村山由佳のレビュー一覧
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村山由佳作品は大体読むようにしている。
この作品、表紙を見て『DANCER』じゃないんだ…と思ったけど それは終盤になって分かること。
男性ダンサー、しかも戦前から描かれていて とても好きな題材。冒頭から熊川哲也やボリショイバレエが出て来て引き込まれた。
世界的ダンサーであり振付家でもある久我一臣。彼をインタビューする水野果耶と長瀬一平。二人は大学の先輩後輩。果耶は留学経験もある元ダンサー。
久我一臣のレッスンを受けながら(羨ましい)のインタビューは彼の戦時中からシベリア抑留へと進んでいく。
満蒙開拓団で一家で満州に渡った翠の話、久我一臣の話、そして現代の二人がそれぞれに語られていく。
終戦 -
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おばあちゃんにかけた言葉がエグい。あれが最後に一方的に投げつけた言葉で、そしてその後ろ姿を見たのなら確かに後悔してもしきれない一生負い続ける傷になる。
何かをめぐって対立した相手を絶対にやり込めてやるぞって気持ちになったとたん、その人をどこまでも追いつめて逃げ道をふさぐことに全力を注ぐ。その人のパーソナリティそのものを否定するようなきついことを口にするの。ちょっと言い過ぎたかなと思ったときは、それなりにフォローだってしてみせるでしょう。そうしてあなたは、相手が黙ってしまったことで満足して、それきりそのことを忘れてしまう。でもね、言われたほうは忘れないのよ。その場は笑って忘れたふりをしても、心 -
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作家にとって文学賞がいかに重要であるか、今まで考えた事もなかったので「なるほど、そんなに‥」と思いながら読み進めた。
作家と編集者や出版社との関わりなども興味深く、文学賞を選定する裏側も垣間見えて面白かった。この本の出版社が文藝春秋である事も、多少のフィクションはあっても、内容は概ね間違っていないのだろうという説得力を感じた。
また、登場人物の人物像の描写も巧妙で想像するのが容易く、物語を豊かにしていると感じた。
人間の執着、思い込みや思い上がり、万能感など内側が痛いほど伝わる物語で引き込まれた。
個人的には市之丞が腹立つ。
嫌いなタイプだわー。 -
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冒頭部を読んでいて、小説家である主人公・天羽カインの嫌な人間性をあぶり出すのかと思いきや、そうではなく、読者の期待に応える作品を生み出し、批評家である専門家を唸らせる賞を追い求めた途方もない熱量が描かれていて、見事に裏切られた。
カインと緒沢千紘は単なる作家と編集者との関係性を越えていて、ただただ自分たちが納得する本を創り上げたい車に乗って猛スピードで突っ走っている。
『テセウスは歌う』の最後のラスト二行は話し合って削ったはずだった。しかし編集者の千紘の手によって一行が戻された。カインはこれは自分の作品ではないと焦がれていた直木賞受賞を辞退する。正直な話、その件を読んでそこまで突き詰めるかと唸 -
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信州の森に佇む「エルザ動物クリニック」の院長・北川梓は、一見ぶっきらぼうに見えるけど凄腕である。
助手の看護師2人に事務・受付を担当する深雪と少人数だが、そんな動物病院に飛び込んで来る動物達を精一杯診ている。
瀕死の野良の子猫を見捨てられなかった建築職人の土屋や老犬の介護をしながら自身も重い病気を抱えている高齢女性、夫からのDVに悩まされつつ、それを証言したのが、インコだということや小学校のうさぎ小屋の世話をしている少年が母親から虐待を受けてたとか…動物たちだけでなく、世話をする人もいろんな思いを抱えている。
院長の過去や深雪の前職で苦しんだことや母親との確執なども明らかになる。
言葉で -
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恋愛と人間関係に傷ついた深雪の転職先は、長野の森の中にある、風変わりな院長の動物クリニックであった。
運びこまれる猫やオウムや犬などの動物たちと人間、心無い人たちから辛い言葉や態度を投げつけられることもある。ハーブティーと正直なスタッフと出入りする男性から暖かい居場所をもらい、前向きに進めるようになりつつあり、安心して読み終えた。
村山由佳さんの動物ものはイイなあ。
猫や馬、住処や男性や母親、周りの景色さえも村山さんの現在を彷彿させる。
作品はいつもなんとなく私小説の分量が多いように感じる。こんなにさらけ出してしまって良いのかなあ。
書くことでストレス解消することができる部分は理解できる -
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私の好きな厚みです♡
この本は、私が高校生〜社会人になり始め、まだ携帯電話は普及しておらず、ポケベルが流行っていた頃が舞台となります。
編集者の水野果耶と、記者の長瀬一平が、バレエの世界的振付家、久我一臣にインタビューするという形式で語られます。
インタビューで彼が語る過去の多くは、戦争体験なのですが、中でもシベリア抑留時代の描写は本当にしんどいです。゚(゚´ω`゚)゚。
久我さんのインタビューと並行して描かれるのは、我らが翠さん(女性)のお話。
ここでも翠さんがΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
翠さんの人生は、波瀾万丈。とにかくキツい。
満州に渡ったって聞いた時から、嫌な予感しかしませんよね(;´д