海外文学作品一覧

  • サンクチュアリ
    -
    判事の娘で女子学生のテンプルは、男友だちに連れられて、酒の密造所に連れ込まれ、恐怖の一夜を明かした朝、性的不能者のポパイに、トウモロコシの軸で犯される。そのおり彼女を守ろうとした仲間のひとりがポパイに射殺され、家主のグッドウィンが容疑者として裁判にかけられるが、テンプルの偽証で犯人に仕立てられ、群衆から火あぶりのリンチを受ける。ポパイは町の売春宿にテンプルを監禁して男を当てがうが、この男にそむかれて殺害し、のち自分自身も覚えのない殺人事件の容疑を問われて無実のまま断罪されてしまう。救いようのない性と暴力の残虐物語だが、この渦中に耐えて生きてゆくグッドウィンの妻を配して、救いを設けている。
  • リチャード三世
    4.0
    15世紀後半のイギリス、ランカスター家とヨーク家の王位争奪を中心とする封建貴族間の内乱=薔薇戦争に取材した史劇。恐るべき残忍、知謀、豪胆-王位簒奪の野望を抱き、権謀術数の限りを尽くしたグロースター公リチャード(リチャード3世)は、しばしば名優たちの当たり役となった。1952-53年頃の作。

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  • 新訳 まちがいの喜劇
    -
    アンティフォラスは生き別れた双子の弟を捜しにエフェソスにやってきた。すると街の人々は、兄をもとからいる弟とすっかり勘違い。誤解が誤解を呼び、街は大混乱。そんなときとんでもない奇跡が起きる……。
  • 風と共に去りぬ(一)
    -
    アメリカ南部の大農園主の父と、フランス貴族の血をひく母のあいだに生まれたスカーレット・オハラは16歳、魅惑的な顔だちで、青年たちの心をとらえていたが、火のように激しい気性の持主でもあった。彼女が秘かに思いを寄せていたのは、うぶでけがれを知らぬ青年アシュレだった。その彼が従妹のメラニーと婚約したと知って驚くが、自分が打ち明けさえすればと、たかをくくっていた。野外パーティの日、彼女はアシュレを図書室につれこんで愛を打ち明ける。だが、アシュレは彼女をうけ入れようとはしなかった。スカーレットは彼を罵倒し、半狂乱になって彼の頬をなぐる。ところがこの一幕をレット・バトラーという男に見られてしまう。誇りを傷つけられた彼女はアシュレヘの面当てと復讐じみた気持ちから、彼の妹の恋人でありメラニーの兄であるチャールズと結婚してしまう。折から南北戦争が勃発、スカーレットの怒涛の人生が幕をあける……。刊行と同時にベストセラーとなり、今もなお熱烈に読みつがれる壮大な愛のドラマ。
  • 海底二万里 上
    5.0
    1866年、大西洋に謎の巨大生物が出現した。クジラよりもはるかに大きく、驚異的なスピードで移動する異形の怪物の存在は、世界中の人々を震撼させていた。その正体をつきとめるべく、パリ自然史博物館のアロナックス教授は、召使いのコンセイユとともにアメリカ海軍が誇る高速フリゲート艦に乗り込んだ。それは、世界の海を巡る、驚異と波乱に満ちた冒険の幕開けだった――胸躍る海洋冒険小説の傑作!
  • マリー・アントワネット 上
    4.0
    運命というものは、人間になんと非情な試練を与えることだろう――ただ愛らしく平凡な娘だったアントワネットの、歴史に翻弄された激動の人生を、壮大な悲劇の物語として世界に知らしめた、古典的名著。
  • マリー・アントワネット(上)
    -
    神聖ローマ帝国皇帝妃マリア・テレジアの娘マリー・アントワネットは、15歳でフランス王ルイ16世に嫁ぐ。彼女はヴェルサイユの薔薇と咲き誇り、王国に君臨する。宮中には陰謀が渦巻き、数々のスキャンダルに巻き込まれるが、真実の恋人フェルセン伯が登場していっときの安らぎを得る。だが足下には革命の激流が迫っていた!
  • 知られざる傑作
    -
    一つの作品に打ち込む老画家の十年にわたる執念が狂気にまでいたる経緯を描く「知られざる傑作」。この作品は、世代の異なる画家3人をパリに集めて出会わせ、具象と抽象という造形芸術の永遠の問題をうきぼりにしてもいる。重厚な描写とあわせてバルザック特有の「軽み」にも意をもちいた改訳版である。併録した「ピエール・グラスー」は「知られざる傑作」の幻想的な雰囲気とは異なり、リアルな物欲・名誉欲にかられる人物たちをコメディー・タッチで描く。画家を主人公としたこの2作は、いわば能楽と狂言のような関係にある。後者の主人公は贋作作家であるが、当代注目されている公式肖像画家をモデルにしており、芸術と金銭・権力との関係に興味のある人には必読の書。両作ともに、豊富な参考画像と当代の事情を明らかにする詳しい解説を付した。
  • 魔女の呪い
    -
    村の農場主が二度目の妻を迎えたが、花嫁の腕にみにくいあざができ、みるみる悪化していった。手を尽くしたが効なく、思いあまって村に棲む魔法使いの老人のもとを訪れると、死刑直後の犯人の首に患部をあてると治るという。折よく機会を得て彼女は刑場へと出かけていった。だが、そこに待ち受けていたものは……。この「魔女の呪い」のほか、南イングランドに伝わる迷信、呪術、生き霊などを織り混ぜながら、ハーディ的テーマといわれる運命に弄ばれる男女の悲劇を描く。他に「三石塔殺人事件」「三人の見知らぬ男」など4篇を収録。
  • 紅はこべ
    -
    いまやフランスの支配者は民衆! 栄華を誇った王侯貴族はみな国家の叛逆者なのだ……老若男女子供を問わず、ギロチンの刃は連日犠牲者を追い求める……恐怖に駆られた貴族たちを救うべく、ドーヴァーの彼方イギリスから謎の秘密結社「紅はこべ」が神出鬼没の活動を展開する。首謀者は果たして何者なのか? サスペンスとミステリー、恋と冒険とが渦まく、古典ロマンの代表作。
  • アンティゴネー
    4.3
    「私は憎しみを共にするのではなく、愛を共にするよう生まれついているのです」――祖国に攻め寄せて倒れた兄の埋葬を、叔父王の命に背き独り行うアンティゴネー。王女は亡国の叛逆者か、気高き愛の具現者か。『オイディプース王』『コローノスのオイディプース』と連鎖する悲劇の終幕は、人間の運命と葛藤の彼岸を目指す。新訳。

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  • アリストパネス傑作選(1)
    -
    アリストパネス(446年頃~385年頃BC)は古代ギリシア、アテナイ出身の劇作家で、喜劇作家、風刺作家の代表として知られる。 ギリシア喜劇は彼の時代に最盛期をむかえ、彼の死とともに衰えた。生涯に44作の喜劇を書いたが、現存するのは11作である。どの作品においても、当時の実在の人物を取り上げ、奔放な想像力と構想力で時代を風刺するのが特徴で、過激な笑いを提供した。この第1集には「蜂」「平和」「鳥」の3編の代表作を収録した。
  • 銀塊の海
    -
    第二次大戦の末期、貨物船トリッカラ号は密かに大量の銀塊を積んで、ソ連からイギリスに向かっていた。船長ハルジーは暴風雨に乗じて銀塊の略奪を計画、仲間数人を残して乗員を漂流死させ、船は沈没したと発表した。同船の生存者バーディー伍長と砲手バートは軍事法廷で反抗の罪に問われる。二人はトリッカラ号沈没の謎と船長の犯罪を糾弾するべく、脱獄する。嵐の北海を舞台に、無実の罪を晴らそうとする男と、船に隠匿した銀塊の奪還を企てる男たちの死闘の物語。
  • ここではお静かに
    -
    おなじみの野球もの「ハーモニー」「相部屋の男」「でっちあげ」のほか、「キャディの日記」「一族再会」「コンラッド・グリーンの一日」「ここではお静かに」「冷たい女が好き」のヴァラエティ豊かな5短編、「ブルペンにて」「トムプスンの休暇」の短い戯曲2編、最後に「短編小説の書き方」というおどけた短編集の序文をいれて、ラードナーの多彩さを盛り込んである。
  • 椿姫
    4.0
    美貌の高級娼婦マルグリットはパリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な生活を送っていた。だが、青年アルマンに出逢い、彼女は初めて「愛」というものを知る。パリ近郊の別荘に駆け落ちした二人だが……。
  • 死骸盗人
    -
    冒険小説「宝島」で知られるスティーヴンスンは、同時に「ジーキル博士とハイド氏」など多くの怪奇小説を著した。本書にはそれらの中から、表題作をはじめ「ねじけジャネット」「マーカイム」「声の島」「びんの小鬼」など創意工夫にあふれた変化に富む8作品を収めた。
  • バッカイ バッコスに憑かれた女たち
    5.0
    「それ行け バッカイ 行け バッカイ」。木ヅタの冠、皮の衣、からだに蛇を巻きつけて、女たちは家を飛び出し山野を疾走する。「小賢しいことは知恵ではない」――陶酔と理性、自然と人智のはざまで、優しく恐ろしい神ディオニューソスと人間の直接対決がはじまる。ギリシャ三大悲劇詩人エウリーピデースの最後の悲劇。

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  • 中国故事
    4.0
    「流石」「杜撰」「五十歩百歩」などの日常語から、「帰りなん、いざ」「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」などの名言・格言まで113語の故事来歴について物語風に解説。最良の入門書!
  • ある羊飼いの一生
    5.0
    1910年に書かれたこの作品は、英国中南部のウィルトシァを舞台に、老羊飼いケイレブ・ボーカムが当時の田舎の人々の暮らしと自然を淡々と語る物語。「老羊飼いの故郷愛──羊飼い生活五十年──ボーカムの風変わりな様子──タヒバリの話──ケイレブ・ボーカムの父親──父と子──感謝する狩猟家とアイザック・ボーカムの年金──老夫婦の一方が亡くなると連れもすぐ亡くなること──村の墓地で──農業労働者の墓石とその物語」……この第一章の見出しだけでも、十分にこの作品に描かれる自然と人々の日々の暮らしの機微が伝わってくる。

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  • 緑の館
    -
    自国の政争に巻き込まれ、逃亡することを余儀なくされた青年アベルは、人跡まれな南米ギアナの森の中で、神秘的な少女リマを見いだす。二人は、たがいにひきあうものを感じ、近づいては遠のき、はなれてはまた近づく。しかし、とうとう二つの心の溶けあう日が訪れる。だが、少女は青年のとめるのもきかず、楽しい希望に胸ときめかせながら、一人さきに、自分の森に戻り、惨劇に……南米ギアナの密林に咲いた美しいロマン。

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  • 【英語版原文】赤毛のアン6 炉辺荘のアン/Anne of Ingleside
    -
    思い出がたくさん詰まった「夢の家」を出て、アンはすみれが咲く誇る「炉辺荘(イングルサイド)」へと引っ越してきた。 6人の子供たちを抱え働き盛りの主婦となったアンは、仕事で忙しい夫ギルバート医師を支え、アンのもとへ訪れる懐かしい友人たちを歓迎し、子供たちとお手伝いのスーザンが起こす数々のエピソードに息つく暇もない毎日を過ごしていた。
  • シャーロック・ホームズの回想
    4.2
    ホームズとモリアーティ教授との死闘を描いた問題作「最後の事件」を含む第2短編集。ホームズの若き日の冒険など、第1作を超える衝撃作が目白押し。発表当時に削除された「ボール箱」も収録。
  • 過去ある女 プレイバック
    -
    まるで第一級の長篇小説のように面白い。 「生きていかなきゃならない夜がまだいっぱいありすぎる」――アメリカを逃れてカナダの港町ヴァンクーヴァーにやってきた謎に包まれた若い美女。彼女につきまとうジゴロ、ホテルのペントハウスに住む独身紳士、そして殺人課警視。彼女の部屋のバルコニーで発見された男の射殺体。悲劇的な女が投げこまれた花やかな、そして卑しい世界を、見事な台詞と小気味のいい展開で描いたフィルム・ノワールの逸品。  ユニバーサル社の資料室から発掘されたこの最終稿は、チャンドラー自らが「私が書いた映画脚本の中でも最高のひとつ」と自讃する。知られざる傑作を名訳で再刊したものを電子書籍化した。  丸谷才一はこの作品の初刊刊行時、〈これが文学でなくて何が文学か〉と題して、こう絶讃した(抜粋)。「いろいろな意味でおもしろい本だ。チャンドラー伝の一資料。彼の小説作法を映画性の側から考へるための重要な手がかり。フィリップ・マーロウのゐない物語をチャンドラーはどういふふうに作るか。しかし肝要なのは、このシナリオがまるで第一級の長篇小説のやうに楽しめるといふことだらう。……かういふ形でチャンドラーの作品をもう一つ読むことができるのは、幸せな話だつた」
  • 燃えつきた人間
    3.0
    著名な建築家ケリイは空疎な文明社会を逃れて、アフリカ奥地へとあてどもなく向った……コンゴ河支流のジャングルに建つ病院を舞台に、心の砂漠に悩む人々をキリスト教的実存主義の立場から描く
  • 【日本語訳/英語原文 同時掲載】雪の女王/THE SNOW QUEEN ~七つのお話でできているおとぎ物語~
    -
    アンデルセン童話『雪の女王』を英語原文と日本語で楽しもう! ある所にカイという少年とゲルダという少女がいました。二人はとても仲良しでした。しかし、悪魔の作った鏡の欠片がカイに刺さり、彼の性格は一変してしまいます。 ある雪の日、どこからか雪の女王が現れて、彼をその場から連れ去ってしまってしまいます。 ゲルタは、春になるとカイを探しに出かけるのです――。 世代を超えて長く愛されるアンデルセン童話の1つ『雪の女王』。 本書では、英語原文と日本語訳を同時に掲載しています。 作品を楽しみながら英語の学習にも役立ちます。 【目次】 1.【日本語訳】第一のお話 鏡とそのかけらのこと 2.【英語原文】FIRST STORY. Which Treats of a Mirror and of the Splinters 3.【日本語訳】第二のお話 男の子と女の子 4.【英語原文】SECOND STORY. A Little Boy and a Little Girl 5.【日本語訳】第三のお話 魔法の使える女の花ぞの 6.【英語原文】THIRD STORY. Of the Flower-Garden At the Old Woman's Who Understood Witchcraft 7.【日本語訳】第四のお話 王子と王女 8.【英語原文】FOURTH STORY. The Prince and Princess 9.【日本語訳】第五のお話 おいはぎのこむすめ 10.【英語原文】FIFTH STORY. The Little Robber Maiden 11.【日本語訳】第六のお話 ラップランドの女とフィンランドの女 12.【英語原文】SIXTH STORY. The Lapland Woman and the Finland Woman 13.【日本語訳】第七のお話  14.【英語原文】SEVENTH STORY. What Took Place in the Palace of the Snow Queen, and what Happened Afterward.
  • イリュミナシオン ランボオ詩集
    5.0
    20歳までに詩才のすべてを燃焼させ灼熱の砂漠へ消えていった早熟な天才詩人ランボオ。だれもひらいたことのない岩穴の宝庫をひらき、幻想的な感覚の世界を表現した彼の作品は、今なお光り輝き、年月を重ねるごとに新鮮な衝撃を与え続けている。本詩集には『イリュミナシオン』『酔っぱらいの舟』を含む代表作を網羅した。
  • 若きヴェルテルの悩み
    -
    「彼女はぼくにとって神聖だ。すべての欲望が彼女の前にあっては口をつぐむ。」至福の日々をもたらした恋は、やがてヴェルテルに苦悩を、悲劇の最期を運命づける。激しい感情のうねり。旧社会への反発。ゲーテ自身の絶望的な恋愛体験を題材にしたこの作品は、それまでの小説の常識を覆し、激動期にあった当時の社会に大きな衝撃を与えた。時代と国をこえ、永遠に読みつがれる青春小説の古典。
  • アーサー王ロマンス
    3.1
    戦いと愛と聖なるものを主題に繰り広げられる一大中世英雄ロマンス。円卓の騎士たちと聖杯探求の旅、王妃グィネヴィアと湖の騎士ランスロットとの恋、トリスタンとイゾルデの悲恋など、神秘と謎に満ちた英雄の物語の数々。そのエッセンスのすべてをきわめて分かりやすく凝縮した、アーサー王伝説の入門にうってつけの一冊。
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)
    4.0
    デンマーク国王が急逝。王子ハムレットが喪に服すなか、父の弟すなわち彼の叔父は早々に母を娶り、王権を引き継いでしまう。ある日、悲嘆に沈む彼の前に父王の亡霊が現れ、自分が弟に暗殺されたことを告げる。復讐を誓ったハムレットは苦悩を重ねながらも、徐々にその実現に近づくに見えたが、しかし、叔父は彼に対しさらなる姦計を仕掛けていた……。シェイクスピア戯曲の真髄を画期的な訳文で現代に甦らせた永遠の名著。訳者自身による詳細を極めた脚注を付す。
  • クリスマス・ブックス
    3.5
    イギリス風ペーソスとユーモアで繰りひろげられるクリスマスのお話二編。原書の持つ雰囲気を生かした落語調の翻訳で、また違った味が楽しめる名作「クリスマス・キャロル」。クリスマス本の二冊目として熱狂的に迎えられた「鐘の音」。風刺雑誌『パンチ』の画家として有名なジョン・リーチらの、幻想性に満ちた挿絵と現実が奇妙に溶けこんだ不思議なファンタジーをどうぞ。
  • 審判
    -
    ある朝突然、平凡な若い銀行員ヨーゼフ・Kは理由もなく逮捕される。告発の理由をつきとめようと懸命に努力するが、予審判事の前に出ても、弁護士と面談しても、教誨師と問答を交わしても誰一人、真相に触れようともしない。正体不明の貧民窟にある法廷へと不規則に呼び出される奇妙な日常、いつ終わるとも知れぬ不安な日々。結局、確かなことは何一つわからないまま……。二十世紀を突き抜け、今もなお世界の思想や文学に大きな衝撃を与えて止まない第一級の名著。
  • 星の巡礼
    3.6
    神秘の扉を目の前に最後の試験に失敗したパウロ。彼が奇跡の剣を手にする唯一の手段は「星の道」という巡礼路を旅することだった。自らの体験をもとに描かれた、スピリチュアリティに満ちたデビュー作。
  • ファウスト(第一部)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    ファウストは学問と知識に絶望して、悪魔のメフィストフェレスと契約をかわして魂を売りわたし、その見返りにすべての地上の快楽を手に入れ、享受しようとする。ファウストは秘薬を手に入れて若返り、マルガレーテとの恋を成就するが…(第1部)。マルガレーテの処刑からくる自責の念からよみがえったファウストは、皇帝の城、古代ワルプルギスの夜、ヘレナとの家庭生活など、次々に生命の諸相を体験する。やがて人生の〈たそがれ〉を迎えたファウストは盲目のなかで自分の大事業を見とどけようとしながら、思わず「時よ、とどまれ」と口にする(第2部)。ゲーテが60年の歳月をかけて完成した欧米文学の記念碑。ゲーテも賛嘆したドラクロワのリトグラフ挿絵16点入り。

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  • キャンベル渓谷の激闘
    -
    厳格なピューリタンでありながら、油田開発でひと山あてようと未踏のカナディアンロッキーに挑んだスチュアート・キャンベル翁。「ロッキーに石油あり」の信念を遺言によって知らされた孫のブルース・ウェゼラルは、末期ガンに冒された身でキャンベルの王国を訪れ、油田掘削に挑む…そこに待ち受けていたのは…。

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  • 誘拐されて
    -
    若者デーヴィッド・バルファは遺産相続の権利をもちながら、欲深な伯父の陰謀によって「誘拐され」、アメリカ植民地へ奴隷として売られそうになる。だが船は難破、たまたま知り合ったジャコバイト党員のアランとスコットランドの荒野をさまよう。そこは内乱の影を宿す危険極まりない場所だった。スコットランド出身の作家が描く「宝島」とならぶ冒険物の代表作。

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  • 七破風の屋敷
    -
    「秘密にみちた恐ろしい過去の呪い」にしばられたピンチョン家の館……そこを舞台に繰りひろげられる、罪と報いと救いの物語。ピューリタン的伝統の色濃い1840年代アメリカ・ニューイングランドの歴史と雰囲気が背景をなす重厚な作品だが、登場人物たちは非常に個性的で、巧みな脇役とともに、その日常の描写はユーモラスでもある。

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  • 息がつまりそう
    -
    この集には、婚約時代の若いカップル、長年連れそった夫婦間の機微など、男と女のお話を、苦味のきいたユーモアで描き出した作品を中心に、私達の周囲によく見かける典型的庶民の笑いと哀歓を描いた作品――「息がつまりそう」「大都会」「お食事」「一方的陳述」「結婚記念日」「憩いの館」「愛の巣 」「金婚旅行」の8編をおさめてある。

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  • 微笑がいっぱい
    -
    リング・ラードナーは、単なるユーモア作家でなく、アメリカ有数の風刺作家と称され、「アメリカのスウィフト」「マーク・トウェインにつぐアメリカ的作家」とさえ呼ばれる。この集には、ユーモラスなプロ野球小説(『弁解屋アイク』『当たり屋』『ハリー・ケーン』)を中心に、「微笑(わらい)がいっぱい」「メイズヴィルの吟遊詩人」「チャンピオン」「この話もう聞かせたかね」「保養旅行」「古風なクリスマス」の9編を収録した。この作家に長いあいだ親しんできた訳者の選による、またとない好編。

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  • ギリシャ悲劇
    -
    ギリシア悲劇の名作15篇を物語として描き、舞台を前に観客に解説するように表現してあるので読者は場面を想像しながら読むことができる。舞台劇の悲劇を文学として成立させている。入門書としても最適。

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  • ドイツ中世英雄物語Iニーベルンゲン
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    ドイツ中世の騎士物語のほとんどを網羅したもの。ジークフリードが裏切りにあい謀殺される話を軸に、波乱にみちたストーリーが展開される。男女を問わずその人物像の荒々しさと力強さに、ロマンに昇華される以前の物語の原型を見る。

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  • 新編 世界むかし話集(1)イギリス編
    -
    「ムーミン」やアンデルセン童話など、北欧・児童文学の研究・翻訳に生涯携わり、子供たちには夢を、大人にはやすらぎを与え続けた著者・山室静の世界むかし話集第1弾。 <イングランド>ネコの王さま/カメの遠足/最初のバナナ/三びきのクマ/ロンドン橋の上で/ジャックと豆の木/他8編 <コーンウォール>ベッチィ・ストーグの赤ちゃん/頭から下に向かって/他3編 <スコットランド>ヒース酒の秘密/詩人トマスの話/他5編 <ウェールズ>長すねグウィスの嘆き/他3編 <アイルランド>白いマス/笛吹きとプーカ/他9編

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  • シャルルマーニュ伝説(上) 中世の騎士ロマンス
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    この物語は、野上弥生子訳の「ギリシア・ローマ神話」「中世騎士物語」と伝説三部作を成すもので、「アーサー王物語」と人気を二分する。有名な「ロランの歌」を含み、古代・中世の文学的遺産に親しむための絶好の入門書。

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  • ヴィドック回想録(1)
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    ヴィドック(1775~1857)は腕利きの泥棒として活躍したが、のち、その腕と知識を買われて、フランス最初の秘密警察の一員となって、犯罪人を追及する仕事についた。そのため、史上最初の「探偵」とも言われたりする。ヴィドックは法の裏面に通じ、その生涯は法の執行人と犯罪人との境界線をいったりきたりした。この面白い回想録は当時各国語に訳されてベストセラーになった。 『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン・ヴァルジャンと警視ジャベールは、ヴィドックが原型といわれる。全4巻。

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  • 幻滅(上)
    -
    「自分の力をもてあましている青年たちは、これをジャーナリズムや党派争いや文学芸術にうちこんだが、そればかりでなく、もっとも奇怪な放蕩にも乱費していた。若きフランスには、それほどありあまる精力過剰があったのだ。これらの青年はみんな活動的で、権力と快楽をもとめた。芸術家肌の者は富を欲し、無為の者は情欲をもっぱら刺激しようとした。なんとかして地位にありつこうとけんめいだった。が、政治は、どこでもそれをあたえなかった。多くの者がりっぱな才能をもっていたが、ある者は刺激の多い生活でその天賦の才を失い、ある者たちはなんとか生活にたえていた」……。

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  • 波

    -
    たまたま子供時代を一緒にすごした男3人、女3人からなる7人の人物の、人生行路をなぞる作品。しかし全編が登場人物のモノローグから構成され、それぞれの人物は一緒にいながら、そこには普通の「会話」はない。一人ずつが舞台の前に出てきて、いわば「一人がたり」をおこなう。不思議な時間と空間ができ、不思議な交響楽がいつのまにか鳴り響いてくる。

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  • デカメロン物語
    -
    『十日物語』は七人の貴婦人と三人の紳士の十人が、毎日一話のわりで語り、十日間で百の物語が成立するという構成。最も有名な三十話を訳出、ベネチアやフィレンツェなど主題となる都市ごとに編集した名編。

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  • 妖精の誕生 フェアリー神話学
    -
    「世界中のフェアリーの特徴を調べたい人は、トマス・カイトリーが書いたこの本を読むことからはじめるのがいちばん」と評される名著。フェアリーという概念の起源、説話の発生地、伝播の道筋など、ファンタジックな世界の入門書。

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  • 王子クレオマデスの冒険 ヨーロッパ中世ロマン
    -
    十字軍の遠征は、サラセンという新しい文化を大陸にもたらした。この物語もそのひとつで、サラセン文化が開花していたセビリアを舞台に展開する冒険物語。空飛ぶ木馬は『千夜一夜』などの挿話に見られ、混交する物語として楽しめる。

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  • 魔眼 フランス幻想小説
    -
    「ワイルドとかゴオチェとかいふような絢爛とした小説が好きであった」と芥川龍之介をはじめ、日本の近代文学作家に大きな影響を与えたフランス幻想作家の作品集。怪異、霊異への偏愛が、怪しい作品世界を造形する。表題作他2編収録。

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  • 中国怪異集
    -
    中国四千年の歴史は、中国民衆のものの見方や生きる知恵の、革袋のなかの酒ともいえます。「竜女を妻にした男」「象の贈り物」「仙人だった兵士」「空を飛べる薬」他、蛇、竜、狐、虎、仙人などに仮託された二十二の怪異譚を集成。

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  • モンテーニュ 随想録
    4.0
    この思想家が特記されるのは「私は何を知っているか」という命題から出発し、予断、断定、差別、高慢を排し、そのため『随想録』は事柄を並置、対比することに徹し、エッセーという新しい叙述方法が生み出された。

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  • 中国笑話集
    -
    中国は笑話の歴史もまた古い。それを集大成したのが明末の馮夢竜の『笑府』13巻で、本書はこの『笑府』を中心に周辺の笑話のなかから、中国民族の生活と文学を知るに役立つと考えられる話を選訳。民衆の思想史、生活史として読める。

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  • 物語 三国志
    -
    三世紀前半、魏、呉、蜀の三国が新たに興り中原に覇を争った……。日本の物語にない、かなたを思わせる厖大な世界を内蔵するところに着目すべきだとする訳者の読み込みが、新しい三国志として凝縮されている。

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  • ケルト幻想民話集
    -
    ケルト民話のなかでだれが一番美人か。「ケルトのヴィーナス」はディアドラかグラーニアか。ディアドラであるに違いない。なにしろ彼女は生まれる前からその美貌が国に災いをもたらすと予言されたのだから。では、一番の英雄はだれ?

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  • バビロニアの幽閉塔 ヨーロッパ中世ロマン
    -
    『王子クレオマデスの冒険』に続くロマン。バビロニアにある謎にみちた塔に幽閉された乙女。すべての試練を突破して乙女との再会をはたした王子の知恵と勇気。異文化の香りが、物語の展開に彩りをそえるファンタスティックな作品。

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  • ケルト妖精民話集
    -
    いたずらものの妖精が人間の世界と行き来して、魔法を使ったり変身したり、人の運命をあやつるという物語は、ヨーロッパの先住民ケルト人の文化がいまだ色濃くのこるアイルランドとスコットランドに伝えられる。妖精にかかわる16編。

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  • フランス怪奇民話集
    -
    「死の予兆」「亡霊のいたずら」「死者の呪い」「魔もの退治」「地獄からの救済」「冒険とロマンス」の6章からなる。吸血鬼譚や、指輪やかぶりものを盗まれ死者が復讐する、逆に死人の恩返し話など、ホラーをしのぐ場面が展開する。

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  • 妖精メリュジーヌ伝説
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    ケルト的な妖精伝説がフランス中世の歴史と渾然となった壮大なロマン。美しい妖精とレモダンンは運命的な出会いの後結婚、十人の子どもをもうけるが、夫が妻の秘密を見てしまったため妖精は去り、子どもたちにも数奇な運命が待っていた。

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  • フランス妖精民話集
    -
    妖精・怪奇・幻想三部作のひとつ。「変身譚」「愛」「嫉妬」「試練」「不思議な動物」「妖精」「プシュケ神話」の7章からなる。フランス民話はペローの童話で有名だが、炉辺で語られる民話は民衆のしたたかな想像力の裾野の広さを示す。

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  • ジブラルタルの水夫
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    第二次大戦後、アンチロマンの旗手とみなされて登場したフランスの女流作家デュラスの中期の代表作。「ジブラルタルの水夫」をどこまでも追いかけることが唯一の生きる目的となった不思議な女と、それに惹かれて付いていく一人の男…はたして「ジブラルタルの水夫」は見つかるのか?

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  • お菓子とビール
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    時流に乗ることに憂き身をやつす知り合いの作家に、近年亡くなったある大家の伝記を書きたいので協力してくれと頼まれる作家の「わたし」。破天荒なその大家のことは、「わたし」は私事にいたるまで知悉していた……作家の世界、ジャーナリズムの世界、社交の世界を皮肉たっぷりにえぐってみせるモームの快作。きれいごとのお菓子と、苦味があるが飾り気のないビール……ここには小説を読む醍醐味が。

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  • 変化 フランス幻想小説
    -
    ゴーチェの作品はエキゾチック情緒にあふれたものが多いが、本集には特にそうしたものが集められている。作家の注目すべき点のひとつを挙げれば「足」へのこだわり。美しいヒロインたちは子どものような小さなくるぶしの持ち主であった。

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  • ファウスト物語
    -
    ゲーテの生涯をかけた大作。高名なわりに読み通した人が多くないのは、韻文で書かれた戯曲という形式上の制約からといわれる。本書は、原作のもつ重厚さ失わず、読みやすい「物語」にまとめて好評を博した作品。

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  • 物語 西遊記
    -
    「水滸伝」「三国志演義」「金瓶梅」の四大奇書のひとつ。唐の僧玄奘、すなわち三蔵法師の紀行という史実をもとに創作された妖怪変化、奇想天外、千変万化の物語。軽妙洒脱な名訳で、孫悟空をはじめ脇役の活躍を活写。

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  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    4.0
    父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが……。【光文社古典新訳文庫】
  • 奇談千夜一夜
    -
    信じられそうもない本当の話、うそのような本当の話、奇なるもの、珍なるもの、妙なるもののエンサイクロペディアの前では、世界がまだまだ広大であり、底深いものであることを思い知る。庄司浅水・不思議ワールドの白眉をなす書。

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  • 神曲物語(上)
    -
    地獄篇・浄罪篇・天堂篇あわせて100章、14,233行の雄大な叙事詩。3篇を通じて、歴史上に名をつらねる多くの人物が登場する。プトレマイオスの宇宙、軽妙な比喩、多彩な描写が織りなす、世界についての物語。

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  • 物語 水滸伝
    -
    「水滸伝」を直訳すれば「水辺物語」。梁山泊という湖水を背景にくりひろげられた数々の事件を描いたことから名付けられたが、宋江ほか36人が次から次に同じ志で集まっていく過程が時代を超えて人々を惹きつける。

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  • 八十日間世界一周(上)
    4.1
    1872年のロンドン、謎の紳士フォッグ氏は、《改革クラブ》の友人と大金2万ポンドの賭けをした。それは80日間あれば世界を1周できるというものだった。成功に絶対の自信をもつフォッグ氏は、フランス人の召使いパスパルトゥーを従えて出発。全財産とプライドを賭けた旅が始まった! 『海底二万里』、『二年間の休暇』など、SF小説の先駆者であり冒険小説で有名なジュール・ヴェルヌの代表作。【光文社古典新訳文庫】
  • 宝島
    3.9
    港の宿屋「ベンボウ提督亭」を手助けしていたジム少年は、泊まり客の老水夫から宝の地図を手に入れる。大地主のトリローニ、医者のリヴジーたちとともに、宝の眠る島への航海へジムは出発する。だが、船のコックとして乗り込んだジョン・シルヴァーは、悪名高き海賊だった……。胸躍る展開と個性的な敵役、臨場感あふれる描写。新訳では少年の成長に光をあて、大人の読み物として甦る。【光文社古典新訳文庫】
  • 1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編
    4.0
    めまぐるしいオフィス風景をユーモラスに描く「多忙な株式仲買人のロマンス」、若く貧しい芸術家たちの姿を描いた「最後の一葉」、表題作の「1ドルの価値」。O・ヘンリーはアメリカの原風景とも呼べるかつての南部から、開拓期の荒々しさが残る西部、大都会ニューヨークなど、さまざまに舞台を移しながら多彩な作品を生み出した。世界各国で読み継がれる代表作のほか、知られざる作品も新訳で登場。心に染み入る珠玉の23編。【光文社古典新訳文庫】
  • 吸血女の恋フランス幻想小説
    -
    本作品は、古くはラフカディオ・ハーンの英訳から、芥川龍之介と久米正雄によって『クラリモンド』の題名で日本語に訳された。そのような経緯から、表題作はゴーチエ作品のなかでなじみ深く、吸血鬼文学としても傑作と評される。

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  • 海の奇談
    -
    書誌学研究のかたわら、世界の奇談・怪奇談などの紹介につとめ、「庄司浅水ワールド」とも呼ばれ、好評を博したシリーズ。タイタニック号の遭難や、漂流、反乱、海の怪獣談など、古来より数かぎりなくある海にまつわる奇談の代表作集。

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  • ヘミングウェイの言葉
    4.0
    男の人生はかくも甘美で苦い――。「もしふたりが愛し合っていれば、そこにはハッピーエンドなどはない」「小説を書くときに作家は血の通った人間を創り出すのだ。人物ではなく人間を」など、ヘミングウェイが遺した言葉は今も魅力に富む。その数々を「人生」「異国・祖国」「自然」「楽しみ」「執筆」の五章に分けて収め、背景を鮮やかに読み解く。二十世紀を颯爽と駆け抜けた文学者の濃密な生涯がよみがえる一冊。

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  • バスク奇聞集フランス民話
    -
    バスクの人々はピレネーに囲われ、起源不明な独自の言語を持ち、地理的条件からその特異性をいまだ保持しているが、それは、伝説や民話にいきいきと伝えられている。妖精・怪奇譚・奇跡物語・魔女伝説、動物譚など、本邦初訳の書。

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  • 謎解き 少年少女世界の名作
    3.8
    十九世紀から二十世紀初頭、資本主義の浸透と身分制度の解体が進み、現在の社会秩序の基礎が確立される過程の欧米諸国で書かれた「少年少女世界の名作」を単なる子供だましと侮るなかれ。『十五少年漂流記』に隠された英米仏の領土問題、『宝島』に貫かれているビジネスの過酷さ――。そこには、近代史の真相、民衆心理、社会の根底にあるさまざまな仕組みやカラクリが隠されている。世界の見方が変わる一冊。

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  • 月曜物語
    -
    プロシア・フランス戦争(1870-71)の敗北によるアルザス・ロレーヌのドイツへの割譲、パリ・コミューン政府の樹立と、あっという間のその瓦解をへての第三共和政の成立(1871)、王党派と共和派のその後も長引いた確執……こうした激動の時代に傷つき疲弊した市井の人びとの苦労や悲しみの種々相を、あくまでも静かな共感をもって描いた小品集。第一部の巻頭におかれた「最後の授業」はなかでもいちばん有名な作品。

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  • メリー・ディア号の遭難
    -
    荒波にもまれ、無気味に静まり返るメリー・ディア号。サルベージ業者サンズはこの瀕死の貨物船に遭遇し、救助のため船内に乗り込んだ。残留していたのは船長代理の男パッチ唯一人。彼の口からサンズは航海中の事件の数々を知る……船長の死、船主の失踪、火災、そしてその際の全乗組員による船の放棄。が、パッチ自身も謎に充ちていた。英仏海峡の魔の岩礁にあえて船を座礁させ、サンズと共に帰還した彼は、海難審判の場で船が沈没したと偽証、しかも直後に逃走してしまったのだ! 果たしてその真意は?

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  • 若草物語
    -
    アメリカの南北戦争時代を背景に、東部の町に住む決して裕福ではないマーチ一家の思春期の4人姉妹の日常を描いて、今もなお読みつがれる家族物語の名作。メグ、ジョオ、ベス、エイミーは、それぞれの道を求めて懸命に生きる。「私が自分の未来の姿を垣間見たと言える本が一冊ある。それはルイーザ・メイ・オールコットの『若草物語』だ。……なかでも、私は知的なジョオに夢中になって、彼女に自分の姿を重ねた」(シモーヌ・ド・ボーヴォワール)

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  • ノートルダム・ド・パリ(上)
    3.0
    パリにそびえるゴシック建築のシンボル、ノートルダム大聖堂をバックに、ジプシーの踊り子エスメラルダと、醜い鐘つき男カジモドをめぐって繰り広げられる中世歴史ロマン。ロマン派の巨匠ユゴーの代表作。「ノートルダムのせむし男」のオリジナル版。19世紀の銅版画の挿絵を多数収録した。

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  • 父と子
    -
    すべての価値を徹底的に否定する「ニヒリスト」バザーロフの言動を通して、新旧世代の対立と相克、根底からゆれ動きつつある当時のロシア社会を鮮やかに描ききったツルゲーネフの代表作。アルカージイとの友情、二人のそれぞれの恋、家族のきづなと愛情もこまやかに描かれた青春小説でもある。

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  • 宝島
    -
    「ぼく」の父が経営する旅篭屋「アドミラル・ベンボウ」に、頬に傷のある老水夫がやってきたことから全てが始まった――少年誌に連載されたこの『宝島』は、子供だけでなく大人をも夢中にさせた海洋冒険小説の代表傑作である。自然なプロット、登場人物のリアリティ、臨場感あふれる描写の連続。冒険小説の元祖として今なお世界中の読者に愛読されている。

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  • 80日間世界一周
    5.0
    80日間で世界一周してみせると豪語して友人と2万ポンドの賭けをしたフォッグ氏は、フランス人の忠実な召使いパスパルトゥーを相棒にしてロンドンを出発、エジプト、インド、中国、日本、アメリカとめまぐるしく旅を続ける。ラストの驚くべきどんでん返しは、第一級のユーモアと科学的教養に富むヴェルヌ作品の中でも、最高の名場面と評価されている。

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  • 人間の絆(上)
    -
    モームの精神的自伝であり、今世紀英文学の最高傑作のひとつ。「えび足」という宿命の劣等感にさいなまれながら真摯に生き抜くフィリップの姿を、みじめな少年時代から、パリでの画家志望の暮らし、悪女ミルドレッドとの果てしない葛藤、医学への転身、サリーとの邂逅と愛の希望まで、徹底的にほりさげ描ききった大河青春文学。

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  • 学校のクローディーヌ
    -
    1巻660円 (税込)
    コレットの初期代表作となった「クローディーヌもの」の最初の作品。コレットの女学校時代の思い出を綴ったもので、優等生でありながら反抗好きで、やや不良じみた少女の、早熟な春の目覚め。先生どうしの同性愛や女生徒間の同性愛が巧みにとらえている。

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  • 居酒屋(上)
    -
    愛人に去られ、まじめな職人と結婚して慎ましい幸福に恵まれたと思ったのも束の間、貧困にうちひしがれて夫は狂い死にし、ついには自分もいたましい死をとげる洗濯女、ジェルヴェーズ。その数奇な一生を描き、パリ下層社会の悲惨な実態を活写したゾラの傑作。
  • ダロウェイ夫人
    -
    「意識の流れ」の文学の創始者のひとり、ウルフの代表作。一夜の晩餐によばれた人たちのさまざまなその場の意識や思いつきが、重なり合い、呼応し、反発し、とめどなくあらぬ方へと流れ行く…そのさまは、不思議な現実感と虚無感をかもしだす。大澤氏の訳はみごとなまでに流麗である。 アカデミー賞を受けた映画「めぐりあう時間たち」で一躍おおきな話題に!

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  • 「怪談」
    -
    ハーン(小泉八雲)は日本古来の伝承や民話をこよなく愛し、研究した。その蓄積を生かして流麗な英文で自在に創作した物語集が「怪談」である。深刻なもの、軽妙洒脱なもの、夢幻的なもの、霊的世界との交流の話、そして怖いもの、すべてが今は失われた心の世界を再現している。

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  • 女の一生
    -
    修道院で教育をうけた清純な少女ジャンヌの夢は幸福な結婚生活であった。だが、その夢は無残に裏切られる。彼女はつぎに息子に希望を託す。だが息子も彼女を裏切る。苦闘に満ちたジャンヌの暮らしに浮かび上がる「女の一生」。現代でも古びないモーパッサンの最高傑作。

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  • ボヴァリー夫人
    -
    ノルマンディーの小さな田舎町の医者シャルル・ボヴァリーと結婚したエンマは単調な暮らしにあきて、法律事務所の書記レオンに恋心を抱く。レオンが勉学のためにパリに去ると、エンマは生来の虚飾のとりことなって地主ロドルフと不倫な関係を結ぶ。それが破局をむかえたとき、エンマはレオンと再会し、ルーアンに住むレオンのもとへと足繁く通うようになる…

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  • 谷間のゆり(上)
    -
    青年貴族フェリックスはモルソーフ夫人と知りあい、激しい恋のとりことなる。だが、年も倍の男に慈悲心から嫁ぎ、結婚後は性格破綻者の夫と病気がちの子供たちを育てあげることに精一杯の夫人は、プラトニックな愛しかフェリックスに許そうとしなかった…バルザックの「人間喜劇」の田園生活情景に属する代表作。

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  • 従妹ベット(上)
    -
    好色漢ユロ男爵、貞淑のかがみのその夫人アドリーヌ、強欲な商人あがりのクルヴェル、淫蕩多情で強欲なマルネフ夫人、そして醜女であるために誰からも愛されず、男爵夫人におさまった美人のアドリーヌを妬み、いつか没落させてやろうと密かに執念を燃やす従妹ベット。これら主要人物に多くの登場人物をからませて、パリを舞台に描きあげられた人間くさい物語。バルザックの「人間喜劇」の代表作のひとつ。

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  • 赤毛のアン
    5.0
    赤毛でそばかすだらけ、自分のいやなところもたくさんあるけど、旺盛な想像力と速射砲のようなおしゃべりでカバー、マシュウとマリラの兄妹にひきとられた孤児アンは、プリンス・エドワード島の「グリーン・ゲイブルズ」に安住の地をみつける。世界中で愛される「アン物語」の出発点。

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  • 月と六ペンス
    -
    ストリックランドは妻も子供もあり、ロンドンでなに不自由ない暮らしを送る株式取引所員。その男がある日、なんの前触れもなく、なんの書き置きもなく突如として失踪する。パリに出て絵を描くために! ゴーギャンの絵と生涯に魅せられたモームが長い熟成期間ののちに発表した傑作。

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  • ある女の告白
    -
    モーパッサンは人間の欲望の織りなす日々の暮らしの機微を、さまざまな側面から切り取って鮮やかに示してくれる多くの短編小説を書いた。この集には表題作のほか、「聖水授与者」「月光」「宝石」「温室」「オトー父子」など20編を収めた。

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  • ハックルベリ・フィンの冒険
    5.0
    ヘミングウェーによってアメリカ近代文学の源泉とみなされた作品。ミシシッピ川流域ののびやかで豊かな自然と小さな町を舞台に繰り広げられる、浮浪児ハックと黒人奴隷ジムの冒険。名訳として名高い刈田元司氏の翻訳で。

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  • 知と愛(ナルチスとゴルトムント)
    -
    父のすすめに素直に従って修道院に入ったゴルトムントは、ほぼ同年の若き先輩で思索の人ナルチスによって、その運命を予告される…「きみはここに留まるべき人間ではない」と。その予言どおり、ナルチスは修道院をあとにして、愛欲と放浪の暮らしに身を投じる。しかし彼が最後にたどりついたのは、やはりナルチスのいるところだった。

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  • ウジェニー・グランデ
    -
    抜け目のないやり口で財産家、事業家、地主としての地歩を固めたグランデ老人は、家庭においてもワンマンで、砂糖ひとかけら、ろうそく一本にいたるまで倹約し、金を貯めることに生き甲斐を見いだしていた。そんななか、おとなしい母に育てられて二十三になった一人娘ウジェーヌは、その持参金目当ての有力な二つの家族の争いに巻き込まれそうになる。そこにパリ育ちのかっこいい従兄弟シャルルがあらわれる。ウジェーヌは初めて恋心をおぼえる。……骨太なリアリスト、バルザックの代表作で「純愛」の訳名もある。

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  • 白鯨(上)
    -
    自分の足を食いちぎったまぼろしの鯨を追って、怨念(おんねん)を晴らそうとする船長エイハブ。エイハブが乗組員たちをまきこんで大海原を舞台に死に物狂いでモービー・ディックを追う物語は、乗組員のひとりの力強い語りで進行していく……。海と船、一頭のマッコウ鯨をめぐって展開される壮大な人間ドラマ。鯨を語るにも必読。

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  • 猟人日記(上)
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    1~2巻660円 (税込)
    狩猟家(猟人)の日記というスタイルを借りて、ロシアの美しい自然と、その中に営まれる人びとの苦衷にみちたさまざまな生活を、25編の物語としてリリシズム豊かに描いたツルゲーネフのデビュー作であり、生涯の代表作。

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