あらすじ
『ダブル・ファンタジー』を超える、衝撃の官能世界! 恋ではない、愛ではなおさらない、もっと身勝手で、純粋な何か――。浅草の呉服屋の一人娘、結城麻子はアンティーク着物の仕入れで、京都の葬儀社の桐谷正隆と出会う。野心家の正隆がしだいに麻子との距離を縮めていく一方、ほの暗い過去を抱える正隆の妻・千桜は、人生ではじめて見つけた「奴隷」に悦びを見出していく……。かつてなく猥雑で美しい官能世界が交差する傑作長篇。
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ダブル不倫の話。(夫婦同士で不倫しちゃう的な。交換夫婦みたいな)
4人目線で物語は進んでいきます。
テーマは秘めるなのかな?と思いました。
麻子の方は、相手への思いをひたすら秘める感じで。
一方、千桜の方は、性癖を秘めるという感じ。
切なさと、官能に溺れていく様を見ている感じです。
お互い不倫しているのだから、交換しちゃえば?という、簡単なものではなく。
結婚した相手も生活の一部になっているので、いないと困る。そんな中での不倫の話。
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ここ最近読んだ本でいちばんよかった。朝の電車で読むべきではなかった。
全員の性に溺れていく様が、エロい。自分の性癖をはっきりさせなくてはならない。
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感応的で猥雑な話…性癖が表向きの自分を狂わせてしまう程に支配的なモノであると言う事、人の心の闇?内なるものの深さ…を想いました。後半は酔ひというより狂ひですね、昼顔を思い出しました。
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偶然であった二組の夫婦
相手のパートナーと自分の性の相性がぴったりだった。それぞれ立派な仕事や肩書きをもった大人なのに、この出会いによって押さえきれない衝動で密会を重ね、狂ったように求めあってしまう。目が話せなくなる。
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ただの不倫小説ではない
何かを感じました。
性描写が激しい所が、あるが
着物についてのお話が興味深く読めた。
時間が経ったら、また読んでみたい。
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あー、こうきますか!なーるほどねぇ~・・・
いや、ラストが何ともね、へぇ、そうですかw
いやー、エロいわ~♪いいわ~♪堪能したわ~www
んで、トキ江おばあ様が一番好きだわね、オホホホホっとw
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恋愛小説が読みたいなと探していたが、ドロドロのダブル不倫だった。こういった官能小説?は時初めて読んだのだが、バレるかもしれない、バレても、、、と終始ドキドキする場面だった。唯一麻子だけがこの関係をわかっていないというところがキーになっているところも物語を面白くさせているのだと思った。
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ぼんやりした恋愛小説を読んだ反動で、とびっきりのドロドロ泥沼恋愛小説読みたくなって!
・性に淡白な着物屋の奥さん✖️実はマゾど変態旦那
・幼少期に叔父に性的虐待を受けてSに目覚めたキチガイ奥さん✖️サイコパスオラオラ旦那
↑この2組の夫婦がそれぞれパートナー交換して泥沼不倫していくお話。
スワッピングする前は2組とも、表面上は普通の夫婦だった。それが、本性を出せる相手になった途端、ここまで欲望丸出しの生き物に変わってしまうものか( ̄O ̄;)
着物屋の奥さん✖️サイコパスオラオラ旦那
の組み合わせは禁断の恋って感じで、ドキドキする。好きにならないようにって考えたらもう好きやんそれ( ・∇・)
一方、もう1組のカップルは
女王様と奴隷で、その対比がまた面白かった!笑
最後、プレイの行き過ぎで女王様に殺されかけて、マゾ旦那が入院したのきっかけにあっさり、それぞれ元の普通の夫婦に戻っていく。カップルの終わり方がひとときの幻想って感じで、普通の恋愛とは違う感じ。
半分ぐらい読んで、この小説の終着点はどこなんやろ?ってぼんやり思ってたけど、まぁそりゃそうか( ・∇・)
初めてこういう小説読んだけど、たまにはアリですね(^ν^)
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着物を扱う店を営む麻子と会社員の誠司
葬儀社の社長娘の千桜と正隆
二組の夫婦が出会ったことで性の欲求が崩れ始める
一方は10代の初恋のように。でも情熱的でもあり心身ともに求め合う
一方は主従関係のように。
麻子の祖母、トシ江が粋でかっこいい。
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昔、YouTubeの企画か何かで、アメリカ人に対して「付き合う前にセックスはする派?しない派?」というインタビューを見た。
そのとき、男性も女性も大半が「する派」で、理由として「身体の相性も大事」的なことを言っていた。
この作品を読んでて過去に見たその動画を思い出した。
性に対してあまりオープンではない日本では、この作品のようなことが起きてしまう可能性は大いにあると思った。
★印象に残ったフレーズ
「恋だの愛だの、世間じゃまるで美しいものみたいに言うけど、あんなもの、きれいでも何でもない。あたしゃ怖くてたまんなかったよ。自分という女はこれほど身勝手だったのか、我が身が可愛けりゃ鬼にもなれるのかと思ったらさ」
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二組の夫婦が別の相手に惹かれ合う。同じ性癖を持ち求め合う誠司と千桜。お互い心惹かれあい、身体も離れ難く求め合うようになる正隆と麻子。誠司と千桜にはあまり共感できなかったけど、正隆と麻子には一時でもそういう経験が出来たことが羨ましくもあり、反対に知ってしまったが故にこれからは封印して生きて行かなければならないのは辛く苦しく、知らなかった方が幸せだったのかも。もし万が一、自分にこんな出会いがあったら、どうするだろう…と読みながら、複雑に心が揺れる思いがした。まっ、そんな事とは全く無縁の毎日なんだけれども。
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満たされた生活、仕事、家族を持ちながらも、溺れてしまう相手との出会い。
獣と人間が違うのは理性があるから。
一度の人生で、魔が差すのも共感できる。そして、そんな経験も味わった上で、自己を確立していく麻子は女性てしても素敵だと思う。
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久々の官能小説。
男性作家のを数冊読んでみたけど、心惹かれるのではなかったのでしばらく遠ざかっていた分野。
こんな風になにもかも捨ててもいいと思えるような体験をしてみたい。
溺れてみたいと感じるような書き方。
永遠に続くような終わり方がよかった。
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一気読み。2組の愛の形は、似ているようでまるで違う。片や歪んだ性愛の結びつき、片や運命の相手との性愛。どちらが破綻するかは、言わなくてもわかる。運命の相手か、生活の維持か?どちらを選ぶのが幸せなのかな。余韻のある話。
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ロウアンドロウが文庫化したことにより、村山由佳さんを深掘りしようと思い少しずつ著書をかき集めて、こちらは村山由佳さん3作目くらい。交換夫婦のような関係、当人たちが全員が納得するのであればそれはそれでいいのではと思いつつ。こんなこと現実にあるのかなと思いつつ。性の価値観が合うというのはとても大事なことなのだなとも思うけど、それほどまでに相性がいい人なんて実際いるのか、、、
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やや抵抗ある内容ながらも、さすがの筆力でグイグイ読めた。
官能部分は…直接そのものを書かなくても、こんなに表現できるものなんだな、と。
普段の生活じゃお目にかからないようなプレイが出てきます。
嫌々やめて(本当はしてほしいんだろ?)みたいな展開、嫌いじゃないはずなのに今作ではちょっと引いてしまった……
それぞれ罰をうける、みたいな展開になるけど、1番やらかした感がある女性がどうなったのかイマイチ分からんかったのが消化不良。
メインどころの人達よりも、周りの人達の言葉が印象的だったし、登場人物の仕事内容にフォーカスした部分のほうが面白かった笑
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終わり方がなかなか衝撃的で驚いた。夫婦同士で不倫し合ってここまでバレないものなのかと思ったが、麻子の鈍感さには呆れた。誠司は最後、鬱になりかけていたがそれは千桜にであったからなのだろうか?そうであったのならば、人の出会いというものは恐ろしいものだと思った。誠司は千桜を神格化していたからこそ、深くのめり込み「この人しかいない」と思い込んでいた。なんだか宗教みたいだなと思った。
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友人から借りた本
エロかったです。久々にこういう本読みました。渡辺淳一さんとか、なんなら団鬼六先生のソフトバージョンみたいな。
ラストは、えええ?みたいな感じでした。
京都とか、お着物の表現は素敵。
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読みたかった本がおかざき真里さんの美麗な装画になっていたので漸く。
苦しい。W不倫ものだけれど読んでしまうのは、不倫を肯定してはいなくて、全員苦しんで業を抱え込む事になるのが丁寧に描かれているから。村山由佳さんの文章は綺麗ですし、今回は片方の夫婦が京都の人ということで京都弁も良かったです。
嫉妬と、不思議な共犯関係に似た感情が沸き起こるのかな。自らのパートナーには埋められない昏い性癖みたいなものをお互いに別の人と埋める。よくわからない感情です。
やってることはだめだと思っても、登場人物に全員嫌悪感を持つことは無いのも村山さんの力量なのか…と思いました。桐谷の愛人の直恵すら嫌いではない。たぶん、誠司が入院してる病院の看護師長、彼女よな。
トキ江おばあちゃんもとても良かったです。自分の着たい服を着る、と思ってても、「装うということは人さまへの心遣い」という気持ちも持っていたいです。
着物素敵だな。お着物を想像するのも眼福でした。
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挑戦的ともとれるレビューで手にとって、いやあああ後悔(笑)
ダメでした、堕ちていきそうな想いに絡め取られます。
あの情念だったり、色んな意味で純情だったり、欲望だったり、頭と体の中で咀嚼しきれない気持ちをもて余します。縁も艶も炎も「えん」ですよね、こんなにも文字が文章が艶やかだと感じたのは初めて。
この四人を是としてはならないのだけれども、この情動をどうしたものか?憧れてもいけない世界、どんなに言葉を尽くしてこの情動には勝てないのだ。
やはり神は見ている「恋愛−己の心から苦しむなり、秘めよ」
#花酔ひ
#村上由佳
#官能
#本好き
#本好きさんと繋がりたい
#小説倶楽部
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恋ではない、愛ではなおさらない、何か――
浅草の呉服屋の一人娘結城麻子はアンティーク着物の商売を始めた。着物を軸に交差する二組の夫婦。かつてなく猥雑で美しい官能文学。
浅草の呉服屋の一人娘、結城麻子はアンティーク着物の仕入れで、京都の葬儀社の桐谷正隆と出会う。野心家の正隆がしだいに麻子との距離を縮めていく一方、ほの暗い過去を抱える正隆の妻・千桜は、人生ではじめて見つけた「奴隷」に悦びを見出していく…。かつてなく猥雑で美しい官能世界が交差する傑作長篇。
「ほら、よく言うじゃないか。
『人は出会うべき相手にしか出会わない』って。
だけど、神様はときどき、うっかり間違えなさるよねえ」
「何を? 組み合わせを?」
「いいや、順番をさ」
夫婦だからこそ、言えない秘密がある。
身も心も焼き尽くす、ねじれた愛の行方。
Posted by ブクログ
本作は『ダブル・ファンタジー』を超える、衝撃の官能世界って帯に記載あり、読んでもいない『ダブル・ファンタジー』よりも凄いっていう言葉に惹かれ手にする。
直木賞作家の官能小説って・・・そういえば以前に、芥川賞受賞作家の官能小説、『薮の中で…ポルノグラフィ』 (徳間文庫)藤沢周著は良かった、何気に良かった さすが芥川賞作家(笑 さて、こちらについては本家、官能小説家の花房観音に負けてます(好みにもよるが)
Posted by ブクログ
端的に説明するならば、SとSの夫婦と、MとMのそれぞれしっくり行っていない夫婦が知り合い、お互いの性癖も知ってしまう。しかし、Sの夫とMの妻は『恋』と思い、Mの夫とSの妻は『欲望を消化できる相手』となるところが、この作家さんのよく考えた所だと思う。ともすれば夫婦交換のエロ小説になってしまいそうな物語を、江戸の粋と京都の艶を着物に著してスパイスにしていると思った。
でも、まぁ、アダルト小説でしたけどね。
これはブラック村山の方……とは簡単に判断できない人間の業の物語だったけど、おいコーとかと比べてしまうと分類的にはやはりブラックの方だったかと。
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浅草の呉服屋の一人娘、結城麻子はアンティーク着物の仕入れで、京都の葬儀社の桐谷正隆と出会う。野心家の正隆がしだいに麻子との距離を縮めていく一方、ほの暗い過去を抱える正隆の妻・千桜は、人生ではじめて見つけた「奴隷」に悦びを見出していく……。かつてなく猥雑で美しい官能世界が交差する傑作長編。(裏表紙より)