ビジネス・実用 - 角川ソフィア文庫作品一覧

  • 現代語訳 理趣経
    -
    真言宗の聖典が初心者でもわかる! 空海が秘匿し、最澄との仲違いの原因になったといわれる理趣経は、毎朝毎夕に、真言宗寺院で必ず読誦される。この経典が性の快楽を認めるのは、根源的な行為を肯定することで、煩悩を含めた人間存在そのものをまるごと肯定しようと試みたためである。難解の極みとされてきた原文を、わかりやすく現代語訳。教えの神髄を、大胆かつ平易に、現在の最新研究の成果をふまえて正確に伝える。
  • 天狗にさらわれた少年 抄訳仙境異聞
    3.8
    江戸時代の国学者・平田篤胤が出会った寅吉少年は、「天狗の国に行った」と語る。天狗界の生き物、文字、乗り物、まじない……驚くほど詳細な、異界の文化とは? やさしい現代語訳で江戸の大騒動が蘇る!
  • 辞書から消えたことわざ
    3.7
    斯界の第一人者が、35年近くの〈ことわざ拾いの旅〉から「埋もれた名品」200本超を厳選。 「花の下より鼻の下」「心太の幽霊をこんにゃくの馬に乗せる」―― 表現や語感の良さ、言い回しの妙はもとより、成り立ち、使われた文芸作品、時代背景などの蘊蓄を駆使しつつ、絶妙な譬えを有する面白おかしい“庶民哲学”の世界を紹介する。 ことわざを視覚化した絵画やカルタも多数掲示。声に出して読め、見て楽しめる珠玉の読本。
  • 室町幕府崩壊
    3.7
    3代将軍足利義満の時代に全盛期を迎えた室町幕府。その50年ほどのち、重臣による将軍謀殺という前代未聞の事件が起きる―。この前期の室町幕府、4代義持、6代義教の時代に焦点を当て、室町殿と有力守護層たちとの複雑で重層的な関係から室町時代の政治史を読み直し、幕府崩壊の一大転換点となった義教謀殺=嘉吉の乱に至る道筋を実証的に跡付ける。 序 章 翳りのはじまり 第一章 足利義持の時代  一 義満後の政治環境  二 足利義持政権の特質  三 在地勢力の動向 第二章 足利義教の嗣立  一 足利義教の登場  二 嗣立期の足利義教とその周辺  三 正長改元の経緯と歴史的意義  四 後花園天皇の擁立と後南朝の動向 第三章 足利義教の時代  一 足利義教政権の特質  二 足利義教の文芸  三 有力守護家の分断政策  四 「恐怖の世」  五 対外交易と国際的環境 第四章 嘉吉の乱への道  一 永享の乱  二 嘉吉の乱はなぜ起こったか 終 章 嘉吉の乱──その後
  • クラシック音楽の歴史
    3.4
    人物や事件、概念、専門用語をトピックごとに解説。時間の流れ順に掲載しているため、通して読めば流れも分かる。グレゴリオ聖歌から二十世紀の映画音楽まで。「クラシック音楽」の学び直しに最適な1冊。
  • 愛の空間 男と女はどこで結ばれてきたのか
    3.0
    終戦直後「皇居前広場」という言葉が性交を連想させるほど野外性交は一般的だった。しかし、待合・ソバ屋・円宿などの施設が生まれ屋内で愛し合うようになった。日本の性愛空間の歴史を辿る建築史の決定版。
  • ブッダ伝 生涯と思想
    4.3
    煩悩を滅する道をみずから歩み、人々に教え諭したブッダ。出家、悟り、初の説法など生涯の画期となった出来事をたどり、人はいかに生きるべきかを深い慈悲とともに説いたブッダの心を、忠実、平易に伝える。
  • 新版 発心集 上 現代語訳付き
    -
    鴨長明が自分のために書き溜めたという仏教説話集。人間の欲の怖ろしさを描き、自身の執着心とどう戦うかを突きつめていく長明の記述は秀逸。新たな訳と詳細な注を付し、全8巻、約百話を上下2巻に収録。
  • 源氏愛憎 源氏物語論アンソロジー
    -
    千年にわたり連綿と読み継がれ、今や押しも押されもせぬ世界文学となった『源氏物語』。実はこの千年の読者たちには、物語をめぐる様々な愛憎があった。源氏受容史を辿る、まったく新しいアンソロジー。
  • 読む幾何学
    -
    「円の定義とは?」「2点を結ぶ最短距離は直線か?」 想像力の果てに広がる幾何学の世界を鮮やかなロジックで解き明かす。
  • 宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃
    4.0
    (章立て) 文庫版によせて 望月新一教授からの寄稿 第1章 IUTショック 第2章 数学者の仕事 第3章 宇宙際幾何学者 第4章 たし算とかけ算 第5章 パズルのピース 第6章 対称性通信 第7章 「行為」の計算 第8章 伝達・復元・ひずみ
  • カビの取扱説明書
    4.3
    暗い、汚い、かび臭い――陰気なイメージのカビが、美食界では大ブーム!  レストランで著者が見たものとは…。 ほかスマホや文化財に生えるカビなど、意外な一面に驚きつつ、かしこい付き合い方がわかる! 本書は2020年に弊社より刊行された書籍の文庫化です。 文庫化にあたり、カビをどう防ぐのかについての章を設け、実用的にも充実した内容となりました。 (章立て)第一章 食べるカビが大ブーム 第二章 カビの正体 第三章 思わぬところに生えるカビ 第四章 冷蔵庫・エアコン・洗濯機──家電のカビの今昔 第五章 カビ対策 一に乾燥、二に乾燥 第六章 石灰岩帯と山火事の後 第七章 カビは体にどのくらい悪いのか 第八章 ヒトとカビの闘い
  • ブラックホール 暗黒の天体をのぞいてみたら
    4.5
    猛烈な勢いであらゆるものを吸い込みつづけるブラックホール。 一度のみ込まれたら、光ですらも抜け出すことは決してできないというSFのような天体は、 アインシュタインによって予言され、2015年、重力波の検出で存在が証明されました。 そして2017年、人類は初めてその姿をとらえることに成功しました。 イベント・ホライズン・テレスコープという電波望遠鏡をつなぐ国際プロジェクトが 地球から約5500万光年かなたにあるM87銀河近傍のブラックホールの姿をとらえたのです。 本書は2017年に単行本で刊行された書籍の文庫版ですが、 エポックメイキングとなった2017年の撮影を踏まえ、全面的に加筆修正を行いました。
  • 自然のしくみがわかる地理学入門
    3.5
    高層ビルは新宿に密集する、北海道と本州は生息する動物が異なる、高尾山の植物種数はフィンランドより多い……身近に潜むこれらの謎を解くキーワード、それは「氷河」! 50カ国以上を調査で飛び回ってきた著者が、山を滑り落ち、砂漠を歩き抜き、森をさまよったからこそ見えてきた地球の不思議の数々。身の回りの疑問を出発点に自然のダイナミズムに触れる、あなたも街に、山に、川に、世界に出たくなる、地理学からの招待状。
  • 日本の方言
    3.3
    シアサッテは何日後──? 出身地によって意味がまるで異なる日本の方言。分布や由来、そしてマスメディア時代における変化まで、『日本方言大辞典』の編纂で知られる言語学者が奥深き世界を解き明かす。
  • 華厳の研究
    -
    仏の悟りの世界はどのようなものか。どうすればそこに至ることができるのか。絢爛な華厳経の世界に、日本が誇る仏教学者・鈴木大拙が挑む。安藤礼二氏による解説も付して再刊する、不朽の名著。
  • 倭人・倭国伝全釈 東アジアのなかの古代日本
    -
    日本人のルーツに連なる「倭国」「倭人」は、古代中国の歴史書ではどのように記されてきたのか? 『漢書』『後漢書』『三国志』『晋書』『宋書』『南斉書』『梁書』『隋書』『北史』『南史』『旧唐書』。11種の史書の古代日本に関わるすべての記述を網羅。現代語で読み下し、注解と詳細な解説により明らかにする。稲作と高床式住居という独特の文化様式を持つ倭族。長江流域を出て広がったその軌跡を辿る、「倭族論」の決定版。
  • 漢字文化の世界
    3.0
    日本文化の源流をなす漢字文化。文字の成り立ちを解き明かすことで、古代中国の人々のものの見方、価値観、神話的な世界観を引き出すことができる。悠久の歴史をもつ大国の深淵に迫る文化論。
  • 与謝野晶子訳 紫式部日記・和泉式部日記
    -
    平安時代の代表的な日記文学である『紫式部日記』『和泉式部日記』を、大正の歌人・詩人である与謝野晶子が華麗な文体で大胆に現代語訳した名作、初の文庫化! 平安貴族と女房たちの日々の暮らしや、宮廷の行事、人間関係と恋愛事情が描かれ、当時の風景が生き生きとよみがえる。二つの日記作品に加え、与謝野による論考「紫式部考」を併録。田村隆氏(古典文学研究)による「解説」で、与謝野訳の魅力と味わい方を紹介。
  • よくわかるヒンドゥー教
    -
    ブッダ(釈迦)はインドで生まれ、仏教はインドから世界に広まった。日本の仏教や仏像、生活に息づく風土風習をみわたせば、インドやヒンドゥーに起源をもつであろう事柄が実に多い。一方、聖典「ヴェーダ」や「マヌ法典」の教義、カースト制度やガンジス信仰、独特な祭祀や儀礼がいまなお色濃く残る世界は、外部からは伺いしれない混沌と魅惑と歴史文化を秘めている。わたしたちにとって近くて遠い「インド教」ともいうべき特異な思想文化の根本を、基本の「き」から徹底解説する、格好の入門書。 第一章 ヒンドゥー教を知るための基礎知識  ・アーリア人とドラヴィダ人  ・バラモン教からヒンドゥー教へ  ・ゾロアスター教の影響 ほか 第二章 ヒンドゥー教の思想  ・インド最古の聖典ヴェーダ  ・六派哲学  ・叙述詩『マハーバーラタ』  ・叙述詩『ラーマーヤナ』  ・『マヌ法典』  ・輪廻転生と業  ほか 第三章 ヒンドゥー教の生活と儀礼  ・四住期  ・カースト制度  ・河川崇拝と沐浴  ・ヒンドゥー教の祭  ・ヒンドゥーの聖地 ほか 第四章 ヒンドゥー教の神々  ・世界創造神ブラフマー  ・シヴァとヴィシュヌ  ・怪童クリシュナ  ・愛の神カーマ  ・インドラ  ・神猿ハマヌーン  ほか
  • 戦国関東覇権史 北条氏康の家臣団
    4.0
    両上杉家の打倒、北関東への進出、武田信玄との抗争と越相同盟……小田原北条氏三代・氏康の時代は、戦争が広域にわたって展開され、それを支える領国支配の仕組みが確立された戦国大名の形成期であった。当主のもと、領国の統轄に当たったのが一門衆・家老衆らの執行部である。「関東王国」を支えた、最強といわれた家臣団の知られざる戦争と統治の人事の実態を明らかにし、北条氏の最盛期を築いた氏康時代の真実に迫る。
  • 民主主義
    4.5
    戦後、文部省は中高生向けに一冊の教科書を刊行した。民主主義の真の理念と歴史、実現への道のりを、未来を託す少年少女へ希望と切望を持って説く本書は今こそ読まれるべき名著である。完全版を初文庫化!
  • フェルメール 作品と生涯
    -
    17世紀オランダで活躍したフェルメール。宗教画や神話画から転向し、勃興したばかりの市民階級が求める風俗画の制作へと乗り出した画家は、《牛乳を注ぐ女》《真珠の耳飾りの少女》といった名作を手がけていく。現実のようでいて現実でない魔術的な光と空間の描写は、いかにして生まれたのか。全作品をカラーで収録し、その真筆性をめぐる議論とともに、様式論を一冊に凝縮。政治や絵画市場などの背景に迫る補論を付した増補版。
  • 佐高信の昭和史
    3.0
    昭和2年、東京渡辺銀行破綻。昭和金融恐慌の引き金となったこの破綻の内実を、著者は東京渡辺銀行オーナー嫡孫・渡辺邦夫氏に直接取材し真実に迫る。緻密な取材により、エポックとなる事件や人物、組織の軌跡を辿り、リベラルな視点から昭和を捉え直したジャーナリストならではの昭和史。現代の視点から昭和を読み解き、現代日本に警鐘を鳴らす。解説・東京新聞記者望月衣塑子
  • 幸福論
    -
    ヒルティの幸福論三部作から、第一部「幸福論」(初版昭和29年刊)と第二部の一部を「人生論」(昭和31年刊)としてまとめた新・抄訳版。新・解説/鷲田小彌太。 目次 幸福論  仕事の要領  エピクテートス  悪とたえず戦いながら、策略を使わないで 世間を渡ることが、どうしてできるか  よい習慣  この世の子らは光の子らよりも利口である  暇を見つける工夫  幸福  人間とは何か? 人生論  人生の諸段階  罪と憂い  超越的希望  教養とは何か 解説  一、ヒルティその生涯と思想  二、「幸福論」について
  • 麺の歴史 ラーメンはどこから来たか
    -
    「チキンラーメン」生みの親の安藤百福と、日本の食文化研究家の奥村彪生がラーメンのルーツをもとめて旅に出た! 経済、文化、歴史……多様な視点で、今に至るまでのラーメンのすべてを描き尽くす。
  • 新「育児の原理」あたたかい心を育てる 赤ちゃん編
    3.7
    この本に書かれた内藤先生のメッセージが凝縮された新「育児の原理」十二則の一部をご紹介。 第二則  育児の原理は、愛情を伝えるお母さんと赤ちゃんの目と目の対話「まなかい」です。まだ言葉がわからない赤ちゃんに、お母さんのやさしい目で話しかけてあげてください。 「まなかい育児」で赤ちゃんに健やかな体とあたたかい心が育まれ、母と子の絆が強く結ばれます。 第七則  ゼロ歳から一歳過ぎの赤ちゃんのしつけは愛情を伝えるお母さんと赤ちゃんの目と目の対話をしながら「まなかい抱っこ」だけで十分です。「どんぶらこ、どんぶらこ」と赤ちゃんを、ゆっくり、ゆっくりあやします。おだやかなお母さんの声や顔そして肌から、赤ちゃんはあたたかい心を吸収していきます。大切なのはお母さんが、いつもゆったりと、かまえていることです。 第八則  心の傷跡が残りやすい一歳半から二歳頃のしつけは、命令や否定ではなく、「あなたならできるよね」と、根気よくお願いします。自我の芽を大切にしてあげると、子どものいろいろな能力が引き出され、伸ばされます。この頃、自我の芽を押さえつけると反抗心となり、いずれ復讐心にかわることさえあります。自己制御できるようになる四歳以降、お友達の悩みや苦しみを理解できるようになるためにも二歳児前後の心の育児はとても大切です。
  • バガヴァッド・ギーター ヒンドゥー教の聖典
    -
    神と人間のあいだに生まれた主人公アルジュナは、大いなる武勇の持ち主であった。その才は神から弓を授かるほどのものであったが、アルジュナは戦士として生きる決心がつかない。 領土問題に端を発した王族の争いに巻き込まれたアルジュナは、盟友クリシュナと共に戦に臨むが、なぜ人々の幸福ではなく不幸のために戦わなければならないのかと煩悶し、戦いを投げ出そうとする。 そんなアルジュナに、「戦いは戦士の宿命であり、全うしなければならない。≪無心で成すべきことをなし、その結果に執着しなければ心は平穏になる≫」と語りかけて諭す盟友クリシュナは、実はヴィシュヌ神(インドの最高神の一)の化身だった。 クリシュナはアルジュナに神としての本当の姿を見せ、畏敬に伏したアルジュナに神の教えを朗々と説く。その教えを受けたアルジュナは再び立ち上がり、自らの使命を果たそうと、大戦士として決意するのだった――。
  • 人間の営みがわかる地理学入門
    4.0
    バナナはなぜ安いのか、村はどのようにできるのか、民族は何を基準に区分されるのか……農作物と農業、人種、民族、言語、宗教、村落と都市、人口、環境問題といった、世界の人々の営みについて豊富な写真や図版とともに解説。著者自身が世界各国で体験したエピソードをふんだんに盛り込み、人間の暮らしが地理的環境とどう結びついているのかを具体的に紹介する。さまざまな環境で生きる人々の姿が鮮やかに見えだす、やさしい地理学入門。
  • 神曲【全三篇 合本版】
    値引きあり
    -
    千三百年の春、復活祭の木曜日。闇黒の森に迷い込んだ若き詩人ダンテは、尊師ヴェルギリウスに導かれ、生き身のまま地獄の門をくぐり九つの圏谷を降りてゆく。肉欲、欺瞞、異教、裏切り――地上での罪により呵責を受ける魂の叫び。ダンテは怖れ慄きながらも言葉を交わし、神が造りたもうた人間とは何か、その罪とは何かを探る。 ボッティチェリの素描とともに堪能する、西洋古典文学の神髄。 各巻に豪華な執筆陣による解説付き! 〔地獄篇〕島田雅彦/〔煉獄篇〕三浦朱門/〔天国篇〕中沢新一 ※本電子書籍は『神曲 地獄篇』『神曲 煉獄篇』『神曲 天国篇』を1冊にまとめた合本版です。
  • 古代への情熱
    -
    ドイツ北部の町に生まれたシュリーマンは、経済的な理由から大学を諦め、雑貨店や商社などを転々としたのち、商人として大成功をおさめる。 その資金を元手に、不屈の精神で遺跡の発掘へと邁進し、ついには通説を塗り替える大発見へと至った。 没後まとめられた本書は、人々を考古・歴史のロマンへと導き、今なおその魅力が色あせることはない。 ドイツ文学者・池内紀の訳で、情熱あふれる男の物語を堪能する。 解説・周藤芳幸 【目次】 はしがき  ソフィア・シュリーマン 第一章 幼い頃、及び商人時代(1822-1866) 第二章 イタカ、ペロポネソス、トロヤへの最初の旅(1868-1869) 第三章 トロヤ(1871-1873) 第四章 ミケネ(1874-1878) 第五章 トロヤ 第二次・第三次発掘(1878-1883) 第六章 ティリンス(1884-1885) 第七章 晩年(1885-1890) 訳者コラム 訳者解説 解説  周藤芳幸
  • 植物の形には意味がある
    4.3
    街で、庭で、山や森で。花束や食材として。私たちの暮らしの中で、植物を目にしない日はほとんどありません。ところで、そんな身近な草木や花々、野菜や果物は、どうして「その形」をしているのでしょう。葉や枝や根、花や果実が、それぞれどんな理由でいまの形になったのか、豊富な図版をもちいて基礎からやさしく解説する植物学入門。
  • アフリカの歴史
    4.0
    人類誕生の舞台であり、民族移動や王朝の盛衰を経て、他者と共存するおおらかな知恵を蓄えたアフリカ大陸。現地調査を重ねた文化人類学者が、「世界史」の枠組みをも問い直す、文明論的スケールの通史。
  • ハンス・ヨナスの哲学
    -
    ハイデガーの弟子、ユダヤ人のハンス・ヨナスはその生命・技術倫理で国際条約などに広範な影響を与えた哲学者。彼の思想は、師・ハイデガーがナチスを賛美するという衝撃やアウシュビッツ収容所で母親を亡くすという悲しい経験に思索を重ね練り上げられた。「人は未来世代へ責任を取りうるのか?」原子力発電やゲノム編集など今なお発展し続ける技術と生命への問いに対し、まさに必要とされるヨナス哲学の入門書。文庫化にあたり、「補論 『存在と時間』とヨナス」を書き下ろし掲載。 【目次】 はじめに 凡例 第一章 ヨナスの人生 第二章 テクノロジーについて―技術論 第三章 生命について―哲学的生命論 第四章 人間について―哲学的人間学 第五章 責任について 第六章 未来への責任の基礎付け 第七章 神について―神学 おわりに 補 論  『存在と時間』とヨナス 読書案内 文庫版あとがき
  • 哲学思想史 問題の展開を中心として
    -
    哲学を歴史として体系的に把握できる名著として紹介され続けてきた作品。 ギリシャ、中世、近世、現代哲学も、現代哲学も現象学からプラグマティズムに新実在論まで、、 なぜこのような思想は現れ、流行後になぜ消えたか?という問いを軸に学ぶことができる。 生の哲学の樹立者にして、ノーベル文学賞も受賞したベルクソン。 氏の研究でも知られる著者が遺した、通読できる哲学史の決定版! 「哲学を歴史として、体系的に見ていくには1960年代の教科書が一番いい」 佐藤優氏が復刊を熱望し続けてきた入門書、ついに甦る。 ※本書は1949年に勁草書房より刊行され、62年に同社より新版が出された『哲学思想史』を文庫化したものです。 底本には71年の新版第8刷を使用しました。 【目次】 緒言 全面的に書き改めるに際して 序章 哲学と哲学史 第一章 古代哲学 第一節 ギリシャにおける学問の誕生とその発展 第二節 二元論と一元論 第三節 古代の唯物論 第四節 自由の問題 第二章 中世哲学 第五節 キリスト教思想 第六節 中世思想の根本問題 第七節 普遍者論争 第三章 近世哲学 第八節 近代文化の誕生 第九節 唯理論 第十節 経験論 第十一節 批判主義の根本精神 第十二節 弁証法的思惟 第十三節 唯物論とその超克 補章 現代哲学の動向 解説 佐藤優 参考文献 哲学者一覧表(年代順) 人名ならびに事項索引
  • よくわかる山岳信仰
    4.0
    国土の七割以上を山に囲まれた日本では、古くから山を神聖視して信仰の対象とする山岳信仰が盛んだった。そして、六世紀に仏教が伝来すると、山岳信仰は仏教の思想と修行法を取り入れて発展。平安時代初期には密教とも融合し、やがて修験道と呼ばれる日本独自の宗教が生み出される――人々の生活に大きな影響を与え続けてきた「山」への信仰を辿り、日本の歴史文化の基層を知る入門書。 第一章 日本人にとっての山 第二章 山岳信仰の整備と神仏習合 第三章 山の神とその信仰 第四章 修験道の成立 第五章 代表的な霊場
  • 諸子百家
    3.0
    孔子を筆頭に、老子、荘子、孟子、荀子、韓非子、孫子……など、春秋戦国時代の古代中国では、数多くの思想家が現れた。彼らは「諸子百家」と総称される。 その思想は、東アジア全域の思想に大きな影響を与え続け、今なお衰えない。2200年以上前の思想でありながら、現代の私たちにも生き方の指針を示し続けてくれている。 なぜ戦国の世に多くの思想家が出現したのか? 彼らの主張やその違いはなにか?  残された著作や人物評から、彼らの人柄を読み解き、その思想の本質を解き明かす。
  • 新版 古代天皇の誕生
    -
    天皇はどこからきたのか? そして、倭国から「日本」にいたる邪馬台国以降、古代国家はどのようにして確立されたのか。卑弥呼の弥生時代から、倭の五王の古墳時代を経て、聖徳太子・中大兄皇子の飛鳥時代まで、群臣推挙によって王位を継承しながら王権を強化。やがて「天皇」を名乗るようになる。律令制国家として確立していったヤマト王権の歴史を、東アジアとの関係のなかでていねいに考察。古代史研究の最新の到達点を示す。
  • 経済学 上巻
    -
    「宇野は、マルクス経済学とマルクス主義経済学を区別した。マルクス主義経済学は、資本主義から社会主義への転換は必然であるとする、唯物史観というイデオロギーによって革命に資する経済学を構築する試みだ。これに対してマルクス経済学は、アダム・スミス、デービッド・リカードら、古典派経済学を批判的に継承したカール・マルクスが、『資本論』で展開した理論を基礎にして資本主義の内在的論理をとらえる体系知(Wissenschaft、科学)である、というのが宇野の主張だ。」 ――佐藤優氏(解説より) 日本の代表的マルクス経済学者宇野弘蔵。 宇野はマルクスの『資本論』を批判的に読み込み、その理論とイデオロギーを分離した。 その上で経済学の研究を原理論、段階論、現状分析の3段階に分けて独自の経済学を構築し、その理論は大きな影響を与えた(宇野学派)。 宇野弘蔵が宇野派を代表する研究者と共に、大学の教養課程における経済学の入門書としてまとめたのが本書である。 数多の経済学徒を導いたロングセラーを復刊!  ※本書は1956年3月(上巻)、4月(下巻)に角川全書から刊行された作品を復刊し、図表を再作成し、解説を加えたものです。
  • 鉄条網の世界史
    4.0
    【目次】(主なもの) 第一章 西部開拓の主役 カンザス州の「鉄条網博物館」/切実な柵の不足/万能フェンスの登場/入植者が必要とした柵/ウシの大軍がやってきた/牧場主と入植者の戦い/職を失うカウボーイ 第二章 土壌破壊と黄塵 加速する西部開拓/鉄条網が変えた生態系/開拓進む大平原/土壌破壊の米国史/大型農業機械の導入/大砂塵の襲来/放牧規制がはじまる 第三章 塹壕戦の主役 戦場に出現した鉄条網/日本軍が手を焼いた鉄条網/塹壕戦のはじまり/西部戦線異常なし/戦場のクリスマス/日本への導入/鉄条網と現代戦 第四章 「人種の罪」と憎悪のフェンス 強制収容所の歴史/南アフリカの植民地化/ダイヤ・ラッシュ/各収容所の劣悪な環境/スペイン内戦の悲劇/アウシュヴィッツの殺人工場/元収容者が苦しむ後遺症/人間の資源化/旧ソ連の強制収容所/逆境でも花を愛でた日系 第五章 民族対立が生んだ強制収容所 南アのアパルトヘイト政策/活動家の迫害/集団墓地になった五輪会場/「民族浄化」と集団強姦/サラエボの花/世界を「欺いた」映像/戦争と情報戦/最後の逃亡戦犯を拘束 第六章 国境を分断する鉄条網 ベルリンの分断/ヨルダン川西岸の壁/壁を超えた臓器提供/米メキシコ国境/世界最大の麻薬密輸ルート/中国・北朝鮮の壁/新たな万里の長城/タイ・マレーシア国境 第七章 追いつめられる先住民 大平原を分断した鉄条網/チェロキー族の悲劇/ラストサムライ/遅きに失した先住民保護/グアラニー族の悲劇/死に急ぐ若者たち/ケニア独立運動時の裁判開始/ウサギ防除フェンス 第八章 よみがえった自然 鉄条網は自然を呼び戻す/朝鮮半島の軍事境界線/チェルノブイリ原発三〇キロ圏/再導入された希少動物/科学者の反目
  • 確率のはなし
    -
    25人のパーティで同じ誕生日の2人が出会うのは偶然? それとも必然? 不確実な現実を論理の力で数値化する確率論。難しそうにみえても、まずは起こりうる可能性をすべて書き出すこと。そして記号や法則の力で一般論を導けば、さまざまなことに応用できる。ガリレオが賭博師と交わした議論から、期待値、ドゥ・モルガンの法則、パスカルの三角形といった数学の基本へ。世界的な数学者が、身近な実例を挙げてやさしく誘う。 【目次】 第1章 いろいろの例  1 貨幣を一個投げる場合  2 貨幣を二個投げる場合  3 貨幣を三個投げる場合  4 サイを一個投げる場合  5 サイを二個投げる場合  6 九半一二丁  7 ガリレイとサイの問題 第2章 可能性の集合  1 一つの原理  2 並べ方の集合  3 選び方の集合 第3章 場合の数の数え方  1 場合の数の数え方の原理  2 並べ方の数の数え方  3 選び方の数の数え方  4 クイズへの応用 第4章 文章とその真理集合  1 真理集合  2 「pまたはq」という文章の真理集合  3 「pおよびq」という文章の真理集合  4 「pでない」という文章の真理集合  5 集合の要素の数  6 論理の記号と集合の記号  7 ドゥ・モルガンの法則 第5章 確率の定義と性質  1 確率の定義  2 確率の性質  3 応用問題  4 条件確率 第6章 有名な例  1 パスカルと賭け  2 酋長のトリック  3 クジ引きの順番  4 一つの意外な例 第7章 大数の法則  1 一つの貨幣を何回か投げる場合  2 ( n, r )という記号  3 パスカルの三角形  4 独立試行過程  5 大数の法則
  • 禅のすすめ 道元のことば
    3.5
    『正法眼蔵』『普勧坐禅儀』……数多くの道元の著作から、禅の思想を読み解く。「只管打坐――ただ座る」「空手還郷――あたりまえのすばらしさ」など、現代社会に通じる普遍的なメッセージの深遠を探る。
  • 自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く
    4.1
    自閉症児者が方言をしゃべらないという噂は本当なのか? 方言の社会的機能説、意図理解、自閉症児者の言語習得、自閉症児者のコミュニケーションの特異性等、筆者の飽くなき探究心から見えてきた真相とは。
  • 気になる日本地理
    -
    山地と山脈の違いって何? リアス海岸の「リアス」って何だろう? 身近なテーマから地理を学べる入門書。都道府県名の由来や、和牛と国産牛の違いなど、身近なのに実は知らなかった疑問にお答えします。読んで納得、知って役立つ地理のおもしろさが詰まった1冊。
  • 自閉症は津軽弁を話さない リターンズ 「ひとの気持ちがわかる」のメカニズム
    -
    「自閉症の子って津軽弁話さないよね」妻の一言から調査は始まった。10年間の研究のすえ妻の正しさは証明され、この変わった研究は全国紙にも載る結果に。それから数年後、方言を話すようになった自閉症児が現れた――。多数者である私たちはどう方言を話すか、相手の意図をどう読み取っているか。そもそも「普通」の発達とは何かを問うことで、ことばの不思議から自閉スペクトラム症を捉えなおそうと試みる画期的ノンフィクション。 第I部 自閉スペクトラム症の振る舞いと認知の謎 第1章 音声の絶対音感者 第2章 自閉症は熊本弁がわからない 第3章 人はどうやってことば遣いを選ぶのか――社会的関係性と心理的関係性 第4章 なぜ、ごっこ遊びでは共通語を使うのか 第5章 印象としての方言 第6章 意図とミラーニューロン――行為を見ることの意味 第7章 意図とコミュニケーション――目標とプランの読み取り 第8章 意図と協同作業――なぜ、意図を読むことが大切なのか 第9章 ルール間の葛藤――社会的ルールとオリジナルルール 第10章 社会的手がかりへの選好のパラドクス ――わからないから注意を向けないのか、注意を向けていないからわからないのか 第11章 伝わる情報、広がる情報――ミームの概念 第12章 共同注意と情報の共有 第13章 もしも自閉スペクトラム症の子が25人、定型発達の子が5人のクラスがあったら 第14章 おさらい 第II部 新たなる謎 第15章 方言を話すようになった自閉スペクトラム症 第16章 再び調査開始 第17章 ケースの実態 第18章 なぜ、自閉スペクトラム症も方言を話すようになるのか ――社会的スキルの獲得と関係性の変化 第19章 自閉症は日本語を話さない
  • 不朽の十大交響曲
    -
    この本は交響曲の十の名曲を選び、その曲にまつわる物語を記す歴史ノンフィクションである。いわゆるベストテンものは、何を選んでも、「あれがないのはおかしい」「これより、あっちだろう」というご批判をいただくのが宿命である。この本の選曲にもご異論のある方がいるだろう。選曲にあたっては、私の好み、愛聴曲ではなく、交響曲の歴史において重要と思う曲を選んだ。それだけですぐに二十曲くらいになり、何らかのタイトルが付いていて、知名度のあるものを優先させた。一話ごとに独立しているので、関心のある曲から読んでいただいてもかまわないが、順番に読んでいただき、その曲を聴いていただければ、「音楽史の流れ」が感じられるようにしたつもりだ。(「はじめに」より) <目次> はじめに 交響曲とはどんな音楽か 第一話 ジュピター  交響曲の最高神 第二話 英雄  英雄になった交響曲 第三話 運命  運命は扉を叩いた 第四話 田園  田園の気分と情景が交響曲になる 第五話 未完成  未完なのに名曲になった交響曲 第六話 幻想  恋愛から生まれた交響曲 第七話 悲愴  静かに終わる交響曲 第八話 新世界  交響曲は大西洋を渡る 第九話 巨人  姿を変え、名を変えた交響曲 第十話 革命  大粛清から生まれた交響曲 あとがき 参考文献
  • 経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる
    4.5
    ~ 「不朽の古典」から「現代の傑作」まで、カリスマ予備校講師・蔭山克秀先生セレクトによる50書目を取り上げ、それぞれの内容を図版をまじえながら解説。  名著を著した人物の人となりや、その著作が誕生した時代背景などもざっと丸わかり! ~ アダム・スミス『国富論』、マルクス『資本論』など、偉大な経済学者たちによる名著の数々。 それら珠玉の著作について、その要点をざっと理解できれば、「経済」への見識が広がり、自ずと「教養」になる。 だが、それらの名著は総じて分厚く難解で、読み通すのはなかなか難しい……。 本書は、経済学分野における名著の要点を、長年の受験指導の中、「わかりやすい表現」を追及してきた著者独自の視点で整理し、 現代の経済活動を把握する上でも役立つ「経済学の教養」がわかりやすくまとめられた一冊!
  • 三酔人経綸問答 ビギナーズ 日本の思想
    -
    3人の酔客が政治談議を交わす。民主制の理想を説く洋学紳士。戦争と大国化を説く豪傑の客。やがて、黙して耳を傾けていた南海先生が口をひらく──。新たな現代語訳と解説で読み解く日本政治思想の古典。
  • ダンマパダ ブッダ「真理の言葉」講義
    3.0
    「自分のすべきことを誠心誠意なすべきである。他者に振り回されてはならない。自分というものをよくよく知った上で、為すべきことを為せ」。仏教のバイブルとも言われる『ダンマパダ』。ブッダが在世時に話していたとされる短い金言を集めた、メッセージ性の強い経典である。世間って何? 仏教特有の倫理とは?  苦の連鎖を断ち切る方法とは?  テーマに沿った偈頌を抽出し、大胆にわかりやすく解説。ユーモアに溢れた仏教の入門書。
  • 語呂合わせで覚える 書けない漢字が書ける本
    -
    「鬱」語呂合わせ=「憂鬱なリンカーンはアメリカンコーヒーを3杯飲んだ」 一発で覚えられる魔法の漢字記憶術と漢字の語源が満載。 ●さらりと書けたらかっこいい漢字 ●読めるけどなかなか書けない漢字 ●大人の常識として書きたい漢字 ●日本人の生活に根ざした漢字 挨拶、風物、自然、伝統など ●身体にまつわる漢字 ●知っておきたい漢字コラム 等
  • 渋沢栄一自伝 雨夜譚・青淵回顧録(抄)
    -
    正義に基づき、道理正しい経済を進めることが必要であるーー。「近代日本資本主義の父」と称される一方、私利私欲にもとづく弱肉強食の競争を諫め、教育、福祉、外交といった社会事業にも尽力した先駆的な事業家・渋沢栄一。尊王攘夷思想に共鳴した農家の青年は、幕臣、新政府高官といった数奇な転身を経て、いかにして実業界に道を見出したのか。肉声が響きわたる2つの自叙伝からその実像を浮かび上がらせる決定版。解説・井上潤
  • 仏教経典散策
    4.0
    仏教の膨大な経典を、どこからどう読めば、その本質を探りあてられるのか。 スッタニパータやダンマパダなどの原始仏典から、 般若心経や法華経など日本でも身近な大乗経典、 そして大日経をはじめとする密教経典まで。 17の主要経典を取り上げ、現代人が読み、味わい、 人生に取り入れるためのエッセンスを丁寧に解き明かしていく。 原典研究や現代語訳で知られる仏教学の第一人者らがやさしく誘う、 広大なる仏教世界への道案内。 【目次】  経典について 1 原始仏教の経典  スッタニパータ ── 最古の仏典  ダンマパダ ── 真理のことば  ジャータカ ── 一角仙人伝説をめぐって  ミリンダ王の問い ── インド人とギリシャ人の対論 2 大乗の経典  般若心経 ── 仏教のエッセンス  金剛経 ── あらゆる観念を断つ  浄土経典 ── 無量寿経と阿弥陀経  法華経 ── 一仏乗と久遠の本仏  観音経 ── 観世音による救済  維摩経 ── 沈黙と討論  勝鬘経 ── 王妃の説法  華厳経 ── 無尽荘厳の世界  楞伽経 ── さとりとぼんのうのたね  父母恩重経 ── はかりしれない親の恩 3 密教の経典  大日経 ── 如実に自心を知る  金剛頂経 ── 即身成仏の論理  理趣経 ── 愛欲は清浄か
  • 日本の家
    2.5
    生活様式の変化とともに、日本の住宅もデザインが自由化し、利便性が重視される一方で失われゆくものも多い。三和土や障子に畳、囲炉裏や大黒柱――日本建築の様式と美を見つめ、住まいとは何かを考える。
  • くすりの発明・発見史
    NEW
    -
    麻酔やアレルギー薬、ワクチンなど、人類を支える薬はどのようにして生まれたのか。発明・発見者たちの、独創的で幸運な、あるいは時に不幸な人生に光を当てながら、様々な薬の歴史を辿る。
  • 古墳とはなにか 認知考古学からみる古代
    3.5
    なぜ、日本列島に前方後円墳のような巨大古墳が生まれたのか。長をまつる巨大な墳丘を「見上げる」行為や、石室の位置や様式、埴輪、また鏡・刀などの副葬品から、古代の人びとは何を感じとっていたのか。竪穴式石室から横穴式石室への大転換はどのように起きたのか。人の心の動きの分析を通じて解明。神格化の装置から単なる墓へ。3世紀から7世紀の日本列島に16万基も築かれた古墳とは何であったかを問う、認知考古学の最前線。
  • ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて
    4.5
    コーヒーの木の発見から、飲用の歴史、コーヒー・ハウスの賑わい、世界の産地事情、器具の進化、抽出・焙煎技術の変遷に至るまで「コーヒー」が辿った道のりのすべてがここにある。 1935年にアメリカで出版された、『All About Coffee』は世界中の愛飲家、業界人のみならずマニアの数を爆発的に増やした。当時はあまりにも高価で大部な高嶺の本だったが、このほど、その複雑多岐な内容を現代の需要に即して分かりやすく再構成。「伝説の珈琲バイブル」を本邦初の文庫化!コーヒー好き必読の書。
  • 【合本版】 渋沢栄一 『論語と算盤』『渋沢百訓』『渋沢栄一自伝』
    値引きあり
    -
    正義に基づき、道理正しい経済を進めることが必要である──。「近代日本資本主義の父」と称される一方、私利私欲にもとづく弱肉強食の競争を諫め、教育、福祉、外交といった社会事業にも尽力した先駆的な事業家・渋沢栄一。その主著である『論語と算盤』、経営哲学をまとめた『渋沢百訓』、激動の生涯を自ら語った『渋沢栄一自伝』の3タイトルをひとつにまとめた合本版。 ※本作品は『論語と算盤』『渋沢百訓』『渋沢栄一自伝』全3巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
  • 悩ましい国語辞典
    4.3
    1~2巻1,188~1,232円 (税込)
    辞書編集37年の立場から、言葉が生きていることを実証的に解説。意外だが、江戸時代にも使われた「まじ」。「お父さん・お母さん」は、江戸後期に関西で使われていたが、明治の国定読本で一気に全国に。「がっつり」「ざっくり」「真逆」は最近使われ出した新しい言葉……。思いがけない形で時代と共に変化する言葉を、どの時点で切り取り記述するかが腕の見せ所。編集者を悩ませる日本語の不思議に迫る、蘊蓄満載のエッセイ。
  • 財閥の時代
    -
    今なお、陰に陽に影響力を保持する財閥。幾多の企業が生まれては消える激動の時代、なぜ彼らだけが繁栄を享受するに至ったのか。勃興期から解体まで、日本経済史の権威がその行動原理に鋭く迫る。
  • ファン・ゴッホ 日本の夢に懸けた画家
    4.6
    ファン・ゴッホは、生きることの難しい人間だった。高い理想、激しい気性、有り余る情熱ゆえ、学校にも職場にも教会にもなじめず、やがて画家の道だけが残る。ハーグ派、印象派、浮世絵版画との出会いに導かれ、駆け抜けた37年の短い生涯。その心中には、孤高の理想を憧れの地「日本」に託しつづけた、ユートピアへの儚い希望があった。主要作品をオールカラーで辿り、残された手紙によって画家の人生を浮かび上がらせる決定版。
  • ニュートンに消された男 ロバート・フック
    4.5
    抹殺されたもう一人の天才。 その業績と実像に迫る!! 「フックの法則」に細胞の「発見」。いまも教科書で誰もが名前を目にする科学者であり、17世紀に時代の寵児として活躍した男、フック。 しかし、彼の肖像画は一枚も残されていない。それは、死後にニュートンが彼を学界から消していったからだ。 なぜニュートンの論敵となったのか? 彼はどんな生涯を送り、どのような研究をしていたのか?  抹殺されたもう一人の天才、その業績と実像に迫る!!  大佛次郎賞を受賞した本格科学評伝。
  • 本屋風情
    -
    南方熊楠・柳田国男・折口信夫・金田一京助・新村出……出版人が垣間見た、学者・文人の知られざる裏の顔。 繊細で几帳面な南方熊楠、「じれる」柳田国男、舌鋒の峻烈な内田魯庵、無愛想な浜田青陵……。自らを「裏木戸の出入り人」と呼んだ本屋(出版業)しか知りえなかった、貴重な近代日本の出版事情がわかる回想記録。大正から昭和のはじめにかけた民俗学・文化人類学・人文地理学・言語学の黎明期、いまも読み継がれている不朽の名作を誕生させた伝説の編集者が垣間見た、学者・文人たちの知られざるもうひとつの顔。
  • 全文現代語訳 浄土三部経
    -
    釈迦如来が説いた聖典として、浄土経典のなかでもとくに重要視され、法要等でもよく読まれる「浄土三部経」(仏説無量寿経、仏説阿弥陀経、仏説観無量寿経)。 日本の仏教文化に深く浸透しているその重要経典全文を現代語訳。祭事における経典のリズムを重視しつつ、繰り返しの多い言葉の列挙などを詩歌の文体にならって改行を多く加え、章題や小見出しを挿入して経文に区切りを付して読みやすく整理する。「日本の浄土教と文化」にまつわる秀逸なコラムも収録。
  • 歴史としての戦後史学 ある歴史家の証言
    3.0
    それまでの自分の生き方の決定的な誤りに気付いた1953年の夏から40余年間、ひたすらに学問と研究に向き合い、独自の歴史像を拓き続けた歴史家・網野善彦。「一つ一つの仕事、一通一通の文書を大切にするような姿勢だけは崩すまい」――戦後史学の当事者でもあった著者の苦悩と挫折、知られざる学問形成の足跡に肉薄。今後の歴史学に対する危惧を抱きつつも、その新たな展開へ強い願いを込めた自伝的名著。解説/清水克行
  • 増補 「戦後」の墓碑銘
    1.0
    なぜ、日本は堕ちていったのか? 『永続敗戦論』『国体論』の著者が、平成の転換点をあぶり出す。 100頁以上の新章をはじめ、新たな論考を多数収録した増補決定版! なぜ、日本は堕ちていったのか? 昭和に続き、「平成」が終わる。 この間、戦後政治は“冷戦後”の世界に対峙せず、戦後レジーム=永続敗戦レジームの変更ではなく強化、 さらには現実からの逃走に耽り、そして砂上の楼閣と化した。 国民益はもとより国益とも無縁な政治が横行することとなった平成。 その転換点はいつ、どこにあったのかを気鋭の政治学者があぶり出す論考集。 100頁以上の新たな論考を収録した増補決定版!
  • 関ヶ原前夜 西軍大名たちの戦い
    4.0
    太閤秀吉の死去から、関ヶ原合戦にいたるまで、豊臣政権のなかでは何が起きていたのか? 凡庸な人物で、単なる被害者と評価されてきた毛利輝元をはじめ、上杉景勝・宇喜多秀家・島津義弘ら西軍に焦点を当てる。加藤清正・福島正則らの武功派と、石田三成ら吏僚派の対立という二項対立的観念から脱出。軍記などの二次的史料を排し、一次史料のみによる実証的な分析により、関ヶ原前夜の「権力闘争」の実像を明らかにする。
  • 感染症の世界史
    4.0
    コレラ、天然痘、エボラ出血熱……征服しては新たな姿となって生まれ変わる微生物と、人類は長い軍拡競争の歴史を繰り返してきた。40億年の地球環境史の視点から、感染症の正体にせまる。
  • ペリー提督日本遠征記 上
    5.0
    喜望峰をめぐる大航海の末ペリー艦隊が日本に到着、幕府に国書を手渡すまでの克明な記録。当時の琉球王朝や庶民の姿、小笠原をめぐる各国のせめぎあいを描く。美しい図版も多数収録、読みやすい完全翻訳版!
  • インド史 南アジアの歴史と文化
    4.5
    インダス文明に起源を持ち、思想、数学、仏教など、独自の文化を育んできたインド。多様な民族、言語、宗教を包含する国民国家はいかに生まれたのか。成長著しい大国の通史を第一人者が描き出す。
  • 日本人が知らない 英語のニュアンス
    4.0
    英語と日本語の単語が、一対一で同じ意味になることは実は少ない。「客」はguest、visitor、customer、audienceなど様々。「car」は列車の車両、エレベーターやゴンドラ、気球など、乗用車以外にも使うことができる。語義やイメージのずれから文化的背景の違い、和製英語や比喩表現の比較まで、辞書や単語帳では気づかないニュアンスの違いを解説。語学がもっと楽しくなる、外国語の深みと雑学に満ちた日本人のための英語読本。
  • 敗者たちの平安王朝 皇位継承の闇
    4.0
    皇位をめぐって嵯峨天皇と争乱を繰り広げた平城天皇。宮中で殺人事件を起こし廃位となった陽成天皇。神器を見ようとするなど、異常な振る舞いが多かった冷泉天皇。色好みで奇矯な行動が目立つ花山天皇――。こうした天皇たちの奇行と暴虐に彩られた説話、そして「狂気」に秘められた知られざる真実とは。平安王朝の皇統の謎と錯綜する政治状況を丁寧にひもとき、正史では語られてこなかった皇位継承の光と影を明らかにする。
  • 先祖供養と墓
    4.0
    「霊魂の恐れをどう処理するか、なお進んで死者の霊魂をどうして祭るか、どう供養するか、どう慰めるか、ここに宗教の原点がある」。丹念な現地調査にもとづいた民俗学の知見により、古代から現代までの日本人の死生観を考察。モガリや葬墓をはじめとする死者と先祖の祭りに宗教生活の根幹を見出し、霊魂観や神観念の成立、その仏教化、寺院の葬送や供養の変容をたどる。宗教の根源、日本文化の本質に迫った名著。解説・碧海寿広
  • 増補 仏典をよむ 死からはじまる仏教史
    -
    大きな災害やコロナ・パンデミックを経て、あらためて仏典の智慧が注目されている。仏教学・思想史の第一人者による案内と、親しみやすい訳で読み解く。 ブッダの死後残された人々が、その死を乗り越えようとしたことに、仏教の誕生を見出す。死者すなわち他者と向き合うことを仏教の本質と捉え、親しみやすい訳で、インド・中国の仏典を読み解く。そして日本に伝わった仏教では、土着化と原点回帰の2つの動きがせめぎ合う中、独特のダイナミズムが生まれた。世界の中でも異色とされる、日本仏教について考える。 増補「仏典をよむ視座」を収録し、直近10年間の新たな研究成果を加えた。 解説・中島隆博 ■目次■ はじめに 第一部 死からはじまる仏教  第一章 大いなる死――『遊行経』  第二章 死と生の協奏――『無量寿経』  第三章 他者と関わり続ける――『法華経』  第四章 否定のパワー――『般若心経』  第五章 心の中の地獄と仏――智ギ『摩訶止観』  第六章 禅の中の他者と死者――圜悟『碧巌録』 第二部 日本化する仏教  第七章 現世を超えた秩序――景戒『日本霊異記』  第八章 仏教は俗世に何をなしうるか――最澄『山家学生式』  第九章 この身のままに仏となる――空海『即身成仏義』  第十章 贈与する他者――親鸞『教行信証』  第十一章 脱構築から再構築へ――道元『正法眼蔵』  第十二章 宗教国家は可能か――日蓮『立正安国論』  第十三章 異教から見た仏教――ハビアン『妙貞問答』 むすび 増補 仏典をよむ視座  一 仏典とは何か  二 菩薩と他者・死者  三 日本仏教の展開と菩薩の精神 文献ガイド あとがき 解説 中島隆博
  • 明治日本散策 東京・日光
    4.3
    明治9年、宗教と文化への関心から来日したフランスの実業家ギメ。憧れの地を人力車で駆け巡り、近代日本の目覚めを体感するとともに、消えゆく江戸の面影に愛惜を募らせてゆく。茶屋娘との心の交流、浅草や不忍池に伝わる奇譚、料亭の宴、博学な僧侶との出会い、そして謎の絵師・河鍋暁斎との対面――。のちに東洋学の拠点となる美術館の創始者が軽妙な筆致で綴った紀行を新訳。詳細な解説、同行画家レガメの挿画を収録する。
  • 西洋料理のコツ
    5.0
    肉料理、魚料理からソースまで、西洋料理の調理法や技術にまつわる「コツ」や「なぜ?」を分かりやすく科学の目で解明・解説する。 素材別、ジャンル別に、すぐに使えるコツと裏技を徹底網羅し、その一つひとつに科学的な裏付けを解説した新しいタイプの秘伝書。プロの技と、明確な料理の科学で、ジューシーなハンバーグもふわふわオムレツも、お手のもの。理屈が分かれば、レストランに行ったときの楽しみも倍増する。知れば知るほど料理作りに挑戦したくなる、辻調直伝の凄技満載の実践バイブル。
  • 先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」
    4.5
    コロンブスが15世紀に持ち帰った中南米原産のトウモロコシや、その後に伝わったジャガイモは、ヨーロッパの人口増加に大きく貢献した。他方、アメリカ大陸へ持ち込まれた疫病は、先住民の急激な人口減少を引き起こす。世界の食卓を豊かにした作物の伝播は、のちに「コロンブスの交換」と呼ばれるが、先住民にとっては略奪や侵略に他ならなかった。南米アンデスをフィールドに農学と人類学を研究する著者が描く、もう一つの世界史。 (本書は、『コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史』(角川選書、2017年刊)を、再構成・加筆・改題のうえ、文庫化したものです。)
  • 神秘学講義
    -
    【目次】 第一章 現実世界から超現実世界へ 第二章 霊的感覚論――霊・魂・体の問題 第三章 神秘学における理性と感性 第四章 秘儀とその行法――アポロン的とディオニュソス的 第五章 ユングと神秘学 第六章 ブラヴァツキー――近代精神と神秘学
  • 家康家臣の戦と日常 松平家忠日記をよむ
    4.0
    家康の家臣で一族でもある松平家忠は、戦国期の17年間にわたり、毎日の出来事や見聞きした情報を記録し続けた。「家忠日記」と呼ばれるこの日記には、家康の合戦に対する苦悩や、行動の詳細な変遷、家忠の豊臣政権による不条理な要求への愚痴、茶の湯・能の鑑賞・連歌に勤しむ日常生活など、当時の一武将の周辺が記録されている。日記をもとに先駆的な研究を手掛けた著者が、戦国の合戦や日常生活から、贈与やもてなしの実態までも明らかにする。 〈目次〉 序章 松平家忠と『家忠日記』 第一章 武田氏との戦い 第二章 秀吉との対決 第三章 家忠の日常生活 第四章 忍における日々 第五章 上代での日々と伏見普請 補論一 家忠の所領と兄弟 補論二 鵜殿氏・水野氏の動向と家忠 補論三 不動国行の刀と惣無事令
  • 全文現代語訳 維摩経・勝鬘経
    -
    聖徳太子が著した三経義流である「維摩経」「勝鬘経」を親しみやすい形で一般向けに全品現代語訳。豊富なコラムや図版、小事典も充実した文庫オリジナルの画期的な入門書。
  • フランクル心理学入門 どんな時も人生には意味がある
    4.5
    「私が生きている意味はあるのだろうか」――私たちがふと抱える心のむなしさの正体はいったい何なのか。 代表作『夜と霧』に記された、苛酷なナチスの強制収容所生活を耐え抜いたフランクルの抱いた希望とは何だったのか。 彼が生涯をかけて積み上げた知見を、心理学者でカウンセラーでもある諸富祥彦が丁寧に紐解く。諸領域での実践法も紹介。 「あなたが人生に絶望しても、人生があなたを見放すことはない」とあなたの心に力強く説く、希望の書。
  • 秘境旅行
    4.3
    民俗写真の第一人者、芳賀日出男が若き日に記した貴重な旅行記。北は納沙布から南は久高島まで、全16か所の写真とフィールドノートから、氏ならではの被写体への誠意と並々ならぬ愛情が見えてくる――。
  • サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳
    4.0
    法華経研究の第一人者が、「経王」(諸経の王)と尊ばれてきた「法華経」全27章を縮約しつつ、各章ごとにその要諦を徹底解説。長大なだけでなく難解かつ理解しにくい言い回しの多いこの経典の核心部はどこにあるのか。その思想の真意はどのようなものなのか。サンスクリット原典からの精緻な訳、最新研究をふまえた徹底解説により、法華経の「本当のすがた」を浮き彫りにする。
  • カクレキリシタン 現代に生きる民俗信仰
    3.0
    第一章 カクレキリシタンとは何か 1 カクレキリシタン研究の足跡 2 「潜伏キリシタン」と「カクレキリシタン」 3 「隠れキリシタン」か「カクレキリシタン」か 4 カクレキリシタンに対するイメージの転換 5 潜伏時代とキリシタン崩れ 6 キリシタンの復活とカクレキリシタンの出現  第二章 カクレキリシタンの分布 1 潜伏キリシタンの分布  2 現在のカクレキリシタンの分布  第三章 生月島のカクレキリシタン 1 生月キリシタンの歴史 2 生月のカクレキリシタン組織 3 生月のオラショオラショの意義 4 生月のカクレキリシタン行事 5 生月カクレキリシタンの神観念 第四章 平戸島のカクレキリシタン 1 平戸キリシタンの歴史 2 平戸カクレキリシタンの分布 3 根獅子のカクレキリシタン 4 飯良のカクレキリシタン 5 草積のカクレキリシタン 6 下中野のカクレキリシタン 7 春日のカクレキリシタン 8 獅子のカクレキリシタン 9 油水・中の原・大久保・中の崎のカクレキリシタン 10 霊山安満岳 第五章 五島のカクレキリシタン 1 外海潜伏キリシタンの五島移住 2 若松町築地・横瀬のカクレキリシタン 3 若松島有福のカクレキリシタン 4 奈留島のカクレキリシタン 5 福江島宮原のカクレキリシタン 6 福江島のその他のカクレキリシタン 第六章 長崎のカクレキリシタン 1 家野町のカクレキリシタン 2 岳路のカクレキリシタン 第七章 外海のカクレキリシタン 1 外海キリシタンの歴史 2 出津のカクレキリシタン 3 黒崎のカクレキリシタン 第八章 カクレキリシタンの解散とその未来 解散後の神様の取り扱い ほか
  • 新版 都市空間の怪異
    3.0
    千変万化する妖怪、そのイメージを作り出したのは、不安により膨れ上がる都市住民の想像力であったーー。大通りを闊歩する百鬼夜行、学校の暗闇に潜む女子生徒の幽霊、銀幕を跋扈する大怪獣。人が集まる場所にこそ妖怪あり! 民間伝承から都市伝説まで、江戸から魔都東京まで。時間も空間も乗り越える、遊び心あふれる宮田式妖怪地図を手に、都市怪異譚をたどる旅に出よう。小松和彦による解説「宮田登の妖怪論」収録。
  • 道元『正法眼蔵』を読む
    -
    曹洞宗の開祖・道元。座禅や生活作法、世界や時間や人間のとらえ方などの思想を凝縮して伝えるのが『正法眼蔵』だ。難解で長大な原文の要点をわかりやすく解説。初学者に禅の精神をやさしく伝える。
  • 沖縄文化論集
    5.0
    天体や海洋への鋭敏な感性、孤島の生活、琉球神道とマレビト、古代神話と月、入墨の文化。民俗学や民芸運動の先駆者たちが、戦禍を越え「沖縄学」を打ち立てた珠玉の15編。詳細な注釈・解説で読み解く。
  • 鎌倉殿と執権北条130年史
    3.5
    鎌倉幕府を打ち立てた源頼朝が没すると、政治の実権を握ったのは北条一族だった。有力御家人を次々に排除し、揺るぎない権力を築き上げていく。義時の執権就任による地位の確立から、朝廷と兵刃を交えた承久の乱、泰時の御成敗式目制定と評定衆による合議制、時宗によるモンゴルとの交戦を経ながら、なぜ130年にわたって勢力を維持できたのか。敗れた御家人や朝廷の思惑にも注目しながら、執権北条氏の新たな像を提示する。 【目次】 プロローグ   第一章 梶原氏と比企氏   一 鎌倉殿頼朝死後の政局   二 梶原景時の失脚   三 比企氏の盛衰 第二章 北条時政と畠山重忠   一 時政と執権   二 元久二年の政変と牧方 第三章 北条義時と和田義盛   一 義時と「執権」制   二 和田合戦 第四章 北条義時と後鳥羽上皇   一 後鳥羽上皇と将軍実朝   二 承久合戦 第五章 北条泰時の政治   一 執権泰時の誕生   二 合議制の光と陰 第六章 北条時頼と三浦一族   一 寛元の政変   二 宝治の合戦   三 北条時頼の政治 第七章 北条時宗と安達泰盛   一 時宗政権とモンゴルの襲来   二 安達氏と鎌倉幕府 第八章 北条貞時と安達氏   一 貞時の政治   二 執権から得宗へ 第九章 北条高時と足利氏・新田氏   一 北条高時と後醍醐天皇   二 足利氏と鎌倉幕府   三 足利高氏と鎌倉幕政   四 新田氏と鎌倉幕府 補論 幕府と官僚   一 大江氏   二 三善氏   三 二階堂氏 エピローグ あとがき 主な参考文献
  • 論語 上
    -
    この書物が常にひろく読まれて来たのは、人間の生き方についての知恵を、広汎に縦横に与えるという魅力のためである――。孔子とその弟子の言行を記録した対話篇、論語。そこには、教養や学び、友情、道徳、政治、国家といった普遍的な主題をめぐる思考が刻み込まれている。中国における古今の注釈書だけでなく、日本の江戸時代における伊藤仁斎や荻生徂徠らの解釈を比較検討。中国古典研究の碩学が口述によって全章を解説する。
  • 人生の哲学
    3.0
    「生と死」「愛」「自己と他者」「幸福」「生きがい」――。誰もが関心をもつ「人生の根本問題」の見つめ方を、日本を代表する哲学者が、古今東西の先人たちのテキストを縦横無尽に援用しながら解説。自分の生きる道を求め、悩みながらも真摯に生を引き受けようとする人々に向け、人生の複雑で微妙な問題をひとつひとつ丁寧に分析し、解明する。やわらかな文体で、読者とともに寄り添い導いてくれる不朽の名作、待望の文庫化。
  • 春画 SHUNGA ジャパノロジー・コレクション
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 秘して見るのではなく笑って愉しむ。「春画」は一流の浮世絵師と刷師によるユーモアと技術の結晶だった。初期作品から江戸時代の傑作まで、「浮世絵春画」「肉筆春画」を多彩なテーマで紹介する春画入門!
  • ギリシア神話物語
    4.0
    破天荒なまでの想像力と、人間心理への繊細な洞察。太古より語り継がれてきたギリシア神話は、西欧の文化や芸術を刺激し、文明の底流をなしてきた。天地創造、神々の闘い、人間誕生、戦争と災害、英雄譚、そして恋の喜びや別離の哀しみ――。ホメーロスら数多の詩人、悲劇作家たちが伝えた神話世界を、ギリシア文化を長年みつめてきた著者が新たに紡ぐ。多彩な図版とともにギリシア神話の全貌を一冊で読み通すことができる決定版。
  • 全品現代語訳 法華経
    3.0
    長大かつ不可思議な記述や繰り返しが多い法華経が、初心者から読めてよくわかる! 口語訳や原典訳だけではつかみきれない、日本の仏教文化が依拠してきた漢訳経典のもつ霊的なイメージ、祭儀で唱えられる言葉の響きや意味を重視しつつ圧縮して現代語訳。読解を助ける見出しとともに、解説コラムや事典も充実。和歌や物語等にも数多く現れ、日本の歴史文化に深く浸透する法華三部経全十巻を理解し、体感し、読み通すための決定版。 はじめに 法華経をどう読むか 法華経のプロローグ[開経]無量義経 第一部 山上の集会 第二部 天空の集会 第三部 地上の集会 法華経のエピローグ[結経]観普賢菩薩行法経 法華経の小事典 ※本書は、二〇〇一年三月に株式会社学習研究社から発行された『[図説]法華経大全』を大幅に加筆修正し、改題のうえ文庫化したものが底本です。
  • 聖書物語
    -
    優れた文学でもある聖書。 そこには、超絶的な神だけでなく王も奴隷も、 聖人も罪人も、あらゆる人間の生き様が刻みこまれている。 天地と悪の初源を明かす創世記から、 イスラエルの民の歴史、救い主イエスの生涯、 そして世界の終末を告げる黙示録まで。 そのすべてを、人間が息づく百の物語として芥川賞作家が紡ぎ出す。 数々の名場面、悠久のドラマがよみがえり、 豊富な図版とともに新旧約聖書を読み通すことができる決定版。  【目次】  はじめに  ■旧約聖書編 1 初源の詩・愛の創まりと悪の発現 2 族長たちの時代 3 指導者モーセ 4 約束の地カナンへ 5 イスラエルの黄金時代 6 南北朝時代と預言者たち 7 バビロン捕囚からローマ支配まで 8 イスラエルの智と美  ■新約聖書編 9 イエスの生涯 10 再臨に向けて   おわり ※本書は、二〇〇〇年十月に刊行された『ビジュアル版 聖書物語』(講談社刊)に加筆・修正し文庫化したものが底本です。
  • 藤原公任 天下無双の歌人
    5.0
    百人一首の「滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ」の歌で著名な藤原公任。栄光の家系に生を受け、有職故実に造詣が深く、音曲・漢詩・和歌などの風流文事に優れた才能を発揮した。社交の花形として活躍したが、政治家としては巨星・藤原道長をめぐる惑星の存在にとどまった。政界の頂点を断念し、宮廷のカリスマとして文化面の指導的地位に立った生涯を、研究の第一人者が描く人物評伝。解説:谷知子 第一章 三舟の才人、天下無双の歌人 第二章 栄光の家系 第三章 得意と失望とのはざま 第四章 権力者をめぐる惑星 第五章 栄華の余光 第六章 憂愁の晩年
  • 私たちの想像力は資本主義を超えるか
    3.5
    なぜ資本主義を終わらせることができないのだろうか? 資本主義なき世界を私たちは“構想”することができるのか!?  それが問われている。 歴史上、「資本主義の危機」は何度も言われてきた。 しかし、資本主義は幾度もその危機を乗り越えてきた。 これは、その想像力が私たちの想像力よりも勝ってしまっているからではないか。 資本主義が終わった後の世界を私たちは“構想”することが出来ていないため、資本主義は続いてしまっているのではないか? いったい、これまでとは違う世界を私たちは見いだせるのか?  社会現象を起こした有名作品(フィクション)を手がかりに構想力を鍛えあげる、白熱の講義録! 大澤社会学の最前線。 有名作品を入り口にして、資本主義社会の“その先”を考える。 第一部 対米従属の縛りを破れるか  取り上げる作品 『シン・ゴジラ』『木村正彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』他 第二部 善悪の枷から自由になれるか  取り上げる作品 『デスノート』『OUT』『薔薇の名前』他 第三部 資本主義の鎖を引きちぎれるか  取り上げる作品 『おそ松さん』『バートルビー』他 第四部 この世界を救済できるか  取り上げる作品 『君の名は。』『この世界の片隅に』『逃げるは恥だが役に立つ』他 ※本書は2018年3月に小社より刊行された『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』を改題のうえ、文庫化したものです。
  • シャルル・ドゥ・ゴール 自覚ある独裁
    4.7
    先のみえない世界情勢がドゥ・ゴール時代と符合する。「まだドゥ・ゴールは終わっていない」。彼の思想や業績は死してなお現在進行形である。強いフランスの威信を内外に訴えた大政治家の足跡を描く。
  • 埴輪 古代の証言者たち
    -
    ぽっかり空いた目と口、短い手足、あどけない表情。心が癒やされる可愛らしい造形で、博物館でも大人気の埴輪たち。しかし、古墳を彩る人物・道具・家・動物たちの群像として見ると、王権を巡る「さまざまな物語」が浮かび上がってくる。3世紀中頃から6世紀終わり頃まで、およそ350年にわたり造られた埴輪を、定番の名品から最新の出土品まで紹介。造形美、細部の見方、楽しみ方を第一人者が解説する。カラー図版160点掲載。
  • 民俗学がわかる事典
    4.0
    「なぜ敷居を踏んではいけないのか?」「ひな人形はなぜ3月3日を過ぎたら飾ってはだめ?」「ハレとケとは何か?」等、日本古来の習わしや不思議な言い伝え、民俗学の基本用語など全150項目超を解説。
  • 1冊で読む 世界の歴史
    -
    世界史はあっと驚く話、深い感銘を受ける話、ロマンティックな話、手に汗を握る話に満ちている。かつての社会を大きく変えた出来事の数々は、今なお読む者・知る者の心を動かし、私たちの進むべき道に指針を与えてくれる。原始から20世紀まで人類が紡いだ道のりを、100のテーマをしるべとして1冊に凝縮。学び直しの手がかりとして、また世界の潮流を掴むためとして、ストーリー仕立てのエピソードと図版資料を多数収録。
  • 中国古代史 司馬遷「史記」の世界
    4.0
    司馬遷『史記』には、あらゆる階層の人間が登場する。それらの人々の活躍・没落のさまは、読む者の心に深い印象をのこす。人物に注目しながら、中国古代の世界を100の物語で解き明かす。

最近チェックした本