村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
audibleで。全く個人的意見で星5。
動物好きにはたまらない1冊かも。信州のエルザ動物病院が舞台。上司のモラハラで病み、会社を辞め、母親の反対を押し切って事務職として勤め出した深雪の視点で物語は始まる。
院長の北川梓は凄腕の獣医師だが、物語を魅力的にしている最も大きな要因は、この院長の人間性にあるかも。院長の生い立ちについては、後半部分に出てくるが、その性格を形作った幼い頃のエピソードには胸が熱くなる。
命の尊さ、そして大切にされたペットの飼い主への愛、生死に関する不思議さの詰まったこの本は、実体験を持つ人にとっては、涙なしでは読めない1冊だと思う。 -
Posted by ブクログ
とても癒されました。
毎日の暮らしの中に共存している
猫という生き物が、たくさんの
作家の方々の憩いであり
生きがいであり、無くては
ならない存在でした。
家の猫も保護してから3年
猫を飼った事もない家族の中で
その存在感の大きな事、
角田光代さんの文章の中に
(以前は、自分は自分はという
感じで暮らしで辛かったところに
猫がきて自分以外の事に心を
持っていけるようになった事で
楽になった)とありました。
まさにそれです。疲れたけど
とりあえず猫に餌をあげようと
声をかける事で気持ちが良い
方向に切り替えていける。
猫って不思議な生き物です。 -
Posted by ブクログ
大手芸能事務所「鳳プロ」のマネージャーながら雑用ばかりだった桐絵は、博多のライブハウスで歌う少女・ミチルに惚れこみ、上京させる。鳳プロでは専務の娘・真由のデビューが決まっており、ミチルには芽はないはずだったが、彼女の情熱と歌声は周囲を動かしてゆくーーー
読後感が良すぎる。
才能溢れる二人の少女が、自分の感情の制御に苦戦しながら、世界との付き合い方に辟易しながら、スターとして輝きを放つまでの過程を見守る事ができて、幸せだった。
正反対な二人が高め合い、混じり合い、一つへとなっていく。厳しい目線で見れば、現実味がないかもしれない。けどこの物語には確かに存在するのだからそれだけで良いと自分は思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスター誕生の物語でありながら、真由とミチルという二人の関係の物語だったと思う。才能や立場の違いからぶつかり合いながらも、互いを強く意識し続ける。その緊張感が、物語を最後まで引っ張っていた。
ラストで真由が髪を切り、ミチルを背負ってステージに立つ場面は、勝ち負けではなく「共に立つ」という選択の象徴に見えた。嫉妬や葛藤を抱えたまま、それでも同じ光の下に立つことを選ぶ。その姿に、二人それぞれの成長が凝縮されていたと思う。
そして、冒頭の一文がラストに重なる構成も印象的だった。物語は円を描くように閉じるけれど、二人は確実に変わっている。同じ場所に戻ったようでいて、もう同じではない。その余韻が静かに残る -
Posted by ブクログ
そもそも、読むこと、書くことは、人と競い合ったりするもの、競技じゃないんだよね。だから、ラノベ用の直木賞以前に、直木賞も、芥川賞も、高校生直木賞も、本屋大賞も(もちろんノーベル賞も)含めた、すべてのありとあらゆる文学賞が、必要ないよね、と。今ある公募の受賞作品、物理的に全部読める人居ないでしょ。(私の作品、チャかシズムVol.9の、『新世紀愛情胡事』では、沢山の賞を列挙することで、それらを茶化している。)
まあ、物理的に賞をなくす、ということは多分現実的には不可能で、すでにできあがった権威の足場がないと、人間は多分作品を評価できないのかもしれない。
これは、村山由佳の『PRIZE』を読んでも -
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ネタバレ村山由佳さんといえば恋愛小説というイメージでしたので、このような物語で意外でした。動物愛も愛の一種ですけれどね。
自然豊かな場所にある「エルザ動物クリニック」の院長は淡白な口調の女医の梓。そこで働くスタッフも女性ばかり。事務の深雪は前職で人間関係のトラブルがあり、自己肯定感が低めです。ですが、梓をはじめスタッフの面々、瀕死の仔猫を連れてきた土屋のおかげで少しずつ気持ちが前向きになっていきます。
一番印象に残ったのは『天国の名前』。
天国の門番にペットが名乗る時、一番多いのが「かわいい」「かしこい」だというエピソードです。飼い主に一番呼びかけられている言葉だから、それが自分の名前だと思ってい -
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ネタバレ『エルザ動物クリニック』での動物の命そして人間模様を描いた物語。
主人公の深雪は前の職場で理不尽な扱いを受け辞職し両親の反対も押し切り動物クリニックに次の職を求め一人暮らしを始めた。
ぶっきらぼうだけれど思いやりのある女院長はじめ二人の女性看護師、死にそうな子猫を助けた優しい工事にきている職人さん…周囲の優しさに触れ立ち直っていく。
妻のことを力で押さえつけ言うことをきかせる夫。
母親に虐待されている少年。
夫に先立たれ自分も心臓が悪いのに一人で老犬の介護をする女性。
様々な問題を抱えた人たちがクリニックを訪れる。
ペット社会である現代の問題を知らしめてくれる感動作でした。
(Wor -
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信州の美しい木立のなかに佇む「エルザ動物クリニック」。
獣医師としては凄腕だけれど、ぶっきらぼうで抜けている院長の北川梓、頼れるベテラン看護士の柳沢雅美と萩原絵里香、新人で受付と事務を担う真田深雪。4人のスタッフが力を合わせ、日々運び込まれるペットや野生動物の治療を施し、さらに飼い主の心に寄り添う連作短編集。
貪欲なまでに直木賞が欲しい女流作家を描いた『PRIZE』とは打って変わって、心が温かくなる作品だった。
ガサツだけど、動物に向き合う姿は真剣そのものの院長が、愛猫家の村山さん自身の姿に重なって感じたのは、私だけでないと思う。
改めて、純真無垢な動物といると、いかに人間が愚かな生き物 -
Posted by ブクログ
二人で居るのに、互いの気持ちが違うのは、孤独であることよりも寂しく、悲劇…。
を物語に見事仕上げてくださった作者さまに感謝
広告代理店で働くバリキャリな涼子と自宅で美容室を営んでいる孝之はもちろん、ふたりのまわりにいるキャラクターたちも魅了的
人間性は別として、物語を盛り上げるうえで、、という意味で
村山由佳さんの恋愛ものって凛としていながらもヨワイところもある女性の描き方が素晴らしく、今回も濃厚なチョコレートケーキとエスプレッソをいただいたような満足感…
村山由佳さんの作品、やっぱり好み♡
500ぺージ以上の大作で本の厚さが凶器となっているって思ったのは、ここだけの話