序章の出生から第一章のオランダ時代から第5章のオーヴェル=シュル=オワーズ、そして終わりに...という構成になっている。
著者はゴッホの書簡を翻訳しておりゴッホ研究の第一人者!
各章ごとにキーとなる絵画が載っており、その解説?ともいうべき内容がゴッホ自身がテオに送った手紙などを参考にして解説される
...続きを読む内容である。さらにゴッホの宗教家としての背景や家族、時代などの背景も盛り込まれており、とてもわかりやすく、興味深く読み進むことができる。
ゴッホが絵画に込めた思い。モチーフの意味なども含め
細やかな解説があるのはゴッホが筆まめであったこと、手紙を送る相手いたこと(弟のテオ)そしてその手紙大切に保管し、編纂して世に出したテオの妻ヨーの存在があったことが
いかに重要であったかがわかる。
ゴッホは狂気の人のような印象であったが語学に長け神学の道に進もうとしたこともあることから(父親は牧師)宗教的なことや意味をより深く感じていたのではないか...本書から読み解ける。
日本への憧れと絵画への影響など...
各章に分かれ時系列されている事で読みやすい。
膨大な書簡、手紙が残されこそゴッホの人となり、そしてその胸の内が理解できる(ほんの少しだけれど...)のは
素晴らしい翻訳のなせる技でもあると感じる。
著者の翻訳した『ファン・ゴッホの手紙』という著書もあるようなので読んで見たいと思う。