村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ序盤から、由佳姉さんはとてもスピリチュアルな方なのではないかと思った。
そしてあとがきを読んで確信した。
しかもこの文庫本が発行されたのは1998年。
今よりもずっと前世についての知識は浸透してなかったはず。
とても興味深く読み、そして楽しめた。
“真に愛した男と一夜を過ごすことが、人の道にはずれたことだとはどうしても思えなかった。人の道に外れるとは、夫がしていることを言うのだ。”
おりんがはやてと関係を結ぶことを頑なに拒むシーン。
若くないから。
10も離れているから。
いやだと言っても思う通りにするのであろう?
これらは全てエゴだ。
そのエゴを見透かしたはやては一言、
「いやなのか?」
「いやならいやと言え」
と、おりんがどうしたいのかを聞く。
このシーンだけでもはやてはいい男だと思った。
この視点25年も前に由佳さんは着眼している。
益々由佳姉さんが好きになった。
ただひとつだけ。
ラストの終わり方はあれで良いのか??と思っていたら、これはおいしいコーヒーシリーズのスピンオフなんだね。
あとがきで由佳さんはこう書いてます。
「読んでくださる方たちに、読んだことを後悔させない小説を書き続けたい」
他の作品も、追います!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ解説を書かれているのが小手鞠るいさんなのが、まず最高。
冒頭で小手鞠の花が出てくるところも伏線のようで嬉しい。
小手鞠さん同様、私もこの小説を読んで初めてわかった。
私も恋愛体質である。
でも、人生を幸せに生きるために、それっていいことなんじゃないかなとも思う。
ハナちゃんがちはるちゃん夫婦と合う席に同席するシーン。
そしてそれをちはるちゃんが望んでいる事実。
これらを含めたラストシーンは夢のようだった。
でも、可能性は0じゃないということも教えてくれた。
ずっと持っていたい一冊。
”一緒に過ごせるのはあと数時間。でも離れてもこの関係が終わるわけじゃない。終わらせないと感じるしその努力もするであろう自分を感じられる。こんなことは初めてだ。この感情をなんという名前で呼べばいいのかわからない”
”せっかく今を一緒に過ごしているのに、また離れなくてはいけなくなることばかりを考えて、悲しさや寂しさを先回りして感じてもなにも意味はない”
”人は、その時の精いっぱいで行き、流れ流されて何処かへ辿り着く。流れ着いた先で日々を愛おしく思えるなら、それを幸せと呼ぶのだろう”
”人生にはとっておきなんてない。毎日がとっておきなのだから”
”あなたは余命1ヶ月と宣告されました。最後の日々を誰と過ごしたいですか?”
”誰にされても不快だった「頭ぽんぽん」がトキヲにされると心地いい”
”台所と風呂とトイレの掃除にはクエン酸とハッカ油を少し加えると水垢も落ちて香りもいい”
”過去を美化し過ぎて、自分を責めて後悔するのはあかん”
”自分のことすら好きでいられなかったら、人生を愛おしみ、日々の生活に花を飾ろうとも思えないだろう”
”お互いの記憶の一つ一つが二人を繋ぐ物語になる” -
Posted by ブクログ
♪男と女の間には~、深くて暗い川がある~
どんなに親しくなっても、やっぱり分かり合えるのは難しい。
久々の、長編もの。
久々の、村山由佳さん。
揺れ動く女性の心のうちを書かせたら、さすがだ!
不倫に疲れて、傷ついた心の隙間に入り込んだ孝之。
ごく普通の夫の姿だ。
姉さん女房に、甘えと、嫉妬がドロドロにつまっていた。
妻にマウントを取りたい男のプライドがマックス!
マイホームが夫の仕事場である場合、
妻としては、ゆっくりできる空間ではない。
定年退職親父が一日家にいるのと大差ない。
バリキャリの涼子なら、もっと早く決断しても良かったのでは?
「でっかい決断っていうものはな、
慣れた場所にいたんじゃ
いつまでたってもできねえもんなのよ」
矢島の言う通り!
結婚、仕事、子育て、
女性が抱える問題は、いつの時代もたくさんある。
涼子のように仕事を生きがいにしていても、
病気や老いや、先々の不安はつきもの。
支えあう友人や仲間が必要だ。 -
Posted by ブクログ
ざくざく刺さって痛かった。手元に置くために買おうか、ちょっと迷っている。
「成長期に着ていた、とても好きな服」の例えがつらかった。
大好きで、似合っていて、心が安らぎ昂ぶりももたらしてくれる、最愛の服。でもからだが大きくなって、着られなくなってしまった。でも大好きなのだ。大切にしまって、掌で優しく撫でたりする。そうすると癒されるし、なくてはならないものだと感じる…でももう、着ることはできない。骨格が違ってしまっているのだから。
それは人に対してもそうだとしても、自分のガワについても言えること。私はこれまでの「ガワ」をどうしても捨てられない。もう私の姿には合わないモノになってしまったけれど、それに縋ってしまう。元々志澤が例えていた、人間関係もそう。そちらはもちろん自分のガワよりももっと捨てがたい…。大好きなのだから。
ああー苦しい!苦しい!!!
☆5なのは「もう忘れられない」から。 -
Posted by ブクログ
再読
とにかく、モロッコの風景描写が素敵。
フェズの旧市街、マラケシュの市場、サハラ砂漠…まるで自分も一緒に旅しているような気分になる。
写真や映像以上に、文字だけで匂いや光、その場の空気感までもが頭の中に広がる。
ミントティー、ヘンナの刺青、ファティマの手…現地で見てみたいな。
風景描写もだけど、心理描写もとても繊細。
周の遺言で、サハラに遺灰をまく旅に出る4人。
弔いの旅の中で、彼らがそれぞれ大切な人への想い、自分自身の内側を見つめ直していく。
姿のない周が、彼らに寄り添う。
切なく悲しい旅のはずなのに、どことなく穏やかで優しさを感じる。
ラストまで読んで、タイトルに納得。
目に浮かぶような鮮やかな風景と、目には見えない心の動きのコントラスト。
両方を存分に味わえる、極上の小説。