村山由佳のレビュー一覧

  • すべての雲は銀の…(下)

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    宿を整え、厨房を手伝い、動物の世話をする。訪れるのは不登校の少女や寂しい老人、夢を追う花屋の娘たち・・・人々との出会い、自然と格闘する日々が、少しずつ祐介を変えていく。一方、瞳子は夫の消息を追ってエジプトへ。もう一度、誰かを愛せる日は来るのだろうか──。

    下巻まで通して読んで、心の琴線に触れるシーンがたくさんあった。
    人は誰しも人に言えないものを抱えているけれど、だからこそ人生は美しいし、人の痛みがわかる人間になれるのだと、祐介や花綾、桜の姿を通して教えてもらったような気がする。
    この物語に登場する人たち全員が、それぞれに成長していく姿に勇気と感動をもらった。素晴らしい小説だった。

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    2011年01月14日
  • すべての雲は銀の…(上)

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    恋人由美子の心変わりの相手が兄貴でさえなかったなら、ここまで苦しくはなかったのかもしれない──傷心の祐介は、大学生活から逃れるように、信州菅平の宿「かむなび」で働き始める。頑固だが一本筋の通った園主、子連れでワケありの瞳子・・・たくましく働く明るさの奥に、誰もが言い知れぬ痛みを抱えていた。

    人間は、誰もが心に何かしらの痛みを抱えている。それを見事に表現している。
    園主の考え方には納得できる部分もあり、花綾や美里の「花」に対する仕事への想いなど、細部までこだわった人物描写はさすがだと思った。

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    2011年01月14日
  • すべての雲は銀の…(上)

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    人間模様。田舎でのんびり。ものすごい溜息を吐きながら読んだ。畑に生っている柿は何のためにあるかが心に残った。「おいしいコーヒーのいれ方」以外の他の作品も読みたい。

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    2017年05月21日
  • 青のフェルマータ

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    イルカと泳ぎたくなる、心温まる(?)一冊。
    R指定かけてもよいような気がしないでもない内容だったり何だり...

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    2011年10月09日
  • 野生の風

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    主人公飛鳥は、天使の卵やおいしいコーヒーシリーズのヒロインのようにおっとりした雰囲気ではなく、まだあまり村山さんの作品を読んでいなかった私にはちょっと新鮮でした。
    そして、天使の卵もそうでしたが、胸が引き裂かれたような結末で、しばらく引きずりました。

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    2010年11月22日
  • 楽園のしっぽ

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    わくわくしながら読める本。波乱万丈のエッセイ。日常生活を本当に大事に生きている、楽しんで生きている著者の気持ちがすごく伝わってくる。こんな風に毎日感動しながら、感謝しながら生きたいなぁ。
    「庭は女に似ている」の説はへぇ。と思いながら読んだ。この人のほかの本も読んでみたい。

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    2010年11月02日
  • すべての雲は銀の…(下)

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    主人公に自分の姿を重ねた部分はあると思う。大切なものを失い、立ち直れず、そこから逃げる日々。
    それでも受け入れたりして、向き合わなくちゃいけない日がいつかはくると、そうできる日もいつかはくることを教えてくれる作品だと思う。

    傷つきながらも、沢山の人に触れていく中で次第に再生していくという過程をうまく描き表していると思う。タイトルの意味もとっても素敵で、心に沁みる一冊。

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    2012年10月22日
  • 青のフェルマータ

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    1番好き。

    音楽と
    失声と
    年の差と
    ・・・(T□T*)

    感情移入しすぎてしまうのであまり頻繁に読むと疲れてしまう(笑

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    2010年07月13日
  • もう一度デジャ・ヴ

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    個人的には、こういう話が大好きなのであっと言う間に読んでしまいました。
    何度読んでもおもしろいです!
    ファンタジー好きの方にオススメ。
    思わず、「今回は…?」と続きを想像してしまいます。
    今度こそ、幸せになってほしい!

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    2010年05月28日
  • 青のフェルマータ

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    購入済み

    内容(「BOOK」データベースより)
    両親の不和、離婚から言葉を失った里緒は、治療に効果的だというイルカとのふれあいを求めて、オーストラリアの島にやってきた。研究所のイルカの世話を手伝って暮らす彼女に島に住む老チェリストJBが贈る「フェルマータ・イン・ブルー」の曲。美しいその旋律が夜明けの海に響いたとき、海のかなたから野生のイルカが現れて―。心に傷を持つ人々が織りなすイノセントでピュアな愛の物語

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    2010年04月05日
  • 楽園のしっぽ

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    鴨川で自然や動物たちに囲まれて暮らしていた頃の作者の生活を描いた作品。都会で暮らしている者には想像もつかない生活ですが、密かに憧れていました。もちろん楽しい事ばかりではなく、飼っていた兎や鶏がイタチや野良犬などに殺されてしまったりもしました。この本を読んでいると、人間も自然の一部である事がよく分かります。

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    2009年11月24日
  • 楽園のしっぽ

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    直木賞後初のエッセイ集。著者の作品では知り得なかった、著者の生活を追体験できます。多くの作品がこの自然から生まれたのかと、思わされます。そして、現在、その土地を捨て、小説家として新しい道を模索するまでのことがとびとびで書かれています。ファンなら一見の価値ありです。

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    2009年10月07日
  • 楽園のしっぽ

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    つまが読んでいたらしい本書。表紙に惹かれて初めて読む村山さんの本。
    お名前を聞くのも初めてだった・・・これが素晴らしい。。

    欲を言うと、もう少し若いときに出会いたかった・・・ま、そんなのは言いっこなしで。。

    何か、生きる指針の参考になったかもしれない。

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    2009年10月04日
  • もう一度デジャ・ヴ

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    人と人とが巡り逢う事の運命。
    そこにある確かな必然を、信じたくなる作品。
    読んだ時は衝撃が走った。心から大切だと思える一冊です。

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    2009年10月07日
  • 翼 cry for the moon

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    私が生きてきた中でもっとも好きな小説です

    情景描写、ストーリー、人物の設定

    どれをとってもピカ一です

    流れるような文章の流れは読んでいて心地いい作品です

    追記(2012/6/30)
    約3年ぶりに読みなおして、何度読んでもいい作品

    以前までに読んでいた時は文章力にとくに心動かされていたけど、

    主人公同様にアメリカ留学を経て、前半部分に多くの共感を得られた

    またいつの日か読み直したい

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    2012年10月02日
  • 野生の風

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    ネタバレ

    染織家・飛鳥とカメラマン一馬はベルリンの壁崩壊の前夜に出会い、お互いがお互いの存在を忘れられないまま、二人はアフリカで再会、激しい恋に落ちる。


     ところが、飛鳥の同級生であり、感情的にも微妙な関係にある編集者の祥子と藤代の関係が明らかになり、さらに藤代の「子孫を残したい、飛鳥に自分の子供を産んで欲しい」という願望と飛鳥がそれに答えられないことにより、この恋は終幕へと近づいていく・・・という話。


     恋愛に関してのストーリーは失礼だがまぁ、ありがちな話。出会った瞬間に「これは運命なんだ、運命の出会いなんだ」と思う恋愛はどこか嘘っぽいと思ってしまったりするので、そのあたりに関しては心ときめ

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    2014年02月02日
  • きみのためにできること Peace of Mind

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    病院の待合室で読んでいて、涙がブワッと出てきたので、あわてて読むのを止めた本。
    読む場所を選ばないとね・・・。

    音響技師の青年、高瀬が主人公。
    遠距離恋愛で、とっても大切なピナコがいるのに、女優にも惹かれていく。
    でも、大切の度合いが違うんだよね。

    メールを送り間違えてしまうところで、ベタなんだけど、ピナコに感情移入し、また高瀬に感情移入し、涙が出てきた。
    電話で言葉を伝えるよりもメールの方がいいと思っていた高瀬が、職場の「おとな」達にも背中を押され、30秒抱きしめるために行動するところでは、主人公の変化がなんだか嬉しかった。
    最後はハッピーエンドを予測させるさわやかな読

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    2009年10月04日
  • PRIZEープライズー

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    本好きの人に読んでもらいたい本。作者の一文一文にかける想いをもっと想像して、味わって読みたい。また、強すぎる情熱と危うさは紙一重だなと思った。

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    2025年12月15日
  • ある愛の寓話

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    人ならざる愛しきものたちで繋がれる人々。

    たまたま角を曲がっていたら綺麗な宝物が落ちていたみたいに、ものすごく得をした気持ちになりました。

    グレイ・レディが1番好き。

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    2025年12月15日
  • PRIZEープライズー

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    文学とは何なのか。
    直木賞とはどんな文学賞なのか…
    作家さん達がどれだけの思いで作品を創り上げているのか…

    一度読んだだけでは読み切れていない感覚もある
    けれど…
    小説というものを文学に変えていくために、説明を加えるよりむしろ削ることで、余韻を残したり読者に想像させる
    この作業を作家と編集者が信頼関係を頼りに行っているということ。
    その絶妙な信頼関係が作品の出来を大きく左右させるということに、ただひたすら驚いてしまった。

    そして、この作品にもなんだか思わせぶりで多くを語らないセリフや文章が散りばめられていて…読み解けないまま、何度も何度もページを行ったり来たり…
    結局、NSFMさんのレビュ

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    2025年12月13日