国内小説 - 集英社 - 集英社文芸単行本作品一覧

  • 本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦
    3.8
    時は幕末。江戸城下、大久保の地。長く泰平の世が続き、代々この地を守ってきた鉄砲同心たちは火薬の原料を転用したつつじ栽培の内職に励み、時季には美しい花々を求めて多くの人が集まる江戸名所となっていた。礫家は鉄砲同心の御役に固執する頑固者の老父・徳右衛門、つつじ作りに類まれな才を発揮する息子・丈一郎、物忘れが多くなってきた祖母・登代乃、温和な母・広江、勝気な嫁・みどり、生真面目な孫・市松の六人暮らし。喧嘩も笑いも絶えない一家が大小様々な事件に巻き込まれて――。温かな“お江戸家族小説”。
  • 木崎みつ子『コンジュジ』刊行記念小冊子(試し読み付)
    無料あり
    3.5
    【無料小冊子】二度も手首を切った父、我が子の誕生日に家を出て行った母。小学生のせれなは、独り、あまりに過酷な現実を生きている。寄る辺ない絶望のなか、忘れもしない1993年9月2日未明、彼女の人生に舞い降りたのは、伝説のロックスター・リアン。その美しい人は、せれなの生きる理由のすべてとなって……。一人の少女による自らの救済を描く、圧巻のデビュー作。第44回すばる文学賞受賞作にして第164回芥川賞候補作。本書の配信を記念して、著者の木崎みつ子さんと川上未映子さんの対談と試し読みを収録した無料電子小冊子を配信いたします。ぜひダウンロードしてお読みください。

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  • アクティベイター
    3.9
    羽田空港に突如、中国のステルス爆撃機が飛来した。女性パイロットは告げる。「積んでいるのは核兵器だ」と。核テロなのか、あるいは宣戦布告なのか。警察庁の鶴来(つるぎ)は爆撃機のパイロットを事情聴取しようとするが、護送中に何者かに拉致されてしまう。囚われた彼女を助けたのは鶴来の義兄で警備員の真丈(しんじょう)だった。核起爆の鍵を握る彼女の身柄をめぐり、中国の工作員、ロシアの暗殺者、アメリカの情報将校、韓国の追跡手が暗闘する。爆発すれば人類史上最大の犠牲者が――その恐怖の中、真丈と鶴来が東京中を奔走する。『天地明察』、『十二人の死にたい子どもたち』、「マルドゥック」シリーズ等数々のヒット作を生み出した著者が、作家生活25年のすべてを込めた極上の国際テロサスペンス。
  • 私を愛して下さい(十津川警部シリーズ)
    -
    旅行作家の菊地文彦が、東京の自宅で刺殺された。直前に岩手県の宮古へ取材に行ったことが判明。捜索にあたる十津川警部は、相棒の亀井刑事と宮古へ向かう。菊地が訪れた姫川村の寺で、砕かれた石碑に“列”という刻字を見つける。東日本大震災で破損しただけでなく、故意に粉砕したと感じた十津川は、石碑の由来を調べ始める。第二次大戦の特攻作戦に繋がると睨んで鹿児島へ飛ぶが……。特攻隊員の妻の命の叫びが、現代の殺人を呼んだ!? 岩手と鹿児島を舞台に描く戦争&旅情ミステリー。書き下ろし。
  • 泣き娘
    3.5
    舞台は唐代の中国、神都随一と噂される哭女の“泪飛”は葬式に引っ張りだこ。葬儀では涙を絶やすことは許されない。そこで盛大に涙し故人の功績を称え謳うことが家の格を表すため、いい家柄の葬儀では優秀な哭女が雇われるのだ。しかし泪飛にはある重大な秘密があった。それは周旋屋の老婆・右聴と泪飛だけが知る事実――泪飛は少年なのだ。女装姿で哭女を続けなければいけない少年の苦悩と成長、そして年上の貴族青年・青蘭との奇跡のような友情を描く。新時代の旗手が放つ歴史青春ミステリ小説!
  • 悪い姉
    3.5
    「平穏な生活のために、姉を殺すことにしました」三月生まれの倉石麻友と、四月生まれの姉・凜。ふたりは生まれの近い年子のため、同学年として同じ高校に入学した。高校二年生になった春、麻友は姉を殺す計画を立てる。姉は誰もが振り返るような美少女だが、実は意地悪で残酷。幼いころからいじめなどの問題行動を繰り返していた。ずっと「毒姉」との決別を夢想しては敗れてきた妹の、試行錯誤の行方は? そして、妹自身が抱え続ける罪とは――。思い込みから解き放たれ、自由へと向かう物語。
  • 黄色い夜
    4.0
    東アフリカの大国エチオピアとの国境付近。龍一ことルイは、そこで知り合ったイタリア人の男・ピアッサとE国へ潜入した。バベルの塔を思わせる巨大な螺旋状の塔内に存在する無数のカジノが、その国の観光資源だった。そこは、砂漠のなかに屹立するギャンブラーたちの魔窟。上階へ行くほど賭け金は上がり、最上階では国王自らがディーラーとなり、国家予算規模の賭け金で勝てば、E国は自分のものになるという……。奪われたものを取り戻すために、そして、この国を乗っ取るために、巨大なカジノ・タワーの最上階を目指せ! 注目の作家が放つ、最新ギャンブラーズ小説。
  • 月の客
    3.0
    書かれたとおりに読まなくていい。どこから読んでもかまわない。一気読みできる本のように、一望して見渡せる生など、ない。「小説の自由」を求める山下澄人による、「通読」の呪いを解く書。父はおらず、口のきけない母に育てられたトシは、5歳で親戚にもらい子にやられた。だがその養親に放置され、実家に戻ってきたのちトシは、10歳で犬と共にほら穴住まいを始める。そこにやってきたのは、足が少し不自由な同じ歳の少女サナ。サナも、親の元を飛び出した子どもだった――。親からも社会からも助けの手を差し伸べられず、暴力と死に取り囲まれ、しかし犬にはつねに寄り添われ、未曽有の災害を生き抜いたすえに、老い、やがていのちの外に出た<犬少年>が体験した、生の時間とは。
  • 嫁ぐ日 狸穴あいあい坂
    3.3
    元火盗改方与力の祖父と麻布狸穴町で暮らす結寿が、八丁堀同心の妻木道三郎とともに、界隈で巻き起こる事件の謎を解き明かす大人気シリーズ。妻木への初恋を胸の奥にしまい、御先手組の小山田家へ嫁いだ結寿。やがて夫の万之助と心を通わせあい、娘の香苗が誕生。ところが、予期せぬ出来事が婚家を襲う。辛い別れを経て狸穴町へ帰った結寿。懐かしい人々との穏やかな毎日が始まるかと思いきや、かつてのように、妻木とともに様々な事件の解決に走り出すことに。押し込み騒動、花魁殺し、子攫い……。罪に苦しむ人々の心を解きほぐすうちに、結寿自身の心にも変化の時が訪れて――。
  • シリーズ最新刊『浮雲心霊奇譚 血縁の理』刊行記念小冊子
    無料あり
    4.5
    【無料小冊子】赤眼の憑きもの落とし・浮雲。絵師の卵・八十八。江戸を震撼させる怪異がふたりを襲う――。680万部超の大ヒットシリーズ『心霊探偵八雲』のルーツを描く、幕末ミステリー「浮雲心霊奇譚」。シリーズの最新刊刊行を記念して、「赤眼の理」「妖刀の理」「菩薩の理」「白蛇の理」「呪術師の宴」「血縁の理」各巻刊行時の著者インタビューを収録したデジタルのみの無料小冊子を特別配信!

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  • 合本版 浮雲心霊奇譚
    4.5
    赤眼の憑きもの落とし・浮雲。絵師の卵・八十八。江戸を震撼させる怪異がふたりを襲う――。680万部超の大ヒットシリーズ『心霊探偵八雲』のルーツを描く、幕末ミステリー。シリーズ『浮雲心霊奇譚 赤眼の理』から最新刊『浮雲心霊奇譚 血縁の理』の全6冊を電子合本! 単行本版1800ページ超が一冊に!! 単行本掲載のイラストを特別収録。※本電子書籍は単行本版を底本としています。
  • 抵抗都市
    3.7
    「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」日露戦争に<負けた>日本。終戦から11年たった大正5年、ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見された。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と組んで捜査を開始する。だがその矢先、警視総監直属の高等警察と、ロシア統監府保安課の介入を受ける。どちらも、日本国内における反ロシア活動の情報収集と摘発を任務とする組織だった。やがて二人は知る。ひとつの死体の背後に、国を揺るがすほどの陰謀が潜んでいることを。警察官の矜持を懸けて、男たちが真相を追う! 警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が、魂を込めて描いた、圧巻の歴史改変警察小説。
  • トリニティ、トリニティ、トリニティ
    -
    オリンピックに沸く2020年夏の東京。「目に見えざるもの」の怒りを背負った者たちが立ち上がる――ノンストップ近未来長編! ○「20世紀最大の呪いは、原子力の発見とその実用化だった。小林エリカは核に取り憑かれた作家だ、いや、核に取り憑いた巫女だ。その予言は私たちを震え上がらせる」――上野千鶴子氏(社会学者)
  • 完結記念!! 「百舌シリーズ」ガイドブック
    無料あり
    5.0
    スタートから33年――、ついにシリーズ完結!! 本シリーズの完結を記念して、小社PR誌に掲載された俳優・西島秀俊さんとの対談や「劇場版 MOZU」の監督・羽住英一郎さんとの対談、シリーズ全体を振り返る著者インタビューを収録したデジタルガイドブックを配信いたします。さらに百舌シリーズの試し読みも収録。公安と殺し屋の攻防を描いた“伝説の物語”を見届けろ! 逢坂剛の世界をより広く知るために、小社配信のほか作品の試し読みも収録。

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  • 【電子特別版】カモフラージュ(松井玲奈 刊行記念インタビュー付)
    3.9
    あなたは、本当の自分を他人に見せられますか――。恋愛からホラーまで、松井玲奈が覗く“人間模様”。鮮烈なデビュー短編集。■「ハンドメイド」いつもより荷物の重い日が好きだ。お昼の弁当に加えてもう二つ、夜に彼と食べる用の弁当を作る。食べる場所は決まって“ホテル”で――。■「ジャム」僕のお父さんは一人じゃない。お父さんの後ろには、真っ白な顔のお父さんたちが並んでいる――。悪夢的奇想、ホラー怪作!■「いとうちゃん」メイドになりたい。その一心で上京した十八歳の“いとうちゃん”は、メイド喫茶で働き始めるものの、ストレスから体重が増加してしまう。痩せ方がわからず、周囲にも疎まれ不安を募らせていくが――。■「完熟」何もない退屈な田舎での夏休み。年上の雰囲気を身にまとう女に僕は出会う。彼女は水辺で一心不乱に桃を食べていて……。そんな昔の記憶が、大人になった僕のフェティシズムを刺激する――。■「リアルタイム・インテンション」巷で人気の仲良しYouTuber三人組。本音を吐露してしまうという“本音ダシ鍋”を食す企画の生配信で、事件は起きる。■「拭っても、拭っても」広告代理店に勤めるアラサーのゆりは、半年ほど前まである癖(へき)を持つ男性と付き合っていた。その彼に理不尽にフラれたことが心の傷になっていて――。失恋と再生の物語。
  • 海猫ツリーハウス
    3.6
    【第33回すばる文学賞受賞作】現代の太宰治? 大いに悩む! 25歳の亮介は、服飾デザイナーを目指しながらも、故郷の八戸で実家の農業を手伝いながら「親方」のもとでツリーハウス作りに精を出す毎日。人気者の兄・慎平が都会から「自給自足」の暮らしを求めて帰郷してきたことがきっかけとなり、平穏だった田舎町のつかの間の均衡が崩れはじめる……。青春の苦悩を南部弁を駆使して鮮やかに描き出した、注目の俊英デビュー作。
  • 【集英社版】今野敏の軌跡 作家生活40周年記念特製ブックレット
    無料あり
    3.0
    今野敏の作家生活40周年を記念して出版社14社協賛で作成した特製ブックレットを無料配信! 逢坂剛氏や北方謙三氏との鼎談、川上弘美氏、佐々木譲氏、誉田哲也氏、柚月裕子氏、角川春樹氏との対談、特別企画などここでしか読めないコンテンツが盛り沢山! 集英社版では、小社から電子書籍配信しているスクープシリーズや琉球空手シリーズなど17作品の試し読みを収録! ぜひDLして、今野敏の作品世界をご堪能ください!

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  • トッピング 愛とウズラの卵とで~れえピザ
    3.0
    「今日は、で~れえ暑いねぇ」。岡山弁が飛び交う奉還町商店街で、雑貨カフェ「セワーネ(岡山弁で大丈夫という意味)」を営んでいるあゆみ。夫の雅彦は毎日大忙しだ。福男になりたくて西大寺裸祭りに参加するものの失神。早く帰宅したいから部長を辞めさせてくれと社長に直訴。妻のためだ。一昨年に発見された乳がん。手術も治療も順調だが心配でならない。雅彦の行動はすべてあゆみを元気づけたい一心からだ。雅彦の愛の“暴走”は日々加速する。そしてある日、雅彦はあゆみのために“で~れえ(すごい)”ことを思いついた!! ユーモラスな筆致ながら、夫婦や家族のあり方を問う、川上ワールド全開のハートウォーミングな家族小説。あなたはここまで妻を愛せますか!?
  • わるもん
    3.3
    【第42回すばる文学賞受賞作】――純子ちゃんもあるやろ、お父さんに有罪だしたこと。硝子職人の父はいつの間にか「箕島家」から取り除かれてしまった。工場(こうば)で汗を流して働く以外は縁側から動かず、家族を見なかった父はどこへ行ったのだろう。笑顔が増えた母、家には寄り付かない姉の鏡子と祐子。ときどき現れる「ミシマ」さんという男性。純子だけが母の視線を受けながらずっと家にいる。大好きなレーズン、日課の身長測定、ビーカーで飲む麦茶、変わらない毎日の中、あるときから純子は父の「コンセキ」を辿り始める。日本のどこかで営まれる家族の愉快でちょっと歪んだ物語。
  • バーバーの肖像
    -
    【第8回小説すばる新人賞受賞作】父親がいない複雑な家庭に育った主人公・衿子。結婚を目前にして、衿子は自らの過去に向かい合うことになる。遠い記憶をさかのぼれば、いつも頭に浮かんでくるのは「バーバー」のことだった……。幼い頃、母と姉と一緒に日曜日ごとに通っていた鎌倉の古い家。そこに一人で住んでいた「バーバー」と呼ばれる謎の老人。おしゃれで、どこかの国の王様のように優雅で、とびっきり上等で、いつも幼い自分を気にかけて守ってくれた温かくて優しいバーバー。あの人は一体、何者だったのだろうか? 母の恋人? 私の父親? それとも? しかし、そんな慈しみに満ちた平穏な日々を断ち切る事件が起きる。別れを告げてきた少女期の夢のかけらたちへのレクイエム。いびつでありながらも純粋な家族の形を描く、遠い日の愛と癒しの物語。
  • 人間界の諸相
    4.0
    謎に満ちた女・菱野時江とは何者なのか――。突如、連絡が取れなくなった時江の消息を追う二人の友人、渋崎咲子と古河内栗美は、携帯端末のSNSを頼りに彼女の居場所を突きとめた。そこには「あの国は暮らすにはいいが、生きるのは窮屈すぎる」という一文が……。(「幻の淑女」より)文学界の異才・木下古栗が挑んだ、なんともトリッキーなエンタメ風小説! 作品の全貌は、読んでみてのお楽しみ。
  • 前世は兎
    3.9
    「狂っているのはどっちだ」と兎が突き付けてくる。我々の取り繕った世界を、皮を、作者は次々と引っ剥がす。人間の暗部を見せてくれる。――こだまさん(作家)絶賛!!(『夫のちんぽが入らない』『ここは、おしまいの地』)/▼七年余り雌兎だった記憶を持ち、雄との交尾に開け暮れた一生を送った女。現世でも常に交尾を欲し、数々の奇行に走る。そして前世でつがいだった男と再会するが、その先で遭遇した恐ろしい出来事とは――(前世は兎)。▼36歳、教員で休職中の独身女が日々「ヌッセン総合カタログ」を詳細に書き写す訳は、「スティレス」を解消する為だった。同僚が次々と部屋を訪れ、職場復帰を促すのだが――(宗教)。▼破滅を迎えた世界で、国のマラソン競技に選抜された姉。労働力として認められないものへの唯一の栄誉だが、自殺や逃亡は許されない。選手村への出発を翌日に向かえた夜、姉がとった行動とは……(ランナー)。ほか、全七話。現実感覚を揺さぶる怪作集!
  • 【試し読み増量版】この恋は世界でいちばん美しい雨(刊行記念エッセイ収録)
    無料あり
    4.0
    愛した相手の幸せが、自分の命を奪う、なんて――。二人で余命20年。死に瀕した恋人同士は、生きるために過酷な「奇跡」を受け入れる。この恋の結末に、涙せずにはいられない。『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。試し読み増量に加え、刊行記念エッセイを収録した電子無料小冊子。

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  • Matt
    4.2
    日本から移住してはや5年。父と二人、オーストラリアに暮らす安藤真人は、現地の名門校、ワトソン・カレッジの10年生(16歳)になった。Matt(マット・A)として学校に馴染み、演劇に打ち込み、言語の壁も異文化での混乱も、乗り越えられるように思えた。そこに、同じMattを名乗る転校生、マシュー・ウッドフォード(マット・W)がやってくる。転校生のマット・Wは、ことあるごとに真人を挑発し、憎しみをぶつけてくる。「人殺し! おれのじいさん、ジャップに人生台無しにされたんだ!」。第二次世界大戦、日本とオーストラリアの、負の歴史。目をそむけてはならない事実に、真人――マット・A――は、自らの<アイデンティティ>と向き合う。人種が、言語が、国が、血縁が、歴史が、17歳の少年の心と体を離さない。
  • 日の出
    4.0
    明治の終わり、13歳の清作は、徴兵から逃れ故郷を飛びだす。北陸から九州、そして横浜へと逃れながらも、鍛冶職人として生きる清作を、数々の試練が襲いつづける。一方、清作を曾祖父にもつ現代の女子大生・あさひは、教職免許のために猛勉強中だった……。時代をへだてたふたりの希望の光が、小さく輝きはじめる。著者待望の長編小説。
  • 光点
    3.0
    【NHKオーディオドラマ FMシアター「光点」、2019年1月5日 午後10時~全1回放送!出演:石井杏奈、森口瑤子ほか】汚れた手で彼に触った、どうしたいのかもわからないまま。工場しかない閉じられた町で暮らす実以子。中学を卒業して以来、手帳に職場の弁当工場にいく時間を記すだけの日々。自宅では母親が実以子の持ち帰るにおいに顔をしかめて、娘を追いつめる。「結局あんたみたいなのが、人に迷惑かけても顔色変えずに生きられるのよね」(本文より)。ある日実以子は「八つ山」と呼ばれる裏山で、カムトと名乗る青年と出会う。二人は共に時間を過ごすようになり、それは行き場のない者どうしのささやかな交流であったはずが……。母のいらだち、父の無関心、遠ざけられた現実――。不穏な日常をふりきり、二人が求めた光点とは。第41回すばる文学賞受賞作。
  • 樹液そして果実
    4.0
    『若い藝術家の肖像』と『ユリシーズ』を素材にした刺戟的で創見に満ちたジョイス論を幕開けに、『源氏物語』を世界的視野で分析し、後鳥羽院と折口信夫の驚くべき関係を語る。そして、鴎外、紅葉、谷崎から大岡昇平、吉行淳之介までを論じ、さらには金屏風とは何かを探求する。王朝和歌から20世紀のモダニズム文学までを一望する文藝評論集。
  • ゼンマイ
    3.9
    「世の中なんて、不思議な出来事が簡単に起きるくらい、くだらねえもんだな」魔術団の女が残したゼンマイの小箱をたよりに、モロッコへとオトコ二人の珍道中。見つけたのは、ひとりの女か、それとも人生か──。野間文芸新人賞受賞の新鋭による最新傑作小説。
  • 真ん中の子どもたち
    3.4
    【第157回芥川龍之介賞候補作】“四歳の私は、世界には二つのことばがあると思っていた。ひとつは、おうちの中だけで喋ることば。もうひとつが、おうちの外でも通じることば。”台湾人の母と日本人の父の間に生まれ、幼いころから日本で育った琴子は、高校卒業後、中国語(普通語)を勉強するため留学を決意する。そして上海の語学学校で、同じく台湾×日本のハーフである嘉玲、両親ともに中国人で日本で生まれ育った舜哉と出会う。「母語」とはなにか、「国境」とはなにか、三人はそれぞれ悩みながら友情を深めていくが――。日本、台湾、中国、複数の国の間で、自らのことばを模索する若者たちの姿を鮮やかに描き出す青春小説。
  • 来福の家
    3.5
    中国語を学ぶ日本人恋人に、自身を揺るがされる在日台湾人女性…第33回すばる文学賞佳作受賞の「好去好来歌」と「来福の家」収録。台湾、中国、そして日本。3つの言語が織りなす初めての快感――。在日台湾人の著者が解き放つ新しい文学!!
  • 若葉の宿
    3.3
    京都の町家旅館で祖父母に育てられた、若い女性の揺れる心情を描く「小説すばる新人賞」受賞第1作。京都の小さな町家旅館・山吹屋に生まれた夏目若葉は、父を知らず、母も幼い頃に失踪したため、祖父母に育てられた。旧来のスタイルを守り続ける山吹屋は、グローバル化の波が押し寄せるなかで、年老いた祖父母の手で細々と経営が続けられていた。旅館を継ぐ決心がつかないまま20歳を過ぎた若葉は、祖父の伝手により、老舗の大旅館で新米の仲居として修業を始める。一方、中学からの親友・紗良は、芸妓を志す。失敗を繰り返しながらも仕事を覚えていく若葉は、先輩からの厳しい叱責に戸惑い続ける日々を送っていた。そんなある日、山吹屋に買収の話が持ちかけられる。さらに、若葉が勤める大旅館にも激震が……。
  • 彼女は鏡の中を覗きこむ
    3.0
    いつか必ず死にゆく人間の儚さと確かさを描く小説集。祖母が遺した宝石を身に着けると、孫娘は、祖母の過去の体験を夢に見る――「宝石」。資源が枯渇して紙の本がなくなった未来とは?――「燃える本の話」。原子力の歴史と、ひとりの女性の個人史が交わる「日出ずる」。時空を越えて娘の体験と母の記憶が重なりあう「シー」。類まれな想像力と遙かな時間軸で描かれる全4編。
  • ジュリエットのいない夜
    3.3
    人生の達人・鴻上尚史が贈る、最新小説! 世界一有名なカップル「ロミジュリ」が現代を舞台に甦る。劇的なことすべてに見放されたあなたは現代を生きるロミオとジュリエット。ロミオになるはずだった男たちと、ジュリエットになれなかった女たちが繰り広げる、欲望と嫉妬、裏切りと絶望のドラマ。
  • さすらいの皇帝ペンギン
    -
    小説家・楠三十郎は『テレビ麻布』開局30周年記念のドキュメンタリー番組のレポーターとして南極に行ってほしいとのオファーを受けた。経由地、チリのプンタアレナスで、ある少女からクリスマスプレゼントとして大きな鳥かごをもらうが、中にいたのは皇帝ペンギンの雛。どうやら南極に帰してほしいということだった。そしてペンギンとの悪戦苦闘の旅が始まった――。軽妙な筆致で“生きること”の尊さを描く。三千綱ファン待望の感動長編。
  • 生成不純文学
    3.6
    読書芸人も賞賛! 文学界の異才が放つ、待望の最新短編集。OL物のAVが気になって仕事が手につかないロシア人宇宙飛行士。宇宙からその視線を首筋に感じる平凡なOLは、ある昼下がり、公園のベンチ裏からノートを見つける。そこには野糞を採取する男の記録が……。(「虹色ノート」)。ほか、「人間性の宝石 茂林健二郎」「泡沫の遺伝子」「生成不純文学」の四篇を収録。
  • そういう生き物
    4.0
    【第40回すばる文学賞受賞作】千景とまゆ子。高校の同級生である二人は、10年ぶりに偶然再会し、思いがけず一緒に暮らし始める。薬剤師の千景は、とある男との逢瀬を重ねながらも、定年退職した大学の恩師「先生」に心を寄せている。叔母のスナックでアルバイトをするまゆ子は、突然家に尋ねてきた「先生」の孫とカタツムリの飼育を巡り交流を深めつつ、千景をそっと見守る。すれ違いの生活ながら、長く離れていた二人の距離は徐々に縮まっていく。そんな中、高校時代の友人の結婚式が近づき、二人はかつての自分たちの深い関係と秘密とに改めて向き合うことになる。そして……? 一番近くにいるのに、わかり合えない二人。なのにもかかわらず、寄り添う二人。愛と性、心と体の狭間で揺れ動く孤独な心象風景を、瑞々しい文体で描き出す。
  • サバイバルファミリー
    4.1
    ある日突然、電気がこの世界から消滅! 東京に暮らす4人家族(鈴木家)が直面する、超絶不自由生活! 次第に食料や水が乏しくなっていく中で、父は決断を下す。東京を脱出する! 何が起きているのか分からない状況下、果たして、鈴木一家は生き残れるのか。笑いあり涙あり、平凡な家族の感動の物語。同名映画、原作本。
  • 失踪.com 東京ロンダリング
    3.7
    「またロンダリングをやってくれないか」。事故物件をロンダリングする人達、それに関わる者が次々と相場不動産を去っていく背景に、妨害工作の動きを察知した調査役の仙道は、ある事実を突き止める。市井の不動産屋のために巨大勢力と戦おうと立ち上がった仙道だが――。前作『東京ロンダリング』で注目を浴びた作者が、5年の時を経て新たに大都市・東京の鬼門を突く! 「事故物件を単なる恐ろしいものとしてではなく、現実的な事情も含めて丁寧に描いている」(大島てる・事故物件公示サイト運営)【目次】うちの部屋で人が死んだら/君に栄光を捧げよう/幽霊なんているわけない/女が生活保護を受ける時/地方出身単身女子の人生/失踪、どっと混む/昔の仕事/大東京ロンダリング/あとがき
  • 蠕動で渉れ、汚泥の川を
    4.3
    “湊かなえ氏激賞!! 「17歳の失敗は、人生の失敗じゃないのだ」と貫多は私に教えてくれた──湊かなえ”。貫多、セヴンティーン! 人生はまだ、始まったばかり。初めての洋食屋でのアルバイトと、波瀾万丈の日々。家を追われ、猛女に怒鳴られ、途方に暮れる。待望の最新長篇<私小説>! 「確かに自分は<青春の落伍者>にはなりつつあるが、しかしながら、まだ<人生の落伍者>には至っていないのだ」。白衣を着てコック帽をかぶった北町貫多は、はじめての飲食店でのアルバイトにひそかな期待を抱いていた。日払いから月払いへ、そしてまっとうな生活へと己を変えて、ついでに恋人も……。労働、肉欲、そして文学への思い。善だの悪だのを超越した貫多17歳の“生きるため”の行状記!
  • 【無料】「東京バンドワゴン」10周年記念小冊子
    無料あり
    3.7
    シリーズ累計130万部突破! 「東京バンドワゴン」シリーズ10周年を記念して、シリーズ全巻の試し読み&小路幸也特別インタビュー(「青春と読書」5月号収録)を収録した無料小冊子を配信いたします。老舗古書店「東亰バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家が人情あふれる方法で解決する大人気シリーズの入門ガイド。

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  • 希望の海 仙河海叙景
    3.9
    東日本大震災により失われた日常と、得るべき希望。東北に生まれ、東北に暮らす直木賞作家の、「あの日」を描かない、連作短編集。三年前の秋、早坂希は勤めていた会社を辞めて仙河海市に戻ってきた。病弱の母親の代わりに、スナック「リオ」の切り盛りをしている。過去に陸上選手として活躍していた希は、走ることで日々の鬱憤や悩みを解消していたが、ある日大きな震災が起きて、いつも見る街並みが180度変わってしまう――。(「リアスのランナー」「希望のランナー」)。高校生の翔平は、津波により両親と家を奪われ、妹の瑞希とともに仮設住宅で暮らしていた。震災の影響で環境が大きく変わり、次第に心が荒んでいく翔平だったが――。(「ラッツォクの灯」)。東北の港町に生きる人々の姿を通して紡がれる、3・11からの再生の物語、全9編。【目次】リアスのランナー/冷蔵家族/壊れる羅針盤/パブリックな憂鬱/永久(とわ)なる湊/リベンジ/卒業前夜/ラッツォクの灯/希望のランナー
  • 温泉妖精
    3.0
    美しい母親と姉のもとで育ち、容姿コンプレックスを抱えて美容整形を繰り返す27歳の絵里。大きな二重、高い鼻、脱色した髪と青いカラーコンタクトで、外国人のふりをして田舎の温泉宿に泊まるのが趣味の彼女は、ある日、向かった旅館で、「影」と呼ばれる嫌味ったらしい中年男性客と出会い――。不思議なエネルギーに満ちた第39回すばる文学賞受賞作。
  • ソウルメイト【電子特別版】
    4.1
    1~2巻1,361~1,408円 (税込)
    言葉は交わせない。ずっと一緒にもいられない。そんなのわかってる。だからこそ、一瞬が愛おしい。余命がわずかだと知らされた「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」。被災地・福島に母の遺した犬を捜しに行く「柴」ほか「チワワ」「ボルゾイ」「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」「ジャーマン・シェパード・ドッグ」「ジャック・ラッセル・テリア」たちが登場する、涙なしには読めない、情感に満ちた全7編。【電子版限定、カラー写真口絵つき】
  • 小説 母と暮せば
    3.7
    1945年8月9日、原爆で壊滅的な被害を受けた長崎で、ひとり暮す福原伸子。彼女は長男・謙一をビルマ戦線で亡くし、原爆で次男・浩二を亡くしていた。あれから3年、ようやく息子の死を受け入れられるようになった伸子の前に、浩二が亡霊となって現れた――。2015年12月12日公開、山田洋次監督作品(出演:吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一)の小説版。
  • 反人生
    3.7
    「人生作り」には興味がない。流れる季節を感じるだけで、世界は十分面白い――。夫を亡くしてひとり暮らしの荻原萩子・五十五歳が抱く、バイト仲間の年下女子・早蕨へのときめきと憧れ。――「反人生」/世界を旅する寅次郎、ユーモアのセンスあふれる桃男。男友だちから新たな感覚を学ぼうとする大沼の行く末は……。――「越境と逸脱」など全4編。男と女、親と子、先輩と後輩、夫と妻。無意識に人々のイメージに染み付いている役割や常識を超えて、自由でゆるやかな連帯のかたちを見つける作品集。
  • 人間のしわざ
    4.3
    この世界のどこに救いや癒しがあるのか――戦後70年に問いかける衝撃作。男は戦場カメラマン。紛争を追いかけて世界中を駆け回り何十年も家庭を顧みず、結果、妻の死を知ったのは葬儀が執り行われた後だった。今は、テロリストとの関係が疑わしい引きこもりの息子と暮らし、妻の裏切りの記憶に苦しんでいる。かつて、互いに惹かれあいながら結ばれなかった女との逢引先で男が語り始めたのは、青春の日々に長崎の町で掘り出された喉仏の骨、黒こげの殉教者の慟哭、そして30年前の雪の日の、爆心地での教皇の祈りだった――。デビュー20年。『聖水』『爆心』に続き新たに殺戮と紛争の世紀を問う衝撃作。長崎という土地の記憶を探り続けてきた著者の、到達点であり出発点がここに。【目次】人間のしわざ/神のみわざ
  • 東京ディール協奏曲
    3.0
    この世界、動けるものが勝つんだよね。東京、香港、ドバイ、ニューヨーク――。巨大資本の間隙を縫ってマネーの魔術師が疾走する! 現役の実業家が圧倒的なリアリティで描く、新時代の企業買収エンターテイメント。「電子化にあたっての追記」も収録。【著者紹介】塩野誠(しおの まこと)…ゴールドマン・サックス証券、ベイン&カンパニー、ライブドア証券(取締役副社長)等にて国内外の事業戦略立案・実行、資金調達、M&A、投資に従事。テレコム・メディア・テクノロジー業界を中心にベンチャーから企業再生までを経験。IGPI参画後は、大手メーカーの資金調達、エンターテインメント企業のM&A、大手テレコム企業のクロスボーダーM&A、事業開発等に従事。慶應義塾大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士 。※この本は2007年に栗山誠名義で出版されましたが、電子化にあたり著者名を本名に変更しています。
  • 見憶えのある場所
    3.6
    結婚をしないまま、娘・千草を産んだゆり子。スーパーのパート勤めの間、千草は母・菜穂子のもとに。父が出ていったあとに一人暮らす母のいる家は、ゆり子の「見憶えのある場所」だった。千草の姿に重なるように家族の日々と忌わしい記憶が蘇る。母はゆり子と千草の生活にかかわるうちに、次第に常軌を逸していく…。母と娘の確執、それぞれが抱える苦悩を丹念に描く注目の小説。
  • キャプテンの星座
    -
    【第14回すばる文学賞受賞作】市立動物園に待望のゾウがやって来る! 到着を待ちわびる人々のもとに、ゾウが暴れだしたという知らせが……。ゾウに関わる人々の想いに動物園の歴史が交錯する力作。
  • チューリップの誕生日
    4.0
    【第16回すばる文学賞受賞作】高校1年生のユーリは、伝説のヴォーカル・三原に勧められ女性ロックバンドに参加する。学校とプロのミュージシャンとしての仕事、二重生活に追われるうちに自分を失いかけそうになったユーリは、フジシマという男に出会って――。女子高生ミュージシャンの日々の想いと旅立ち。
  • 砂漠の青がとける夜
    3.8
    【第27回小説すばる新人賞受賞作】東京で雑誌編集をしていた瀬野美月は、姉が亡き父親から譲り受けたカフェを手伝うため、京都に移り住んだ。淡々と日々を過ごす彼女の心をよぎるのは、東京での仕事と不倫相手の記憶だった。飲食店の紹介記事で使う言葉への違和感、別れを告げた不倫相手から送り続けられるメール……。自らの気持ちと、それを表現する言葉とのギャップが、美月の心にわだかまりとして残っていた。そんな美月の前に、どこか現実感がなく不安定さを帯びた男子中学生が現れる。平日の夕方にコーヒーを注文する彼は、大人びた物静かな少年だったが、あどけない面も持っていた。二人が親しくなっていったある日、彼は他人とは異なる世界が見えることを美月に打ち明ける。彼の話を聞くうちに、美月は自分の現実感が揺らぐ感覚を抱き、彼自身の存在さえ確かではないという思いを持つようになる。そして、彼だけが知覚する言葉を、ノートに書き留めるようになった美月に訪れた瞬間とは――。繊細な文章表現とみずみずしい感性が光る受賞作。
  • みずうみのほうへ
    3.7
    【第38回すばる文学賞受賞作】父と二人で出かけた七歳の誕生日旅行。「サイモン」という人物を想像するゲームで一緒に遊んだあと、父が船上から姿を消し、ぼくはたったひとり、夜の海に取り残された。湖のある小さな町で暮らす伯父のもとに引き取られたぼくは、大学卒業後に港町に出て、水産物加工場で働きはじめる。楽しみは週に一度のアイスホッケー観戦だった。二十代最後の年にぼくは偶然、サイモンそっくりの人物と遭遇。やがて、中古車販売を営む「サイモン」のもとへ週末ごとに通い、ガレージで過ごすようになっていく。だがある夜、突然「サイモン」が、ぼくと父しか知らないはずの言葉を口にして――。時間と空間を自在に交差させながら、喪失の果ての光を繊細に描き出す、新しい才能の誕生。
  • 島と人類
    3.0
    【第38回すばる文学賞受賞作】行こう! 行こうよ島へ! 人類学者の河鍋未來夫らヌーディスト一行は、「あの島」を目指し、大海原へ挑む。そこでは人類史に新たなる一ページを刻むべく、禁断の計画が行われていた。ヒトとボノボ、種属を超えた愛の先にあるものは……。驚愕か、感動か、はたまた爆笑か?! 小説界を震撼させる、衝撃のデビュー作。「罪も恥もクソ喰らえ! だよなみんな! の一念で、すっぽんぽんで書きました。」――作者
  • 集英社電子書籍ガイド2014‐2015 文芸単行本編
    無料あり
    -
    【無料ガイドブック】小社から世に送り出した文芸単行本の電子化作品を、著者プロフィールとともにご紹介します。インタビューの収録や、カラー写真・カラーイラストの収録など、電子版ならではの編集をしている多彩な作品の数々をご覧ください。また、気鋭の新人を輩出してきた「すばる文学賞」、小説の世界に常に新しい風を送り込む「小説すばる新人賞」の電子化作品を年代順にご案内します。ぜひお手持ちの端末にダウンロードして、デジタル読書にご活用ください。

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  • はじまらないティータイム
    3.5
    【第31回すばる文学賞受賞作】4人の過剰な女たち。あなたは誰に共感? 努力で「できちゃった略奪婚」した里美。その結果、離婚の憂き目にあった佐智子。そんな彼女を心配し、探偵活動を始める伯母ミツエ。その娘で不妊に悩む奈都子。女たちは対立しながら奇妙な友情を育む。
  • 八十八夜物語 1
    4.5
    1~5巻440~555円 (税込)
    夏も近づく八十八夜。野にも山にも若葉がしげる。古い歌を口ずさむたびに、亡き母の言葉がよみがえる。「一年のうちで、いちばん美しい季節が八十八夜の頃。あなたの人生の八十八夜を大切に……」。加納妙子、23歳。この美しい季節を無駄にすごせない。殺風景なオフィス、平凡な男たち、ありふれたOL生活に別れを告げようと思った。
  • 香夜
    3.0
    満月よ、いましばらく待っておくれ――。月光射し込む死の床で、逢わねばならぬ人がいる、成さねばならぬ事がある。愛して、憎んで、ほとばしる、思い舞い散る幻舞台―作家生活33年、名手はついに和の美に手をそめた。筆冴え渡る傑作長編。死への道程を妖しく鋭く甘やかに描きだす、哀悼と鎮魂の物語。
  • 教授と少女と錬金術師
    3.5
    【第37回すばる文学賞受賞作!】薬学部の学生・久野は、育毛と油脂の関連を研究する江藤教授に助手を任命され、かつての教え子である永田は乾性油によって人を魅了する光り輝く艶を頭部に作り出すことができた。久野は、永田の勤め先の塾で不思議な力を持つ女子中学生の荻と出会う……。常軌を逸したエネルギーで全選考委員を圧倒し困惑させた、すばる文学賞史上、最大の問題作。「毛」をめぐり、不思議な力を持つ少女と錬金術師が暗躍する、髪と神の支離滅裂で命がけの戦いがはじまる。
  • 【電子特別版】天使の柩(天使の卵シリーズ)
    4.0
    「世の中がどんなにきみを責めても、きみの味方をするよ」14歳の少女・茉莉(まり)が出会った20歳年上の画家――その人の名は、歩太(あゆた)。望まれない子どもとして育ち、家にも学校にも居場所がないまま、自分を愛せずにいる少女・茉莉。かつて最愛の人・春妃(はるひ)を亡くし、心に癒えない傷を抱え続けてきた歩太。公園で襲われていた猫を助けようとして偶然出会った二人は、少しずつ距離を近づけていく。歩太、そして彼の友人の夏姫(なつき)や慎一との出会いに、初めて心安らぐ居場所を手にした茉莉だったが、二人の幸福な時間はある事件によって大きく歪められ――。『天使の卵』から20年、『天使の梯子(はしご)』から10年。いま贈る、終わりにして始まりの物語。 電子版のみ著者インタビューを収録!!
  • ジ、エクストリーム、スキヤキ
    3.7
    フリーターの大川のもとに突然、絶縁状態だった学生時代の友人・洞口が15年ぶりに現れる。「縁切った人と会っちゃったら、縁切れてねぇじゃねぇか」「だからつないだんだよ」――。大川はあきれながらも言いくるめられ、同棲相手・楓と洞口の昔の恋人だった(?)京子を巻き込み海へ行くことに。「今さらなんだよ」「何があったんだろ?」「おみやげ買いたい」どこかちぐはぐな空気と???がうずまく中、一日だけの特別(エクストリーム)な旅が始まる。どうして15年も会わなかったのか?
  • 政と源
    4.0
    東京都墨田区Y町。つまみ簪(かんざし)職人・源二郎の弟子である徹平(元ヤン)の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたためらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。弟子の徹平と賑やかに暮らす源。妻子と別居し、ひとり寂しく暮らす国政。ソリが合わないはずなのに、なぜか良いコンビ。そんなふたりが巻き起こす、ハチャメチャで痛快だけど、どこか心温まる人情譚!
  • 神曲プロデューサー
    3.5
    音楽業界の便利屋の主人公が、世界の歌姫や余命わずかな老ベーシスト、歌の下手なアイドルグループ、我儘な新人アーティスト達から出される難題に立ち向かう。ライトノベル界の雄、ここに見参!
  • 世界地図の下書き【電子特別版】
    3.8
    【電子版限定特典つき】突然の交通事故で両親をなくし、児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らすことになった小学生の太輔。悲しみでしばらく心を閉ざしていたが、同じ部屋の仲間たちのおかげですこしずつ打ち解けていく。とくにお母さんのように優しい高校生の佐緒里は、みんなにとって特別な存在。施設を卒業する佐緒里のため、4人の子供たちは、ランタンに願い事を託して空に飛ばす「蛍祭り」を復活させようと、作戦を立てはじめる――。直木賞受賞後第一作! 電子版限定! スタジオジブリのアニメーター・近藤勝也氏が本書のために描き下ろしたカラーイラスト3点&「青春と読書」’13年7月号に掲載された、著者インタビューも収録。
  • パトロネ
    3.4
    第149回芥川賞作家が描くシュールでリアルな世界。同じ大学に入学した妹と同居することになった「私」。久しぶりに会った妹は意図的に「私」を無視し続ける。写真部に入部した妹を追うように「私」も入部するが、妹はやめてしまい、やがて奔放な生活を始める。しばらく家を空けていた妹は、戻るなり規則正しい生活を始めた。しかしある日、妹は荷物とともに姿を消してしまい……。中年主婦VS双子の悪魔を描いた第141回芥川賞候補作「いけにえ」を収録。
  • 猫はときどき旅に出る
    4.0
    第1部発表から十一年を経て完成された長編小説の傑作! 作家兼脚本家兼映画監督兼劇画原作者兼誠実なる酔っぱらい人間、楠三十郎の遍歴。
  • ジヴェルニーの食卓[電子特別版]
    4.0
    電子版限定、物語に登場する巨匠達の名画も収録!美の巨匠たちは、何と戦い、何を夢見たのか-。ドガ、セザンヌ、モネ、マティス。時に異端視され、時に嘲笑されながらも新時代の美を果敢に切り拓いた偉大なアーティスト四人の愛と友情、そして格闘の日々を色鮮やかに蘇らせる短編集。「この世に生を受けたすべてのものが放つ喜びを愛する人間。それが、アンリ・マティスという芸術家なのです」(うつくしい墓)。「これを、次の印象派展に?」ドガは黙ってうなずいた。「闘いなんだよ。私の。――そして、あの子の」(エトワール)。「ポール・セザンヌは誰にも似ていない。ほんとうに特別なんです。いつか必ず、世間が彼に追いつく日がくる」(タンギー爺さん)。「太陽が、この世界を照らし続ける限り。モネという画家は、描き続けるはずだ。呼吸し、命に満ちあふれる風景を」(ジヴェルニーの食卓)。語り手は、彼らの人生と交わった女性たち。助手、ライバル、画材屋の娘、義理の娘――彼女たちが目にした、美と愛を求める闘いとは。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、珠玉のアートストーリー四編。
  • 東京ハイダウェイ
    5/24入荷
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    ようこそ、心休まる「隠れ家」へ。 東京・虎ノ門の企業に勤める桐人は、念願のマーケティング部に配属されるも、同期の直也と仕事の向き合い方で対立し、息苦しい日々を送っていた。 直也に「真面目な働き方」を馬鹿にされた日の昼休み、普段は無口な同僚の璃子が軽快に歩いているのを見かけた彼は、彼女の後ろ姿を追いかける。 辿り着いた先には、美しい星空が描かれたポスターがあり――「星空のキャッチボール」 桐人と直也の上司にあたるマネージャー職として、中途で採用された恵理子。 しかし、人事のトラブルに翻弄され続けた彼女は、ある日会社へ向かう途中の乗換駅で列車を降りることをやめ、出社せずにそのまま終着駅へと向かう。 駅を降りて当てもなく歩くこと数分、見知らぬとんがり屋根の建物を見つけ、ガラスの扉をくぐると――「森の箱舟」 ……ほか、ホッと一息つきたいあなたに届ける、都会に生きる人々が抱える心の傷と再生を描いた6つの物語。

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