村山由佳のレビュー一覧

  • ある愛の寓話

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    人と、人ならざるものとのつながりが描かれた6つの作品からなる短編集。
    一つ一つが完全に独立している短編集を久々に読んだ気がするが、どの作品も、愛の美しさを感じられる作品だった。

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    2026年03月28日
  • ある愛の寓話

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    著者の多彩な語彙と表現力が素晴らしい。

    性愛表現があったけれど、その対象を人に限定しない所や、愛情や深い結びつきを丁寧に言葉で表現して、肌感で想像させてくれる所が、あったかくて優しくて良いな〜と思った。

    アンソロジーで、色んな角度から色んな思いを向けて語られるスタイルが面白いと思った。

    「距離を置くことによって、関係性が上手くいく」というフレーズに救いと安堵を感じた。

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    2026年03月28日
  • キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方 I

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    村山由佳のおいしいコーヒーのいれ方記念すべき第1作目。話の内容はちょっと大人なアオのハコみたいな雰囲気。高校生の主人公の語尾があまりにオラオラ系すぎてちょっと萎えたけど、話の内容的にはド好み。これ書かれたの2000年より前やから、平成初期の高校生はこんな九州男児みたいな感じやったんかなーと思ってみたり。このシリーズ20作くらいあるから今年のうちに全部読み終えることを1個の目標にします。これからの作品の期待を込めて星4評価です。

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    2026年03月23日
  • 優しい秘密 おいしいコーヒーのいれ方 VIII

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    ネタバレ

    この巻は話が色々動き出して面白かったけどそれにしても、怖かった。
    途中怖すぎてホラー小説かと思った。

    前作から勝利が嘘に嘘を重ねすぎて、どこまで嘘つくのか、いつバレるのか、読んでて不安で苦しかった。

    バイトがクビになる、丈と京子ちゃん、叔母さんの疑い、星野りつ子のストーカー、勝利の一人暮らし、かれんの転職と一人暮らし・・・

    どんだけ秘密抱えるの。別にさらっと言っても良いこともあるのになーと思う。秘密を守る為に嘘をついて、その罪悪感があるからか余計後から言い出せなくて、なのにまた平気で嘘をつく。かれんにさえも。

    なんだろう、かれんの言う優しい秘密と、勝利の抱えている秘密は違う気がする。
    相手を思いやって嘘をつくことも時には必要だと、そう思ってきたけど、読んでいるとついて良い嘘と悪い嘘の違いが分からなくなってきた。後味が悪いというか、なんかモヤっとしたら悪い嘘なんだとは思う。

    なにより衝撃だったのが星野りつ子の言動。メンヘラ?闇落ち?とはこのことか。勝利への試し行為がどこまでエスカレートするのか本当に怖くて、今までとは別人に見えた。
    自分で自分を苦しめるのが読んでいて痛々しい。無敵の人になってしまった。

    これでは『大事な女友だち』にもなれないと思うな。勝利に自分のエゴを全部ぶつけて、それで良い関係なんて。
    ただ勝利もりつ子を遠ざけるタイミングを間違った。もしかして遠ざけようとも思っていなかったその甘さがこの問題を引き起こしたのかもしれないけど。本当は、りつ子を振った時に距離を置くべきだった、どれだけ近寄られようとも。

    大切にする人を間違ってはいけない。人生において何事も優先順位をつけることは重要。

    とは言っても勝利はまだ大学生なので、5歳も年上で社会人のかれんが叔母さんやりつ子に毅然と言ってあげても良いと思うけどなぁ。
    勝利はもっとかれんに頼っても良い。



    「一つでいいから、どんな時にも揺るがないものを持て。うまいと思うコーヒーの味でもいい。あるいは、手本にしたい誰かの背中でも、胸に響いた言葉でもいい。そういう、まわりの状況に左右されない自分だけの基準があれば、いざという時に方角を見失わずにすむ。ちょうど、どこからでも見える高い塔みたいなものさ。知らない場所で、たとえ進む道がわからなくなっても、そこへ立ち戻りさえすればまた一からやり直せる」

    マスターのこの言葉、前に西加奈子の『サラバ』を読んだ時にも同じような言葉が出てきて、ハッとなった。
    自分が信じるものを見つける。『サラバ』自体がそういう内容だった。
    銀色夏生のエッセイにも似たようなことが書いてあった。

    あれからそういうものを見つけられたとは思っていないけど、人生で何回も思い返したいほど心に響く大切な教え。
    何度も出会う度に、少し勇気づけられる言葉。

    20260322

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    2026年03月23日
  • 星々の舟

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    いろんな人に読んでほしい本だなと思った。
    いじめや戦争に関し凄惨な表現が出てくるので避けたい方は別として、恋とは何か、親愛とは何か、幸せとは何か、を考えたい人に読んでほしい。恋愛小説ではあるのだけど、いつの時代も「ただただ、恋愛」みたいなラブストーリーはかなり少ないんじゃないかと思っている。

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    2026年03月09日
  • 僕らの夏 おいしいコーヒーのいれ方 II

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    あとがきより

    どんなに相手を好きだとしても、お互いに影響を与えあわないような恋は、ほんとの恋愛とは言えません。考え方や価値観がぶつかりあった結果、自分が変わり、相手も変わっていく、、、みんなにも、そんな恋をしてほしいな、と思います。

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    2026年03月09日
  • 嘘 Love Lies(新潮文庫)

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    村山さんの切ない恋愛観もありつつ、サスペンス的な要素もありつつで、新鮮な作品だった。予想通りの人の繋がりもありながらも、ここでそういう展開にするのかーって思いながら読みました。
    美月の過去の描写がもう少しあったらよかったのと、最後の展開がいきなり過ぎた感じがあり、星4つにしましたが、楽しく読むことができて、久々に他の村山さんの作品を読みたくなりました。

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    2026年03月07日
  • ロウ・アンド・ロウ(下)【毎日文庫】

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    夫婦なんていつどこで亀裂が入って信用なくすかなんてわからない。それにしてもこの旦那さんにはイライラする。気持ちいい終わり方なのかな?

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    2026年03月05日
  • ロウ・アンド・ロウ(上)【毎日文庫】

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    人間関係って、こういうほんの些細な言葉とか行動で相手の心を推察するっていうことだと思う。だからこそ思いやりも生まれるし勘違いからすれ違いも生まれる。小さな小さなことを拾い上げて気持ちを言語化しているところにとても共感できました。

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    2026年03月05日
  • 遥かなる水の音

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    2026/03/04
    アルケミストに続いて、砂漠を舞台にした作品。
    結衣と浩介のエピソードが特に心に残った。
    「続いていく明日を信じられた」日々。
    でもそれが急になくなってしまうかもしれないという恐怖。
    ありきたりだけれど、今ここにこうして生きていることの幸せを思った。

    周(あまね)の遺骨が砂漠に舞うシーンと、タイトルを回収するラストはとても美しく、涙が溢れた。

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    2026年03月04日
  • ロウ・アンド・ロウ(下)【毎日文庫】

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    ネタバレ

    上下巻通して

    性描写が書かれている文章を読んだことがなかったので初めは面食らったが慣れればするするよめ面白かった
    不倫の描写もなぜか嫌な心地はせず、リアルな心情や夫婦のいつのまにが縛られ自由を失っていることにも気が付かない、そんな様子がスッと心に入っていった

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    2026年03月03日
  • Row&Row

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    自分と重なる部分が多くて、、読んでいて何とも言えない気持ちになった。
    誰の気配も感じることのない休まる場所が欲しい。
    休日も外に出たい訳じゃない本当は。

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    2026年02月22日
  • ある愛の寓話

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    相手をどれほど愛しているかの、言葉の表現がすごく素敵で、「好き」以上の情熱が、すんなりと伝わってくる。
    すごく好きな相手には、たしかにそう思うのだ。

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    2026年02月19日
  • 女ともだち

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    面白かった!
    それぞれの短編の掲載順?編纂順?並び?がとてもいい。最初の2話でズドンと落として中盤でジワジワ癒されて、最後は駆け抜けた。
    読み始めは女ともだちって何でこうなんだ……と落ち込んだけれど、読み終わる頃には女ともだちってなんかイイなと思える。
    「COPY」「水底の星」「ブータンの歌」が特に印象に残った。

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    2026年02月19日
  • 放蕩記

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    毒親本と言う感想を持つ人が多いのはわかる。だけど私にはそれだけじゃない

    その物語は、正しくないかもしれない形をした異性と正しくないかもしれない女として風穴を開け自らを救済していく物語でもある。

    放蕩とは何か
    それを問うのも悪くないだろう。

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    2026年02月18日
  • 星々の舟

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    4.3 ネガティブな内容だが、細部までよく表現されていて惹きつけられた。女や男、妻や夫の生きづらさが描かれる連作短編。戦争の件は心が痛む。悪意に負けずに生きていく希望が感じられた。

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    2026年02月11日
  • ありふれた祈り おいしいコーヒーのいれ方 Second Season IX

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    ついに読み終えてしまったおいコーシリーズ!少しさみしいっ!!
    ショーリが日本に帰国。かれんに会い、家族に会い、そしてマスターと由里子さんに会い…暗いトンネルからようやく明るい陽射しの元へ出られたような、そんな気持ちになりました。
    読み始めは嫌な終わり方だったらどうしようと思いましたが、杞憂に終わりました^^;
    おいコーシリーズ、読んでよかったです。

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    2026年02月08日
  • ある愛の寓話

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    デビュー30周年の快作。自身が原点回帰にして到達点というぐらいなので、さすがに読み応えはありました。人間同士以外にも愛はある。短編集の寓話なので好みが別れそうですが、私は好きです。読んだ後からじわじわと味わいが出てきました。私は猫の話が特にお気に入りです。

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    2026年02月06日
  • Row&Row

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    家に居場所がないってわかるなー。
    お風呂入ってても洗面所に気配感じたら嫌っていうのもわかりみが深い。
    バリキャリではないが、夫婦間の微妙なズレに共感しまくり。

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    2026年02月05日
  • ある愛の寓話

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    柔らかく仄かに燃え続ける幻のような小さな火だったり、燻られることなく強かに燃え続ける熱い火だったり。いろんな温度があれど、消すことのできない火を誰もが心の中で燃やし続けている。

    物。
    物はときに異常な執着を引き寄せることがある。
    何よりも大切な物。誰にも理解はされないだろうし、理解されたくないこと。

    特に、人と人の間にあった物だったり、誰かが残した物だったり、物を通して人を感じられるような物は、その物が持つ意味以上に大きな意味になって、ひとりじゃ抱えきれなくなることがある。

    そのとき、物が物じゃなくなる。
    でも『これは物じゃないんです、これは生きていて、襲ったり泣かせたりするんです』と言うと、頭がおかしくなったと思われるだろうから、とりあえず物として扱うことになるだろう。

    きっとひどく孤独にあると思う。
    この物語では、そんな孤独や喪失に寄り添ってくれる人(結局やっぱり人なんだな)がいて、それがどれだけ尊いものかを感じさせられた。

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    2026年02月02日