砂漠の青がとける夜

砂漠の青がとける夜

1,320円 (税込)

6pt

3.7

【第27回小説すばる新人賞受賞作】東京で雑誌編集をしていた瀬野美月は、姉が亡き父親から譲り受けたカフェを手伝うため、京都に移り住んだ。淡々と日々を過ごす彼女の心をよぎるのは、東京での仕事と不倫相手の記憶だった。飲食店の紹介記事で使う言葉への違和感、別れを告げた不倫相手から送り続けられるメール……。自らの気持ちと、それを表現する言葉とのギャップが、美月の心にわだかまりとして残っていた。そんな美月の前に、どこか現実感がなく不安定さを帯びた男子中学生が現れる。平日の夕方にコーヒーを注文する彼は、大人びた物静かな少年だったが、あどけない面も持っていた。二人が親しくなっていったある日、彼は他人とは異なる世界が見えることを美月に打ち明ける。彼の話を聞くうちに、美月は自分の現実感が揺らぐ感覚を抱き、彼自身の存在さえ確かではないという思いを持つようになる。そして、彼だけが知覚する言葉を、ノートに書き留めるようになった美月に訪れた瞬間とは――。繊細な文章表現とみずみずしい感性が光る受賞作。

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砂漠の青がとける夜 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    月と六ペンスでふと手に取った1冊。出てくる少年の言葉がすごく素敵で、繊細で、でもどこか痛々しいかんじ。この本に対する評価がそんなにされていないのが不思議で、でもこれが評価されてしまうと孤独が絶望に変わってしまう気がするので、この作者は私の隣にいてくれるのだという安心感をいただける場所にしたい。

    0
    2023年06月26日

    Posted by ブクログ

    福井の書店にて。地元出身の作家さんってことで推されてたんだよね。年齢が近めだったこともあり気になって。そういえば新人賞の作品を近い間隔で読んでるなぁ。
    雑誌の編集者の主人公は言葉と自分の思いのギャップ違和感を覚えてきて、仕事をやめて京都で姉と喫茶店をやっている。「そのひとの声と重なって、本音や自分す

    0
    2015年05月05日

    Posted by ブクログ

    京都でカフェを営む姉を手伝う妹。
    閉店前にやってきてコーヒーだけ飲む男子中学生。

    他人の頭の中にある声(?)が聞こえるという、不思議な現象。
    いろいろな空気を詰めたペットボトル。

    なんだか不思議な雰囲気の物語。ふわふわしたような。でも少しざわざわするような。
    ずっと同じトーンで若干飽きてしまった

    0
    2024年12月16日

    Posted by ブクログ

    京都が舞台の小説なので、京都が大好きなわたしには情景が浮かんでとても良かった。
    すごく繊細なお話だと思う。主人公の美月、姉の菜々子、織田、準、みんなそれぞれ切ないものを抱えている。準がこのまま心が綺麗なままに育っていってもらえればいいのになあと思いました。

    0
    2020年04月03日

    Posted by ブクログ

    結局なにが言いたいのか全くわからなかったけど、文章が綺麗で読んでいて、京都の淡い感じと色んなものが混ざった不思議な感覚を感じた。
    うーん。自分で感想書いててイマイチわからん。

    0
    2018年08月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    感想をまとめるのがとても難しい小説だった。

    第一印象では『甘さ』『愛してる』がキーワードとして沢山描かれていると感じ、小説の中で『甘さ』は感情を表していますがそれは一つの感情だけではないと思いました。

    ●『甘さ』に関する疑問点
    小説の最初の方で、主人公の女性・美月は雑誌編集をするにあたってパンケ

    0
    2019年12月17日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    注意:今回はいつもより多分に私見が入っており、なおかつそれゆえに作者さんの思惑通りの解釈をできていない可能性が高いです。以上をご理解のうえ、書評をご覧ください。

    この小説、ヤバい。

    亡き父の料理店をカフェに改装した姉から手伝いを頼まれたことを機に、東京での出版社勤めをやめてウェイトレスになった主

    0
    2017年03月15日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作者が”空気”感を大事にしているのが良く分かる作品だった。空のペットボトルに空気を詰めるデートは本人達にとっては真剣でロマンティックだったんだろうな。私がどこかに遊びに行って、ペットボトルに空気入れている人がいたらびっくりするけれど(苦笑)

    0
    2023年07月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    東京で過ごしていた日々を、京都で過ごすようになって思い出す数々のこと。

    東京で雑誌の記者として何十軒のお店を回っていたこと。
    結婚している溝端さんとずるずるとした関係を捨てて
    京都にいる菜々子姉ちゃんのカフェを手伝う日々を送る美月。

    カフェに1人でやってくる中学生の準くん。
    自分に無関心な両親と

    0
    2021年09月27日

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