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インダス文明に起源を持ち、思想、数学、仏教など、独自の文化を育んできたインド。多様な民族、言語、宗教を包含する国民国家はいかに生まれたのか。成長著しい大国の通史を第一人者が描き出す。
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Posted by ブクログ
辛島 昇 1933年生まれ、東京大学名誉教授、大正大学名誉教授。専門は南アジア史。タミル語刻文研究やカレーの研究で知られ、History and Society in South india(Oxford University Press)によって日本学士院賞を受賞。『インド・カレー紀行』(岩波ジュ...続きを読むニア新書)、『インド文化入門』(ちくま学芸文庫)など多数の著作がある。2015年、没。
コンパクトなインド通史。過去に学んだ内容を思い出しながら読めた。 中世インドの各国の外交・戦争の箇所は、もっと深く学んだ上で読まないと頭に入らないと思う(本が原因ではなく、勉強不足が原因)。
本書は複雑なインドの歴史が、文庫本の少ないボリュームで簡潔にわかりやすくまとめまれています。主要な王朝と地方勢力の流れだけではなく、その背後にある文化の移り変わりを結びつけて解説してくれるので驚くほど理解しやすいです。 しかし、それでもやはりインド史は捉えにくいです。ヴァルダナ朝まではまだ北インド...続きを読むの覇権王朝の流れがイメージしやすいですが、ムガル帝国までのラージプート諸王朝とデリースルタン朝の時代はまさに混沌としてます。群雄割拠の戦国時代が700年も続いてるイメージです。ムガル以後も、実際は地方勢力やイギリスが絡んで一筋縄ではいきません。 この多様な地域と文化をみると、イギリスの支配に立ち向かうための「インド人」というナショナリズムを持つのは難しかったんだろうなと想像します。 本書は、そんなやっかいなインド史を、細かすぎず大まかすぎずの絶妙なバランスで要約してくれています。ページ数も少ないので、これからも何度か読んで頭に入れたいです。
元々の本は21世紀初頭に出されており、それを文庫化したもの。 そのため最新の情報ではないことに注意が必要。 インド史の通史を探したところあまり近年は出版されていないようで、とりあえずコンパクトなこの本を選択した。 インドと一口にいってもその領土は非常に広大である。 その面積の通史を古代から現代ま...続きを読むでカバーしようとするとかなり大変なようで、どうしても時系列にそっての羅列が目立ってしまい読みにくかった。 とはいえそれでも近代部分はかなりわかりやすく書かれていた。 この本をとっかかりにして各時代を読み込んでいくにはよいのではないかと思う。
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