歴史・時代小説 - 講談社作品一覧

  • 王莽
    3.0
    「漢」滅び、「新」建つも!? 賢人皇帝の理想と破滅。漢帝国十代・成帝の時代。皇帝の従弟ながらも、苦学の日々を強いられる王莽(おうもう)。しかし彼は頭角を現し、十三代・平帝の摂政にまで上り詰める。そしてついには自ら皇帝となり新帝国を開くのだが!? 「簒奪者」としかみなされなかった王莽を、新たな視点で描いた中国歴史長編(講談社文庫)。
  • お江戸けもの医 毛玉堂
    3.9
    ここは、動物の病を癒し、飼い主の心も救う場所。 動物たちとの触れ合いを通じ、私たちを究極の感動へと誘う激アツの一巻! ――縄田一男(文芸評論家) 江戸の世に、夫婦で営む動物専門の養生所があるという――。 日本歴史時代作家協会新人賞、細谷正充賞受賞の気鋭がおくる、心温まる時代小説の傑作。 谷中感応寺の境内に居を構える「毛玉堂」は、けもの専門の養生所。腕は確かだが不愛想な医者の凌雲と、しっかりもので動物好きなお美津を頼りに、今日も問題を抱えた動物たちがやってくる。治療を通して浮かびあがる、人と動物の温かな絆は、悩める飼い主たちの心も癒していき――。
  • お江戸日本橋(上)
    -
    江戸天保の頃、世相は政治の腐敗を映し、汚職・悪徳商・盗人(ぬすっと)がばっこし、とりわけ幕府財政は窮迫を極めていた。公儀自ら密かに抜荷を!? 密輸は天下のご法度。法の番人、洒脱で粋な江戸っ子奉行遠山景元は、かつて遊んだ八百八町を縦横無尽に一暴れ、公儀の“悪”に挑んだ。柴錬面目躍如の時代ロマン(講談社文庫)
  • 大江戸意外なはなし366日事典
    -
    江戸の人間模様の表と裏が手にとるようにわかる事典!――天下人の秘話、大奥の内情、武士や町人をめぐる粋なはなし、はたまた泣き笑いのはなし、カネやオンナにまつわる仰天ばなし、などなど。一日一話、江戸に学び、江戸に遊び、江戸の魅力を満喫する本。
  • 大江戸閻魔帳
    3.6
    蔦屋重三郎の娘から、店に持ち込まれた写楽の大首絵の真贋を確かめたいと相談を受けた若き戯作者、青山麟太郎。落款がないだけで、出来はすこぶるよい。だが持ち込んだ御家人は、自宅で殺されていた。臨時廻り同心や岡っ引と知り合い、麟太郎は次々と事件に巻き込まれていく。麟太郎を見守る南町奉行・根岸肥前守との拘わりは? 大江戸の「探偵」は、非道は許さないが、人を救う優しさがある。人情味あふれる事件帖!
  • 大江戸監察医
    4.0
    驚くべき医術、敵なしの喧嘩技、明かせぬ過去。時代小説最高のヒーロー誕生!普請場、人足寄場と江戸の底辺を渡り歩く無宿人・仁平。町医者が遙かに及ばぬ医術とめっぽう強い喧嘩技を持つ仁平は、誰にも言えぬ過去を持つ。大店の預かり医師として始めた無料医療所も相次ぐ嫌がらせを受ける。同心・牧兵衛と共に、江戸の難事件に立ち向かう謎の医師・仁平。これぞ医師もの時代小説の決定版!
  • 大江戸神仙伝
    4.4
    現代の東京から花のお江戸へと転時(タイムスリップ)した男が見た150年前の姿とは? そこには、見るもの聞くものすべて、現代人の常識を覆す、実に魅力的な暮らしがあったのだ。彼は、持参した文明の利器や医学知識で大活躍、世にも不思議な能力を持つ“神仙”として、女たちにも大もての大尽暮らしとあいなったが……。「大江戸シリーズ」第1弾。(講談社文庫)
  • 大江戸神仙伝シリーズ 全7冊合本版
    -
    現代の東京から花のお江戸へと転時(タイムスリップ)した男が見た150年前の姿とは? そこには、見るもの聞くものすべて、現代人の常識を覆す、実に魅力的な暮らしがあったのだ。彼は、持参した文明の利器や医学知識で大活躍、世にも不思議な能力を持つ“神仙”として、女たちにも大もての大尽暮らしとあいなったが……。 『大江戸神仙伝』シリーズ(全7巻)合本版
  • 大江戸仙界紀
    5.0
    暮れから正月にかけての、江戸市中のにぎやかな生活。かわいい芸者のいな吉を連れて熱海へ……。160年前に転時(タイムスリップ)できる中年男の洋介が目を覚ますと、妻のかわりにホテルのベッドでいな吉が寝ていたから大あわて。綿密な考証で、江戸に遊び、江戸に学ぶ大好評の「大江戸シリーズ」第4弾。(講談社文庫)
  • 大江戸仙境録
    4.5
    東京から160余年前の文政時代の江戸へタイム・スリップ(転時)した科学評論家の速見洋介が、めくるめくばかりの恋をしつつ、日々、現代人の江戸常識を越える体験をする──。しかしこれは単なるSF的空想譚ではない。綿密な考証に基づいて江戸の人との世情をリアルに描いた、新機軸の時代小説なのです! 「大江戸シリーズ」第2弾。(講談社文庫)
  • 大江戸釣客伝(上)
    3.9
    時は元禄。旗本、津軽采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。やがて、義父・吉良上野介の計らいで「生類憐れみの令」を発布した、将軍綱吉に仕えることになるが・・・。同じ頃、絵師朝湖と俳人基角は江戸湾で土左衛門を釣り上げた。果たしてその正体は? 釣りの泥沼から覗く元禄時代。(講談社文庫)
  • 大江戸釣客伝(上下合本版)
    4.0
    時は元禄。旗本、津軽采女は小普請組という閑職がゆえ、釣り三昧の日々を送っている。やがて、義父・吉良上野介の計らいで「生類憐れみの令」を発布した、将軍綱吉に仕えることになるが……。同じ頃、絵師朝湖と俳人基角は江戸湾で土左衛門を釣り上げた。果たしてその正体は? 釣りの泥沼から覗く元禄時代。
  • 大江戸人情花火
    4.5
    花火職人清七に降って湧いた鍵屋の主・弥兵衛からの暖簾分けの話。なぜ俺が、と考える暇もなく、職人を集め、火薬を調達し、資金繰りに走る。お披露目は夏の大川だ。女房と二人三脚で暖簾を大きくした清七は、玉屋市兵衛と名乗った。大輪の華ひらく一瞬に、すべてを賭けた江戸っ子の心意気が沁みる感動の一代記!
  • 大江戸秘脚便
    2.5
    江戸は芝浜松町。飛脚問屋江戸屋には、才気ある者たちが揃う。遠路駿河への御用に出た駿足の信吉が、何者かに襲われ殺されてしまう。信吉の残した証から、あくどい商売をする紅蝙蝠屋に目をつける仲間たち。兄思いの弟の新次も敵討ちを誓うのだった。一方、王子稲荷までの駆け比べの日も迫っていた。隣の料理屋あし屋の万作たちの力も借りて、江戸屋は勝ち抜けるのか。人情味ゆたかに、江戸を走る飛脚たちを颯爽と描く新シリーズ!
  • 大江戸ボランティア事情
    5.0
    お上に頼らず金かけず、幸せに生きる江戸の知恵。訴訟、教育から火消しまで、江戸庶民の創意と情を碩学二人が魅力一杯に紹介ーーお上には頼らない、「おたがいさま社会」だからこそ、江戸の生活は豊かだった。生きる喜びを最優先した住空間「長屋」の秘密とは!? 世界最高水準の寺子屋教育、誰もが無銭で楽しんだ長旅から、やくざをも役立てる社会システムまで。今こそ学びたい江戸庶民の知恵を、碩学二人が紹介する「大江戸事情」シリーズ第6弾! 江戸庶民の知恵と心意気!
  • 大江戸ミッション・インポッシブル 顔役を消せ
    3.8
    南町奉行所の最底辺、牢屋見廻り同心・川瀬若菜に吉原随一の花魁から相談が舞い込む。英国人の恋人からプレゼントされた大切な指輪が盗まれたという。江戸の二分する泥棒寄合・川衆の棟梁という素顔を持つ若菜は、盗難事件の背後に、天敵陸衆の蠢きを察知する。天保の江戸を舞台に華麗な殺し合いが今始まる!
  • 大江戸遊仙記
    4.0
    隅田川の川面に吹く心地よい春の風。船にゆられて墨提のお花見を満喫した後は深川で牡丹、谷中で螢を愛でる。せわしない現代の東京から、一気に160年前の江戸の町にタイムスリップ(転時)した中年男と意気で気風(きっぷ)のいい芸者の大江戸遊覧紀行。綿密な考証で江戸に遊び、江戸に学ぶ「大江戸シリーズ」第3弾。(講談社文庫)
  • 大江戸妖美伝
    3.4
    洗練された品々が並ぶ日本橋十軒店の雛市。上野・寛永寺の清水堂から眺める桜と不忍池。屋根船に乗って、深川洲崎の潮干狩り。水道橋の名店・森山のうなぎに舌鼓……。現代から文政の江戸へ転時した洋介と、辰巳芸者いな吉が、春から初夏にかけての江戸を巡り歩く。好評「大江戸シリーズ」第7弾! (講談社文庫)
  • 大岡越前
    3.0
    名奉行といえば、第一に名前をあげられる大岡越前。だが、彼の前半生は決して人に誇れるものではなかった。元禄の悪風に染まり、水茶屋の女お袖との間に一女までなしたが、一緒にはなれない。やがて、江戸町奉行へ抜擢された時、お袖の復讐が彼を待っていた。――みずから蒔いた種をみずから裁く人間大岡越前の苦悩。戦後の混乱した世相に、深い想いを託して描いた意欲作。
  • 落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味
    3.7
    大岡裁きで勇名を馳せた大岡越前は還暦を迎え、江戸町奉行(南御番所)から寺社奉行に転出していた。閑職ではないものの、大岡は事あるごとに江戸町奉行職の記録を捲って振り返る。本当に裁きが正しかったのかどうか気になってならない事件があるのだ。大岡は鷹狩で知り合った若い餌差・十一を使い過去の事件の捜索を始める。事件の鍵は意外なところにあった。その驚愕の真相とは?(講談社文庫50周年書き下ろし作品)
  • 大奥二人道成寺 お狂言師歌吉うきよ暦
    -
    大名家の奥向きで踊りをお見せする狂言師の一座に加わって間もない歌吉に、上様の御前で「道成寺」の連れ舞を披露するという大役が。相方の坂東流名取の照代は上様のお手つきで、三年前に宿さがりしながら再び召し出されることになり、命を狙われているという。大奥におもむく二人を嫉妬の渦が待ち受ける! (講談社文庫)
  • 大奥の座敷童子
    3.7
    時は黒船来航に揺れる徳川家定の治世。 奥州にある野笛藩一の美女、今井一期(イチゴ)は貧する国許を救うため、野笛出身の座敷童子を連れ戻すべく、大奥へ奉公に上がる。出没する"枕絵の妖怪"や人が死ぬ際に泣く妖怪"泣きジジさま"に翻弄されながらイチゴが知った座敷童子の正体とは? 温かい涙でじんわりと笑みがおとずれる、大人気「幻想シリーズ」の著者が放つ癒やし時代小説。
  • 真田を云て、毛利を云わず(上) 大坂将星伝
    3.3
    豊臣秀吉最古参の家臣を父に持つ毛利勝永は若くして、九州豊前一万石の大名となる。天下統一を成した秀吉は高邁な理想の下、朝鮮に出兵するが……。石田三成の薫陶を受け、豊臣政権の次代を担う器と目された勝永の眼前に、徳川家康が立ちはだかる。戦国の世、志を貫いた男を爽快に描く歴史小説。(『大坂将星伝』改題)
  • おおとりは空に
    -
    大老・井伊直弼の、茶人としての顔! もうひとつの幕末史! ――大老として幕府の威権回復のために挺身し、46歳で刺客の刃に倒れた井伊直弼(いい・なおすけ)は、名著「茶湯一会集(ちゃのゆいちえしゅう)」を残した茶人・宗観(そうかん)でもあった。彼が深い交誼(こうぎ)を結んでいたのは、裏千家11代家元・玄々斎宗室(げんげんさい・そうしつ)。名門・松平家の生まれ。千利休の影を求めて茶道の道をたどりつつ、波乱の世にはばたいた男たちを描く、もうひとつの幕末史。
  • 小笠原壱岐守
    -
    唐津6万石小笠原家の世嗣長行(ながみち)がたどった波瀾の半生。わずか2歳で廃嫡の非運から、一転、土佐の雷公・山内容堂の推輓もあって、幕閣の中枢へと異例の昇進をとげた長行。その闊達な人間性と、国を想う熱誠。老中兼外国奉行として国難に対処する異色の合理主義者を描く表題作の他に、「老中の眼鏡」「十万石の怪談」「流行暗殺節」、絶筆となった「山県有朋の靴」の5篇を収録。より高次な大衆小説を目ざした著者が到達した、歴史小説の記念碑的作品群!
  • 御聞番 会津藩・最後の隠密
    3.0
    敵陣に入りこみ、死をもって味方に利をもたらす間者を、死間という。その死間となり、幕末の京都で活躍する、会津藩御聞番・大庭恭平。しかし時代の大きな流れは、会津藩も恭平も呑みこんで翻弄する。風雲急を告げる京都で、隠密の恭平が見たものは。維新をはさみ動乱の渦中を生きた一人の男の、波乱の生涯を描く歴史小説!
  • 沖田総司(上)
    3.8
    幕末……それは現体制の打倒、徳川幕府の覆滅のとき。しだいに血の旋風で彩られてゆく京の治安を維持すべく、浪士徴募に応じて結成された新選組。その新選組の内部では、近藤勇を初めとする、土方歳三、沖田総司ら誠衛館の一統と、水戸浪人・芹沢鴨を首領とする一派の対立が日ましに激化し、一方、急進公卿と長州藩の企図する、京洛騒乱の陰謀が、着々と進められていた……。はかない夢と知りながら大義に生きた天才剣士・沖田総司の短い生涯を描く傑作長編小説。
  • お狂言師歌吉うきよ暦
    4.0
    路考お粂と謳われた水木歌仙の下で踊りの稽古に励むお吉。十三で「歌吉」の名をいただいて五年、ようやく大名家の奥向きで踊りを披露するお狂言師の一座に加えてもらえることになった矢先、嫉妬した相弟子に小鋸で頬に一生消えない傷をつけられる。そんな折、公儀の隠密より姉弟子を探れという密命が……。
  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦
    3.8
    頬に傷痕のあるお吉は押しも押されぬお狂言師。お小人目付けの日向新吾と互いに想い合う仲だが、日向には縁談が持ち上がる。弘化五年、赤坂御門外での事件から、将軍の寵愛をほしいままにしているお琴の様方をめぐる、女子同士の色模様という、面妖な企てが浮かび上がってくる。はたしてお吉の想いは届くのか、そして大奥の謀議は明かされるのか。文字通り我が身を削って書き継いだ著者渾身の遺作、抜群の面白さ。
  • お吟さま
    3.5
    千利休の娘・お吟の胸には、堺の豪商・万代屋宗安に嫁いだ後も、初恋のキリシタン大名・高山右近の俤(おもかげ)がひそかに生きつづけていた。やがて離婚したお吟の美貌は、最高権力者・秀吉の関心をひき、その軋轢が、お吟と利休を苛酷な運命の袋小路に引きずりこむ……。戦国の世を生きた薄幸の美女を描き第36回直木賞を受けた名作に、平家滅亡に生涯を賭した僧の生きざまを綴る『弱法師』を加えた本格歴史小説集。
  • 密封 奥右筆秘帳(一)
    3.6
    立花併右衛門は江戸城の書類決裁に関わる奥右筆組頭。権勢を誇った田沼意次の孫意明の死亡届を見て、12年前の田沼意知刃傷事件に疑念をはさむ。その帰路、何者かの襲撃を受け、隣家の次男柊衛悟を護衛につけるも、2人はすでに幕政の闇の渦中にあった。読み応え抜群、気鋭の新シリーズ開幕。2009年この書き下ろし時代小説がすごい! 第1位。(講談社文庫)
  • おこま
    -
    二十歳になるおこまは、15年ほど前にさらわれてきて、スリの姉御にあずけられ、一人前のスリに育て上げられた。そして今日、親分から一人ずつ女の子を手渡された。今度はおこまがその子を育てろ、ということであった……。江戸に住む女スリを描いた傑作長編。
  • お師匠さま、整いました!
    5.0
    才能 VS.努力熱血算術少女たちに、寺子屋の師匠は振り回されっぱなし!『髪結百花』で第一回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞した新鋭のデビュー作、待望の文庫化!享保十一年、茅ヶ崎は大岡越前守の菩堤寺である浄見寺。今は亡き夫の跡を継ぎ、桃は寺子屋で子どもたち相手にお師匠さまをしている。そんなある日、酒匂川の氾濫で両親を亡くした春が寺子屋を訪ねてくる。すでに大人の身でありながら、もう一度算術を学び直したいという。はじめは戸惑う桃だったが、春の朴訥さと一生懸命さに次第に魅せられていく。しかし、寺子屋で一番秀才な生意気娘・鈴が黙っているはずはなく……。第11回小説現代長編新人賞受賞作!
  • 御書物同心日記
    3.8
    将軍家の蔵書を守れ! 新米同心の奮闘記。本の知識では誰にもひけをとらない丈太郎は、天下の稀本珍本が集められた将軍家の御文庫に勤める新米同心。その使命は一にも二にも本を大切に保管すること。個性豊かな先輩同心がそろう御文庫に、同じく新米同心として角一郎がやって来たときから、奇妙な事件が相次いだ――。江戸情緒あふれる連作集。(講談社文庫)
  • 御書物同心日記 虫姫
    3.8
    江戸城内にある紅葉山御文庫(将軍家の蔵書)を管理する御書物方、新米同心の東雲丈太郎。書物が好きで好奇心旺盛、書物に関係があるとなるとどんな些細なことにでも首を突っ込みたくなる丈太郎は、次々と不思議な事件に巻き込まれる。年の瀬に丈太郎が懇意の古本屋に頼まれて払い出しの古書を買い付けに行った顛末を描く表題作ほか、江戸の歳時、風俗を巧みに織り込みながら温かな人情を描く短編シリーズ第三弾(講談社文庫)。
  • お白洲無情
    -
    八州廻りに歪められた理不尽な晩年。大原幽学、無念の生涯――江戸末期、農民に性学の道を説いた大原幽学。貧しい農村を立ち直らせ、多くの道友が集まる。農民たちは協力して教導所「改心楼」を建てるが、その壮観さゆえに関八州取締出役から目をつけられる。事件を捏造され御白洲をたてられた幽学に、理不尽な晩年の日々が待ち受けていた。<『吾、器に過ぎたるか』改題作品>
  • おすねと狂介
    -
    旅は道づれ……桃ノ井狂介が、大磯の街道でいっしょになった紫矢がすりの腰元、じつは松平家の季姫であった。江戸にもどれば、姫には気にそまぬ縁組が待っている。「死につらなる恋」と知りながら、姫は狂介に心をひかれる。だが、胸に奸計をひめる家老・鷲津兵太夫が、これを見逃すわけはなく、たちまち姫と狂介は、奔流のような運命に巻きこまれる。敵か味方か? 二人にまつわりつくように旅をする、河内屋平蔵と浜田屋お峰。そして奇怪な「ご落胤」の一団……。大磯から江戸へ、2日間の旅にまきおこる、人生の転変を見事にえがいた、山手文学の好篇。
  • 織田信長(1) 無門三略の巻
    4.3
    吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う"うつけ者"。だが、燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。
  • 謀略の首 織田信長推理帳
    4.0
    天下統一を目前にした織田信長にとって、最大にして最後の敵は一向宗の総本山石山本願寺であった。彼らを壊滅すべく、配下の九鬼水軍では秘密兵器、鉄甲船の建造に着手した。本願寺と組む毛利家はスパイを信長の側近に送り込み、計画の妨害を狙った……。怪事件に信長の推理が冴える!長編歴史ミステリー。
  • 織田信長 全5巻合本版
    -
    吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う“うつけ者”。だが、燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々から、本能寺の変まで。戦国を駆け抜けた稀代の武将の本質を見事に描き切る。
  • おちゃっぴい 大江戸八百八
    3.0
    剣術道場の師範代の巴は、剣の腕前の強さに加え、日本橋小町と評判の見目麗しさ。巴が一方的に慕う刺青彫師の青治と巴に想いを寄せる十手持ちの桃助、三人の周りでは不可思議な出来事が続く。江戸市中を騒がす「生きミイラ」の正体をあばくため、巴らは奔走するが……。怖くてあやしく、面白い!「幻想シリーズ」著者による最旬時代小説。
  • 夫には 殺し屋なのは内緒です
    4.0
    ごく普通の結婚をした隠密同心の嫁は、じつは優秀なアサシンだったのです!──待望の書下ろし時代小説シリーズ、スタート! 月(つき)は北町奉行・柳生久通の庶子。武芸に秀で、中でも殺しの才に恵まれていたため、柳生の一族は月を殺し屋に育て上げた。一方で久通は月を可愛く思い、隠密同心の花川戸要(かなめ)に嫁がせることにした。真面目で堅物なのが取り柄。そんな月のもとに夫には内緒で、今日も暗殺の指令が届いた……。
  • お登勢
    4.5
    淡路島の貧農の娘・お登勢は、徳島藩の家臣・加納家に奉公に出た。そこで陪臣・本田貢に惹かれるが、加納家嫡男に恋慕される。分藩運動に起因する稲田騒動や北海道・静内への移住を背景に、幕末から明治にかけての波乱の時代、愛を貫き、修羅場をくぐり、大地に生きる"永遠の女性像"を描いた、長編歴史ロマンの傑作。沢口靖子主演で、NHK連続ドラマ化された感動作。
  • 鬼あざみ
    4.0
    強盗、追いはぎ何でもござれ。白昼堂々、金品を強奪する荒稼ぎで八百八町を騒がせる凶賊、鬼坊主一味。だが、頭の清吉と情婦のおもんを始め、はみ出し者の若者たちは強い絆で結ばれていた。悪に魅入られし者の破滅的な生き様を描く大江戸ピカレスクロマン。(講談社文庫)
  • 汚名
    3.0
    徳川家康に信頼され重用されて、幕府草創期に辣腕を振った能吏・本多上野介正純(こうずけのすけまさずみ)。二代秀忠の世になり、「宇都宮釣り天井事件」の嫌疑で失脚、奥州に無惨な幽閉の身となる。権力の非情と冷酷、汚名に甘んじる自己犠牲。一切を黙して配所に赴く正純の潔い人間像を、陰密の目を通して骨太に描き出す、傑作歴史長編。権力の冷酷非情に甘んじる、自己犠牲の武士道!
  • 阿蘭陀西鶴
    4.4
    江戸前期を代表する作家・井原西鶴。彼の娘おあいは、盲目の身ながら、亡き母に代わり料理も裁縫もこなす。一方、西鶴は、手前勝手でええ格好しぃで自慢たれ。傍迷惑な父親と思っていたおあいだったが、『好色一代男』の朗読を聞いて、父への想いが変わり始める。小説を読む歓びに満ちた、織田作之助賞受賞作。
  • 和蘭囃子
    -
    文政の世、オランダ人医師のシーボルトを長崎・出島に幽閉した幕府は、その疑いの眼を門下生にも向け始めた。その一人の青年医師・柳小路蘭平は、東海道の三島近くで、お万という艶女に仮病を装い狙われたたが、そのことで……。映画化もされた傑作。
  • おれは侍だ
    -
    影武者の役はすんだ。だがおれは侍……。と、関ヶ原の戦場を後にする、着流し姿の修理之介。気品ある眉宇に、ある決意をひめて……。あと二人、金の亡者・新蔵と好色漢の兵馬。宇喜多秀家の軍用金を狙い、朝鮮使節襲撃の陰謀に加担し、時に女をめぐり、騒乱の世に、三人三様、それぞれの青春を生きる、アウトローたちの愛と冒険。金に執着する者、女に入れ揚げる者……騒乱の世を生きる浪人たちの生きざまを描く時代ロマン!
  • おれは藤吉郎(上) 新太閤記(三)
    -
    放浪を続けた日吉丸だったが、最下級の身分とはいえ、松下嘉兵衛の厩番に、念願の仕官の道がつき、勇気百倍。名前も木下藤吉郎と改めて、急に大人になった気分、いよいよ天下晴れての武士である。持ち前の機転に加えて、骨身を惜しまぬ精進に、主人の覚えもめでたい。ひといちばいの機転と勤勉が認められだんだん出世の道が……。だが、出る杭は打たれる。とかく仲間うちではイジメの対象となるけれども、くじけぬ藤吉郎の前途は明るい。痛快な青年太閤記!〈全五巻〉
  • おろおろ草紙
    値引きあり
    4.0
    天明の大飢饉に見舞われた奥州八戸藩での凄惨な人肉食を鉄砲隊足軽小十郎の日録を追いながら苛烈に描写。飢饉による死者たちの嘆き、生に執着する人々の業を直視し、人間存在の根本に迫る代表作「おろおろ草紙」。ほかに、「暁闇の海」「北の砦」「海村異聞」の歴史小説3篇を収録。著者の郷里に材を得、庶民の強靱な生きざまを鮮やかに描いた傑作小説集。
  • 怨返し 古道具屋 皆塵堂
    3.5
    日光街道の越ヶ谷宿の旅籠で働かせてくれた恩人・仁兵衛の遺品には幽霊が憑いていた。仁兵衛が若い時分に、江戸で借金の取り立て屋「すっぽんの桑次郎」という異名をとっていたことを知った甥の藤七は、遺品の数々を元の持ち主に返す旅に出ることになった。道中、「刀狩りの男」と呼ばれる浪人に襲われ川に落ちた藤七は、深川亀久橋近くの古道具屋「皆塵堂」で目を覚ました。 三十年前に仁兵衛が手に入れた遺品の数々は、「すっぽんの桑次郎」の借金の形なのか。優しかった伯父が人々に恨まれる非情な取り立て屋だったことがどうしても信じられない藤七は、限られた七日間の江戸滞在のうちに、遺品の持ち主を捜し出し、憑いている幽霊の謎を解き明かし、伯父の正体をつきとめることができるのか? 材木商のご隠居・清左衛門、力自慢の魚屋・巳之助、有能な小僧・峰吉らの助けも借りながら、「知りたがりの藤七」は江戸でも行く先々で幽霊をみることに……。 怪談+とぼけた笑いで人気の「皆塵堂」シリーズ、第十弾!
  • おんな飛脚人
    3.7
    めっぽう足が速い韋駄天まどかと清太郎は、偶然同じ日に、飛脚問屋「十六屋」で働きはじめた。風のように走る江戸の町々で起こる、手紙にまつわる人情話、不思議な出来事、捕物帳。やがて、若い二人それぞれの、過去と胸に秘めた思いが、明かされてゆく。江戸庶民の生活と人情、そして、ほのかな恋を爽やかに描く、心あたたまる長編時代小説。庶民の人情と夢のせて、娘飛脚が大江戸をはしる!
  • おんな舟 十時半睡事件帖
    3.5
    黒田藩江戸総目付役となり、早や2年。半睡の見事な裁きで幾多の難事珍事は解決し、藩邸内に再び平安な日々が訪れた。「そろそろ邸内を離れ、江戸の市中で暮らしてみるか」――そう思い立った半睡は、周囲の反対をよそに、深川の町家で借家住まいを始めた。江戸庶民と半睡の心温まる交流を描いた、珠玉の連作時代小説。江戸隠居の半睡が出会う7つの事件!
  • 隠密 味見方同心(一) くじらの姿焼き騒動
    3.8
    南町奉行所きっての腕利きと噂される臨時回り同心・月浦波之進に特命が下った。「江戸の食いもの屋の動向を探れ」と。調べに必要な飲み食いの掛かりは、すべて請求できるという。十手を羽織の下に隠し、隠密捜査を始める波之進。―その折、金貸しが殺された。生前にその男が告げたある料理。波之進は、その料理を手がかりに、下手人を捜す。謎をはらんだ珍妙な食物が次々登場。軽妙洒脱、仰天推理の傑作時代小説開幕!
  • 隠密 味見方同心 全九冊合本版
    -
    美味の傍には悪がいる。江戸の食いもの屋の動向を調べよと密命を受けた同心、月浦波之進とその後を継いだ弟、魚之進。知られざる江戸の料理が満載のシリーズ! 全九冊がお得な合本に。
  • 隠密三国志
    -
    浪人・古賀新三郎と神田連雀町の小料理屋・松葉屋のお葉は、尼ヶ崎藩・松平家の家老・鷲尾刑部の奸策にかかり、隠れ切支丹の汚名をきせられ毒殺された天野屋浪右衛門の遺族と誤解されて、黒い剣風に襲われる。天野屋の埋蔵金100万両の行方を追って、江戸を舞台に、老中・稲垣伊勢守の放った公儀隠密・黒住鬼堂とその一党、鷲尾党の総帥・大倉玄蕃の率いる7人の忍者と、天野屋の娘・千鳥を擁して復讐に燃える天狗党の、三つ巴の乱戦の中に捲き込まれた。古賀新三郎に近づく謎の男・伊太吉に、新三郎とお葉の安否を気づかい、探索の眼を光らす八丁堀同心・清川一馬の活躍……。謎は謎をよぶ、異色時代長篇。
  • 怪異雛人形
    -
    連続殺人の犠牲者は、みな雛人形を抱えていた。名人人形師の遺作という五体の人形には、どんな秘密が隠されているのか。日ごろ子どもに手習いを教える異色の同心いろはの左近は、この謎をどう解く?推理小説の手法も鮮やかな表題作をはじめ、般若面をつけた生首の怪を追う『鬼面三人組』、刺青を彫った死体ばかりが盗まれる『美しき白鬼』など、巨匠の抜群の小説技巧を示す初期捕物帳七作を収録。
  • 海翁伝
    3.5
    瀬戸内の水軍・河野氏を祖として、若狭を経て蝦夷地で花開いた松前氏。戦国期、主君への忠義を果たしつつ、前田利家の勧めによって上洛し、豊臣秀吉から交易権を得、さらには徳川家康に安堵されて藩主に。秀吉、家康という二人の天下人に認められ、戦わずして北の大地を護り通した一族を描いた歴史長編。
  • 海音寺潮五郎短篇総集(一)大老堀田正俊他
    -
    歴史文学の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短編80余編を全8巻に編成。武士の潔さ、日本人の美意識を追求した作家の精髄がここに。第1巻は処女作「うたかた草紙」、実録文学「大老堀田正俊」、西南戦争を背景とした「南風薩摩歌」、忠臣蔵の片岡源五右衛門を通して武士道観を描く「白菊」など、著者が作家としての地位を確立させた記念碑的作品群12篇を収録する。
  • 貝殻一平(上)
    -
    時は幕末、世は日増しに物情騒然。幕府の秘密をさぐり出し京へ逃げ帰ろうとする公卿の娘、執拗に追う同心や旗本、娘をひそかに助ける謎の浪人。そんな騒ぎをよそに、好きな女との行く末ばかりで頭がいっぱいの一人の若者がいた。本編の主人公・貝殻一平である。しかし、時代の激しいうねりは、彼に呑気な生き方を許してはくれなかった……。全編にみなぎる巨匠の着想の妙と鮮やかな物語の魅力!
  • 介子推
    4.3
    山霊がつかわした青年、長身清眉の介推は、棒術の名手となって人喰い虎を倒した。やがて、晋の公子重耳に仕え、人知れず、恐るべき暗殺者から守り抜くが、重耳の覇業が完成したとき、忽然と姿を消した。名君の心の悪虎を倒すために……。後に、中国全土の人々から敬愛され神となった介子推を描く、傑作長編。
  • 海将(上)
    4.5
    堺の薬問屋・小西隆佐は、まだ信長の家臣の1人にすぎない羽柴秀吉に己と一族の将来を賭ける。時は天正、西国の毛利家に対抗するための要となる備前・宇喜多家へ、隆佐は手塩にかけて育て跡継ぎと考えていた18歳の弥九郎を送り込む。わずか10数年後に24万石大名となる小西行長の若かりし日を描いた傑作長編(講談社文庫)。
  • 海賊とよばれた男(上)
    4.4
    すべてのビジネスマンに捧ぐ。 本屋大賞の話題作、早くも文庫化! ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。 一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。 石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。 「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。
  • 海賊の日本史
    4.0
    藤原純友、松浦党、倭寇、村上水軍。海に囲まれた日本列島は、古来、「海賊」と呼ばれる人びとの活動の舞台だった。様々な地域で活躍した様々な「海賊」たちの存在を通して日本の歴史を読み直す、ユニークな日本史の試み。
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ
    4.4
    辺境と蔑まれ、それゆえに朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。8世紀、黄金を求めて支配せんとする朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・阿弖流為は遊撃戦を開始した。北の将たちの熱い思いと民の希望を担って。古代東北の英雄の生涯を空前のスケールで描く、吉川英治文学賞受賞の傑作。(講談社文庫)
  • 加賀百万石
    3.0
    加賀前田家三代の絢爛たる世を描く長編力作――宿敵・徳川家康の暗殺を断念して逝った、戦国バサラ大名・前田利家。あとを継いだ利長・利光らは、家康の嗣子・秀忠の助言で命を救われたものの、利家の正室・芳春院を人質として召し出されることになった。豊臣秀吉の盟友として大藩を誇った前田家が、徳川家との確執をへて、加賀の地に栄耀栄華を誇るまでを描く、長編力作。
  • 夏姫春秋(上)
    3.5
    直木賞受賞作。「力」が現世の全てを制していた当時、大国の横車に押し切られる小国鄭に、美しい公女が居た。
  • 御隠居剣法 駆込み宿 影始末(一)
    4.0
    塚原宗八郎、五十半ばの元御家人。醜男だが愛嬌あり。剣の腕はにぶっていない。駆込み宿・安田屋に持ち込まれた揉め事の仲裁をする糊口の日々に事件が起こった。大金を持った男児が「母上が攫われた」とやって来たのだ。誰が、何の目的で? 血腥い武家の内情もからみ、事件は意外な展開を見せていく。腕のたつ仲間たちと真相に迫る、書下ろし新シリーズ!
  • 影十手活殺帖
    3.0
    逃げた女の謎に挑む時代ミステリー。舞台は鎌倉の東慶寺。別名駈込寺。男に愛想の尽きた女が一目散に逃げ込んでくる。寺役人の市助と門前にある菓子屋の和三郎が協力し、駈込みの子細を辿っていくと、女の性(さが)をめぐる凄まじいドラマと巧妙な悪企みが浮かびあがってくる。和三郎は忍びの裔(すえ)。影十手を躍らせ江戸の闇に挑む。痛快な時代ミステリー。(講談社文庫)
  • おねだり女房 影十手活殺帖
    4.0
    良人(おっと)との離縁を望み最後の助けを求めて女が駈け込む「縁切寺」として名高い鎌倉の東慶寺。門前にある餅菓子屋の倅(せがれ)で忍びの末裔でもある平左十手の使い手・和三郎が、寺役人の野村市助、公儀御庭番の息女紀乃とともに、夫婦の事情の背後に隠された意外な真実を鮮やかに暴き出す。表題作「おねだり女房」を含め全4編。(講談社文庫)
  • 遠山桜 影与力嵐八九郎
    3.0
    鳥羽亮の時代小説、新シリーズがついに登場軽業師が集う一座の用心棒をしている嵐八九郎。だが、彼は遠山金四郎の命を受け、江戸の治安守ることを任務としていた。鳥羽亮待望の新シリーズ。文庫書下ろし。
  • 陽炎の門
    3.7
    下士上がりで執政に昇り詰めた桐谷主水。執政となり初登城した日から、忌まわしい事件が蒸し返され、人生は暗転する。己は友を見捨て出世した卑怯者なのか。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。自らの手で介錯した親友の息子・喬之助が仇討ちに現れて窮地に至る主水。事件の鍵となる不可解な落書の真相とは――武士の挫折と再生を切々と訴える傑作。
  • 笠雲
    -
    明治維新後、富士山麓の開拓にのりだした清水次郎長。一の子分の大政こと政五郎は新時代の中で「夏火鉢」扱いに甘んじていたが、現場を任され一筋縄ではいかない男どもをまとめあげてゆく。だが動員された囚人の脱走騒ぎに続き、古参の子分・相撲常(すもうつね)が変死。事件のからくりに気づいた政五郎の怒りが爆発する(講談社文庫)
  • 春日局
    -
    勇武の血統、叛将・明智光秀の家老の娘・お福は、秀吉の天下で悲惨な青春を強いられ、家康の世にいたって運が開ける。苦汁の半生がつちかった力で、三代将軍の乳人として権力の奥に暗躍するが、お福を密かに支えた徳川政権を確立させた、恐るべき影の人物とは? 戦国の残影の中から新しい時代を導き出すため、男の野望を納得し同調した、稀有の政治的女性を描く、傑作長編時代小説。
  • カスティリオーネの庭
    3.0
    清朝最盛期の乾隆帝に宮廷画家として仕えたイタリア人宣教師ジュゼッペ・カスティリオーネ。現地名「郎世寧」として中国絵画史にも大きな足跡を残した彼は、離宮の狭い一画に十二支をかたどった噴水と西洋式の宮殿を造るよう命じられ、仲間の宣教師と心血を注ぐ……。西洋の目が見た皇帝一族の光と影。(講談社文庫)
  • 風の海峡 上 波頭をこえて
    3.5
    1~2巻1,155円 (税込)
    梯進吾(かけはししんご)――対馬生まれの少年が、秀吉の朝鮮出兵に参加した。「日本と朝鮮はこんなに仲良くしてるのに」少年たちの友情を戦争が引き裂いた。日朝の悲しい歴史の引き金ともいうべき文禄慶長の役に舞台を設定し、時代の波に翻弄される少年の姿を描く著者渾身の野心作。
  • 風の軍師 黒田官兵衛
    3.5
    あす吹く風は、どこからどこへ。黒田官兵衛、ジョアン、細川ガラシャ、織田秀信――伴天連追放令下、「かなわぬ夢」と「かなえてはならない夢」のはざまで生きた人々の思い。『風渡る』に続く葉室麟の「官兵衛」。(講談社文庫)
  • 風の群像(上) 小説・足利尊氏
    3.0
    天下取りの好機。後醍醐帝から討幕綸旨(りんじ)が下り、源氏の棟梁・足利尊氏は弟直義(ただよし)、高師直(こうのもろなお)らと旗揚げして北条氏を討った。しかし"野草の群れ"武士の暮しを守る武家政権を目指した尊氏と、親政を企む帝が対立。「土に根ざし汗にまみれた者たち」の幕府開設へ熾烈(しれつ)な戦いが始まった。好漢尊氏の魅力溢れる歴史長編。
  • 風の如く 吉田松陰篇
    -
    松下村塾に入り吉田松陰の元で学び、久坂玄瑞や高杉晋作などのちに長州藩を引っ張る傑物らと出会った風倉平九郎。師である松陰が命の懸けて国を憂う気持ちに、平九郎はみずからの進むべき道を探っていく。幕末の時代情勢は風雲急を告げ、松陰の身に危機がおとずれる・・・。「軍配者シリーズ」の著者がえがく、青春群像劇。
  • 風の七人
    -
    南国カンボジアの魔城に挑む日本忍者の大活劇。当代一の忍びの手練れ、きりの才蔵とましらの佐助、怪僧にして妖術の総帥・七宝坊主、怪力武者の裏切り陣内、豪剣の名手の群青・緑青の双子の兄弟、豊艶な美女さらの7人が、異国の地で目もさめる疾風怒濤の活躍。卓抜な構成による著者初の異色痛快時代長編。
  • 風の砦(上)
    -
    幕末の北海道に生きた若き武士たち。ロシアの樺太進出を恐れ、江戸幕府は、東北諸藩に蝦夷地の警固を命じた。厳寒の地で歴史の荒波に翻弄されながらも、土地を愛し人を愛して、まっすぐ生き抜こうとする男と女を描く、感動の歴史長篇。人妻との運命的な出会いは、侍の道を超え、純粋な愛の旋律を奏で始める。厳寒の地・北海道の警固を志願した若き侍たちの運命は? <上下巻>
  • 風よ雲よ 上下合本版
    -
    明朝末期のマカオ、美丈夫の野心家・鄭芝竜と、豊臣の遺臣・安福虎之助との運命の出会い。風雲児の生涯を描く壮大なロマンーー東に虎視眈々と機を窺う満洲族、西に流賊・李自成軍が迫る明朝末期、中国南部の港町・マカオで、二人の男が運命の出会いをした。美丈夫の野心家、生れながらの統領の器、鄭芝竜と、大坂落城時、脱出して蘇州の大商人の用心棒となった長身の浪人、安福虎之助である。壮絶な乱世に、南海制覇の野望に燃える男と、夢と生き甲斐を大陸に求めた男の人生の軌跡を描く、歴史長編。 『風よ雲よ(上)』『風よ雲よ(下)』上下巻合本版
  • 風渡る
    3.6
    秀吉の懐刀・黒田官兵衛と、日本人修道士・ジョアン。2人は、未曾有の変革の時を、時代の風を受けて生き抜いた。居場所を求めて駆け抜けた2人。信長から、キリシタン禁止令の時期を、折々にかかわりあいながら生きてきた2人。お互いの心にあるものを察しながら、時代を体現した黒田官兵衛とジョアンの交歓を、さわやかに描く。(講談社文庫)
  • 風を断つ
    3.0
    父の仇討ち相手との決着がついた浪人由比三四郎はおさとと夫婦になるが、おさとの希望で、通い婚になる。三四郎が寺子屋を開いている寺に、風砲なる武器を作る職人・伊十が転がりこんでくる。伊十を狙う刺客と対峙する三四郎。渡る世間のしがらみを秘剣“氷柱折り”が叩っ斬り、未来を開くことはできるのか。謎の職人をかくまう。その職人が作る武器を追いって迫る幕府や薩摩の刺客たち。剣戟と人情が織りなす新生時代小説。
  • 家族物語 おもかげ抄
    -
    ひとつの家族には、ひとつの物語がある。何をするにも妻のことを最優先にする「甘次郎」と呼ばれる浪人の孫次郎。梶派剣術の使い手でもある彼は、ある日、多勢に無勢で追い込まれた武士を助太刀する。その縁から剣術指南として召し抱えられることになるが……。孫次郎の告白と、妻への思いを哀切を込めて綴った表題作「おもかげ抄」、流行の変化と職人気質の間に苦悩する男をあたたかく受け入れる家族を描く「ちゃん」、吝嗇家として町内でも噂される母親とその子ども達が必死になって働き続ける理由は……。本当の優しさとは何か、その問いに向き合い描かれた「かあちゃん」など、さまざまな家族の姿をとおし、それぞれの愛のかたちを浮かび上がらせる感動の七篇。
  • 刀 十時半睡事件帖
    3.0
    勘定奉行の息子が、たわいない喧嘩から刃傷ざたを起こした。父は即座に息子に腹を切らせ、自らは辞職を願い出る。しかも、「泰平の世に武士に真剣はいらぬ、佩刀を竹光に変えたら」との提案までしたので、黒田藩中は大さわぎに……。そこで、黒田藩総目付の十時半睡にも、出番がまわってくる。武家社会の珍騒動を軽妙に描く、時代連作小説。
  • 傾く滝
    4.4
    大名題の家に生れ、類いまれな美貌で“江戸の華”と謳われた八代目団十郎。しかし彼は、肉親との葛藤に悩み、芝居町を弾圧するご政道に不安をつのらせ、ついに仇持ちの浪人宮永直樹への破滅的な愛にのめり込む。謎の死に至る団十郎の伝説的な生涯を、江戸歌舞伎を背景に描いた、初期の代表的長編小説。
  • 花鳥の乱 利休の七哲
    4.0
    剣と茶に命を賭ける魂熱き乱世の武士(もののふ)たち。千利休門下の7人の侍、古田織部、高山右近、荒木村重らの鮮烈な生! ――戦国時代、千利休の門下には、さまざまな逸材が、雲の如く集まった。信長に弓ひいた荒木村重や、キリシタン信仰に殉じた高山右近、師をも凌ぐ美意識の持ち主の古田織部ら、7人の弟子は、いったい何を求めたのか? 茶の湯に人生の真実を賭け、反逆の熱き心を燃えたたせた武将たちが織りなした、乱世の人間曼荼羅(まんだら)。
  • 勝山心中
    5.0
    湯女(ゆな)あがりながら、抜群の美貌と才覚で吉原随一の太夫となった花魁勝山(おいらんかつやま)には、人には言えない秘密があった。遊女の身で、男を受けつけられない煉獄の日々。ただ1人心を許した町奴(まちやっこ)の幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべえ)も、水野十郎左衛門の屋敷で凶刃に……。明暦の大火、親友の謀殺。波乱に満ちた遊女の生涯を描く哀切の吉原絵巻。(講談社文庫)
  • 加藤清正 豊臣家に捧げた生涯
    3.7
    「賤ケ岳の七本槍」として羽柴秀吉と柴田勝家の決戦で頭角を現し、朝鮮出兵では太閤・秀吉の信任を得んがため鬼神のごとき働きをした加藤清正。だが、秀吉没後は石田三成と激しく対立。秀吉の遺児・秀頼を大切に思いながらも徳川家康に接近していくことになる。そして東軍と西軍が開戦するや東に与するが、関ヶ原ではわずか1日で雌雄が決する。その後露骨になる家康の専横。秀頼を守ることだけを考えていた忠義の将の思惑は……。
  • かなりあ堂迷鳥草子
    -
    あの鳥が、綺麗な声で鳴いてくれたら。 飼鳥屋で夢をもって働くお遥、十六歳。 江戸の「鳥」たちが謎をよぶ、書下ろし時代ミステリー! 講談社時代小説文庫 赤ん坊の幽霊が出る噂の真相、盗まれた八百屋の売り上げの行方、婚約者の父が犯した重罪の理由――、 小さな飼鳥屋「かなりあ堂」の周囲で起きる「謎」の数々を、兄想いのお遥が解き明かしていく。 メジロ、ホトトギス、カナリア…小鳥たちが鳥籠で羽ばたきをしている。 近頃江戸では小鳥を飼うのが大人気。 兄と二人で飼鳥屋「かなりあ堂」を営む十六歳のお遥は、お転婆などと言われても気にしない。 噂の幽霊の正体を知ろうと駆けだしていく。 江戸の「鳥」たちが謎をよぶ時代ミステリー。 〈文庫書下ろし〉
  • かぶき大名
    -
    天正7年、家康に属して16歳の初陣、武田勝頼軍と戦うを手始めに、小牧長久手に秀吉軍を迎えて大功を樹てながら、父・忠重との不和から退転した三州刈屋3万石の息、豪勇無双の水野藤十郎勝成。持って生れた狂熱の血がさせるのか、秀吉に随身後も喧嘩と女出入りの明け暮れに、佐々、小西、加藤、黒田と主をかえては乱世を押し渡る。秀吉歿し、やがて天下分け目の風雲に際し、家康に帰参がかなった勝成は、父の跡をついだ後、関ケ原、大坂冬夏両陣を歴戦、大和6万石から備後福山11万石の身代に。75歳にしてなお島原ノ乱に出陣した、強悍にして奇矯な戦国男・水野勝成一代記。
  • 髪追い 古道具屋 皆塵堂
    3.8
    遊び人の茂として、ふらふらしていた茂蔵も、巳之助の弟分におさまり、小間物屋・大黒屋で真面目に働いている。その茂蔵が花見の後、酔った勢いで祠の戸を開けて、紐で固く結ばれていた箱を開けてしまう。箱の中にあったのは女の長い髪。するすると伸びて、茂蔵の足に触れたとたん、大音響が響き渡った。逃げるように立ち去った茂蔵は、翌朝、帳場の観音像が真っ二つに割れているのを見つける。観音像が身代わりになってくれたのか。幽霊が見える太一郎によると、「封じ込めている」ものを茂蔵が開けてしまったらしい。祠の場所には昔、三十年前に焼け落ちた履物問屋備前屋の寮があった。今の主の徳五郎によると、先代はかなり悪辣で、借金漬けにして潰した下田屋から寮を強奪したらしい。下田屋の亭主は行方知れず、一人娘も病で失ったお此という不幸なおかみさんが失意の末に自害して、長い髪を残したというのだ。茂蔵が開けてしまったのは、備前屋が封印したお此の髪だった。この世に怨みを残すお此を太一郎や茂蔵は救えるのか? 人気シリーズ第九弾!
  • 上方与力江戸暦
    -
    大坂から来た豪快侍の痛快捕物! 北町奉行所に大坂から赴任した内与力、淀川新十郎。もっさりした風貌と陽気な語り口だが、捕物は型破りで豪腕。贋金の探索の果て、対峙したのは上方以来の因縁の相手だった。書下ろし時代小説、新シリーズ開始。(講談社文庫)
  • 神々の賭け
    -
    尾張藩主・宗春は、前藩主・継友が紀州藩主・吉宗と熾烈な将軍位争いを演じた過去をふまえて、ことごとく吉宗と対抗する政策をとった。「将軍家の息女を奪え!」という未曽有の密命が、尾張藩土居下同心にくだった。岡崎一平太は単身江戸城に侵入し、息女・桜姫を拉致しようとした。土居下同心と御庭番の息づまる死闘!
  • からくり乱れ蝶
    3.0
    幕末、甲斐の侠客・竹居の吃安の娘お冴えは売り出し中の若親分・黒駒の勝蔵と愛しあうが、吃安が獄死し一家は離散する。女壺振りに身を変えたお冴えは、清水の次郎長と抗争を続ける勝蔵を助けるため次郎長に近づくが、逆に惚れ込まれて後添いに……。二代目お蝶の短くも鮮烈な生き様を描く傑作時代小説。
  • からす組
    4.0
    薩摩・長州・筑前を護衛に従えて、新政権の奥羽鎮撫総督が仙台に派遣され、会津討滅が命じられた。62万石の雄藩は混乱し、親政権派、親会津派に藩論は二分された。士道に生きる仙台藩士として、細谷十太夫は立ち上がったが……。奥羽越列藩同盟と新政権との死闘と、豪気な指導者像を鮮烈に描く、傑作長編。転換期の鮮烈な指導者像。魔風の如く暗夜に馳ける、男の意気を描く!
  • 妻敵討ち 鴉道場日月抄
    -
    江戸・小石川の貧乏剣術道場、柳花館で病に倒れた道場主の代わりを務める師範代・高森弦十郎。門弟とその姉が胡乱な浪人に付け狙われていることを知った弦十郎は二人を匿うが、裏には意外な事情が隠されていた。表題作ほか、世の不条理、時代の波に翻弄される人情の機微を描く、書き下ろし時代小説連作集。
  • からたちの記 女剣士道場日誌
    5.0
    雪深い東北の小藩・志津野藩の剣術指南役に嫁いだ女・里絵。江戸育ちの目に映る美しい山河の陰にも、御家騒動の芽はあった。世継ぎ争い、公儀の介入……。家中2派に分かれた抗争の渦中に巻きこまれた夫と舅に仕えつつ、彼女は技を磨く。あたたかい心と確かな眼を得た女剣客の成長を描く清冽なロマン。<「女剣」改題作品>
  • 空っ風
    3.0
    5尺そこそこの体に3尺余の長脇差。抜群の喧嘩度胸と居合抜の腕で「清水一家の狂犬」と恐れられる小政こと音五郎。すさんだ心の傷を埋めるのは、幼なじみ・てるへの想い。だが、そのために大喧嘩に間に合わなかった小政は、一家の中で孤立してゆく。時代に牙をむく男の生涯を描く、新世代股旅物の傑作。(講談社文庫)

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