圀府寺司のレビュー一覧
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ゴッホが今日評価される所以は「多くの手紙が残されてるが故に画家の心情や技法などが詳細に解説されているから」というのはなるほどなぁと思った。狂気の画家という印象が強かったが、随所に引用される手紙からは生真面目で悩みやすい性格、そして文才が読み取れる。著者も日本語訳に関わったという書簡集は、近年多くの時間をかけて改定されたらしい。そちらも1度見てみたい。
また、ゴッホと言うと印象派のイメージが強かったが、伝道師を目指して挫折した彼は「宗教」から脱しきれず、絵の中にも様々なモチーフが隠れているというのは知らなかった。これを機に、そういった観点からもゴッホの絵を鑑賞してみようと思う。 -
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ネタバレ序章の出生から第一章のオランダ時代から第5章のオーヴェル=シュル=オワーズ、そして終わりに...という構成になっている。
著者はゴッホの書簡を翻訳しておりゴッホ研究の第一人者!
各章ごとにキーとなる絵画が載っており、その解説?ともいうべき内容がゴッホ自身がテオに送った手紙などを参考にして解説される内容である。さらにゴッホの宗教家としての背景や家族、時代などの背景も盛り込まれており、とてもわかりやすく、興味深く読み進むことができる。
ゴッホが絵画に込めた思い。モチーフの意味なども含め
細やかな解説があるのはゴッホが筆まめであったこと、手紙を送る相手いたこと(弟のテオ)そしてその手紙大切に保管 -
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中途半端なゴッホの解説本ではなかった。
中心的なものを浮き彫りにして、ゴッホはなぜ?
を詳しく述べているのが特徴で、いい本に出会った気がした。
ゴッホは、27歳から描き始めて37歳で生涯を閉じる。
わずか、10年の間に、画家としての才能が開いた。
しかし、経済的には苦しく、弟テオの仕送りで生活していた。
精神的にも、肉体的にもかなりの困難があった。
それでも、絵を描き続けたことで、ゴッホの絵が完成していく。
「ゴッホは生きることの難しい人間であった。」という書き出しが
ゴッホの人生を表している。「真剣さと気難しさ」
ゴッホは、たくさんの手紙を書いていて、その手紙から
ゴッホのあり方が、より強 -
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ファン・ゴッホー僕には世界がこう見えるー360°体感型デジタル劇場、第二弾。ようやく体感してきました。平日午前予約だったからか、余裕があって、場所を変えて3回見ることが出来ました。ゴッホの作品の中に身を置く、感性が新しいなあ、若いなあと思いながらゆったりした時間でした。
で、せっかくなのでショップで一冊。角川ミュージアムアムなので“KADOKAWA ”しか売ってません。
日本人が大好きな画家と言われていますが、ゴッホの日本への憧憬も想像以上でした。ゴッホの生涯は、教科程度の知識しかありませんが、彼の苦難の生涯に寄り添った、弟ティオとその妻の存在は、大きなものでした。今、ゴッホの作品が世の中にこ -
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ゴッホ展に行くので予習のために読んだ。
わたしはゴッホについて何も知らない。なんか耳を切った変な人、ひまわりを描いた人、くらいしか知らない。本書を読んだ直後は悲しい気持ちになってしまった。
本書はゴッホの人生について、手紙と絵画、そしてゴッホを取り巻く環境をベースに語られている。ゴッホの生きづらさというか他人とうまく距離感を保てない感じが読んでいて辛い。
一方で絵画がどういう背景を持ってどんな意図で描かれたのか、当時のゴッホの状況や手紙から読み取れる。著者の「おわりに」にも記載されているが、ゴッホが特別なのは書簡が膨大に残っているからだ。
ゴッホの絵画は宗教的意味と結びつくものが多い。私は -
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フィンセント・ファン・ゴッホの子ども向けのマンガ伝記です。
今年,「ゴッホとゴーギャン展」を見に行ったこともあって,「そういえば,ゴッホって耳を切ったり,自殺したりしたんだったっけなあ」と常識的な知識を思い出したのです。なんでそういう風になったのか,チョット気になったので,読んでみました。
ゴーギャンとの短い同居生活の後で耳を切り落とすのですが,それは,ゴーギャンとの不仲がキッカケだったようです。
また,自殺したのは,弟のテオが病気になったのは「生活費のほとんどを面倒見てもらってきた自分が至らぬせいだ」と思い詰めていたようです。
37歳で自らその一生を終えたゴッホの作品で,存命中に売