【第51回毎日芸術賞受賞作】紀伊半島は熊野川の河口に位置する街、森宮。医者の槇隆光は貧しい者から治療費を取らないことから親しみを込めて“毒取ル先生”と呼ばれていた。ときは1903年、豊かな自然のなかで暮らす槇たちの周りには鉄道敷設や遊郭設置などの問題が起こり、一方で日露戦争開戦の足音がすぐそこに迫っていた――。歴史上の人物に材を取り、当時の情勢と熊野の人々を瑞々しく描いた第51回毎日芸術賞受賞作。
Posted by ブクログ 2022年03月20日
舞台は1903年、紀州の新宮(本書では”森宮”と表記)の地においてアメリカ・インドで研究を積んで地元に貢献する医師として活躍しつつ、そのリベラルな政治姿勢から影響力を発揮する槙隆光という人物を主人公に、日露戦争開戦や鉄道の敷設など、様々な歴史の中で活きる人々の姿を描く長編小説。
主人公のモデルは、...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月08日
和歌山県「森宮」を舞台に、実在の人物をモデルに描かれた時代小説。
大国ロシアを敵として無謀な戦いを挑む小国日本。
世論の大半が開戦戦争を支持する異様なムードの中、
海外で学んで日本に帰ってきた「ドクトル槇」は、戦争に反対する立場を主張する。
『戦争を扇動するのは悪徳の人手、実際に戦うのは美徳の人...続きを読む
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