依頼を受けた紋重郎は、特注の組紐を手に場に臨む。意外な事の成りゆきと、あらゆるものを結び、解く、神業が連続する痛快書下ろし長編時代小説!   (講談社文庫)
  • 夜明けの辻
    3.7
    江戸中期の尊皇論者、山県大弐と出会ったことから藩の内紛にまきこまれた二人の青年武士の、友情の破綻と和解までを描いた初期の中編『夜明けの辻』。元芸妓との結婚を望んだ若侍が、頑固一徹の国家老の伯父を説得するために機略に富んだやり取りをくりひろげる“こっけい物”の佳品『嫁取り二代記』。ほかに『平八郎聞書』『葦』など、山本周五郎の文学的精進のあとを伝える全11編。

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  • 夜明けの星
    3.8
    越後の国を出て十六年、江戸の町で父の仇敵を探し続ける浪人・堀辰蔵。飢えて疲れきった辰蔵はある日ささいなことで逆上し、見知らぬ煙管師の頸すじに斬りつけてしまう。父と仲良くふたり暮しだった煙管師の娘・お道は、これで天涯孤独の身となった。近隣の人々に見守られ、気丈に生きていくお道と、仇討ち転じて闇の世界の仕掛人となった辰蔵の凄絶な半生。折にふれ、奇妙にもつれ合うお道と辰蔵の運命を、池波正太郎が円熟の筆で描いた名作。
  • 夜明けの雷鳴 医師 高松凌雲
    4.0
    医療は平等なり。近代医療の父の高潔な生涯 パリで神聖なる医学の精神を学んだ医師・高松凌雲は、帰国後、旧幕臣として箱館戦争に参加する。近代医療の父を描いた幕末歴史長篇。
  • 夜明け前の女たち
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    坂本龍馬を愛し、支えた寺田屋お登勢、お龍(りょう)。桂小五郎と恋した勤皇芸者の幾松。富岡鉄斎の師であり多くの若者に敬愛された大田垣蓮月……。幕末・維新期は、志士だけでなく、女性の活躍が目覚しい時代でもあった。動乱の世をたくましく果敢に凛々(りり)しく生き、近代日本の礎を男とともに築き上げた、女の群像を描く。幕末をひたむきに生きた女たちの愛と志を活写!
  • 夜明けを知らずに ―天誅組余話―
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    時は明治維新から遡ること五年、文久三年(1863年)八月。大和地方の十津川郷を、倒幕のため決起せんとする維新志士集団 『天誅組』 が訪れる。 十津川郷に住む少年・野崎雅楽は、兄であり天誅組の協力者である野崎主計、そして幕府により父を投獄され喪った少女・市乃とともに、戸惑いを感じながらもその行軍に同行することとなるのだが……。 新時代への理想にあふれた決起から、一転して逆賊とされ、幕府軍の討伐によって命を散らせることになった維新志士たち。その行く末を、彼らと道を共にした少年の成長とともに鮮やかな筆致で描きだす、新たなる歴史異聞譚。
  • 与一と坂額 天慶前夜
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    「魔物のように、ひどく醜い女武者。そのように耳にしていた。だが噂とは異なり、花のように美しい、凛とした女であった」甲斐源氏の男と越後平氏の女。二人の運命は……(「与一と坂額」)。藤原清貫は本当に、内裏の落雷によって命を落としたのか……(「天慶前夜」)。鎌倉時代初期を舞台にした「陰謀」、平安中期の人間模様を描いた「能円法師」を加えた、歴史小説四編を収録。
  • ヨイ豊
    4.0
    元治2年(1865)、清太郎の師匠・三代豊国の法要が営まれる。広重、国芳と並んで「歌川の三羽烏」と呼ばれた花形絵師だった。歌川の大看板・豊国が亡くなったいま、誰が歌川を率いるのか。弔問客たちの関心はそのことに集中した。清太郎には八十八という弟弟子がいる。粗野で童のような男だが、才能にあふれている。己が三代に褒められたのは、生真面目さしか覚えがないのに。──時代のうねりに、絵師たちはどう抗ったのか!
  • 合本 酔いどれ小籐次 決定版+小籐次青春抄
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    小柄な体、禿げ上がった額に団子鼻の老侍。一見冴えないこの男、実は来島水軍流の凄まじき遣い手――。 まったく新しい時代小説の主人公、赤目小籐次の痛快無比の活躍を描くシリーズ全19巻と、小籐次の若き日を描いた中編二作を収録の『小籐次青春抄』を合本化! ※この電子書籍は2021年4月に配信を開始した電子版『御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版』から『状箱騒動 酔いどれ小籐次(十九)決定版』全19巻と、『小籐次青春抄 品川の騒ぎ・野鍛冶』を合本にしたものです。
  • 酔いどれ次郎八
    4.5
    藩の名刀を奪い、役人を斬って薩摩藩に逃げ込んだ侍を上意討ちにする命をおびた矢作次郎八と岡田千久馬。二人は首尾よく本懐を遂げるが、薩摩藩士に取り囲まれ退路を断たれる。千久馬を逃がし、その場で死んだと思われていた次郎八が二年後に藩に姿を現した時、かつての許婚は千久馬のもとに嫁いでいた――。次郎八のとる意外な行動を描く表題作ほか、「与茂七の帰藩」など全11編を収録。

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  • 酔眼の剣 酔いどれて候
    4.3
    浅草の蛇骨長屋に住む浪人・曾路里新兵衛は、酒がなくては生きてはゆけぬ、というほど無類の酒好き。仲間の不祥事により改易になって以来、何ものにも縛られない気ままな暮らしを楽しんでいた。だがある日、ついに生計が立たなくなり、やむなく岡っ引きの伝七に依頼された辻斬り事件の探索を引き受ける。実はこの新兵衛、酔うと剣技が冴え渡る「酔眼の剣」の使い手だった! 人気著者が放つ、新シリーズ第1弾!
  • 酔いどれて候【5冊 合本版】
    4.5
    浅草の蛇骨長屋に住む浪人・曾路里新兵衛は、酒がなくては生きてはゆけぬ、というほど無類の酒好き。仲間の不祥事により改易になって以来、何ものにも縛られない気ままな暮らしを楽しんでいた。だがある日、ついに生計が立たなくなり、やむなく岡っ引きの伝七に依頼された辻斬り事件の探索を引き受ける。実はこの新兵衛、酔うと剣技が冴え渡る「酔眼の剣」の使い手だった! 人情あり、謎あり、剣戟あり。時代小説の醍醐味の詰まった、書き下ろしシリーズ! ※本電子書籍は『酔眼の剣 酔いどれて候』『凄腕の男 酔いどれて候2』『秘剣の辻 酔いどれて候3』『武士の一言 酔いどれて候4』『侍の大義 酔いどれて候5』を1冊にまとめた合本版です。

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