村山由佳のレビュー一覧
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ネタバレ予想に近い展開で進んでいくかと思いきや、途中からは予想を上回る展開でその「裏切られた感」が面白かった。
編集者と作家の距離へのアンチテーゼ、誰しもが起こり得る承認欲求の肥大化やそれをメタ認知できないことの危うさ、賞レースや選考の裏側、出版業界の置かれた状況のリアル、を織り交ぜながらストーリーも面白くて読み応えばっちり。久々に「面白い!」と思える小説に出会えて幸せだった。
カインの二面性というか、行動や口の悪さ&その背後にある意識、そしてそれが柔らかくなる時の違い、がつぶさに見て取れたのも作家の描写の成せるわざだと感じた。ここがあったからこそ、人の深みを垣間見られて面白かったんだと思う。それに -
Posted by ブクログ
2025/01/03
何か久しぶりに王道の恋愛小説を読んだ気がします。
まずは何よりこの本がとても読みやすかったです。
主人公の勝利(かつとし)は高校3年生のときに遠方へ親が引っ越しする関係で父の友人の花村家のかれんと丈ともに同居することになる。
ともに生活をしていくうちに段々とかれんに惹かれていく勝利だが、かれんは勝利の高校の美術の先生でもあり、行きつけのカフェのマスターのことが好きということでしょうりのでるまくは最初は無さそうなのだが…。
タイトルにある通りで、2人の恋が成就していく過程が描かれています。とてもド直球って感じの恋愛小説だなぁって思いました。表現というよりも展開が読んでいてス -
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正月早々、深夜までやめられず一気読み。
最近で一番夢中になって読んだ!とリアルの友人からも聞いていたけれど、本当にすごかった…!
あと2週間後くらいに直木賞発表だから、今読むとめちゃめちゃリアルに感じる!
内容は帯の通りなのだけど、いわゆる文壇エンタメ小説。文芸界隈をめちゃめちゃリアルに描きつつ、出版社や作家のモデルがわかりやすくて、もちろんそこも楽しめるポイント。
でもこの本のテーマは承認欲求との向き合い方。
作家の天羽カインだけじゃなくて、周囲の編集者や新人作家にもそれぞれの承認欲求があって、飲みこまれて破滅していく人もいる…
人間関係が怖くもなった。おすすめ。 -
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よかったです。
とてもすてきな小説でした。
農業をやりたいと言う父親といじめで学校へ行けなくなった小五の雪乃が、曾祖父母が住む田舎へ移住します。離れて暮らす母親との関係や父親の強い思いを読んで、この家族の強さを感じました。小説は周囲の人たちとの交流を通して変化していく雪乃の気持ちをうまく表現していました。
いじめは絶対に許せないことだということ。本当に強い人は、弱音が吐ける人だということ。誤りはきちんと認めて、謝罪すること。多くの場面で、考えさせられた読書でもありました。
小説の始めの頃の雪乃と終盤の雪乃は、気持ちの持ちようがすっかり変わっていました。一年かけて様々な経験をして、ようやく -
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全話面白かった!
周りにこういう女の子居たなぁって
どれも身に馴染みのあるお話で、サクサク読めた!
特に刺さったのは
「こっちを向いて」というお話。
仕事の取引先のお姉さんが転職するからもう会えなくなる。寂しい。できればこれからは友達として付き合っていきたいと思ってる主人公。
でも相手がそれを望んでなかったら?とか、ごちゃごちゃ余計なことを考えて結局何も言い出せなかった。って内容なんやけど、
めちゃくちゃわかる、、、!私も過去に全く同じ経験したし、他にも経験された方は意外と多いのかなと思う!
大人になってからの友達作りって考えてみれば難しいかも(´-`).。oO
最後の「獣の夜」は、臨場 -
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久々に、寝る間も惜しんで読みきった。
どの章も良かったが、強いていうなら最終章が一番印象的かな。
慰安婦のことや、戦争中の訓練の詳細が生々しく、衝撃を受けた。
私の祖父は生前、兵役中のことを一切話したがらなかったが、理由がわかった気がする。
謝りたい人に謝れない、
ありがとうを伝えたくても伝えられる術がない、
喜ぶ顔が見たくても、思い出すのは悲しそうな顔ばかり…
そんな後悔の中を生き続けていくということ。
これが、遺された者にとっての一番辛いことなんだろうな。
伝えたい言葉は、ちゃんと伝えていこう。
伝えられることは、当たり前では無いのだから。