村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
色に魅せられた染織家・多岐川飛鳥、野生動物のいのちを撮るカメラマン・藤代一馬。ふたりが出会ったのは、ベルリンの壁崩壊の夜。運命的な恋の予感はそのまま、アフリカでの再会へと結びつく。サバンナの大地で燃え上がる愛、官能の炎。しかし、思いがけない事実が発覚して──。
主にアフリカを舞台にした物語で、そこに登場する人物と動物たちとの姿がまるでそのまま浮かび上がってくるかのような、透明感のある文章で読みやすかった。
ハッピーエンドかと思いきゃまさかのラストに、胸の奥が痛くなった。
飛鳥や一馬の仕事に対する想いの熱さに、自分の身近にいる人の存在を重ね合わせて見る思いがした。 -
Posted by ブクログ
テレビに映し出された風景に、僕は覚えがある。行ったことはないのに、確かのこの情景を僕は知っている──高校2年生の矢崎武志に起こったのは、既視体験デジャ・ヴ。前世で何があったのか、なぜ過去を追体験するのか。運命の人に再び出会うため、時空を超えて駆ける永遠の恋のリフレイン。
現世と前世を行き来しながらの物語展開がおもしろかった。
既視体験というものは自分も経験したことがあるが、この小説の中で描かれていることのように鮮明ではなかったように思う。
不思議なもので、前世で一緒だった人間は現世でもちゃんと自分の周りに存在している。これは仏法の教えの中にもあるもので、前世と現世とのつながりは無駄ではないし -
Posted by ブクログ
おおおおもしろかった!!!
なんか運動ができて、なんか女の子にモテる高校二年生の矢崎武志が、テレビに映し出された情景に既視感を覚える。
しかしそこは、行ったこともなければ見たこともない…しかし確かに自分はそこを知っていた。
彼は意識を失う度にはるか昔、生まれる前の世界を体験する。
その世界で彼は戦国の忍びの一族だった。
前世で何があったのか、なぜ過去を追体験するのか。運命の人に再び出会う、時空を超えた永遠の恋。
現代の世界と過去とが順番になっていて、最後に、ああ!となる感じ!
もう、後味スッキリだよ!!
おもしろかった!!!
ファンタジーで、なんか凄く読み口が軽い。
と思ったら後書きに -
Posted by ブクログ
宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち・・・人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度、誰かを愛せる日は来るのだろうか──。
下巻まで通して読んで、心の琴線に触れるシーンがたくさんあった。
人は誰しも人に言えないものを抱えているけれど、だからこそ人生は美しいし、人の痛みがわかる人間になれるのだと、祐介や花綾、桜の姿を通して教えてもらったような気がする。
この物語に登場する人たち全員が、それぞれに成長していく姿に勇気と感動をもらった。素晴らしい小説だった。