村山由佳のレビュー一覧

  • 翼 cry for the moon

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    素晴らしい!話の展開がとても大胆かつスムーズで、のめり込んで読んでしまった。
    村山由佳さんの書くお話は、辛い境遇で育った人がよく出てきますが、このお話もそう。で、過去の自分とどう折り合いをつけて未来に向かって進んでいくのか。そういうところを丁寧に丁寧に流れるように描写してあるから、感情移入しやすいのかな。
    これ、ハリウッドの映画になってもおかしくない。

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    2024年02月07日
  • もう一度デジャ・ヴ

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    ネタバレ

    序盤から、由佳姉さんはとてもスピリチュアルな方なのではないかと思った。
    そしてあとがきを読んで確信した。
    しかもこの文庫本が発行されたのは1998年。
    今よりもずっと前世についての知識は浸透してなかったはず。
    とても興味深く読み、そして楽しめた。

    “真に愛した男と一夜を過ごすことが、人の道にはずれたことだとはどうしても思えなかった。人の道に外れるとは、夫がしていることを言うのだ。”

    おりんがはやてと関係を結ぶことを頑なに拒むシーン。
    若くないから。
    10も離れているから。
    いやだと言っても思う通りにするのであろう?
    これらは全てエゴだ。
    そのエゴを見透かしたはやては一言、
    「いやなのか?」
    「いやならいやと言え」
    と、おりんがどうしたいのかを聞く。
    このシーンだけでもはやてはいい男だと思った。
    この視点25年も前に由佳さんは着眼している。
    益々由佳姉さんが好きになった。

    ただひとつだけ。
    ラストの終わり方はあれで良いのか??と思っていたら、これはおいしいコーヒーシリーズのスピンオフなんだね。

    あとがきで由佳さんはこう書いてます。
    「読んでくださる方たちに、読んだことを後悔させない小説を書き続けたい」
    他の作品も、追います!!

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    2024年01月29日
  • 【新装版】BAD KIDS

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    新装版ということで、これは再読しなければ!と思い読みました。高校生の頃読んだ時より、今読んだ方が第1章がセンセーショナルに感じました。青春小説という言葉は不似合いな感じがします。

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    2024年01月26日
  • はつ恋

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    ネタバレ

    解説を書かれているのが小手鞠るいさんなのが、まず最高。
    冒頭で小手鞠の花が出てくるところも伏線のようで嬉しい。
    小手鞠さん同様、私もこの小説を読んで初めてわかった。
    私も恋愛体質である。
    でも、人生を幸せに生きるために、それっていいことなんじゃないかなとも思う。

    ハナちゃんがちはるちゃん夫婦と合う席に同席するシーン。
    そしてそれをちはるちゃんが望んでいる事実。
    これらを含めたラストシーンは夢のようだった。
    でも、可能性は0じゃないということも教えてくれた。
    ずっと持っていたい一冊。

    ”一緒に過ごせるのはあと数時間。でも離れてもこの関係が終わるわけじゃない。終わらせないと感じるしその努力もするであろう自分を感じられる。こんなことは初めてだ。この感情をなんという名前で呼べばいいのかわからない”

    ”せっかく今を一緒に過ごしているのに、また離れなくてはいけなくなることばかりを考えて、悲しさや寂しさを先回りして感じてもなにも意味はない”

    ”人は、その時の精いっぱいで行き、流れ流されて何処かへ辿り着く。流れ着いた先で日々を愛おしく思えるなら、それを幸せと呼ぶのだろう”

    ”人生にはとっておきなんてない。毎日がとっておきなのだから”

    ”あなたは余命1ヶ月と宣告されました。最後の日々を誰と過ごしたいですか?”

    ”誰にされても不快だった「頭ぽんぽん」がトキヲにされると心地いい”

    ”台所と風呂とトイレの掃除にはクエン酸とハッカ油を少し加えると水垢も落ちて香りもいい”

    ”過去を美化し過ぎて、自分を責めて後悔するのはあかん”

    ”自分のことすら好きでいられなかったら、人生を愛おしみ、日々の生活に花を飾ろうとも思えないだろう”

    ”お互いの記憶の一つ一つが二人を繋ぐ物語になる”

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    2024年01月24日
  • てのひらの未来 おいしいコーヒーのいれ方 Second Season:アナザーストーリー

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    アナザーストーリーっていいですよね。
    主人公目線でしか見れなかった出来事を、また別の人の視点で見ると全然違うものに見えてきたりして。

    悲しい出来事の中心にいた勝利の気持ちは苦しくなるほど見てきたので、周りの人がどう感じていたのか、どうしてあの場にいたのかとか、その真相がわかって、ほっとしたというかぐっときました。
    たくさんの人に愛されている勝利は幸せ者ですね。

    最終巻のその後のエピソードもあってうれしかったです。

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    2024年01月14日
  • ミルク・アンド・ハニー

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    ダブルファンタジーも好きだったけど、続編は更に好きです。ここまで克明に夫婦のやり取りを描かれるってないと思うんだ。だから夫婦のことはわからない、って言われるのだと思うのだけど。究極のコミュニケーション小説。

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    2024年01月14日
  • 記憶の歳時記

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    小説は然る事ながら、エッセイも読ませる村山由佳先生。豊かな語彙力、柔軟な表現力が共感を呼ぶ。12の季節に合わせ、来し方を語り、可愛い愛猫の写真もいい。掌編小説『我が家の言いぶん』が優しく胸に響く。

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    2024年01月04日
  • Row&Row

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    ♪男と女の間には~、深くて暗い川がある~

    どんなに親しくなっても、やっぱり分かり合えるのは難しい。

    久々の、長編もの。
    久々の、村山由佳さん。

    揺れ動く女性の心のうちを書かせたら、さすがだ!

    不倫に疲れて、傷ついた心の隙間に入り込んだ孝之。
    ごく普通の夫の姿だ。
    姉さん女房に、甘えと、嫉妬がドロドロにつまっていた。
    妻にマウントを取りたい男のプライドがマックス!

    マイホームが夫の仕事場である場合、
    妻としては、ゆっくりできる空間ではない。
    定年退職親父が一日家にいるのと大差ない。

    バリキャリの涼子なら、もっと早く決断しても良かったのでは?
    「でっかい決断っていうものはな、
    慣れた場所にいたんじゃ
    いつまでたってもできねえもんなのよ」
    矢島の言う通り!

    結婚、仕事、子育て、
    女性が抱える問題は、いつの時代もたくさんある。
    涼子のように仕事を生きがいにしていても、
    病気や老いや、先々の不安はつきもの。
    支えあう友人や仲間が必要だ。

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    2023年12月30日
  • 聞きたい言葉 おいしいコーヒーのいれ方 IX

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    12月にこの物語を読み進めており、作中もちょうどクリスマス真っ只中で世界観に没入しやすかった。
    実際に思っていてもいざ相手に伝えるのって勇気が必要だけど言葉にする事で初めてお互い一歩前に進める事って必ずあるんだなと感じさせられた。もちろんそれが悪い方に転ぶこともあるけど自分でボールを持ち続けるのってやっぱり辛いし耐えきれなくなるからお互い受け止めて合える関係づくりって大事だよね!でも実際それが難しくて苦労するのですが、

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    2023年12月13日
  • 風よ あらしよ 下

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    ネタバレ

    私と伊藤野枝を出会わせてくれたこの原作本に感謝。
    最期に見たのか見てないのかわからないけど、井戸の中からの風景が描かれているのがなんとも印象的です。

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    2023年10月19日
  • 風よ あらしよ 上

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    2022年にNHKでドラマ化されたのを観てからすっかり伊藤野枝にハマってしまった一人の女です。笑
    上巻はここで終わるんですね。。。
    なんともヒリヒリしたところで区切られて即座に下巻に手を伸ばしました。

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    2023年10月19日
  • 夢のあとさき おいしいコーヒーのいれ方 X

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    主人公が陸上部で年上の介護士の彼女と両思いで遠距離恋愛、各々要素はバラバラのタイミングだったもののどれも私の境遇に当てはまっており物語に没頭してしまった。自分自身を彼に置き換え、その行動や心情に共感の嵐であった。このような作品に出会ったのはまさに奇跡だろう。このような作品と出会えるのがまさに読書の醍醐味だと感じた。

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    2023年09月09日
  • 天使の卵 エンジェルス・エッグ

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    個人的に、読んだタイミングが良かった。
    人との繋がりが絶たれたタイミングで読んだ。
    人との繋がりが絶たれるという事実が描かれていた。
    胸が痛くなるような、ただただ俯瞰で眺めてしまうような、そんな話だった。

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    2023年09月08日
  • ダブル・ファンタジー(上)

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    ざくざく刺さって痛かった。手元に置くために買おうか、ちょっと迷っている。

    「成長期に着ていた、とても好きな服」の例えがつらかった。
    大好きで、似合っていて、心が安らぎ昂ぶりももたらしてくれる、最愛の服。でもからだが大きくなって、着られなくなってしまった。でも大好きなのだ。大切にしまって、掌で優しく撫でたりする。そうすると癒されるし、なくてはならないものだと感じる…でももう、着ることはできない。骨格が違ってしまっているのだから。
    それは人に対してもそうだとしても、自分のガワについても言えること。私はこれまでの「ガワ」をどうしても捨てられない。もう私の姿には合わないモノになってしまったけれど、それに縋ってしまう。元々志澤が例えていた、人間関係もそう。そちらはもちろん自分のガワよりももっと捨てがたい…。大好きなのだから。

    ああー苦しい!苦しい!!!
    ☆5なのは「もう忘れられない」から。

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    2023年08月25日
  • 遥かなる水の音

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    再読
    とにかく、モロッコの風景描写が素敵。
    フェズの旧市街、マラケシュの市場、サハラ砂漠…まるで自分も一緒に旅しているような気分になる。
    写真や映像以上に、文字だけで匂いや光、その場の空気感までもが頭の中に広がる。
    ミントティー、ヘンナの刺青、ファティマの手…現地で見てみたいな。

    風景描写もだけど、心理描写もとても繊細。
    周の遺言で、サハラに遺灰をまく旅に出る4人。
    弔いの旅の中で、彼らがそれぞれ大切な人への想い、自分自身の内側を見つめ直していく。
    姿のない周が、彼らに寄り添う。
    切なく悲しい旅のはずなのに、どことなく穏やかで優しさを感じる。
    ラストまで読んで、タイトルに納得。

    目に浮かぶような鮮やかな風景と、目には見えない心の動きのコントラスト。
    両方を存分に味わえる、極上の小説。

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    2023年08月23日
  • ありふれた愛じゃない

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    再読
    もしも、こんな人生を選んでいたら・・・と想像してしまうような、ロマンチックな物語。
    とはいえ、現実はそう甘くない。リスクや不安から過去のようなことを繰り返し、自分の選択を後悔すしそう。だからこそ、小説で疑似体験に浸るのが心地いいのかもしれない。
    魅力的ではあるが、それぞれどこか欠けている男性たちと、強くてしなやかに自分を生きる女性たち。
    匂いたつように鮮やかなタヒチの風景。

    日常を離れ現実逃避して、あったかもしれない人生を夢想して、夏になると読みたくなる。
    そして、タヒチに行きたくなる。

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    2023年08月11日
  • ミルク・アンド・ハニー

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    前作以上に赤裸々で、村山先生の、書かずにはいられない表現者としての矜持(?)と覚悟を感じます。ラストの◯◯と◯◯で「ミルク・アンド・ハニー」というのが最高。
    続編はあるのでしょうか。期待してます。タイトルは「メンローブ・アベニュー」でしょうか?

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    2023年07月23日
  • 風よ あらしよ 下

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    彼女らの思想を受け入れられない人がいるのはしょうがないと思う。考え方を強制するものでは無いと思うから。嫌いな人がいるのもしょうがない。万人に好かれる人などいるわけがない。でも命を奪うのは違う。話せばわかる、とは言い切れない面があるとは思うけれど、やっぱり命を奪ってはいけないと思う。

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    2023年07月16日
  • 風よ あらしよ 下

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    伊藤野枝、大杉栄、その他の二人に関わる登場人物が、まるで目の前に迫ってくるように、生き生きと描かれていた。映像で迫ってくる感じがした。

    「自由恋愛」が描かれている場面は、信じられない気持ちになった。

    野枝が虐殺されるときの描写は、身に迫るものがあった。

    作者の力量、ハンパない!

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    2023年07月15日
  • La Vie en Rose ラヴィアンローズ

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    モラハラの話。怖かった。
    私も咲季子のような考え方に陥りやすいタイプだから、正直人ごととは思えなかった。上からの目線にはことごとく弱い私。
    自分の足で立って物を考え、「私」を見失わないように。でないと自らモラハラ地獄に堕ちてしまいそうだ。ま、実際には、道彦のようなヤバい奴はいないので、大丈夫…かな?

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    2023年07月05日