村山由佳のレビュー一覧
-
購入済み
天使が導いた奇跡
主人公が父親を見て言うように、この話も
神経質になりすぎないところが良いのでしょう。
以下、気が付いたことを書きます。
〇初めの出会いのシーンには、後でわかることが
隠れている。その時のヒロインが
どういう気持ちだったかということだ。
また、巻頭からオマージュが見え隠れし始める。
1.引用されているマーローと同じころの、
あの有名な劇作家の奥さんは8歳上だった。
2.主人公たちは待っていたのか?「ゴドー」を。
3.主人公がずぶぬれになって会いに来る場面。
マーローの『ヒーローとリアンダー』を思わせる。
もしかして、「鮎太」でもある?
そういえば魚の絵が大事にされている。
〇主人公たちの周りに起きる大人や同世代の人の動きは、
彼らの生死や性の問題と平行したり、対照されたりし、
野卑なものさえ単に全面的に避けるべきものでもない。
〇主人公は過度の神経質を避け、助言や自らの向上心で
そして、良いものも悪いものも含めてやや多い偶然
にも助けられて一筋の道を歩む。
それは、平凡で厳しい現実をかいくぐるようにして
彼らのためだけに、天使が用意した道だったようだ。
〇「卵」とは象徴的な題名だ。
ヒロインをモデルにしたクロッキーは、もっと本質を
捉えた「ほんもの」を産み出さずに終わるのか? -
Posted by ブクログ
まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝えることの困難も、改めて実感。自分も不断の努力を続けることにしか、それに対する答えはないですわな。