村山由佳のレビュー一覧
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ネタバレ物語を通して歩太は一目惚れしてからずっと春妃のことが好きだ。たぶんその愛情に満たされている感覚が歩太にとっての幸せなんだなと思った。
春妃と一緒になりたいという気持ちはきっと若さゆえの勢いもあるように感じた。年齢差や親の理解、夏姫の姉である事実があっても前に進もうとする強さがあった。
それに対して、春妃は年齢差や夏姫のこともあってかどこか認めない空気感みたいなものが伝わってくる。きっと春妃は歩太よりもずっと大人で抱えているものが大きいから自分の心に素直になることに時間がかかるんじゃないかなと思った。
精神的に歩太は若すぎて、春妃は大人すぎるのかもしれない。そんな2人が徐々に歩み寄って大人に、純 -
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ネタバレ村山由佳さん初読
『出せば売れる、というだけではもう足りないのだった。身体じゅうの全細胞が、正当に評価される栄誉に飢えて餓えている。世間や書店のお墨付きは得た、あとは文壇から、同業者から、作家としての実力を認められたい。いや、認めさせたい。これ以上(天羽カイン)を軽んじることは許さない。夫にも、誰にもだ。』
直木賞が欲しい天羽カインの執念が凄い
その周りで何から何までやってくれる
編集者の千紘ちゃんが好きだった
でも、、、石田三成にした事を知って驚愕した
まさか千紘ちゃんだったとは、、、
「テセウスが歌う」を作りあげていく過程で千紘がしてしまう事に予想が付いてしまった
千紘ちゃんはどこか -
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阿部定。きっとこの名前を知る人は大勢いるのではないだろうか。もちろんその事件も同時に思い浮かべることだろう。
愛する人の男性器を切り取り持ち歩いていたところを捕まった阿部定。世の中では単なる好色女の猟奇殺人事件と認識されているだろうし、私自身、そういう認識でいた。
でも、この『二人キリ』を読んで、その認識が少し違ってきた。
著者の村山由佳さんはもちろんこの事件が起こった時にはまだ生まれているはずもなく、でも、吉弥に実際話を聞いたかのようにリアルに描かれていて、この小説がフィクションなのかノンフィクションなのか分からなくなるほどだった。
もちろん小説だから、大いに脚色はされてい -
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女性マネジャー桐絵の目線から見る、少女ミチルのサクセスストーリー。
ライブハウスでミチルの歌声に惚れ込んで以降、彼女のスカウトから、その後に待ち受ける困難の数々。
絶妙なタイミングで嫌なキャラを発揮する先輩マネジャーの峰岸や、オーディションチャンピオンの真由。
良い方向に進んで行くだろうと予想しながら読んでいても、(ここで突き落とされるの?)(この出来事がそこに繋がるのか)と、ストーリー展開が激しく、読んでいてドキドキした。
読み進めていくにつれ、登場人物の魅力が増していき、関係性の変化などにもウルッとくる。
特にミチルの博多弁で紡がれる言葉や、純粋で素直なキャラクターは、桐絵でなくとも -
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昭和の初めに世間を騒がせた「阿部定事件」の小説。
私個人は「行き過ぎた愛情のために愛人の命を絶っただけでなく、さらに異常行動をとった女性の事件」というくらいしか知らずにいましたが、本作によって詳細を知りました。
この有名な事件は、その異常性のために人々の下世話な関心を集め、その後に興味本位の著作や映画が多数作られたらしいですが、本作はそれらと全く趣を変えて、一人の女性としての「定」の人間性に光を当てています。
架空の人物が事件関係者の証言や年老いた「定」本人の回想をヒアリングする形式になっており、語り口調であることがリアリティーに寄与していてすごく惹き込まれました。事実と創作が上手く融合し